105 CLUB【_Ground】
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……なぁ、おっさん。
[背中に手を触れたまま、ぽつりと呟く]
俺が赦されていいのなら、あんた自身も、赦してやってよ。
[懺悔の中に重ねた祈り]
俺が幸せになっていいなら、あんたも幸せになっていい。 あんたが自分で願えないなら、代わりに俺があんたの幸せを願ってる。
[We wish you every happiness.]
俺だけじゃない。ティーさんも、あいつらも、みんな。
(@138) 2013/12/22(Sun) 16時半頃
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[端末に着信が入る。その内容を確認して、ゆっくりと身を起こす]
……チアキからだ。準備ができたって。
[肩に触れ、ゆっくりと手を離す。 同僚のデスクから、頼まれていた大きな荷物を取り出して抱え]
それじゃ、いってきます。 ……ありがと、おっさん。
(@139) 2013/12/22(Sun) 16時半頃
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―寮・チアキの部屋―
[そうしてやがて、チアキの部屋にノックが響く]
チアキ、迎えにきたよ。
[プレゼントを抱えて『迎え』が訪れる]
(@140) 2013/12/22(Sun) 16時半頃
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[重なる手、撫でる指先、合わせ鏡と、背中合わせ。 囁きの中に久し振りに笑みを落とす。 笑い方を忘れていたのか、喉奥を鳴らすようなものにしかならなかったが。 咳き込めば差し出されるのは水。 牛乳飲みてぇとか内心我儘を連ねたのは、秘密の話。]
悪いな、先週濡れっぱで動いたから、ゴホ! あ゛あ゛ーーーー、風邪とか勘弁してくれ。
[仕事もしにくいし、頭も上手く回りにくい。 余計なことを考えたくないと、仕事に打ち込もうとする姿勢はバレているのだろう。 よく似た、この関係の延長線上に。]
(@141) 2013/12/22(Sun) 17時頃
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[懺悔に重ねられた柔らかな祈り。 幸せになどなれない男の幸せを、願うなどと。 その気持ちを無碍にはしたくなく、けれど頷ける訳もない。]
Thanks.
[We wish you every happiness.]
充分、幸せだよ。 “お前ら”が幸せならな。
[それが嘘も偽りもない、脆い本心。]
(@142) 2013/12/22(Sun) 17時頃
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おう、行ってこい。
[通信の気配、あの小さな部屋に降るのが無音の祝福たれと願う。 部下が荷物を抱えて部屋を出たならば、もう片方に通信を。]
あ゛あ゛ーーーー、ゴホッ。 だめだ、牛乳だ、牛乳が足らんのだ。
[そう残し、立ち上がるのはVIPルームへ。 動物に風邪を移すわけにいかないが、客に移すのは大いに結構だ。 失われた牛乳成分を求める廃人は、少しだけ足をもたつかせながら歩き出す。 印刷した過去はもう一人の部下のデスクの上、書類を片付けない上司のいつもと変わらぬ *悪い癖だった*]
(@143) 2013/12/22(Sun) 17時頃
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―研究ルーム>>@141>>@142―
勘弁してくれはこっちの台詞だよ。 おっさん倒れたらうちのチームめちゃくちゃだ。
[もともと仕事ジャンキーの要素はあったけれど、ここ最近特に酷い。おおよその理由は想像がついているけれど]
ちゃんと、自分を大事にしてくれ。
[触れた背はやっぱり少し熱い気もして。
重ねる祈りの願いの前に差し出される言葉。 それは恐らく嘘のないもの。 ――…自分も、口にしたことのある言葉。
眉下げて、ひっそり息をつく]
(@144) 2013/12/22(Sun) 20時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/22(Sun) 20時頃
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[見送られて研究ルームを出て、向かうは寮の、チアキの部屋。 なぜか正座で待っていたその様子に笑み零して、二つのプレゼントを渡す]
……ん、よく似合ってる。
[ひまわり色のストールと、髪に挿した一輪の花。 「ティーみたい」……ストールに触れた時の、言葉の響きが気にかかる、けれど]
それじゃあ、そうだな、手でも繋ぐか?
[目隠しのまま歩く「花嫁」に、腕を貸してもいいのだが。 どうも似つかわしくないように見えて、手のひらを差し出した]
(@145) 2013/12/22(Sun) 20時頃
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[買い手の待つ部屋が「教会」ならば、手を取り歩むこの道はバージンロードか。 それはこの世に生を受けた日から、新たな人生を踏み出すこの日までの道のりを示すという]
チアキ、今、どんな気持ちだ?
[その時を、間近に控えた動物は、どんな気持ちなのだろう。 目を合わせたその瞬間から、一生を捧げる「愛」が始まる。 自分には未だ、その行為には良いイメージがわかないのだけれど]
(@146) 2013/12/22(Sun) 21時頃
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[僕も選んだ。その言葉に、繋ぐ手に力が籠る]
……そうか。
[照れくさそうに笑う顔に、ストールの色と揺れるひまわりがとてもよく映えた。 幸せ。その言葉は、嘘や強がりには聞こえない]
ありがとうな、チアキ。 チアキも含めて、俺の大切な人と、そして俺自身も、みんな幸せになることが俺の幸せだ。
[逆に手を引かれて歩む道。まっすぐな姿。 歩む足取りが軽くなって、初めて、自分の方が不安がっていたことに気付いた。また、救われた。そんな風に思う]
(@147) 2013/12/22(Sun) 21時半頃
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―小さな部屋で―
[その部屋には、入り口まで来ても、中へ入るのは初めてだった。「教会」なんて言われるわりには飾り気もなくて。ただ買い手が動物を待つための、小さな椅子がひとつきり]
お待たせしました。
[そうして、シメオンの前までチアキの手を引いて。 立たせると、自分はチアキの後ろに下がる。 けっしてチアキの視界に入らぬ場所へと身を置くと、シメオンに視線を向けて]
……目隠しを、貴方の手で外してください。 目が合ったその時から、貴方がこの子の主です。
[そうして後は、口を噤む。 その瞬間を、見届けようと]
(@148) 2013/12/22(Sun) 21時半頃
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―VIPルーム―
おー…つと?
[向かう部屋、既にそこに人の気配はなく。 ならば何を遠慮することもない、禁煙のそこで煙草に火をつけた。 モニターを眺めれば動物たちの様子が知れる。 虎の部屋にはフェネック、他はもう静かなものだ。 小さなあの場所で、リスの受け渡しがされている。 蛇はたった一言を残し、あの軍人に貰われていった。]
――――――。
[高級な革張りの椅子に深く腰かけて。 暫く、考え事に更ける。]
(@149) 2013/12/22(Sun) 22時頃
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[このグループが終われば、また別のグループが運ばれる。 がらんどうになることのない寮と工場。 こちらから見え、向こう側からは見えない魔法の鏡。 買われて行って空き部屋になった一つ一つを黒縁は映す。
――――あれから。
鶯は冬の雪空、星にさえ近い場所で小さな羽根を震わせて歌声を上げ。 ペットとしてではなく、大切な伴侶として、あの物腰柔らかな主人に抱かれたのだろう。
狼は片付けられた部屋の中、ただ一人にだけ向ける蜂蜜色で。 春夏秋冬これからの絵本を描きあい、あの男と溶け合ったのだろう。
蛇は、そしてリスは。 また今日から新しい御伽噺を飼い主と共に。]
(@150) 2013/12/22(Sun) 22時半頃
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[目隠しが解かれようとするその時、叫ぶような、チアキの言葉。
緊張と、期待と、不安と、喜び。 幸せになろうとまっすぐに手を伸ばす姿。
交わされる誓い。 プログラムが働く前の、そのままの想いで交わされる言葉]
あぁ、
[選んだのだ。そう強く、自分に言い聞かせる。 2人の強い誓いの前で、この「愛」は処刑の刃ではない。永遠に解けない絆の糸。チアキの言葉を強く胸に刻む。刻みつける]
(@151) 2013/12/22(Sun) 23時頃
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ごほっ。
[空咳が記憶を霧散させる。 店員に運ばせた牛乳と、煙草の煙を吸い込みながら。 白衣についた虎の血が、赤から酸化して黒ずむ。 こんな状態で咳を溢してたら「死ぬんじゃ」なんて言われかねない。]
全く。
[「わからない」と叫んだ悲痛な声。 モニターに視線を落とした。]
(@152) 2013/12/22(Sun) 23時頃
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[解かれた、布一枚の強い、儚い戒め。 息を呑んでチアキの背中を見つめる]
……っ
[新たな色彩の光が溢れだすように見えた。 強すぎて目も眩むような光。
チアキの背中と重なるように浮かんでは消えて見えていた、様々な顔が霧散する。 強く抱き合い、巡り合えた喜びを分かち合う2人の前に、その幻影は重ねられない]
(@153) 2013/12/22(Sun) 23時頃
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[チアキがこちらを振り返る。 自分にとっても、モニターを通さずに初めて見るチアキの瞳。 それは最愛の主人に巡り合えた喜びに輝いている]
ん、そうだな。
[ね、と首を傾げる姿に、目を細めて頷く。 そしてシメオンへと視線を移し、深々と礼を取る]
元気で。
[2人への祝福と祈りを込めて。 シメオンがチアキの体を抱き上げて、2人寄り添い旅立つ姿を、見えなくなるまで見送った]
(@154) 2013/12/22(Sun) 23時半頃
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[窓の外を見上げる虎を見て、呟く。]
“わからねぇ” って素直に言えても、苦しいんかね。
[男にはそれを口にするつもりも、素直さもなく。 頑固に捩れたものを早々直す事など出来ない。 黒縁のガラス板が過去と現在を重ね、音が、声が耳に繰り返す。
ここに座っていた、男の事を。]
(@155) 2013/12/22(Sun) 23時半頃
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――――――。
[手を、伸ばす。 冷えた指先は空を掻く。 流れるジャズ。
Lamentabile. Più perdendosi.]
(@156) 2013/12/22(Sun) 23時半頃
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[部下からの報告に、我に返る現実。 労いを返せば映るのは。]
アホ虎め、なにしてんだ。
[自ら指を傷めておきながら。 いつもの元気はまるでなく、そうさせているのは男自身であるが。 熱を与えてしまっては同じ事を繰り返す、だから離れているというのに。 既にそれが手遅れであろう事には気付くことのないまま。]
(@157) 2013/12/22(Sun) 23時半頃
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[壁越しに擦れ違う新たな主従は、友であり恋人であり。 闇夜に消え行く車を見送るのは柔らかな白、降り積もる雪。
モニターに映る虎に向ける指。 画面をなぞるのは、そっと優しく。 二年前、あの爪で引き裂かれた時に
「大丈夫だ」
と、言葉の代わりになぞるものと同じ。]
(@158) 2013/12/23(Mon) 00時半頃
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[煙草を灰皿に押しつけ、捻くれた灰色を霧散させる。 そろそろ店も閉める準備をする頃。 男にもまた仕事がひとつ、ふたつ。]
あー、ったく。 ティーも減俸だな、覚悟しとけ。
[暫くしても姿の見えぬ部下の査定、給料日をお楽しみに。 通信を入れると立ち上がる。 不意に、店員が渡して来たのは書き損じた何か。 個人情報だから処分を仰いできたらしい。]
あ、ずかっとく。
[紙切れ一枚を煙草と同じ胸ポケットに仕舞いこんだ。]
(@159) 2013/12/23(Mon) 01時頃
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―寮・虎の部屋―
――――――。
[特に声は掛けず、コンコンとノックを響かせる。 手には救急箱、消毒やテープの入ったそれを持って。 フェネックは外に出た後だったろう、中の気配を窺う。
通信で乗せた男の声が多少ざらついて、返る言葉に心配の色が見えた。 だからといって何かを返したわけではなかったが。]
(@160) 2013/12/23(Mon) 01時半頃
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[中からはえらく慌てた音や声。]
準備できたんだろうな?
[深い深い溜息を一つ。 まさか目隠しを引き裂いているなど、男は知らなかったから。 入るぞと一声かけて、中へ。 視線は辛うじて、履き潰したサンダルを見ていて。]
(@161) 2013/12/23(Mon) 01時半頃
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あ?
[呼び声に顔が向くのは至極当然の事である。 何の気なしに顔を上げて。
上げて。
あげ。]
(@162) 2013/12/23(Mon) 02時頃
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―――――あ。
(@163) 2013/12/23(Mon) 02時頃
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[――――――Jesus.
あー、目の色濃青だったっけ。 虎の目って石あるけど綺麗だよね。 今日何曜日ですっけ週末ですっけ。 そういえば最近仕事ばっかりで休みなかったな。
そうだ、雪山にでも行こう。
そこで凍死体にでもなってしまおう。 人生リセットだ、そうしよう。]
(@164) 2013/12/23(Mon) 02時頃
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[思考が遁走し、その間ずっと濃青直視している。]
(@165) 2013/12/23(Mon) 02時頃
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―教会と呼ばれる小部屋―
[上司への報告の通話を終えて、端末を手に取った。 呼びだそうとする指が震える]
……っ!?
[ボタンを押そうとしたその瞬間の着信。 反射で受話ボタンを押す]
(@166) 2013/12/23(Mon) 02時頃
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[興奮すると金褐色になるんだっけか。 そうそう、データがね、あったよね。
かなり混乱したままの男が口を開くのは、暫くたってからの *ことである*]
(@167) 2013/12/23(Mon) 02時頃
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