212 冷たい校舎村(突)
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― 回想:春風と通 ―
[転校生が俺のクラスにやってきた。 二年生の時の話だ。
ただし俺はフライングでそいつの姿を知ってた。 職員室で見かけてたからだ。
その日。真っ先に通に右手を差し出しに行った俺は、 それと同じくらい真っ先に弁当を広げに行った。
コンビニ弁当をつついていた通に 叔母さんが作ってくれた卵焼きをお裾分けして。
ふと、外を見ながらぽつりと言った通の言葉に、 俺は一も二もなく承諾した。>>78
だって、断る理由もねェし、 眺めが良くて気持ちがいい屋上は好きだったから]
(115) 2017/03/16(Thu) 23時半頃
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[他の高校はどうだか知らねェけど、 ここの高校の屋上は昼休みの間だけ解放されてた。
だから弁当食べ終わった後に、 通を連れて、屋上に続く階段を上がっていった。
その日は良く晴れてて、 暖かい風が吹いてて、授業が無けりゃ 昼寝するのにバッチリな日和だった。
街の景色が分からないって、通は言ってた。
だから、教えてやろうと思ってたんだけど、 通は、夢中になって街の景色を眺めてた。>>81
前髪で隠れてても、その奥の目が楽しそうで。 俺はしばらく声を掛けずに、 通と一緒に同じ方向を見てた]
(116) 2017/03/16(Thu) 23時半頃
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[春の風が穏やかに吹いていた。
その時は、その時間が 永遠に続くんじゃないかって錯覚してたけど、 永遠を終わらせたのは、俺だった。
だって、チャイムが鳴る時間が迫ってたから。
学校にいる間は、どうしたって時間に縛られる。 それはここで生きるためのルールだから仕方がねェ。
だから通に、戻るぞ、って言いながら、 俺はもう一言付け足した]
(117) 2017/03/16(Thu) 23時半頃
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「 今度、この街、案内してやるよ 」
[こんな遠い場所から見るだけじゃなくて、 もっと近くで教えてやろうって、俺は決めた。
この景色がアンタにとって、いいものであるように。 そう願いながら、俺は通に一つ、約束をした]*
(118) 2017/03/16(Thu) 23時半頃
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— 病院 —
[夜間入り口は、と探していたら、 こちらに向かって手を振るつばさ氏の姿が見えた。]
連絡ありがと。 どう? 橘くんは助かりそう?
[今の状況を、つばさ氏は教えてくれる。 現在手術中で、助かるかどうかは五分五分といったところらしい。 病院の人が言うには、生死を分つのは患者の気力と体力次第、と。
わたしたちにできるのはやっぱり、待つことだけ。
ロビーに入ったすぐのところ、雨風を避けられるくらいの場所で、 他に来るであろうクラスメートを待ちながら、静かにじっとしているしか。*]
(+18) 2017/03/16(Thu) 23時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 例えばさ。 お前の目の前に居る 前髪の鬱陶しい男が、 実は親を事故で亡くして、 九つ上の姉と二人暮らししていて、 そこから更に一線越えたあげく、 姉もつい最近自殺しました。
……とか 言ったら、どうよ。 ]
(119) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ ああ、やだなあ ひみつでじょーだんだって。 ]
(120) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ ざわめき。ひそひそ。囁き声。 俺は笑顔を崩さないまま、いつかの光景の中にいた。 クラスメートに聞いたあの質問だけどさ、 たとえば、 それを聞いてどうするんだろうな? 無価値な数字に当てはめたとして、 それで どうしたっていうんだろう? ]
(121) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ …何人に一人だったんだろう。 確かに興味本位だよ。 でも別に、面白がって聞いていた訳じゃあなくて、 もし こんな俺みたいな奴がいたらさ、 …どこかに ひとりでもいたらさ?
希望的観測だよ 先生。 ]
(122) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 俺が "異常じゃない" って、 少しでも思いたいと そう願うことに 罪なんてないですよね?* ]
(123) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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― →3F廊下 ―
[ 静かに、静かに。 大和と来たときが、すっかり昔のようだ。 験担ぎ、"落ちないように"階段を降りて、 ふと 教室のひとつを覗き込めば ―― 数多の 瞳。
前髪の向こうから 俺を刺してくる。 ]
(124) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 絵都さんが。 姉さんが 死んだ理由は 知らない。 ただ俺に分かっていたのは、 絵都さんがだんだん痩せていったこと、 俺に抱いて欲しいと願ってきたこと、 時折 長い前髪の奥、暗い瞳を宿して、 ぼうと俺を見つめていたこと。
甘い声色から掠れた声色に変わっていって、 俺にかけてくる言葉が 呪いのようだったこと。 ]
(125) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 断ればよかったのに。 俺は 段々窮屈に感じてきた環境から 確かに絵都さんに ―― 死んで、欲しいと思っていたのに どうしてそれが出来なかったんだろう。 それも よく分からなくて、 なし崩し的に 結局 …、さあ
あれって 合ってたのかな それとも、…間違っていたのか、な。 もう絵都さん 死んじゃったし、分からないままだ。 ]
(126) 2017/03/17(Fri) 00時頃
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[ 絵都さんの 死にかけの眼差し。 あれに力なんて無いはずなのに、 俺を刺す様な あの瞳は、 何時までもそこにいそうな それ は、
…黒板の瞳に ようく 似ていた* ]
(127) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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[ 遅れたお返事。
拝啓 ホストさんへ。 人という定義に当てはまるものは分かりませんが、 俺を俺たらしめるものがあれば、 それはきっと、古辺絵都の呪いです** ]
(128) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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[>>109 呼吸をするように、 ゆっくりと吐かれた言葉は、 最後に「たぶん」ってオマケが付いてきた。
でもきっとそうなんだろうなァって、思うけど、 うさぎの謎だけが解けなくて。
那由多もきっと知らないだろうなって思ったから、 何も訊き返さず、謎は解けないまま。
可愛らしいうさぎとマネキンを見て、 そして那由多へと視線を移した]
(129) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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そっか。 はいはい、りょーかい。
[>>112 真面目だねェって どこかでも思った事をまた思って、 ポスターを剝いで、黒板の上部に貼っていく。
落書きのくせに、妙に視線を感じるソレを、 ポスターの下へと隠していく。 ぺたぺた。テープをポスターの角に貼る。
しばらく無言でその作業を続けていた時、 泣きかけ、みたいな那由多の声が飛んできた。>>113 から、俺は手は動かしたまま、へらり]
(130) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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無理なァ。 してるつもりはねェ、けど。
無理してるように見える、俺?
[おどけるように、冗談交じりに 訊き返して、また一つ目を隠していく。
笑ってばっかの俺が、 那由多にはどう見えてるんだろなァ。 だけど直接聞き返す度胸がなくて、そんな遠回りをする]*
(131) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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[人が消える度に、時間が経つほどに、 きっとみんな摩耗していく。 那由多だってそんな顔、 今までした事なかったじゃん。なァ?
何時になったら、みんな帰れると思うよ。 通が訊ねる声を思い出す。
帰りたいと思ったら帰れるのかもな、と俺は応えた。
だとしたら、さほど摩耗もせず、 強く願いもしない俺は、どうなるんだろうなァ]**
(132) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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/* ちょっと体調悪くて、ぐでっとしながらログ追ったりしてたんですが、パンケーキのクリームへの皆の反応が嬉しすぎたしマネキン見つけてくれた保田の反応がもう優しすぎて泣いてる 保田〜〜〜!!!保田お前〜〜〜〜〜(泣)みたいな
(-33) 2017/03/17(Fri) 00時半頃
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/* 全員に言えるようになれとか言わないけどとりあえず保田幸せにならないと許さない 橘もどうか帰ってきて幸せになってくれ というかみんなこんなに優しくていい奴ばかりなのになんでこんなにみんな悩んで苦しんでるんだ?この世界が悪いのか?世界をぶっ壊せばいいのか?(錯乱)
(-34) 2017/03/17(Fri) 01時頃
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/* あっそれと村建て様マネキンの場所についての対応ありがとうございます……感謝……お手数かけて申し訳ありませんでした……
(-35) 2017/03/17(Fri) 01時頃
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[二人揃って病院へと向かう道すがら。 ささらちゃんと話せたことでわたしには、 ちょっとばかり他のことを考える余裕ができていた。
ホストが誰だったのか分かったけれど、 あの校舎(せかい)の仕組み、みたいなものについては謎はまだ多い。
つばさちゃんに似たマネキンは何だったんだろう。 つばさちゃん本人は無事に帰れていたわけだけど、 あれのおかげで無事を確認するまで色々心臓に悪かったのは事実]
……結局、帰ったひとの代わりだったのかな、あのマネキンは。
[たぶん、きっと、そう。 だとすればわたしだいぶ無残な姿だよ……とは、 口に出せないまま小さくため息をついた]
(+19) 2017/03/17(Fri) 01時頃
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[そうこうしているうちに病院の建物が見えてきた。 夜間出入り口側に回る。 つばさちゃんの姿が見えたら大きく手を振った。>>+18 そうして彼女の口から現状を聞く]
……そっかあ。
[手術中で。 助かるかどうかは五分五分で。 あとは患者さん次第だって。 言われたわたしは粛々と頷くことしかできない]
(+20) 2017/03/17(Fri) 01時頃
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[ロビーの、まだ出入り口に近い辺りから、 手術室のある方角に、祈るような眼差しを送っていると、]
……あれ?
[病院の奥からこっちへ、 出入り口から入ってきたわたし達非入院患者とは、 逆の方からロビーに向かってくる人影を見つけた。>>+4 そっと人影に近付いていく]
こんな時間にどうし……、
[お見舞いにしては遅すぎる、というか、 電動車椅子に乗って入院着を身に着けてるからむしろ患者の可能性が高い。 ともあれ気になって声をかけたんだけど、 相手がクラスメイトだと気付いて途中から驚くような声をあげた]
(+21) 2017/03/17(Fri) 01時頃
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あれ……上須賀くん? 上須賀くんだよね!?
[ばっさりと切られた髪。 身体のあちこちにつけられたパッド。 車椅子で移動する姿。 教室で見る姿ともあの校舎で見た姿とも違う。
入院してる、と皆方先生からちらっと聞いてたのを思い出す。 だけど、これは見たところちょっとした入院って感じじゃない。
帰ってきたのを喜ぶのも忘れて、 しばらく驚いた顔で見つめるばかり**]
(+22) 2017/03/17(Fri) 01時半頃
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無理してるように、見えない あんまし
[ テープが皺にならないように、 端からおさえて、丁寧に貼り付ける。
降ってきた声>>131、やっぱり、 いつも通り じみていて、
ちょっとしたおふざけ みたいな声音に、 今度はもう少し、平気 に喋れていた はず。
最後の眸、白い眼差し に、 また、蓋をしながら。ぺたり。]
(133) 2017/03/17(Fri) 01時半頃
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でも、気ぃ遣ってくれたんだなって
……思ったから、
ひとのことばっか気にして、 自分のこと、気づけてないんだったら、 …………嫌じゃん
[ きっちり、ポスターを引っ張って、 ぴんと伸ばして、テープを止めたら、出来上がり。
おっしゃ って、完成形には、 ちょっと、満足げに声を上げて、 カラフルな部屋に、マネキン を見て、 ちょっと、さみしい ような、気はしたけど。]
(134) 2017/03/17(Fri) 01時半頃
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[ …………あ。 さみしい か。これ。 ]
(135) 2017/03/17(Fri) 01時半頃
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[ 振り返って、笑う。笑って言おうと、した。 さっき、理一がしてたみたいに。
……多分眉は下がり気味だったけど。]
サンキュー、満足 した
[ そう、これは自己満足。
別に、そうしてくれって言われたわけでもないし、 おまえの選択なんて、もう聞けねえじゃん、元賀。
たいせつに、ぬいぐるみを抱えたマネキン、 どかすとか、動かす気にも、なんなくて、
とりあえず、これでいいか って、 思いながら、礼を言うついでに、 一応、笑えた ついでに、こぼす。]
(136) 2017/03/17(Fri) 01時半頃
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