212 冷たい校舎村(突)
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― 2F廊下→ ―
[ 眩しい廊下に出て。 ]
[ スピーカーから これでもかと耳に届いてくる笑い声の中、 小さな足音が、聞こえた。 先程近づいてきたふたりのものとは違う、 おんなのこ のもの。 ]
(259) 2017/03/11(Sat) 02時頃
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―― 水野じゃん。
[ おんなのこ は、 こういう時、ひとりが怖いものなんだろうか。 多分 そうなんだろうな。 教わったから。 きっと男も怖いけどね。 でも、こういうときはスマートにするんだっけ? 生憎。 手は、取ってあげられないけれど。 ]
(260) 2017/03/11(Sat) 02時頃
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[ 水野はどうやら、 行きたいところがあるようで。 先程の古辺通以上に 震える声で告げた先は 図書室だった。 首を傾げる。 ―― なんで? 一緒に問いかけも こぼれ落ちた。 ]
(261) 2017/03/11(Sat) 02時頃
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「 こういう話、知ってるかもしれない 」
(262) 2017/03/11(Sat) 02時頃
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[ 彼女が言うことには。 ]
[ 人間が、 自分の夢の中、みたいなものに。 他人を閉じ込めてしまう話>>238があるそうで* ]
(263) 2017/03/11(Sat) 02時頃
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[ 俺の あの狭い世界が、 夢だったらいいと *どんなに願ったことか!* ]
(264) 2017/03/11(Sat) 02時頃
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― 3F・図書室 ―
[ ぱら、ぱら。 笑い声が響く図書室内で、 微かに聞こえる頁の音。
三階、図書室。 机の上に鎮座しているのは、 コンビニで売っている様な 安っぽいデザインが表紙の雑誌。 ―― こんなの図書室にあったのか って そう 思うほどの。 ]
(345) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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[ 集団失踪事件。
誰かが誰かを自分ごと閉じ込めてしまう。 その "誰か"、は "ホスト"と言って 追い詰められたり 生死の境を彷徨っている人がなりやすいとか そういう現象を起こしてしまいやすい とか。
――― ふうん。 と、だいたいの内容を頭に入れて、 "これだよ" って 言う 水野の青ざめた表情を ちらと見て。 ぽつり。抑揚のない 納得の呟き。 ]
(346) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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原理は、分からないからいいとして
俺。 "どうして"閉じ込めたのかの方が、 結構 興味あるんだけど
(347) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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―― 人が誰かを閉じ込める時って、 馬鹿みたいに理不尽だろうと どれだけ納得できなかろうと そいつにとっては相応の理由があるもんだよ。
(348) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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[ 続いたのは 呟きじゃあ 無かった。
ああ、でも。 ……らしくは 無かった? 前髪の、向こう。 水野がなおさら怯えてる。 ―― なんてね、とか そんな取り繕った声は 届いたかどうか。 誤魔化すような笑みを浮かべて、 スマホを取り出す。
開けるのはメモ帳。 ]
(349) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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― ◆◆月◆◆日/朝:8時50分過ぎ ―
校舎の中に閉じ込められた。 流石にあの地面は勘弁してよ。
(350) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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[ その後 メールを開こう。 差出人、多分"ホスト"。 宛先、文化祭実行委員。 内容の中にある、死の匂い。 文化祭という 単語。
理由は。 耳にこれでもかと飛び込んでくる笑い声と、 眩しいほどの装飾と、 メールの内容を組み合わせれば、 良いんだろう きっと。そうなんだろ? ]
(351) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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[ そう 考えようとしたけれど、 水野が出て行こうとするものだから、 思考は、中断。
電気の消せない図書室を揃って出て行って、 三階廊下から、さて 何処に行こうか と 見回した時。 ]
(352) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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―― お揃いだ。
[ 少し離れた、放送室前。 人が結構いたものだから、 そりゃあ、見てしまう。
水野も"あっ!"なんて声を上げたから、 聞こえた人は、居た はず* ]
(353) 2017/03/11(Sat) 21時頃
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[ 原因なんて、無いはず無いだろ? ]
(369) 2017/03/11(Sat) 21時半頃
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― 回想:"いるまはるか"と ―
[ 声>>296が飛んできたのは、 転入して少し経った頃だった。 "いるまはるか"に繋がる情報は、 "おんなのこ"以外に浮かばなかった。 強いて言うなら、失礼にも。 最初、"はるか"を"ゆう"って読んでた。 その程度。 だから、興味深そうに。 大和とも保田とも、 橘とも違う声をかけてきた彼女の顔を、 俺はじっと見ていた気がする。 ]
(370) 2017/03/11(Sat) 21時半頃
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―― 前 は、 ちゃんと短かったんだけどさ。
[ ちょっと 辿々しい 回答で。 けど、の 先は、言わなかった。 "穏やかな笑顔"を浮かべて、 入間悠との初対面は、それで終わったと 思う。 なんだこいつって思われても、 仕方ないような返事だったし それで関係が打ち切られても 可笑しくなかったけれど。 でも。 "前髪切りなよ"って言われる相手が増えた。 そんな 瞬間だったんじゃないだろうか* ]
(371) 2017/03/11(Sat) 21時半頃
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― 現在:3F廊下 ―
[ そんな 入間悠が気付いた>>358。 水野と同じ 声を発したものだから 安心したのだろうか、水野は入間に駆け寄る。 笑い声に消されないように、 はっきり 声を出して。 ]
(372) 2017/03/11(Sat) 21時半頃
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図書室で、色々見てた。 それと、…さっき 教室で窓開けたんだけど …あれ多分出られないから 止めた方がいい。 ―― そっち、なんかあった?
[ どういうこと?って聞かれたら、 先程教室であった全てと、 それから"集団失踪事件"に関することを 彼女に話そうか。 そして やっぱり、 普段立ち寄らないだろう 放送室なんて場所にいたから、 何があったか、何をしようとしたのか、 聞いてしまった。 ]
(373) 2017/03/11(Sat) 22時頃
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[ 入間からは、答えがあったか。 入間の向こうにいる元賀の補足もあって、 何をしようとしたか、出来なかったのか、 ある程度は把握できたように 思う。
互いに情報交換をした、後。 気にかかるのは 校舎も勿論だけれど、 どうしたって水野の顔色だった。
――― 先程の自分の顔より酷い し、 視線が泳いでいるような、気が。 ]
(433) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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[ まるで、 自分の抱える"何か"と 対面しているような。 ]
(434) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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―― 水野?
[ 水野は入間と並んでいたから 彼女の視線の先は、古辺通の、 その向こう 眩しい廊下。 誰も居ないはずの空間。
―― を、 指さして 震えた声で、 逃げるように 咎める様に、 水野は 叫ぶ。 ]
(436) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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「 来ないで!! 」
(437) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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[ それは 笑い声の響く文化祭には、 酷く不釣り合いで 異質 な ]
(439) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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―― おい、水野!?
[ 茫然と、していたように思う。 足が廊下に張り付いてしまったみたいに、 暫く動けずにいて。 きっと入間と元賀も、 走り去る水野を咄嗟に引き戻すことは 出来なかった 筈だ。
たちまち消えゆく影。 行き先は 何処だ 何処に行った? 足を強引に廊下から引き剥がして、 渡り廊下の方へと駆ける。
―― どうしてだ、 今 "この時"に、 ひとりにさせては いけない気がして、 ]
(440) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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―― いるま、げんが はやく
[ 声 って、 こんなに出ないものなのか。 掠れた男のそれをどうにか二人に届けて、 きっと最初に彼女を追ったのは、 古辺通 だ。 ]
(442) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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― 3F渡り廊下 ―
[ ―― 結果だけ言うと、 "なにか" は いた。
今までいた校舎から 渡り廊下へと曲がった その向こうには 相変わらず眩しいほどの 景色と
その 光る渡り廊下の 真ん中。 ]
(443) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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[ 胸元。 装飾より鈍く光る 包丁が突き刺さって いて。 ]
(444) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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[ 血だまりを作っている
ひとつの"なにか"が そこに* ]
(446) 2017/03/12(Sun) 00時頃
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