151 宇宙船は旅浪者の夢を見るか?
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[ああ、やっぱり・・・とアイリスは腑に落ちたようだ。 昨日まで全然そんな気のなかったケイ兄が、今日いきなりプロポーズをするに至る理由は――。]
ケイ兄・・・。やっぱり、ですか・・・。
[一度、名前を呼んでからアイリスは後ろを向いたまま深呼吸をして。 きっとケイ兄だって、その場の勢いでそういうこと(意味深)をしたくなることだってあるのだと思う。 あるいは、勘違いして変な薬みたいなものを飲んでしまった・・・とか、そんな所だろうとアイリスは思った。
そして、その結果あんなことやこんなことをしてしまって・・・と想像しそうになり、アイリスは顔が赤くなってしまう。 ケイ兄には背を向けていたけれど、耳も赤い。
なるべく、そういうことを気にしてない風な笑顔で振り向こう――として。 くるりとケイ兄の方を向いた時には、にこりと微笑んで。]
ケイ兄も、お父さんの子ですね・・・。
[・・・いたつもりだったけれど、少し頬は赤くて。 片眉を下げて、ちょっと苦笑気味になってしまった。]
(@0) 2015/03/06(Fri) 01時半頃
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ケイ兄。困ったこととかあったら、相談して下さいね。
・・・何でも、相談に乗りますから。
[きっと、ケイ兄だって色々と考えることもあるだろうとアイリスは思った。
一時の過ち(意味深)が本当の恋になることもあるかもしれないし、好きという感情の薄い結婚ほど不幸なものはない――と別れ話になるかもしれない。 その時、どうなるにしても少しでも力になれればいいな――と、想いながらアイリスは微笑んだ。]
(@1) 2015/03/06(Fri) 01時半頃
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―― それから暫くして/自室 ――
[と、ケイ兄の前では強がって微笑んだのだけれど――。 少し時間が経ってみると、やっぱり心配になってしまうのは仕方がないことだと思う。
さて課題を――と辞書を開けば、妊娠――とか課題にはあんまり関係のない言葉を開いてしまったりして。 アイリスは辞書を閉じた。 課題はちゃんと終わらせないといけないけれど、全然手がつかない。]
・・・うー。だめだ。ケイ兄、大丈夫かなぁ。
[閉じた辞書の上に腕を組んで、顔を伏せてしまう。 視線の先は扉である。
もうすぐ卒業で、ケイ兄だって卒業の課題のこともあるだろうに――という心配もあったけれど。まさか子供まで・・・なんて。
でも、きっと。ケイ兄が本当に好きな女性が出来て――。という過程があったなら、アイリスもここまで心配にはならずに素直に祝福出来たかもしれない。]
(@2) 2015/03/06(Fri) 02時頃
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[相手のクリスさんは、食堂で目を痛そうにしていたのを見かけたり、よく理科室で変な薬の実験をしているという噂を聞くけれど。 大丈夫なのだろうか――、とか。最悪の場合を考えてしまう。 そこまで知る相手ではないだけに、聞いただけのアイリスにとっては不安も大きい。]
せめて、誰かクリスさんを知っている人にどんな感じなのか聞いてみようかな。 幸せになれそうなら、良いのだけれど。
[そう決意して、自室の扉を開けた。 課題は、後で頑張ろう――でも道具や辞書だけは持っていって、何かあれば課題を言い訳に使おう、なんて。]
(@3) 2015/03/06(Fri) 02時頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2015/03/06(Fri) 02時頃
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―― 回想/ケイ兄と ―― [ケイ兄は、とても良い兄さんだと思う。 いつも苦労ばかりしている気がするけれど――。 自慢の兄で、大切な兄で、家族で。
でもお父さんと似ている、というのには不満らしい。 撫でてくれるケイ兄に、目を細めてくすくすと笑って。
アイリスからすれば、お父さんのことは結構好きなのだけれど。 いつもお母さんのことを大事にしていて。 お母さんのことを好きで仕方ないから、家族が増えすぎてしまう。 そうして、ケイ兄に苦労ばかりかけているけれど――。]
アイリスも、ケイ兄がどうなってもケイ兄の妹です。 はい。その時は、相談にいきますね。
(@4) 2015/03/06(Fri) 03時頃
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[アイリスは思う。 ケイ兄を好きになる人は、好かれる人は、きっと幸せだと。
でも、何時の日にかは、少し遠くへ行く日も来るのだろうな――と思うと寂しくなる。仕方がないことだけれど。 だからこそ、その何時の日にかが唐突で――。 心配になるのだけれど。]
ケイ兄、またいつでも来てくださいね。
[そう言って、ケイ兄の姿が見えなくなるまで見送った。 まだ、という言葉が心に残った。
撫でてくれていた髪に手をやって、アイリスはため息をついた。**]
(@5) 2015/03/06(Fri) 03時頃
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―― 昨日の夜 ―― [扉を開いてみれば、いきなり人が転がり込んできて。]
えっ、だ・・・。
[同じタイミングで扉を引いてしまったのかもしれない――と思い、大丈夫ですか、と声をかけようとしたら。
どう考えても不審な一言がかかる。]
・・・・。
[じぃっと見てみて、どこかで見た気がして――。 でも思い出せない。とりあえず、手を差し出してみた。]
あ、あの。・・・はじ、めまして?
[首を傾げて、自信なさげにそう聞いてみつつ。]
(@6) 2015/03/06(Fri) 12時半頃
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ケイ兄の?
[立ち上がる手を貸しつつ、ケイ兄の友人なら話が聞けるかもと。 最初は驚いたけれど、悪い人ではなさそうに見えた。]
あ。えっと、アイリスって言います。 はい。・・・その、お恥ずかしい所を。
[お昼の食堂で――というと。 教務に連れていかれた所だったのでアイリスは赤くなった。 恥ずかしい所を見られていただろうな、と。 自分でもあの時に見かけていたのだと思う。
でも、と気を取り直して。 どうぞ、と部屋の中に促してみる。]
もしかして、クリスさんのことも知っていますか? その話・・・、だったりしますか?
[どうしてアイリスの部屋に、と思ったけれど。ケイ兄の知り合いということであるなら、心当たりはそれだった。]
(@7) 2015/03/06(Fri) 13時頃
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[結婚の話、と聞いてやっぱりとアイリスは頷いて。わざわざ話をしにきてくれたことに、不安そうな声になりつつ。]
心配・・・ですね。いきなりの話ですし。 ケイ兄だって・・・、その。
[初対面の人にいきなり身内のことを話すのもどうだろう、と思ってアイリスは少し口を噤んだけれど。マドカさんはお見舞いに、とパウンドケーキを持ってきてくれたらしい。]
わぁ。ありがとうございます。 大丈夫。形はちょっと崩れてるかもしれませんが食べられますよ。
[と言って、にこりと微笑んだ。アイリスも貧乏性なので、これくらいで気にしたりしないのだ。 気にするとしたら、この時間に甘いものを食べることだけれど――。 たまには良いかな、と息抜きをすることにして。マドカさんが袋を直している間にお皿やスプーン、フォークなどを用意した。]
・・・あ。えっと、クリスさんは、どんな人ですか?
[とケイ兄のことを話すより、先にクリスさんのことを聞いてみた。 ついでに、飲み物は何が良いですか?と聞いてみる。 コーヒーとお茶くらいは淹れられるのだ。]
(@8) 2015/03/06(Fri) 23時半頃
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―― フィリップ先輩との回想 ――
[その日もアイリスは、課題に追われていた。 あまり機械に詳しくないアイリスは調べもの一つするにも資料室や図書室に出向き、集めてくる所から始めるのだ。 そうして時間がかかるから、より課題に追われることになってしまうのだけれど――。]
フィリップ先輩、その。
[とアイリスから声をかけられるようになったのは、最初は単に時間と必要に迫られて――だった気がする。
ケイ兄はケイ兄で忙しいのをアイリスも知っていて、何でもかんでもケイ兄を頼りにするのは良くないと思っていて――けれど、自分1人では中々捗らない。 本一つを見つけるにも手間がかかってしまう。
そんな最中、たまたま頼ることの出来た先輩がフィリップ先輩だった。]
(@9) 2015/03/07(Sat) 15時半頃
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良いんですか? 借りてしまって…、
ありがとうございますっ。 あとで何か、お礼をしますね。
[フィリップ先輩から借りた辞書を大切そうに抱えて、微笑んだ。]
(@10) 2015/03/07(Sat) 16時頃
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―― 現在 ――
[と、辞書を借りたのが先日のこと。 アイリスはこの時、深く考えずに]
私で良いんですか?
[と少し不思議そうに首をかしげてから、]
では、その時はご一緒させて頂きますね。
[と微笑んだ。
――フィリップ先輩は格好良い人なので、きっと素敵な相手がいるのだろうな――と考えていて、アイリスは今まであまりフィリップ先輩を異性や男性としての意識をしたことがなかったらしい。 意識をしていたら、話しをかけることも出来なかったかもしれないけれど。 何をやるにもケイ兄やおねえちゃんに頼ってばかりで、そしてフィリップ先輩にも頼ってばかりで――と、今一つアイリスは自分自身に自信を持っていなかった。]
(@11) 2015/03/07(Sat) 16時頃
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[そうしてある日借りた辞書のおかげで、ようやくアイリスの課題も終わり――、]
教務、レポート終わりましたっ。 確認お願いします。
[と提出することが出来た。 また時間を置けば、課題が増えるけれど。 やりきった達成感にアイリスは嬉しそうにしつつ。]
To:フィリップ先輩 message:借りていた辞書、ようやく返せそうです! 本当にありがとうございました。 フィリップ先輩に時間のある時に、お返しにいきますね。
[とメールを打った。]
(@12) 2015/03/07(Sat) 16時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2015/03/07(Sat) 16時半頃
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……おわり、だ。
[とん、と力なく押したエンターキー。これで本当におしまい。 ……追加がない限りは。]
----- 件名:re:re:レポート提出の件について 本文: レポート採点の結果、 「 」、「 」、.....
以上の科目の評価を"可"とする。
フランク・F・クロフォード
(@13) 2015/03/07(Sat) 21時半頃
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PS: おめでとう。 後は不祥事起こすことなく静かに過ごせ。 これ以上要らん手間をかけさせるな。 あともう一年お前らの面倒を見るのはごめんだ。 -----
(@14) 2015/03/07(Sat) 21時半頃
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[以上のメールを、レポート提出者全員に送信する。 最後の追伸は、大分スペースを開けたため、気づく者と気づかない者はいるだろうが。勿論、その文章に腹を立てる者もいるかもしれない、が。想定済。
それが嫌なら、さっさと出てけ。
本音だか、裏の声交じりか。 口元を緩ませ、手元の缶の中身を飲み乾した。]
(@15) 2015/03/07(Sat) 21時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/03/07(Sat) 21時半頃
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