131 SACRED JUSTICE ―闇の正義と光の祝福―
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ぐぁ……、トんだハズレくじ引かされたぜ…。
[想定以上の重力に体が軋む、骨が砕ける音が聞こえる。 しんぞうが押し潰されそうになる…。]
一番最初の任務ってのは…もっと、優しい難易度のものを…頼むもんだろうが…。 よりも、よって…こんな…化物の相手を……させやがって…。
[銃剣が重い、銃剣の下敷きになった掌の骨が粉々に砕けるのが分かる。 痛みが酷い……ダメージがでかい。
『ダメだこりゃ…死んだな…。』
率直な意見はそれだった…。 せめて道連れに出来れば…とは思ってなんとか視線だけ銃弾の行方を追う…。 思えば、片腕片脚切られたり、こんな化物捕らえてこいと命令されたり…最期はとんでもない日々を送る羽目になったもんだ。]
てめぇ…は…なんで、一人で、こんなところにいんだよ…。
[声も重力に潰されている様な、そんな感覚がした。]
(109) 2014/08/23(Sat) 01時頃
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[異常にかかる重力でレーザー弾もまた、威力と速度が加速度的に上がっている。 大地に落ちれば、まさに隕石の如くだろう。 聖都にも甚大でない被害が出ているに違いない。
だが、そんなことは知ったことではない。]
負ける…わけには…いかないのは……俺だって
[同じなのだ。 自分が死ねば…次は子ども達がまた武器を握ることになるかも知れないのだ。 だから…死ねない…。 なんのために教会に、クラウディアに膝をついて騎士になったのか…。]
【Mode of ………
[銃剣は小さく音を立ててヒビが入る。 モード変換は出来ないかもしれない…。 これが壊れては…もう自分の武器がなくなる…。]
(110) 2014/08/23(Sat) 01時頃
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化物に化物と言われる筋合いは無い……
[重力に潰されて、身体を起こす気力は殆ど無い。 それでも負けたく無いから意地を張る。 子ども達を護るためには自分が死ぬわけにはいかないのだから。]
誘うつもりはない? さっき…連れ添ってた連中が、いただろうが……
本当は…そんな道…選びたく……なかったくせによ…
[レーザーの雨が降り注ぐ… もはや重力も相成って隕石そのものと、否、それ以上の破壊力が降り注いでいる。]
俺は……
(121) 2014/08/23(Sat) 01時半頃
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教会が提唱する天国なんてくそくらえだ…
[それは今も昔も変わっていない。 自分が信じる神など、この世界のどこにもいない。 だから告げられた名前を聞いて、鼻で笑ってやる。]
しらねぇよ、行くなら俺は地獄にしかいかねぇ。 散々悪事を働いて、人を殺して、そうやって生きてきた人間が、どうしてそんなところに行けんだよ? だから、その名前は……自分で行って伝えて来やがれ。
[強引に、銃剣を、ゆっくりと持ち上げる。 真っ直ぐに、その銃口を相手に向けて…]
(122) 2014/08/23(Sat) 01時半頃
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アマト・ガラストロフ… そんな名前なんて二度と呼ばねぇし、覚えてなんかやるもんかよ…。
[13の銃剣の銃口は彼と、王の錫に向けられる。 あれを倒せば…この異様な重力空間からは抜けられる。 そう言う代物だろう。 だからゆっくりと………]
(123) 2014/08/23(Sat) 01時半頃
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あばよ、アマト・ガラストロフ。 レットのスリーサイズ…最期まで教えてやらないで悪かったな。
[口許を歪めたまま…引き金を引いた。
弾丸は王の錫には、確実に当たっただろう。 倒れ、重力が軽くなるのを感じた。 アマトには当たっただろうか?
いずれにせよ、捕らえているかどうかは別として、行動不能状態にしたのは確かだ…。]
(124) 2014/08/23(Sat) 02時頃
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バリンッ………
[弾丸が放たれるのと同時、黒の銃剣、ブラックボルトは粉々に砕け散った。 盾替わりにしたり、荒技連発したり…すでに限界だったのだろう。]
親父の形見…だったんだがな…。
[ふと、懐からクラウディアから受け取ったオーブが零れ落ちた…。 それに触れてみる…そして、そこに問い掛けてみる。]
とんだ任務を命令しやがって…。 化物退治は化物にやらせろ……。
通信機替わりにならねーのか?これ…? 聞こえていたら迎えにこさせるのによ……。
とりあえず…任務完了で…いい、よな……。
[呟きのままぐったりと大の字になる。 ちょっとばかり、休ませて欲しいものだ…。]
(126) 2014/08/23(Sat) 02時頃
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……驚いた。 こんなタイミングで迎えに来るとは…。 こんな格好で失礼します。
[とはいえ、身体は指先一つ動かせないのだ。 それ程まで、身体中の骨は砕けて痛みと共に立ち上がることも出来ない。 例の物を回収した様子を見ながら、ようやく治療を施して貰えれば、ゆっくりと立ち上がる。]
クラウディア様の騎士たるもの、この程度の事こなせないでどうしますか…と、言いたいところですが、こんな化物の相手をするのはこれっきりにして欲しい。
[そう言って砕けた銃剣を拾い上げて、何かを思ってじっと見つめた。]
あぁ、戻りましょうか…。
[そう告げて転移の魔法陣にその身を委ねて。]
(149) 2014/08/23(Sat) 10時半頃
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―賢者の塔― [戻って来て子ども達の顔を見て、少しだけホッとした。 とりあえず好きにしていい…そう指示を出すクラウディアを見つめれば、アマトも一緒に連れて来た事を疑問にし…。]
今回は運良く勝てただけだ。 何をするつもりかは知らないが…トドメを刺しておかないと貴女の身を案じる仕事が増えてしまうんだが…?
[そう問い掛けても、返答は帰って来なかった。 そのまま私室に向かう様子に小さく溜息を漏らした。]
俺はお前の騎士だと言った…お前の命令じゃないなら、お前のそばを離れないよ。
[背中にそんな言葉を投げ掛けて、彼女を見送った。]
(150) 2014/08/23(Sat) 10時半頃
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[それから、部屋の片隅のテーブルに砕けた銃剣を置いた。 じっと見つめるが、修復が出来るとは思えない。]
肉親とは言え、魔力質というのが違うのに、強引に魔力を送り過ぎたな……。 あのバカみたいな重力もあって限界だったのだろうな…。 おやすみ…ブラックボルト……。
[さて、彼女の騎士たるもの、このままでは役立たずだ。 銃剣抜きではマトモに戦える気がしない。 いや、剣術は並の騎士に負けることはまず無いだろうし、銃の腕前だってどんな狙撃手にだって負けることは無い。 しかし……]
ここ最近会ったような連中と戦うなら…銃剣抜きでは次はおとなしく死ぬしかないな。 無尽蔵の魔力量……といっても魔法は使えんしなぁ。
[そんな独り言を楽しそうに聞く子ども達に気が付けば、小さく溜息を漏らして。]
すまない…疲れているから、少し休ませてくれるか?
[そう言って全員の頭を撫でて、ベッドに倒れこんだ。]
(151) 2014/08/23(Sat) 10時半頃
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いずれにせよ…武器はどうにかしなければならないな…。
銃剣じゃなくても…剣だけでもいいから適当に…。
[天井を見つめながら、さてどうしようか、と…**]
(152) 2014/08/23(Sat) 10時半頃
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[しばらくしてから起き上がる。 疲れは多少取れたようだが、まだまだ疲労は癒えていない。 部屋の外に出て、研究員らしき人物に声をかけて捕まえる。]
この塔、防御結界のようなものがあったな? あれは魔力を注ぎ込んで組み上げるようなものなのか?
[そうだと答える研究員の顔を見て、塔の外に視線を送る。]
魔力を注ぎ込めば、その分結界の力は強くなるのか? 臨海点とかは?相対的な魔力量で変わるのか?
[矢継ぎ早に問い掛ければ、既にクラウディアが魔力を籠めて結界は充分だと答えられた。 が、まだ固める事は理論上可能らしい。 最も、これ以上手厚くするために注ぎ込む魔力量は莫大な量が必要らしいが…。]
…そうか、その魔力を籠める場所に案内しろ。 別に特別な魔法が使えなくても、純粋に魔力を注ぎ込めばいいのだろう?
[戦闘の後にそんな魔力が残っているわけないとか、軽く笑われたが、いいから連れて行け。と、睨みを効かせれば、大人しく案内される。]
(162) 2014/08/23(Sat) 16時半頃
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[案内された先に辿り着けば、結界を作る機械らしきものを見せられて、そこに手を触れた。]
ここから魔力を注ぎ込めばいいのか?
[一息、間を置いた後に自分の中の魔力を注ぎ込み始める。 枯れることの無い魔力の泉、そんな風に言われた事がある。 銃剣を全開で使う程度の魔力を注ぎ込めば、結界はみるみるとその層を厚くしていって……。]
……ここには子ども達がいるんだ。 多少の事で崩れられたら堪らんからな。
[充分だろう。そう感じて魔力を注ぎ込むのをやめる頃には、賢者の塔の結界は幾層にも結界が重ねられた強固な護りを生み出していた。 その様子はクラウディア達にも気付かれるだろう。]
臨界点は無い…とか言ってたな? この倍程注ぎ込んだらこの機械…ぶっ壊れるぞ?
[あっさりとそんな事を告げて、暫く塔の中を歩き回る事にした。 クラウディアに会って次の命令でも受けて来ようかと、そんな事を考えながら…。 残された研究員達のざわめきにはまるで興味なさそうに…。]
(163) 2014/08/23(Sat) 17時頃
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―賢者の塔・クラウディア私室前― [扉の横、壁に背を預けながら中の会話に耳を貸していた。 会話を聞きながら、少しばかり複雑な表情を浮かべて腕を組む。]
…………
[特段何かを口にすることはない。 意見を言うつもりはあるが、彼のいる中に入って口出すつもりはとりあえず無い。 研究員に聞いて、武器庫を覗いてある程度魔力を貯蓄するような武器は見せてもらったが、そのどれも目に止まることはなく、またその全てを結果的に破壊する事になった。
仕方なしに何の変哲もない鋼の剣を一つ預かり、それを腰に差していた。]
やれやれ…。
[正気の沙汰とは思えない、というのが実際の本音ではある。]
(205) 2014/08/23(Sat) 21時半頃
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[扉が開かれて出てきたアマトの姿に、一度だけ視線を向ける。 殺し合いになるとは思っていない。 何が行われたのか、それは十分に理解しているからだ。
用事か?という問いには何も答えず視線を伏せた。 そうして立ち去ろうとした背中に、視線を上げることなく言葉を投げかける。]
お前は、本当にそれでいいのか? 今のお前が、本当にお前自身なのか?
[ただそれだけ、その言葉が届いたかどうかは分からない。 たとえ届いたとしてもきっと今の彼にはその真意はわからないだろう。 教団憎し、という心は未だに変わっていないのだ。 自分が教団に牙を向けることがなくなっただけで…。]
……――――。
[これで私室には彼女一人だろう。 一度だけ扉に視線を向ける。 どうせここにいるのは相手は気付いているのだろうから。]
(212) 2014/08/23(Sat) 22時頃
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[次いで出てきたクラウディアに視線を向ける。 壁からは離れて、それでもふてぶてしく声をかける。]
クラウディア様の洗脳がどれ程の物かは理解している。 だが、何がきっかけで洗脳が解けるかなど分からないぞ? そうして、洗脳が解けた時、もう一度アレと戦えば、銃剣を失った俺では100%勝てない…。 …つまり、お前を護ることなど出来ない。
[彼にトドメを刺さなかったことを暗に追求するように…。]
お前の騎士が俺一人では不満か?
(214) 2014/08/23(Sat) 22時頃
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…そうか、何かあった時は自分で対処するっていうなら言うことはないが…。
[それでも不満な表情は全く崩していない。]
それでもあれは強敵だぞ…。 ……別にお前の心配をしているわけではなく、お前が死んだら困るんだよ。
[そう言って視線を一度だけ逸らす。]
あぁ、そうだ、確かにここにはいい武器が大量にあった…が、俺が扱えるようなタイプの武器は無かったな…。
[護衛はいらない、そう告げる彼女に一度だけ溜息を漏らした。]
早く力を……ね…、当てがないわけではないんだが…。 フラウティアにあった物をどうしたんだ? 特にフラウティア王の所持品…心当たりがあれば教えて欲しい。
[自分の記憶と勘が正しければ、おそらくそこに自分の武器があるはずだと…。]
(224) 2014/08/23(Sat) 22時半頃
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―幕間・過去の記憶― [それは騎士団に入る事が決まった前日だった。]
明日…?陛下の謁見室に? 俺、何かまずいことしたっけ、父さん?
[明日の朝、謁見室に顔を出すようにと、陛下に指示されたと父に伝えられた。]
『何を言っているんだ。 明日はお前の誕生日、そしてお前がフラウティア王国騎士団に入団する日でもある。 陛下は次期クロード家の当主、つまり次期騎士団長となるお前に誕生日兼入団プレゼントを用意してくれているそうだ。 それが何かは秘密だが…騎士団員としてありがたく頂戴してこい。』
[首を傾げる。プレゼント…一体それがなんなのかは分からない。 だが、いずれにせよ、入団式もあることを考えればいずれにせよ謁見室にいく必要はある。 ただ、それが他の騎士団員よりも少し早いというだけで…。]
わかったよ、父さん。 陛下がわざわざ俺にプレゼントだっていうんだ。 ありがたく頂戴して、この国のために働くさ。
(231) 2014/08/23(Sat) 22時半頃
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[しかし、その約束は果たされることは無かった…。 その日の夜、フラウティアは戦火にまみれ、一夜にして王国は滅びの道を辿った。 陛下から受け取るはずだったプレゼントとやらは、結局貰うことなく。]
父さん!俺も騎士団員なんだ!一緒に戦う!!
『バカを言うな!お前はまだ騎士団員ではない! それでも騎士としての役目を全うしたいというのなら…。』
[父が指差したのは小さな子ども達や、身体を震わせる一般人達。 王国の騎士としての、国民を守れ、暗にそう告げるようではあった。 だが、本音は違うのだろう。 自分の子どもを死なせたくない父親が、体のいい逃がす理由を作ったに過ぎないんだ。]
『これを持っていけ。未来を…頼んだぞ。』
[父から、後に父の形見となってしまう銃剣ブラックボルトを受け取ったのはその時だった。 そうして結局、自分に出来ることは、僅かに残った子ども達を護るために戦いながら、逃亡することが精一杯だった。]
―幕間・了―
(235) 2014/08/23(Sat) 22時半頃
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―現在・賢者の塔クラウディアの私室前― [過去の記憶が一瞬に過って思い出す。 あの時は分からなかったが、今なら何と無くわかる。 その前にも、陛下の命令で自分の魔力質や魔力量、手の形などを真剣に見ている人がいた。]
旧王城……分かった。 それならまずはそこに行ってみるとしよう…。
心配せずとも…お前の騎士に相応しい力を取り戻して来る…。 きっと取り戻せるはずだ…。
[探すべきは銃剣。 他の誰でもない。世界で唯一人、たった一つ。 もう二度と手に入ることはないであろう最後の銃剣。
銘は何というのだろうか? どんな力があるのだろうか? どれだけ効率良く使いこなすことが出来るのだろうか?
今はただ、その勘が正しいと信じるだけで…。]
(240) 2014/08/23(Sat) 22時半頃
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―旧王城前― [人の気配が多い…。 アマトと異なり自分がクラウディアの騎士である事を証明する物はない。 であれば、中を探索する方法は…]
皆殺しにして強行突破……と、銃剣があればそうするんだが…。 今回はその銃剣を探しに来たわけだしな…。 それに、戦闘をする必要性は全く無い。 ただの探し物だ…よって、選択肢は……
[そう呟いて、魔力を貯めた左手を掲げて小さく唱える。]
ブラックカーテン。
[存在、気配、そういった物を完全に消し去る魔法。 暗殺者の自分にとっては最も重要な魔法だ。 今回はこれで十分だ。]
(250) 2014/08/23(Sat) 23時頃
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―旧王城・地下の宝物庫― [内部を探している途中でアマトを見かけた。 いつかあった少女も一緒だった。 そして、自分の腕と脚を斬り落としたあの男も…。
何かをやっている様子は見えていたが、自分には興味もなければ影響も無いこと。 むしろあの場に姿を現しても場違いであることだけは理解できた。]
何かあるとしたら地下…だと思ったんだが……
[宝物庫は流石に鍵がかけられていたが、鋼の剣でも充分こじ開けることができた。 ……宝物庫としてはいかがなものなんだろうか?
クラウディアが言っていたとおり、フラウティア王国にあったらしきものが多数存在していた。 最も星の冠までは見つからなかったが……。 今優先して探すべきはそれではない。]
(290) 2014/08/24(Sun) 00時頃
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この箱……?
[そうして見つけたのは、50cm四方の中型の箱。 中を開けたいが鍵がかかっている。]
こじ開けられないか…或いは鍵でも落ちていないのか?
[そう思って辺りを見回したが、鍵らしき物はない。 仕方なくこじ開けようとして、もう一度箱を見るものの、そこに鍵穴はない。 代わりに魔力を注ぎ込む様な口が着いていて…。]
……これだ…。
[なぜか直感でそう感じた。 中から何か声が聞こえる気がする…。 開けて欲しいと、その手に担って欲しいと…。
そう、これが、自分仕様の銃剣であると言いた気に、その存在を知らしめる様に…。]
(291) 2014/08/24(Sun) 00時頃
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[箱の口に手を触れる。 そうしてゆっくりと魔力を注ぎ込めば、すぐ様その鍵は解除されて…。]
開いた…。
[緊張しながらゆっくりと、蓋を、静かに、開ける。 それらしい物は他にはない。 あるとしたら、きっとこれだ…。 迷いはするものの、しかしそれでも着実に蓋を開いた…。]
(292) 2014/08/24(Sun) 00時頃
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銃剣……インフィニティッドスター…。
[開いて目に入った瞬間、その銃剣の名前が脳内に響いてきた。 枯れない泉の魔力を持つと言われた自分の為に作られた銃剣。
その色は、父と同じ漆黒ではなく、鈍く光る鋼色。 鋼鉄ではない…金属は一体なんだろうか? ただ、並々ならぬ頑丈さと、魔力転換効率を感じる。]
陛下は…これ程のものを俺に……。
[それだけ自分は期待されていたと言うことだ。 しかし、それだけ期待されていた自分は、今、祖国を滅ぼした教団の枢機卿の部下に成り下がっている。]
陛下…お許し下さい…私の愚かな選択を…。 全て終わった時、地獄でいかなる苦行も受け入れましょう。
だから今は……子ども達を、未来を、自分の正義を貫く為にこれを使うことを…お許し下さい…。
[箱を地面に置いて、そうしてその場で膝を折り、肩を震わせる。]
(293) 2014/08/24(Sun) 00時半頃
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[陛下も、父も、きっと許してはくれないだろう。 それでも守らなければならないものがあるのだ…。]
これを…使わせていただきます……。 いつかきっと…フラウティアを取り戻してみせます…。
ですから、今は度重なる無礼を、どうかお許し下さい。
[騎士として、そう誓いを立て直し、ようやくその銃剣を手にとって握り締める……。
同時、魔力を注入してもいないのに、急激にその銃剣に魔力が貯蓄され始めて、銃剣の周囲に魔法陣が展開されて行く。]
な、なんだこれは…!?
(294) 2014/08/24(Sun) 00時半頃
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『system all green 所有者の魔力属性を再確認。 認識を行います。 使用者、ドナルド・クロード、魔力質・確認。 魔力量・確認。 魔力転換装置起動、使用可能モードを再構築いたします。
初期設定、スタートレベル2、現在想定外の起動調整能力を再確認致しました。
―――使用可能モードの再構築を完了致しました。 制限ALL Clear 使用可能モードは次の通りです。』
[自動発動した銃剣がシステム音と共に、自らの身体を確認する様に調べ上げて行く…。]
(297) 2014/08/24(Sun) 00時半頃
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『使用可能モード GunMode、BladeMode、Mode Knight of the Round、Mode catastrophe、Mode World of End…… 以上、5タイプのモード変換が使用可能です。』
待て待て。 ちょっと物騒な名称のモードがあったぞ!? 俺の知らない…第五のモード変化があるって言うのか?
[自分の為だけに作られたモードなのかもしれない。 少なくとも、父の銃剣には備わっていなかった機能だ。]
『以上、初期設定を完了致します。』
[そう言って銃剣からのシステム音は消えた。 軽く魔力を注いでみるが、なるほど、異常なまでにスムーズに魔力転換が行われている。 早撃ちするためのタイムラグが短縮されそうだ。 しかも、握っているだけで相当量の魔力が吸収される。 その魔力が漏れるようなことも無い。
つまり、予め相当量の魔力を充電しておくことが出来ると言うことだ。]
(310) 2014/08/24(Sun) 00時半頃
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こいつはまさに、俺仕様の銃剣だ。 持っているだけで魔力が消費される…魔力に制限があれば使い勝手が悪すぎるからな。
[そう呟いて銃剣を腰に差す。 腰に差しても魔力を吸収することを辞めることは無い。 おそらく、バッテリーのようなもので、限度いっぱいになったら流石に止まるだろう。
そのバッテリー容量も充分ありそうだ。 想定以上に充分すぎるほどの戦力補充になった。]
これからよろしく頼むな。相棒…。
[そう言って銃剣を軽く指ではじいた。]
(311) 2014/08/24(Sun) 00時半頃
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さて、行こうか。 俺は俺の仕事が残っているだろうからな…。
[ブラックカーテンの起動はいつのまにか途切れていた。 先ほどの異常な魔力充填行為を攻撃行動と見なしたのだろう。 しかし、それに気がつかぬまま銃剣と共に旧王城の階段を登る。 内部で見つけたのは、まだそこにいたアマト達の姿。
視線だけ投げて、先ほどと同じように気がつかれてはいないだろうとたかをくくって、その場を離れるつもりで…。**]
(316) 2014/08/24(Sun) 01時頃
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