267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】
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( つぼみがひとつ、ふえました )
(*0) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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( また、咳き込んで、種が落ちます )
(*1) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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( 顔を覆う花弁も、ひとつふたつ、舞いました )
(*2) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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" ミサ と いいます "
(*3) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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「 あなたに呪いをかけてあげる 」
(*4) 2019/06/17(Mon) 23時頃
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──── 星の降る夜。
(*5) 2019/06/18(Tue) 00時頃
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パンもスープも どれだけ口にしたことがなかったろう。 空の器を見下ろして、 不意、思ったものだから、 その夜、かたいもの を 食んでいた。 何れだけ噛んでいるのか、味蕾の在るべき部位が 欠けているものだから、全く解らず、
ぐっと 無理に飲み込めば ───のどに刺さるようで。
次第に綿を噛んでいるよな気分に陥り、 結局は、 薄紙にくるんで捨ててしまった。 味のない固形物、 パンの形をしていたなにか。 この世では食餌の調達さえも大変だというのに!
(*6) 2019/06/18(Tue) 00時頃
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根で栄養補給ができたら良いのに。 食慾というものを喪って久しい男は、 しょくぶつの 機能美を思うだけ。
(*7) 2019/06/18(Tue) 00時頃
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( 被検体は所詮被検体≠セった 完治しないのなら患者にすら成り切れない 僕にとっては消耗品で、籠の中の鳥だ。 箱の中の魚だ。 君の洞窟に光る碧海のような瞳の奥に ちらりと存在を主張するモノが見えても… ────── 水底は見えないものだろう )
(*8) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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夜の帳が下りて来るより深い闇の中だった。 締め切ったカーテンは風に踊りもせず、 冷たい■の中に潜む息吹にゆらめいている。 生まれ落ちる頃に眠る籠より大きな箱を一瞥し 想像上に生きる深海ほどに昏くなった室内で、 ぼう、とため息にもならぬと息を吐き出した。
(*9) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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・・ それが人の眠りより長く 深く微睡むうち 僕は研究の為に棺のような箱を開いただろう。 或時にはガートル台を引っ張ってきて 人離れした身に 人らしい補給を施した。 閉じ切られた瞼がぴくりとも動かないのなら はじめて見た時より小さくなった唇の上へと手を翳し うっすらと、呼吸を確かめようとも。
(*10) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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過ごしやすいとは言え 蒸し暑い夏を通り過ぎ 葉が老いはじめて来た頃に、持ち上げた蓋の下 水から這い出た生物のように 薄いキャラメルの髪が濡れているのを見る。
(*11) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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折角合わせた服のサイズも また指先が隠れるようになってしまったのか。 空気の悪い室内の、窓を少しばかり開きながら 僕は少し涼やかになった風を頬に浴びていた。 ────────── ──────
(*12) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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ところで 体温が低ければ 心が冷たいと揶揄され 人情に乏しければ血は異色だと云われるが 心臓が赤色でないとの文句は聞くに珍しい。 大海原のまんなかの 青い部分を切り取って もしくはブルーホールなんかを胸に埋めたような光が 僕の目に見えたのかは分からないが……
(*13) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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見えていたのだとしたら 僕は 僕より薄い体に埋めこまれたようなそれに 冷たいと指差される この手のひらを そッと 重ねようとしたことがあった。.......
(*14) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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・・・・・・・ 「 ......おかえりなさい。 食事の用意は出来ていますが 点滴の方が良いですか、153 」
(*15) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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被検体153が夏の眠りから覚めたとき それが、彼に真っ先に届いた音だったろう。
(*16) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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灰色の街に踏み込んだときに ほとんどの確率で見る死体に、 情を沸かす暇はむしろ惜しい 僕が被検体たちに抱いているのは それとよく似た■■だろう。
(*17) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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不治と揶揄されている病に侵された身は いずれ冷たくなる躯と何が違うのだろう。 擦り寄られても微笑まれても手を握られても 僕には生きている筈の君たちこそが まるで生きながらにして死んでいる■のように感じる。
(*18) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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そういう風に 患者たちはいつも 医者を海底に沈める■■を軽々と吐く。 言葉
(*19) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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あの頃のように 口角を持ち上げて 患者の声に耳を傾け 柔和に首肯し 否定を滅多にしないで受け止めるのは 錘を抱え込むようだ。 足に枷を嵌めるようだ。 「 …どうかなあ 」 僕はひんやりとしたかんばせのまま 夏より空気の軽くなった建物の中の 空気を舌の上にと転がした。
(*20) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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「 だって、君、 波打ち際からすら海底は覗けませんし 海底から陸の生活は見えないでしょう 」 距離を縮めようとした先で ずいぶんと目線の離れた被検体を見下げながら 僕はまばたき一つ 落としていた。
(*21) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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「 ただの人である僕は、けっして、 水の底へは往けませんから 君が陸に上がって来てください。 無理なら海の底に居ても判るように 目立つものを抱えてください。 」
(*22) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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目の前の■を前にして 冥府行の列車に手を振るような言葉だと... 過っては まばたきから再び姿を現した、 瞳水晶を 春ばかりでなく 153からも遠退かせた。
(*23) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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・・・ 「 いつもではないことに 順応するのは骨が折れますけど いつものように逢いに来てくれるなら 君を見付けられるかもしれませんね 」
(*24) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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[ ひとつずつ増えていくしらぎくは、 真実のなにかよりも、 ずぅっと、彼方へ導くものでしかなくて、 ]
(*25) 2019/06/18(Tue) 22時半頃
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