158 Anotherday for "wolves"
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[血に噎せ返る臭いの中、微かに残る少女の香り。 心まで『人間』に成り下がった獣にはきっとわからないそれを嗅ぎ付けると。 私はニタリと唇を歪めていました。]
糞餓鬼が。 『これ』は私のモノだったのに。
[ぽつりと、声を落とします。 普段話さないぶん、とても微かな音ではありましたが。 それはしんとした教会の中で、確かに響いておりました。]
(*29) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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[無惨に散らばるなかでひとつ。 顔だけは綺麗に残されていました。 私はその顔を見下ろすと、唇を動かしました。]
やっぱり脆いのね、人間って。 怖くて抵抗も出来なかった?
それとも優しいあなただから、抵抗もしなかったのかしら。
[くすくすと嗤う声が響きます。 紫の綺麗な瞳を見つめるだけで触れなどしません。 だって、誰かの残飯なんて汚くて触りたくもないじゃないですか。]
(*30) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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さようなら。
友達ゴッコ、楽しかったわ。
[にこりとやわらかな笑みを作って。 私はそっと囁くのです。]
(*31) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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───『またね』?
(*32) 2015/05/12(Tue) 23時半頃
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…── メアリー?
[どこかで悲鳴が聞こえなかったか───?>>*19]
(*33) 2015/05/13(Wed) 00時頃
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メアリー?
[声は二重写しのように、その耳まで届くだろうか。 ふわりと鼻をつく、血の香り。 甘いその香りに、男は微かに目を見開いた]
(*34) 2015/05/13(Wed) 00時頃
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[悲鳴が聞こえていた。 ひとり、ふたり、さんにんの声。
メアリーを呼ぶ声は先ほどまで聞こえたルパートの声。 さんにんのうち、ふたりの正体までは確信できる。
けれど、ああ、もうひとりの声は――。]
(*35) 2015/05/13(Wed) 00時半頃
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[くるり見渡すその中に、あの時確かに「ああ」と返した>>*15 声の主を見つけたのなら。]
………ふふ。
[くすりと唇を歪ませて、微笑みを一つ向けるのです。]
(*36) 2015/05/13(Wed) 00時半頃
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「どうしたんだい?」 [という父の声と]
「メアリー?」 [という父の声が]
?? [重なったように聞こえた。]
……何だか耳がヘン…。
(*37) 2015/05/13(Wed) 01時頃
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[微笑みが女のくちびるを彩る>>*36。 漏れる声は空気震わすそれではなく、 直接響くような、音色。]
――…ああ、もうひとりはキミだったんだね。
ラディスラヴァ。
[教会の天井を仰ぎ紡がれるべきはこの音色だったか、と。 ふ、と目を細めて酒場に現れた彼女を見詰めた。]
(*38) 2015/05/13(Wed) 01時頃
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[手を握れば、傍に寄れば間違いなく匂う血の残り香。 人より鋭い人狼の嗅覚の所為だろうか。 いや。それならばクラリッサもとうに気付いたはずだ。
…… ざわり。 心をざわめかせる血の香り。
感じられるのは”血”のためか。 それともこの身が、とうにまどろみの外にある為か]
(*39) 2015/05/13(Wed) 01時頃
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メアリー、聞こえるんだね。 お前、何をしてきたんだい?
…血の、匂いがしている。
[責める風はなく。 案じるように、確かめるように乗せる声なき囁き]
(*40) 2015/05/13(Wed) 01時半頃
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お父さんはいつだって、
[そう、いつだって。 人を手に掛けるには老いた、 ぬるま湯に馴らされすぎたこの身だけれども]
お前と──…
[声が聞こえる。ひとつ、ふたつ。 ああ、うたかたの夢から醒めた者らの声が]
…──── お前たちの味方だよ。
[闇に光る獣の目を伏せ、そう囁いた]
(*41) 2015/05/13(Wed) 01時半頃
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[ゆらり、聞こえる声。 それはやはりあの時の、彼の声。]
ええ、私。 腐ってない『ひと』がまだ居たのね。
[くすくすと、それは本当に楽しいことのように微笑みました。 口許を抑え、生温い理想郷の中で腐ってしまった 腑抜けた獣達にはバレないように。
泡沫の夢から醒めた者にしか伝わらぬ声で 私は『言葉』を落としました。]
(*42) 2015/05/13(Wed) 01時半頃
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[ さくり さくり 草を踏む4つの音。
眼の中の、やさしいだけだった光が柔らかな像を結んで 闇の中に浮かんだのは、背が高くて紫色の…… 返魂の一節を持つ 十五夜草。
「君を忘れない」
とおいとおい誰かを想う、思い続けてしまう ひと。]
せんせいが両親のために誓ってくださるなら わたしも頑張らないといけないですね。
………でも。 視えないまんまでも、しあわせですよ。
[ 治らなくとも、助けられずとも 救われる「なにか」は確かに あるのだと
墓地の出口で告げた ことば。**]
(=7) 2015/05/13(Wed) 01時半頃
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―食材小屋に向かう途中― [口からではない、 どこから伝わってくるのだろうこの声は。
慣れ親しんだ父の声が響く。 すぐ隣にいる父の声が。
不思議そうに父の口許を見ながら歩いていたけど 続く父の「血」という言葉に>>*40 眼を瞠る。]
…ッ!! してない……。 なんにもしてない!
[血の匂い…? そんなの考えもしなかった。 だって無我夢中だったから。]
(*43) 2015/05/13(Wed) 02時頃
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[食べ散らかした肉の味も覚えてないんだもの。]
(*44) 2015/05/13(Wed) 02時頃
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[“お前たち”とルパートは言うから、 それは聞こえる者に向けられると思えた。]
――…僕も味方だよ。
今夜のことは、秘密にしよう。
[ぽつり、ぽつり、声を紡ぎ。]
(*45) 2015/05/13(Wed) 02時頃
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[「お前たち」という言葉は 自分とグレッグのものだと勘違いしつつ 「味方」という言葉を聞いて尚 打ち明ける気配もなく。]
[滅多に怒ることのないお父さんだけども、それでも 「殺す」なんて絶対に許してもらえない。 だって、お父さんはスティーブン先生を まだ許してないから。]
(*46) 2015/05/13(Wed) 02時頃
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…? 誰?
わたしの中に入ってくるのは誰?
[今まで考えてなかったから気づかなかった。 父親の声だけではない。誰か別の人の声も聞こえる。]
なに…?怖い……。
[みんな見張ってるのかな、わたしが悪いことしないか。 …ううん、もう悪いことした…――から?]
(*47) 2015/05/13(Wed) 02時頃
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[楽しそうな笑みの音色>>*42が伝う。]
腐ってない『ひと』、ね。 ふぅん、キミにはそう見えるんだ。
腐りはしない。 けれど――…、
[共存の形はまるで飼い殺されるようで、 鈍っている、とそう感じていた。
密やかに交わされる言葉。 醒めてしまった己は泡沫の夢の中にはもう戻れない。]
(*48) 2015/05/13(Wed) 02時頃
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味方……、味方ね?
役者は揃った、というところかしら。
どこの誰がとは謂わないけれど 大変なことをしでかしたみたい。 明日の朝になれば、それはきっと楽しいお遊戯の始まりね。
[高く澄んだ声は、さて、何処まで届くでしょう。]
『一族の手で、過ちを正す』んでしょう?
味方なら、庇ってあげなくちゃならないかしら。 犯人さんが暴き出されたら、それが老人であれ若者であれ 女であれ子供であれ、きっとあの男は無慈悲に謂うわよ。
(*49) 2015/05/13(Wed) 02時頃
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「処せ。」
って。
[くすくすと零れるのは笑み。 密やかに交わる会話は、さて何年ぶりのものだったでしょう。]
そうなると、あの男が邪魔ね。 くだらない理想にしがみついた、哀れな獣。
どうせお遊戯は始まってしまうんだもの。
折角ならもっともっともっと、もぉっと。 派手に彩ってみない?
[くすくす、くすくす。 だって、楽しいんですもの。]
(*50) 2015/05/13(Wed) 02時頃
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………君かね。
[聞きなれぬ声。 思えば昔聞いたことはあったのだろうが、 それでも長らく──しかも年も違う──聞かなかった声。
高く澄んだ声響かせる娘へ向け、声ならざる声が向かって]
(*51) 2015/05/13(Wed) 02時半頃
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[深く落ちたのは、諦めに似た溜息。
何故同胞は目を覚まそうとしないのか。 何故同胞の手で、同胞を裁かねばならないのか。
人狼が人を食らうことなど”自然”というのに]
…… その前に長を、かね。
[そうかも知れない。それが正しいのかも知れない。 けれど長年をぬるま湯で過ごした男には最早牙はないけど]
(*52) 2015/05/13(Wed) 02時半頃
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やるなら──…
……、上手く「隠さないと」、なあ。
[牙はなくとも知恵はある。 さてどうしたものかと、思案する様子で口を*閉ざした*]
(*53) 2015/05/13(Wed) 02時半頃
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共存のため、共栄のため 『ひと』の為に。 同胞に手をかける。
私達だって『ひと』なんだから。
同胞に手をかけたって 構わないはずよね?
[諦めにも似た溜息が聞こえます。>>*52 声ならざる声が向かう先>>*51 私は彼に、微笑んで見せました。]
そうね、上手く隠さなくっちゃ。 でなきゃ、殺されちゃうわよ。
───“わたしたち”。
[『味方』なんでしょう、と首を傾いで見せて。]
(*54) 2015/05/13(Wed) 02時半頃
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[腐らない、誇り高き人狼。 …なぁんて謂うつもりは微塵もないけれど。>>*48
人間に紛れて、耐えて、黙って生きる。 それが『共存・共栄』だなんて。 初めから天秤なんて水平じゃなかったことに 気付きもしないお馬鹿さんたち。
泡沫の夢にしがみ付いて。 ありもしない理想を描いて。 微温湯に浸かって。 人と獣が仲良く手を取り合って生きていこうだなんて。
本当に、馬鹿みたい。
もう天秤は大きく軋んでしまったのだから。]
(*55) 2015/05/13(Wed) 03時頃
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───明日の朝が楽しみね?
(*56) 2015/05/13(Wed) 03時頃
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[私か、彼か、或いは彼女か。 誰がもう一握、砂を皿へと乗せるのかしら**]
(*57) 2015/05/13(Wed) 03時頃
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