15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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[呼びかける声に、ゆっくりとそちらを振り返る。 上呂を抱えた姿に、ゆるり、と首を傾げて]
……ううん、違うよ。 何となく、この樹が気になって、見に来たの。
[問いに答えながら、視線が向くのは、抱えられた上呂]
(+65) 2010/07/23(Fri) 22時半頃
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[はらり、はらり、
ゆっくりとせかいは、こわれていく。
季節外れの、桜の花が散るように。]
(+66) 2010/07/23(Fri) 23時頃
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[返ってきた声に瞬いて、樹を見上げる。 異形の樹は静かにその姿を水面にも映して]
…気になって?
[反芻して、紺が瞬き見つめる。]
不思議ね、
人は異形を相容れないものとして見做すのに… 人を…世界を、命を今護っているのは、この子なの
[上呂は泉に差し入れられる。 水面が揺れることはない、上呂に水が汲まれることも。 こちらを見ている様子にそちらを見ると淡く微笑んだ。]
―――…お水を汲みに来たの、
(+67) 2010/07/23(Fri) 23時頃
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―泉・異形の大樹―
[ 水が人を引き寄せる。
水面に映るその姿は、高らかな笑い声に笑んで、 歌う女の言葉に、眼差しを落とす。
そして2つの命ないものの気配―― 翼を背にした娘が見上げていた。
果たされなかった約束を一つ、思い出して 水面に揺れる姿は小さく呟く]
……ああ、友達に、似ている。
(+68) 2010/07/23(Fri) 23時頃
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[そして―――寄り掛かる“彼”の姿に、 梢は小さくざわめいた、アリーシャの言葉に同意するように
さわり さわり と ]
(+69) 2010/07/23(Fri) 23時頃
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……全部のひとが、異形を嫌うわけじゃないよ。
[自分の周り。 異形が食べてしまった、優しいひとたちを思い出して、呟く]
この樹も、それがわかるんじゃないかな?
[言いながら、上呂が差し入れられる様子を見る。 懐かしい、と思うのは、どちらの記憶だろう]
……お水、汲んで。 ……何かに、あげるの?
(+70) 2010/07/23(Fri) 23時頃
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……あ、れ?
[何気なく、見やった水面。 そこに揺れる影に気づいて、瞬く]
やっぱり、何か……誰か、いる?
[微かに聞こえた呟きに、首を傾げつつ、零すのは小さな呟き]
(+71) 2010/07/23(Fri) 23時頃
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[上呂を差し入れた水面に、 見たことのない青年の姿が映った気がして。 不思議そうに大樹を見上げる。
さわり、と梢が揺れる音がした。]
(+72) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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[ 枝葉のざわめきはやまない。 風があろうとなかろうと ]
( ――なら、いいけれど 時間が )
[ 水面に映る枝葉は ゆれて ゆれて ]
( あと、ひとつ お願いがあるんだ )
[ 聞こえない耳に、届くだろう 声 ]
(+73) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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――…うん、
怖いと思う異形もいたわ…、 命を護ってくれた異形も
[箱仙人掌の姿を思い出しながらそう呟く。 見上げる大樹は、誰かに話しかけているようでもあった。]
………ニムスと旅をしていた間、 何度か…思うことがあったわ…
この子には…人の魂が 宿ってるんじゃないかって、
[眩しそうに、大樹を見つめ]
それは、ただの私の願望だったのだけれど…
(+74) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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[手は、届かなかったけれど]
――置いてはいきませんよ。
一緒にいきましょう、
[最後に彼女に浮かべた笑みは、壊れる前の、優しいひと(機械)のもの]
[そこで、その機械の物語は、一度終わって――]
(+75) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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― 現在・城バルコニー跡 ―
[既に崩れ落ち、ひとの足ではたどり着けないそこに、生前より少しだけ若い、ヴァイオリニストの姿があった]
[そこからは泉が、大樹が一望できて]
――――………
[唄うように、祝福するように、あるいは―誘うように、ヴァイオリンを奏でる。
綺麗に弦の張られたそれを。
この生の舞台に、死の舞台に、彩りを添えるように、*響かせる*]
(+76) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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セシルは、生者にその音が聞こえるならば、きっと、その人はもうすぐ―…
2010/07/23(Fri) 23時半頃
セシルは、泉の側の誰かと目が合えば優しく微笑むことだろう。**
2010/07/23(Fri) 23時半頃
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[枝葉が揺れる。風があるのかないのかは、はっきりとはわからない]
……そう、だね。 『私』に宿った異形は、怖かったけれど。 何もない時は、穏やかだった。
[呟きと共に、白の翼を一度、動かす]
……ひとも異形も、かわらないのかも知れない、ね。 ううん……いきたい、っていう望みは。 同じもの。
[異形も、『妹』も。 同じ想いを抱いていたから。
きっと、そこは、変わらないもの]
(+77) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/07/23(Fri) 23時半頃
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[ヴァイオリン弾きの奏でる調べは、歓喜の歌か、鎮魂歌か。 暗灰色の夜空から、ふわりはらりと舞い降りるのは、 あの思い出の花畑の、満開の白い花びらか。 それとも天使の散らしていった、儚く消える白い羽か。
ゆっくりと静かに、世界は優しく包み込まれて…─
それはあまりに身勝手で、 それはあまりに優しくて、 それはあまりに残酷で、 それはあまりに、美しい。]
(+78) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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この子には…、誰かの魂が宿っているのかしら
[見つめる大樹の声は、死者にも届かない。 届くのは恐らく、彼が思う人だけに。]
―――…シィラは…、
[どうかしら、全ては言葉にはならず。 上呂の水の行く先を問われると、 淡く笑って「お花に、」とだけ答えた。
彼女の動かす白の翼を見つめる。]
(+79) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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[ ざわめきはノイズ混ざりの幻聴のようだろうか、] [ ゆれる 枝葉は 葉の一片を 水面に落とす ]
( 水を―― 汲んでいってあげて )
[ 水面に 砕ける姿は かすか ]
(+80) 2010/07/23(Fri) 23時半頃
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もしかしたら、そう、かもね。
[魂が宿っているかも知れない、という言葉に、ひとつ、頷く。 紡がれた、シィラの名に、ふと、空を見て、それから]
お花にお水は、大事。 ……あげないと、しょんぼりしちゃうから。
[水の行方への答えに、笑った。
同時に、思うのは。 花の名を贈った少女のこと]
(+81) 2010/07/24(Sat) 00時頃
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[優しいヴァイオリンの音が聞こえる。 その音に、その音を奏でる人に微笑んで。
それは死を招く音なのだろうか。 死する――…とは、なんだろう。 届かない、けれども今ここに在る魂は、 本当に死んでいるといえるのだろうか。]
そうでなくても、いいの
私を生かしてくれたのは…ニムスだから
[中庭から去るフィリップを見送る。]
――…彼が何者であろうと、いいの きっと
(+82) 2010/07/24(Sat) 00時頃
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[ 弦の音色が響いている、 それは生と死をも、祝福するような色鮮やかさで。
木陰で語らう“2人”の会話、 水を汲んだフィルが駆けて行く ]
[ 人の手で花に水が与えられ、 その花は、人の心を慰める ]
[ 与えあうことの尊さに、 もっと早く気づけていたら ――そう思うけれど ]
[ でも訪れつつある終焉は 優しい気がした ]
(+83) 2010/07/24(Sat) 00時頃
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[聞こえる音色に、バルコニーへと目を向ける。 音楽をゆっくりと聴くのは、だいぶ久しぶりのような気がしていた]
[水を汲んで駆けて行くフィリップを見送って。 泉の傍にいるひとたちを見る。
生けるもの。死せるもの。 どこにむかっているのだろう。
ふと、そんなことを考えていた]
(+84) 2010/07/24(Sat) 00時半頃
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[ 見張りの塔にもヴァイオリンの調べはかすかに響く、 生者には聴こえぬはずの音を――寄り添う亡霊は聴いている。
シィラの耳には、 ヨナの耳には……その音は、
聴こえているの だろう か ]
(+85) 2010/07/24(Sat) 00時半頃
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―泉・大樹―
[ その声は 友達に似た 翼の娘に振り落ちる ]
―――…花に、 あの子にも、水をあげて欲しいな。
笑い声を聴いたんだ。 姿は、見ていない。
でも、笑っているのに、寂しそうだった。 いつも、笑っているのに痛々しくて。
[ 唐突なその声音は、ほとんど面識がなかったから、 聞き覚えは無いだろう、けれど自分は彼女の名前を知っている。
あの子が“名前をくれる人”だと言っていた]
(+86) 2010/07/24(Sat) 00時半頃
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ベネットは、ヨナの肩の上で小さく鳴いた。
2010/07/24(Sat) 00時半頃
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……え?
[不意に聞こえた声に、ひとつ、ふたつと瞬いて。 ぐるり、と周囲を見回した]
……あの子……って。
[声の主が誰かはわからない、けれど。 誰の事をさしているのかは、何となく、わかった]
……ポーチュラカ?
[ああ、そう言えば、と思い出す。 呼びかけても目覚めなかった少女。 あの時は、記憶があふれるのが怖くて、逃げてしまったけれど──]
(+87) 2010/07/24(Sat) 01時頃
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……うん。 お水、あげないと、ね。
[今は、何かを恐れる必要もないから。 探しに行こう、と思った。 同じ状態になっているなら、きっと、見つけられるから、と。 ふわ、ふわり。 足を地に付けぬまま、動き出す]
(+88) 2010/07/24(Sat) 01時頃
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うん、ポーチュラカを あの子の小さな扉を、開けてあげて……
[ 囁きは 水面に 波紋を作り 翼の娘が歩き出せば――その意識は、]
――……ヨナ、
[ そして亡霊は 壁にもたれるヨナを 見つめる。 一度でも、これが救いになるかもしれない、と思ったこと。
そう、思ったことを悔やみながら]
(+89) 2010/07/24(Sat) 01時頃
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[大樹と翼の少女のやり取りはわからない。 ただ、お水をと呟く姿に緩く首を傾げて。]
―――…お水、
[ふわりと動き出す姿に、上呂を差し出して]
…あげてきて、
[ポーチュラカ、その名前の少女に。 彼女の挿していた朱い花に。]
――…私の代わりに、
[そう言って、送り出した。]
(+90) 2010/07/24(Sat) 01時頃
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[泉の傍で腰を下ろすと コリーンを、 ガストンを、 泉の傍に居る者達を 弦の音を聞きながら眺めている。]
(+91) 2010/07/24(Sat) 01時頃
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……あ……。
[小さな扉、という言葉。 それは声の主の名前へと繋がり、足を止めて大樹を振り返った]
うん。 わかった。
[頷きながらの言葉は、呼びかけるふたり双方へと向けられる。 差し出された上呂を受け取り、ふわ、ふわり。
向かうのは、眠る少女を見つけたその場所]
(+92) 2010/07/24(Sat) 01時頃
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[そして、世界を命を繋ぎとめていた、最後の泉も…─]
(+93) 2010/07/24(Sat) 01時頃
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―――……ヨナ、見ている。
見ているよ。
見えるから、君の中の泉も……
(+94) 2010/07/24(Sat) 01時頃
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