278 冷たい校舎村8
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[ 息ができないくらいに苦しかった。 ]
(14) 2020/06/16(Tue) 00時半頃
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[ 前がよくみえない、汗がしたたるから。 どすどすと響く、廊下を踏みしめる音。 うるさいなあ、って自分ながらに思う。 お揃いでむすんでいたポニーテイルは、 もうぐちゃぐちゃに崩れてる。
まって、どうしたの、なにがあったの、 遠くて聞こえる、何かの壊れる音。>>1:1165 わかんない、わかんないなあ。 ]
(15) 2020/06/16(Tue) 00時半頃
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───まなちゃん、なっちゃん、は?
[ 家庭科室に残されているのは、 割れたお皿と零れたシチュー。
そして、心乃が体育館にたどり着いたのは 夜の学校に不似合いなチャイムが鳴った少し後。
扉の前で、座り込む友人を見つける。>>1:1173 乱れる呼吸を整えながら、ゆっくりとちかづいて、 そうして、 ]
(16) 2020/06/16(Tue) 00時半頃
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……なあに、これ
[ まなちゃんの座り込む先、 床にある何か≠おろしていた。 ]
(17) 2020/06/16(Tue) 00時半頃
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[ お揃いのポニーテイル、同じ制服。 この背格好に、見覚えがある。
あたりに散らばる、真っ赤ないろ。 体育館の中に、きょろ と視線を泳がせて すぅ、と息を吸い込んだ。 ]
な、っちゃん?
[ ばくばく、どきどきと脈打つのがわかる。 さっきまで全力疾走してたせいなのか、 それとも、めのまえの状況のせいなのか。
しゃがみこんで、なっちゃんの身体に触れる。 ]
(18) 2020/06/16(Tue) 00時半頃
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[ ごろん、って重く転がった。 ]
ひっ……
[ 真っ赤な液体が、掌を汚す。 よくよくそれをみていると、気づくことがあった。
……ひとではない、なにかだ。
限りなく、なっちゃんの容貌にそっくりだけど なっちゃん自身ではない、マネキン……? ]
(19) 2020/06/16(Tue) 00時半頃
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まなちゃん、
[ 腰を抜かした友人にかける声は、 震えていないといい、と思う。
ちゃんとしている人間らしく、副委員長らしく。 そして、安心を与える側の人間として。 汚れていない方の掌を、 そっとまなちゃんの肩へと伸ばしていた。 ]
大丈夫、これは人形だよ
[ ほほえみを、浮かべれば安心してくれる?** ]
(20) 2020/06/16(Tue) 00時半頃
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[ ───ぬる、としていた。 すこしあたたかさを感じていた。
てのひらについた、赤い色。 どす黒く、色が変化していくのが分かる。 分かっていた。気づいていた。知っていた。
血糊じゃない。 昨年の文化祭、お化け屋敷をやった時。 演出用で触れる機会のあったからわかる。
ケチャップじゃない。 普段から触れているから、わかる。 ]
(288) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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……、
[ その先を、言わせまいと 阿東くんを見て左右に首をふった。>>57
だって、こんなに動揺しているまなちゃんへ もっともっと、不安を煽ることになっちゃう。
だから、私は君が言えない言葉を言おう。>>61 ]
(289) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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大丈夫だよ、まなちゃん ……なっちゃんはどこかにいるよ
[ 声を震わす阿東くんにも、微笑みかける。 そうして、縋るようにくっつくまなちゃんの頭を>>151 そおっと、優しく撫でたなら。
もうひとつ増えた影にも笑いかける。>>96 ]
きたなかくん、これはなっちゃんじゃないよ
[ 阿東くんに同調するように左右に首を振る。>>138>>94 そう、だれも死んでない。大丈夫だよ。 お化け屋敷みたいな、ものだよ。 ]
(290) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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……あ、ほんとう このままじゃ、まなちゃんも汚しちゃうね
[ 薄らとまぶたが開いて、心乃の黒目が覗く。 洗った方がいい、って言葉に。>>159
そうして、教室へ戻るというまなちゃんの背中。 ふらふらしていて、心配だったから、 そばにいるふたりに目配せをする。 でも、それが伝わっていたかわかんないし、 そこにいるふたりも、いつもと違っていた。 ]
(291) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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きをつけてね、まなちゃん
[ いつも、だったらついていっていたけれど 汚れてる私は、ぬちゃと掌から音をさせながら 彼女の背中を見送るしか、できなかった。* ]
(292) 2020/06/16(Tue) 21時半頃
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私、手を洗ってくるね
(301) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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──現在:1階廊下──
[ ……冷たい。 凍ってしまいそうなほどだ。
心乃の身体とは正反対に、 掌に当たる水は、あまりにも冷えている。
体育館前にいる二人へ別れを告げた心乃は、 現在、手洗い場にいた。
じゃー、っと音を立てて流れる水と共に、 掌についている赤は流れていく。 ]
(302) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ 冷たい。 身体は熱いのに、心臓の奥が冷えている。
赤色が消えていくたびに、 死=@というものへの意識は、色濃くなった。* ]
(303) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ 笑う。笑顔。ほほえみ。 ]
(304) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ ─── 愛宮心乃が笑う理由。
愛情から、平和がうまれる。 ほほえみは、愛情をあたえる。
ほんとうに、ほんとうに? ただ、平和をねがうばかりのことだった? ……たのしくなくても笑ってみたり、 くるしくっても笑ってみたり、 まるで、義務のようになってはいなかった? ]
(305) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ あの日、撮影した記念写真。 おそろいのポニーテイルに揃いの衣装。 なっちゃんやせいかちゃん、 まなちゃんにちーちゃん。 女の子たちとは一通り写真を撮って、 あとはクラス委員組でも撮れたかなあ。
打ち上げは、たのしくて。たのしくて。 しあわせだなあ、恵まれてるなあって、 心乃は思っていたし、思ってる。
頬はゆるむ。へにゃへにゃに。 写真の中の心乃は笑っていた。いつも通り。 それはもう、無表情と同じくらい同じ顔で。 ]
(306) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ ───ただ、 ]
(307) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ ふりふりは、なくなっていた。 ]
(308) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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[ いつから無くなっていたのだろう。
打ち上げの時の写真、───ない。 劇が無事幕を閉じた時、──ない。 最終チェックの段階、───ある。 朝一の準備の時、─────ある。
きっと、なくしたのはそのあたり。* ]
(309) 2020/06/16(Tue) 22時頃
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──現在:1F手洗い場──
わっ……!?
[ どきり、───とした。 ]
……、?
[ そして、ぽかん──とした。>>315 ]
(322) 2020/06/16(Tue) 22時半頃
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ひむろ、くん、なの?
[ この声を聞き間違える筈はない。 だから、すぐに笑顔を作ろうとする。していた。 なのに、ふりむいて、予想外の姿の彼をみて、 言葉を失ってしまった。
中学生の時以来、だった。 彼の男性の姿をみるのは。 ]
(323) 2020/06/16(Tue) 22時半頃
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ええ、っと。怪我はしてないよ 大丈夫、氷室くんがおもうようなことはないの
[ 指摘される掌を、流水から出したのなら、 ぱっぱっと水を払って、ブルーのハンカチで拭く。 まんまるい掌には、怪我などひとつもない。 ]
ただ、阿東くんからの伝言。 『不用意に見にこないほうがいい』 ……て。さっきの音、聞いたでしょう?
[ きっと教室の黒板に書かれている伝言を、 愛宮は淡々と、彼へと告げる。>>172 そして、体育館の方へと視線を流す。 ]
(326) 2020/06/16(Tue) 22時半頃
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……ねえ、もういいの?
[ 今度は、氷室の姿に視線を移す。 遠慮がちに、そして心配そうに、 秘密>氛氓ニ教えてくれたことを案に示しながら、 私は問いかけをやめられなかった。* ]
(328) 2020/06/16(Tue) 22時半頃
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──現在:手洗い場──
[ 肩に残る、彼の掌の感触に瞳を細める。
おとこのこ、おんなのこ。 ……どっちの姿、だったとしても。 長い睫毛に、艶のある髪、綺麗な肌。 綺麗な瞳に、整った顔立ち。 どれも、私にはないものだった。 ]
絵具、だったらよかったんだけどねえ ちょっとした、ホラー映画みたいな展開かな。
……なっちゃんが、行方不明なの みつけたら、教えてくれる?
[ 傷ひとつない掌を、頬へと添えて答えた。>>358 ]
(383) 2020/06/16(Tue) 23時半頃
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……、そう?
[ そして、問いの答えに─── 目の前がちょっと眩しくなる。>>359 物理的に、じゃなく心情的に、なんだけど。
惚れた腫れたに関われる人の気持ちは分からない。 でも、愛宮は「大丈夫」を示す彼に微笑んだ。>>360 ]
(384) 2020/06/16(Tue) 23時半頃
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─── 確かに、そうだよね。 もうこんなに夜が更けてきてるし、 今日中には帰れそうにはない、から みんなでお泊りになっちゃうのかもねえ
[ なっちゃん≠フ行方もしれず、 なにが起きているかわからない状況で 眠れるのかは、さておき。 ]
(386) 2020/06/16(Tue) 23時半頃
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[ どっちの姿にもなれる、あなたが羨ましかった。* ]
(388) 2020/06/16(Tue) 23時半頃
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[ これを、嘘だと呼ぶのなら。 愛宮心乃もまた、
生まれながらの嘘つき
ってことに、なるのでしょう。 ひび割れ欠けた、偽りの笑顔の仮面、 その下に眠るのが、本当の姿だとしたら。 ]
(421) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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[ 白い嘘、 white lie 罪のない、嘘。
悪意などなく、誰かを想う。 だれをも傷つけることのない、嘘。
そうで、ありたかった。 でも、そう簡単にはいかないもので。 愛宮心乃は、しらずしらずの内に傷つける。 そうでもしないと、微笑んでなどいられない。 ]
(424) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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──回想・打ち上げ──
[ クラス委員でも撮りなよ、って>>369 なっちゃんがカメラを構えて向けてくれたのかも?
心乃は、ええ〜はずかしい(笑)なんて言いつつ 集まれと言われれば、断れるわけもなく。
教室は、広いようで案外狭い。 若林先生の声でも、一番うしろまで通るのだし、 だれかが名前を呼べば、集まれる気がした。
同じ空間にいるのなら、だったけど。 もしも、ひとりでも欠けてたのなら、 心乃も残念そうにほほえむだけだった。 ]
(425) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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─── あれ、って?どれ?
[ 阿東くんの分である、あれ≠フないベスト。 指をさされた場所にあるはずの、あれがない。 ]
……うん、おそろいだねえ
[ あれのないベストを示しながら、 これで浮くことはないんじゃないかな?って。 わらっていた。ほほえんでいた。きっとね。 ]
(427) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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どこかで落としちゃったみたい。 ほら、私。身体が大きいからね、 距離感掴めなくて、よくぶつかっちゃうから、
だから、どこかで引っ掛けたのかも?
[ なんて、言い訳のようなものを立て並べる。 それにしてもなんだか、そうだねえ。 ちゃんとしている、人間らしくない答えかも。 ]
(429) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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みんなにあとで、謝らなきゃだね とくに作ってくれた衣装係さんたちにも ゆるして、もらえるかなあ
[ 許されたかっただけなのに、なあ。 ]
(430) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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[ ───なにを、って?
ふりふり、なくしちゃったこと* ]
(432) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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/* BGMながしながら文字うってると、そっちにひっぱられる ウケ
(-62) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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/* ひむろくん、唐突の負縁故みたいなものすまないな!!!! 戸惑ったことで賞、すみません。あなたが神か
(-63) 2020/06/17(Wed) 00時頃
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──現在・手洗い場──
うん。なっちゃんをおいかけてたら、 代わりにマネキンがおちてきてね
[ なんて、やんわりと状況を伝える。>>433
だって、ホラーでしょう? おいかけっこしていたら、いなくなるなんて。 とか、いって、なっちゃんは行方不明で あのマネキンがなっちゃんではないことを 自ら言葉にすることで否定しつづける。 ]
(510) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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いつまで続くんだろうねえ ……あの、メール、みた?
もしも、答え合わせを求められてるとしたら、 送り主がわかるまで、答えが合うまで、 ここに閉じ込められてるのかもね
[ なんて、いつもみたいに微笑みを浮かべる。 ]
わあ、それはよかったねえ、 特別室、ってやつじゃない?
[ 特別。それは生まれ持ったもの。 性別なんて関係ない、そういう存在。 ]
(511) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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え?───ああ、そうだよ〜 まなちゃんと一緒につくったんだけど、
……セーフ、だといいなあ
[ あ、そういえば!いま、思い出した。 お鍋、火にかけたままだった気がする。 ……もしかしたら、シチュー。焦げてるかも。 そのうえ、火事にでもなったらどうしよう。
奥の方、家庭科室へ視線を向けるけど、 どうやら煙はでていなさそうなので、安心した。 もしかしたら、メモをみた誰かが止めてくれたかも。 ありがとう、学校ごと燃えちゃうとこだったね ]
(512) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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気が利く、ってわけじゃない──……
……そうだねえ。そういうところ ほんと、まこちゃんに似てる。
[ きゅっと、細い瞳が、するどくなる。 だから、お似合いだと思っていたのにな。
秘密を共有したときね、 氷室くん、ちょこっと変わったのかなって。 私は思ってたんだよ。思ってたのに。
やっぱり、顔がいいひとたちはそうなんだなあって 自分の顔をみて、悦に浸るような、そんな。 ]
(513) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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[ ほら、笑えない ]
(514) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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……恵まれている人は、いいよね
[ ぼそり、小さな声で呟いた。
笑えなくなってきている。 氷室くん。きみになにがあったかなんて、 私には知りえっこないんだもの。
ほんの一センチだけでも、 あなたたちみたいなものをもっていたのなら。 ]
(515) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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[ 私は幸せだったのでしょうか?* ]
(516) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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[ だめ、こんなのはだめだよね。 きっと、みんなの知ってる愛宮心乃なんかじゃない。
氷室くん、ごめんね。 あなたはなんにも悪くはない。 これはただの、八つ当たり。 ]
……私、すこし学校の中を見てくる 氷室くんも、きをつけて
[ 綺麗なその顔を、まっすぐに見れなかった。 そっと視線を逸らして、私は歩き出す。 ]
(517) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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愛宮心乃は、与える側の人間だった
(518) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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……筈、だった
(519) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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[ じゃあね、と手を振って歩きだそうとすれば、 ちいさな影がみえた。>>337 ]
ちーちゃん。どこにいたの? 身体は、だいじょうぶ?
[ 心配を滲ませた声音で話しかける。 さきほどのことを振り切るように、微笑んで。
病気のことは、きっと誰よりも知っている。 一緒に受験勉強をしていたときに教えてくれた。 だから、ごはんも注射も、ちゃんとできてるかなって あなたの知る心乃は心配になって当然だった。** ]
(520) 2020/06/17(Wed) 03時頃
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──現在・1F──
[ そういえば文化祭当日、 ちーちゃん、一緒に回ろうってお誘いしたけど ゆっくり回る余裕なかったなって思い出す。 ]
うん。うん。 お化け屋敷……!ちーちゃんすごい でも、そんなに怖くないおばけやしきなら、 私もいけたかなあ
[ 実は、お化け屋敷は、あんまり得意な方じゃない。 でもめちゃめちゃ苦手なわけでもないから、 誰かが一緒にいってくれれば、大丈夫と思う程度。
だから、わざわざ怖いところに行ったって聞いて>>548 ちーちゃんもしおりちゃんもすごいな、って思う。 ]
(582) 2020/06/17(Wed) 12時頃
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[ 聞こえてくる元気そうな声に、 安心もするけれど、それでもやっぱり心配で。 ]
ほんとうに?ちゃんと値、測ってる? 夕方はどれくらいだった?ごはんはこれから?
[ 溌剌とは対照的に、 おきてもいないことを案じてばかりでは、 よくはないと思っているけれど。 垂れ下がったままの眉と頼りない声音で問う。
絡む腕は細くって、>>549 いまにも折れてしまいそうなほど。 ]
(583) 2020/06/17(Wed) 12時頃
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ごはんは、作っておいてあるけど ちょっと失敗しちゃったから、だめかも?
[ あまいもの、ちょっとしたものもぜんぶ。 鞄の中にいれっぱなしだった。ぽっけに何もない。
愛宮心乃にしては、痛恨のミス。 ああ、ちーちゃんの血糖測定がまだなら、 教室に一回帰ろって言うけど、どうだったかなあ?* ]
(584) 2020/06/17(Wed) 12時頃
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──現在──
め、目玉……!?
[ お誘い、は断れない。>>593 でも、目玉って、怖くない? 私より怖がったり怯えてくれるひとじゃないと ちょっと落ち着けないかもしれない。 6組でやってた呪われた文化祭からの脱出≠ナすら 演出にびくびくドキドキしてたのに。
あ。今とちょっと状況が似てるかなあ この校舎の中に、閉じ込められてる?し。 もしかして、制限時間とかある……? ]
(602) 2020/06/17(Wed) 16時半頃
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[ 大丈夫っていっても、>>594 正確な値がわからなきゃ安心できない。
ぎゅ、と腕が握られるのを感じると よしよしと頭を撫でて、ごめんねっていう。 ]
(603) 2020/06/17(Wed) 16時半頃
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クレープ、いいね〜 ちーちゃん、どんなのが好き? 私はね、カスタードクリームたっぷりなのがいいな
[ 閃きにはちょっと笑って、>>595 一緒に教室いってからごはんを食べよう。 でも、クレープ食べすぎちゃダメだよって 心乃は念押しは忘れないよ! ** ]
(604) 2020/06/17(Wed) 16時半頃
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