158 Anotherday for "wolves"
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[幼き日を共に過ごした幼馴染の、 声無き声で紡ぐ其れを、 彼女の言わんとすることを、 男はいつだって知っているつもりだった。
―――…わかっているつもりだった。
だからこそ今目の前にするラディスラヴァの姿に、 通る声でメアリーへと向けるその紅い瞳の笑みに、 言葉を失くしてただただ幼馴染を見つめる。
生前彼女に言った言葉が過る。 メアリーの傍にいてあげて欲しいと。]
(+82) 2015/05/20(Wed) 17時半頃
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[それはこのような光景を思ってのものではなかった。 "彼女が今からやろうとしていること"に、 緩く、首を横に振って名前を呼ぶ。]
…ラーラ、 ダメだ。
[声は、届かない。]
こんなこと… しようとするのは、やめるんだ…。
[手を伸ばしてももう、 幼馴染の手を引き、止めることも叶わない。
メアリーへと微笑み告げるラディスラヴァの声、 声無き幼馴染を理解できていなかったのか。 ――――…ずっと、騙されていたのか。]
(+83) 2015/05/20(Wed) 17時半頃
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……こんなこと、
[ラディスラヴァへ否定のかぶりを振っても 死者の声は届かず、手も届かず、 無情にも現実ばかりが刻を進めていく。]
―――…俺は…、っ
[その後は紡げず。 その場の行く末を見ることは耐えられないとばかりに 哀しげに表情を歪めて俯くと、男の姿は其処から消えた。**]
(+84) 2015/05/20(Wed) 17時半頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/20(Wed) 17時半頃
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[ 「大丈夫さ」 って言うせんせの声>>+75が なんだかとっても小さくて、さみしくて わたしは口元をきゅっと結んで、降り注ぐ声にわらいかける。
相変わらずどこか皮肉っぽくて、諦めたような笑い声は 「しめっぽいなあ」と思ったけれど。
( カビちゃいますよ )
そう言うかわりに、手のある場所を伝い探して 握られた拳>>+76ごと包み込む。
( わたしの手じゃぜんぜんおさまりきらないけれど ) ]
……さいしょはね。 だあれもわたしを見てくれないのが、怖かった。 けどもう寂しくないです。 ……きっと、みんなどこかに居るから。
[ おとうさまとおかあさまも、何処かにいるかしら。と。 ]
(+85) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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[温度のない掌で覆っていた拳がふわりと動いて それを追いかけようとした指は 髪を撫でる感触に ぴたりと止まる。
なんでだろう。 どうしてだろう。 死んだ誰かと話ができると知ってしまったからか いま、サイラスが彼を屠っていると知るからか
ひどく曖昧になる 死の概念。
生前とさして変わらぬ白いまんまの指と指を小さく交わして せんせに触れようとする 寂しがりやの手を互いに縛る。
父も 母も あの街で喪った皆が もし。 今もこんなふうに どこかに居るかもと思ったら ―――わたしは。 ]
わたしは――
(+86) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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「また」 ひとりで残るよりは ぜんぜん。 いまのほうがいい。 だって、呼んだらせんせが来てくれたのだもの。
[そんなことを言って。
くしゅっとした笑い顔と共に すまない。なんて言う しめっぽいせんせ>>+76の手が浮くくらいに 首を振る。
ほろりと零れた彼の名に、動かぬ臓が締め付けられて つい慟哭の中に響いた声を思い出してしまうけれど
サイラスはまだ、大丈夫。 優しいまんまで居てくれるはずだから。
そんなしめっぽい自分とせんせを吹き飛ばすような おおきな深呼吸をひとつして
すう、ともひとつ胸を膨らませたのなら 森へ向き]
(+87) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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せーーーーんせー!!!!
[闇夜に抜けるでっかい声は、死者の憂いの影もない。]
…このくらいで叫んだら、次もせんせに届くかしら。
[薄ら白い少女の影はそう言って いたずらに、わらった。]
(+88) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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ねえ、せんせ。 これは何色?
[暫し後、わたしはじぶんが知る時よりも増えた土山を ひとつ ひとつと確かめ歩き それぞれに捧げられた花達を撫でながら色を問う。
献花にしては裁ち揃えられていないままの紫苑は 一体誰からだろうとか。 ひとつ、毒が香る一輪>>4:117に迷いなく触れれば あの時>>+23鼻を掠めたアネモネが眼下に咲く。 手を斑に腫れさせた日は、どうしてこんなに遠いのだろう。]
……また、増えるね。
[たぶんもうすぐ。幾つになるかな、の問いは飲み込んで、 わたしは微かに目を開けた。
血に濡れた金の獣を背負った彼>>20の足音が 聞こえてきたから。]
(+89) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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……………。
[ルパートと居た時と同じように わたしは彼を避けるように、せんせの背後へと隠れ 背中に走るひどく大きな恐れを押し込める。
気づかないで、見えないで、生きていて と 気が付いて、話して、またあの手を と
どちらもほんとうのわたしの声が、 体の中で叫ぶんだ。
震えながら伸ばした手は もう一度 あの夜のように>>2:=1 包んでもらうことは叶うだろうか**]
(+90) 2015/05/20(Wed) 21時頃
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[桜色の口元が笑みを形作る。>>+85 まだ少しあどけない少女の笑顔が、その時、 ほんの少し、大人のものに見えた。
温度も何もない筈なのに 触れた掌がまだ暖かいような錯覚を覚える。 静かに語られる言葉を、 こちらもまた静かに聞いている。]
…………そうだね。
[こうして死後も尚自我を保ち、個として在るならば 遠い日に別れた誰かも、どこかにいるかもしれない。
父と母を想う彼女の黒髪を、そっと撫でる。>>+86 できるだけ優しく。]
……。 (ひとり、か)
(+91) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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[今 ただ 隣人すら信じられず 独りで立つ彼らを思う。 ( ……アル )
花のつぼみが綻ぶような笑顔を零し、 マーゴットは強く、この歳の少女にしては本当に強く 男の謝罪を否定してみせた>>+87
続いた深呼吸に首を傾げ―― 耳を傾けていたのがいけなかったらしい。 大きな呼び声にびくりと肩を震わせ片掌で耳を塞いだ]
――――…………きみ、ねえ、
[咎める声も、怒りも、驚きも、全部全部、 くるりと振り向いた少女のいたずらな笑みに持ち去られ 残るは「ああ、もう」という諦念と、小さな笑いだけ。 南風が蒲公英の綿毛を吹き飛ばすように、 しめっぽさが飛んでいってしまった。]
(+92) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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赤に、水色に……緑、 紫、
――、([腫れるぞ、といおうとして、口を噤んだ])
[己の墓場に供えられた紫苑の花に目を細めた。 「あなたを忘れない」そんな言葉を持つ十五夜草。 供えたのは誰だろう。 ( ……らしくもないな)
浮かんだ猫の姿に、そっと首を振る。
花に触れながら色を問うマーゴットに答えながら その姿を見ている。>>+89 野原に遊ぶ娘を見ているようだ。 ふいに落とされた言葉に、眉根を顰める。
……もう、終わりにしたかった。 こんな殺しあいは。こんな哀しみは。]
(+93) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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[押し黙っていると、マーゴットの睫が震えた。 >>20 闇夜の中、重いものを背負い行くその姿は、 教会にかかっていた磔刑の像を思い起こさせた。
その影がサイラスのものだと理解するのと 彼が背負う獣が恐らくはグレッグだと把握するのは ほぼ、同時のこと。
ぱた。と黒髪揺らしマーゴットが己の背に隠れる。 何故、と思うたは一瞬。 震える掌は、黒い男の手へと向かう。>>+90]
( ……マーゴット )
[乙女の心が二つに引き裂かれている事など知らなくとも 求められていることは、ただ一つだと理解した。]
(+94) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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……会いたい、かい?
[婚礼の時の父親のように「幸せにおなり」と その掌を彼に渡す事は―― 彼が冥府の住人でない以上、できないけれども]
大丈夫さ。……大丈夫。 そんなに湿っぽくては――カビてしまう。
[そうして、何度目かわからない「大丈夫」を塗り重ねて 震える彼女の掌を、そっと包み、握り締める。 何かから守るように。]
(+95) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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[そうして静かに、サイラスが墓穴を掘るのを見ている。 見守り続けている。
彼には、辛い思いをさせている。 彼にも、村の皆にも、そしてアルカイドにも。 落とされた呟きを拾って、 口の中で小さく「すまない」と呟いた。]
…………願わくは……。
[あの真っ直ぐな薬屋の若者は生き残ってほしいと思う。 その一方で、こんな辛い仕打ちを受け続けるならば、 もう、とも思う。
わからなかったから、小さく ほんとうに小さく 彼が進む先に光あれと、願うのだ。*]
(+96) 2015/05/20(Wed) 22時半頃
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[ここならば宿屋からの音が聴こえないと。 男が再び姿を現したのは村の傍の河原だった。
小さい頃、遊びに来た場所。 幼馴染達と駆けて回った、 転んだ従妹を必死に掬い上げた場所。
一歩、躊躇いもなく水に足を踏み入れる。 せせらぎが聴こえるばかりの穏やかな地。 男の足音も水の跳ねる様子もない、生の世界。
自分が死ぬ覚悟はできていた男は、 他の村の者がこれ以上死ぬ覚悟はできておらず、 喧騒から離れてひとり、耳を閉ざすことにする。]
(+97) 2015/05/20(Wed) 23時半頃
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[見下ろすのは己の手、爪を短く切ったその指。 視界の隅で、岩に引っ掛かった流木が まるで天秤のように不自然に揺れる。
人間と『共存』する為の均衡、 水平に保たれていたはずの『天秤』、 そもそも天秤は、はじめから水平だったのか。
[男の知る『天秤』は―――… はじめから、水平なものではなかった。 人間との『共存』は、 いつだって人間に重きを置かれた歪なもの。]
(+98) 2015/05/20(Wed) 23時半頃
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(人間がこわがらないよう… 獣の型をとらないように心掛けた。)
(人間がこわがらないよう… その肌を傷つける事がないように爪も短くした。)
(人間がこわがらないよう… 牙を見せない笑い方を覚えた。)
(人間がこわがらないよう…)
[少しでも人間をこわがらせれば均衡は崩れる。 ひとつ、またひとつと 人狼が本来の在り方を人間の為になくして。 そうしてようやく『共存の為の均衡』が成り立つ。 それが男の知る『天秤』の本当の形で。]
(+99) 2015/05/21(Thu) 00時頃
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[人間は、好きだ。 人の姿でいれば人狼とそう変わらない。 気が合えば友達として想うこともできる。]
けれども、
人間は、こわい。 ちょっとした過ちですぐに均衡は崩れる。 そしてその信用は一度崩れれば 同族の血を以て償わなければならない。]
(+100) 2015/05/21(Thu) 00時頃
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―――…いっそ、みんなで… この村を出れば…よかったのかな。
[人間のことを気にしなくてもいい人狼だけの場所へ。 どれが、何か、何かが違っていれば。 別の未来もあったのではないか―――… そこまで考えて、緩く首を振る。 きっと何も変えられず…いつか、どこかで、 同じ問題は起きていたのだろうとも思った。
決断は下されもう戻ることはかなわない。 なら、男が願う結末は―――……**]
(+101) 2015/05/21(Thu) 00時頃
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っふふふふふ。 ――聞こえた?
[ 呆れた溜息、苦笑、ちょっと怒った?どうかしら。
くるり、鳴らない踵をひとつ打ち、 風の無い夜へスカートを翻しながら 笑みを向けた先のせんせ>>+92はきっと 口をへの字に曲げているだろう、なんて思う。
確認するのに口元に触れたらきっとまた、おんなしように怒られてしまうから わたしは自分の口元に手を当てて。
くすくす。 くすくす。
村でいちばんしめっぽいひとを、 ちょっとでも乾かしてやろうと肺に吸い込んだよるかぜは、 どうやら無事にその役目を遂げたようだ。]
(+102) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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[ 「あなたを忘れない」>>+93 そんな素敵な花言葉を知っていたのなら、 怖いもの知らずの幼さを武器に「せんせ、恋人いたの?」 なんて聞いただろうに。
せんせから、小さな小さな漏れるような吐息を感じて わたしははたり、と動きを止め 疑問符をひとつ。 頬の横に?を浮かべることしか出来なかったのは、 彼にとっては幸いだったのかもしれない。
わたしの触れた花に、せんせの低い声が重なる。 あかい あかい まっかなアネモネ。
指を擽るかすみ草と、分厚いフリルのカーネーション。 >>4:252白は亡き母へ。桃は感謝。 いつかの母の日、クラリッサに花言葉を教わって 川へ流した花束を思い出す。
贈り主がそこまで知っているかを考えては、 微かに頬を緩ませて 包むように 花束を抱いた。]
(+103) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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[グレッグと、彼の命。両方を背負った影がゆらめいて 確かな足音と重さでもって墓地へ近づく。
怖いんだ。どうしようもなく。 あの手に触れたくなってしまうことが。
そんなわたしの恐怖なんかお見通しだとでもいうように 掛けられる声>>+95は、低く、優しく。 背中に額をすり、と寄せて 金色の優しい光から目をそらす。
( うん。あいたい。)
無責任に頷いてしまいたい。けど。いけないこと、だから。 首が縦に動こうとするのを必死で繋ぎ止めれば 奥歯がぎちりと嫌な音を立てる。]
…………せんせ…。 …もう、かびてるかも。
[大丈夫、大丈夫。繰り返されるまじないと、包まれる手。 わたしは「父」の背中に顔をうずめ、幸いにも与えられる愛情に縋りつきながら 淀んだこころにフタをした。]
(+104) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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[ 不便なもので。 見なくても 視えてしまうもの。
サイラスの重い足取りと苦悶の息遣い、 ざくりざくりと 昏い夜のさらに深くへ続く 虚のような墓穴が拡がる音。 そのなかに”なにか”が置かれ また土の振るおと。
微動だにせずそれを見守る背中で それを聴く。
( おやすみなさい )グレッグ( おやすみなさい ) ( きっとまたちかいうちに いつものとおり ) ( おはようをいうから ) ]
だからサイラス、泣かないで――。
[わたしはせんせの影からようやく離れ 触れることができないひとの頬を、指先で探し 彼は誰時の空へ、絵の具のように 届かぬ言葉を溶かした。**]
(+105) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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[>>137河原にまで届く人狼の遠吠えに、 男は不安げに空を仰ぐ。
願うならばもう誰にも来てほしくない。
けれどもそれが既に叶わぬ願いであり、 生者をまた選ぶことになるのだろう。
なら、
来て欲しくない、と思い描く姿は3つ。
その声が、聴こえないように。 届かぬ向こう側に在るように。
祈るように、目を閉ざした。**]
(+106) 2015/05/21(Thu) 01時半頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/21(Thu) 01時半頃
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>>+104 そりゃあ、……乾かさなきゃな。
[ぽん、と背中に額が押し当てられる。 がちりと歯を食いしばり何かに耐える様子なのも 彼女が口にしなかった何もかもも、 深くは追求しないで、そっと掌に触れ包む。
距離は出来るだけ、二歩以上あけて 必要なときだけ寄り添えるように在る事。 医者の役目はただ、それだけ。
暗い空の下掘られる墓穴は 地獄にでも届きそうに見えた。 離れていくマーゴットの掌をそっと離す。 サイラスの涙を拭おうと、宙を彷徨う白い掌を見守った。]
(+107) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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[視線を転じるはキャサリンの墓。 捧げられた花冠――否、花輪>>2:501も。 カーネーション>>2:591も。 闇の中では蒼褪めて見えてしまって
(……。)
ふと、辛さを表情に出したのは マーゴットには見えないで幸いだった。 折角湿っぽさを払ってもらったのに、これでは意味が無い]
何かあれば、泣きたい時でもなんでもいい。 また呼びなさい。 ……さっきのような大きな声じゃあなくていいから。
[そう、マーゴットに静かに呼びかける。 それから、そっとその場から足を踏み出した。*]
(+108) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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― やがて ―
[焼け焦げた教会の一角。 落ちていない屋根の上。 村での出来事を見守り続けていた。] >>129 「……こが選んでくれないから、……。 ……八つ裂きか、喉笛を潰すか……。
……一番滑稽な串刺しにでも?」
( ……君だったのか。素敵な贈り物をありがとう。)
[―― 静かに目を伏せた。]
[ 今日になって何故、と思った。 このまま上手くすれば、他の者だって欺けただろうに。]
[続く声に、ぐ、と胸が痛む。]
(+109) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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>>135 「…………四肢を食い千切った後、 死なないように止血してから ―― 、 そのまま『魔女』を火炙りにかけるってのは、ねえ!」
…………もう、止せ。アル。(猫の癖にらしくもない。) 大馬鹿野郎。
[小さく呟いた声は風に消えた。 彼が己を殺した誰かを恨む姿も、殺す姿も見たくはないが、 この村を離れることもまた できないでいる。
そうして、いつしかまた体は真っ黒へと沈みこみ はたはたと揺らぐローブの音だけが、やけに煩くなる。]
(+110) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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[――”Oh ! La belle nuit pour le pauvre monde ! Et vive la mort et l'égalité !”
そう云ってけらけらり、あざ笑うのは誰だろう。 悪魔? 死神? それとも、自分自身だろうか。
それでも「今日も」やがては来る投票の時間を、 「終わり」が来ることを 死刑宣告でも待つように待っていた。**]
(+111) 2015/05/21(Thu) 02時半頃
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