255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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[その化け物は私だった]
(-119) 2018/12/14(Fri) 00時半頃
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[無垢だった少女が ――蝶をつかむ。美しい蝶を。 クシャッとつぶす、それと同じ手で、兄を掴む。 昔、懐かしい思い出、大好きな兄の姿。 だいすきな、貴方をかさね]
……そう、願いを叶えたんだ。
[本当は、私の為に。 私だって、本当は貴方に『愛』されたかった。 いくつもの本当が絡み合って、天秤を揺らし崩れさせる。 何が本当で、何が嘘なのか、段々分からなくなる。
唇は、彼の問に。パピヨンの死に]
(-120) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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[こくん、と頷いた。 呪った声に、応えたように。呪った貴方に 呪詛を返すように。虫も殺せない手で 嫌いじゃなかった人を]
…そんな理由?本当にね。 そんな理由だ、でも、そんな理由じゃないんだよ 兄さんを好きってことは。
ずっと、私を見てくれなかったでしょ 怖がりな私のことを。
[――心のやさしさなんて何処にもない。 身を乗り出そうとする兄が、倒れないか其れを危ぶみ。 手はかっちりとにぎられる。不安定な揺れは世界のようで。
ああ、悪魔は私だと、突きつけられる]
(-121) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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何故って、すきだから。 他に理由なんて、もう『分からない』よ
[歪む兄の貌に、私は泣く。 微笑む、それの繰り返し、泣き虫で怖がりな妹の はにかむ妹のまま。――山羊の皮をかぶり]
(-122) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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そうだね、 でも、だからこそだよ。 私は兄さんだから、アポロって人がすき
どうしてって――
[妹であることが嬉しかった。 私を大切にしてくれることが嬉しかった。 指を絡めた手が、震える。何もかも本当のこと。
分からないという兄が]
(-123) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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兄さんこそ、分からないよ 愛しているから以外に必要なのかな
[――貴方を、愛しているから。 アポロという男を。兄という人を、妹として、女として。 家族としても無論、すべてすべて私だけの
兄で、アポロで居てほしく。]
(-124) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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…見てはだめなの? 兄さんのこと、見てはだめ?
[ダメだって分かっているのに。 兄の言葉に首を傾げ、見上げる瞳を瞬いた それは確かに兄から見れば、狂っていると思われても 肯定するだろう、すり減った神経は確かに狂い。
車椅子を動かそうとする兄の手から 振り切ろうとする、手から
―――繋いだ手を、放す]
(-125) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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おかしいって、なんで? ずっと兄さんの方がおかしかったじゃない 私のこと、『見』てなかったでしょ?
……誰だったの
[血がにじむ手を案じる心は 手当を訴える。爪をたて、真っ赤ににじませる兄を]
(-126) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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……ねえ、兄さん
どうして逃げるの
[追いかける足は、寝室へ続き。 涙をぬぐい、兄の手の傷を心配する。 車椅子の兄、足がある妹。歩けないのはどっちだろう]
傷の手当しなきゃ。 せっかく、見てもらったのに、
(-127) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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[ドアの前にたち。 寝室の中、後ろ手で
――カチリ、と鍵を閉めて
泣き笑ったままいた**]
(-128) 2018/12/14(Fri) 01時頃
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