45 哀染桜 〜届かなかったこの想い〜
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もう、いない人なんですか? 俺は、何も知らないです。 だから、その人が生きているなら 俺ならそうします。
[聞くけれど、問いはしない。 もしその人がもういないのなら。 自分の想い人も、もういない。 彼女の、来世の幸せを自分は祈っただろうか。
彼女の気持ちに気付かなかった自分は ただ最後の言葉だけを知りたかった。
だから、今の自分なら、幸いを祈るだろう]
(+40) 2012/03/15(Thu) 22時頃
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もういない人なら。生まれ変わって… 望まれて、幸せに、と。祈ります。
…桜は望まれるから咲くんだそうです。 皆、桜に焦がれるから。
だからあんなに儚くても、花開くのだそうです。 人も、そうなのではないでしょうかね。
(+41) 2012/03/15(Thu) 22時頃
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子守り パティは、メモを貼った。
2012/03/15(Thu) 22時頃
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そうですよね。 変なことを言いました。すみません。
[笑みに歪んだ口元>>15に、くだらないことを聞いてしまったと少し恥ずかしくなる。 彼がそれを知っているというわけではないのに。
桜の声は聞こえていない。 彼に聞こえているということも知らない。
でも、本当に食べる為に此処に呼ばれたのだとしたら。 どうして呼ばれたのだろうとも思う。]
(23) 2012/03/15(Thu) 22時半頃
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[風に吹かれ、揺れる枝。 同時に、桜の樹が妖しく嗤い出す―――]
『全て喰らってやる』
『だから早く、お前の魂を』
『 よ こ せ 』
[―――その声は一部の耳にしか届かない*]
(*2) 2012/03/15(Thu) 22時半頃
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…そう、もう、居ない。
[けれど、自分は彼の様な思えるだろうか。 まぶたの裏によみがえる群青の瞳は、深く哀しみの色をたたえて。 低い彼の声は、今の彼女の様に、僅かに震えていた。
彼が、自分を愛してくれていると知っていたのに。 それでも、自分は… ]
(+42) 2012/03/15(Thu) 22時半頃
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いないのですか。 …なら、貴女がかわりに自分を赦してあげたらどうですか?
[故人が何を望んでいたか、赦したかったか赦せなかったか。 もうそれは誰にもわからない]
貴女は苦しかったんじゃ、ないですか? 手を伸ばした先に何もないのは寂しすぎる。
(+43) 2012/03/15(Thu) 22時半頃
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[彼の言葉に、銀が舞った。]
…いいの。 それは、私の受けるべき罰だから。
[あまり感情が浮かぶ事の無い顔が、崩れているのがわかる。 青年には、きっとはっきりとは見えないだろう。]
自分で、選んだ事、だから…
[無理に、笑ってみせた。 はっきりと見えなくて、助かったと思う。]
(+44) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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[青年の手に己が手を重ねたまま、頭上からの声に顔を上げた。]
───…あ。
[少し前に聞こえた声。
一緒に、居たかった───、と。]
(+45) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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[彼女が何を思ったのか、知らない。 怖がられるかもしれない。というのは片隅にはあったけれど、それを隠して事実が変わるわけでもない。 まさか自分も死者のようなもの、だなんて考えているとは聞こえていたら予想外だけれど。]
――逃さない。
[おんなじくらいの小声で繰り返した。 もう誰も、ここにいる人皆、この桜にとらわれる。]
(24) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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ねえ、それ、皆に言いに行こう。 言った所で何も変わらなくても、心の準備とか出来るかもしれないし。
それに。
[ここにいることが決まってしまう方が気楽な人もいるかもしれないよ、なんて。軽率すぎる、と言い出しかけて止まった。 戻りたい人もいるだろう。戻れなくてそれこそ絶望する人もいるだろう。 さすがに、馬鹿すぎた。]
や、ううん、ごめん、何でもない。 ね、行こうよ。
[促す先は、人影の減った楽師のそば。]
(25) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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そう…なら、俺は何も、いいません。 貴女自信が決めたなら。
[深緑はそれ以上はいわない 自分には、彼女が求めていることはわからないから]
ただ、自分が辛くあって…その人が喜ぶかは、 知りません。 俺なら。幸せになってほしいと思います。
(+46) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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[途方に暮れていても失笑>>10は届いた。 お前はばかだ、と言われたように思えて少しむすっとしたけれど それよりも。]
桜に、くわれた?
[根元から見上げる樹。 何の変哲もないはずの桜。 色が少しおかしいくらいで後は何も
否。
彼女も、彼も、みんな樹の傍で消えてはいなかったか。]
(26) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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ベネットは、橙に視線を移す。少し、手に力を込めて。
2012/03/15(Thu) 23時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2012/03/15(Thu) 23時頃
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[銀糸と翠瑪瑙の会話をただ、黙って聞いて居る。
何故、銀糸の女が自らに罰を科すのかわからずに。
桜に吸い上げられ混じり合っても記憶は読めない。 ただ、女にわかるのは彼女の心を覆う感情だけ。
だから悲しくて、彼女が消える前に囁いたと同じ、一緒に居るよ。と、心の中で繰り返して居る。]
(私は此処に居るよ。 私達は、此処に居るよ。)
(+47) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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[風が過ぎる度に聞こえてくる声から逃れようと、目を閉じる。
そして、過ぎて行った出来事を思い出す――…
クラスの子とは馴染めなくて、常に一人。 早退する事も多かったし、数日間家から出られない事もままあった。 お昼の休み時間に、誰も居ない教室を探して回った。 どうせ一人なら、静かな場所の方がいいと、そう思って。
そして辿りついたのが、美術室。 使用しない時は鍵がかけられているはずなのに、ドアは迎え入れてくれたのだった。 不思議に思いながらも、窓際へと移動する。 その時、奥の部屋―準備室―から出て来た先生に、見つかってしまったのが最初、だった。
――――思い出は、一呼吸の内に蘇る。]
(27) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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クラリッサは、ベネットの手を握り返す。幸せになって欲しいと云う、彼の心に虚ろは見えない。それが女を安心させた。
2012/03/15(Thu) 23時頃
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(帰りたい場所も、待っていてほしい人もいない。)
(でも、桜の糧になる、って?)
[消えてしまえるのならそれでもいいと、諦めの気持ちが芽生えているものの。 未知への恐怖心くらい人並みにある。]
……
(28) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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[繋ぐ手の絡む指先からは、自分はまだ存在しているのだと安心する事が出来た。
>>25皆に言いに行こうと促されるのだが、樹に近づく気にはなれない。 一歩でも動けば、忽ちの内に桜に捕らわれてしまいそうだったから。
隣の彼に、目を細め穏やかに笑みかけて]
もし、私が消えてしまったら、 のぞむがこの事を伝えて?
[彼女に残された時間は、それほど多くは無いのを実感していた。 歩いて向かうだけで、途中で居なくなってしまうのなら、 最後まで、誰かと話していたいと思ったから。]
(29) 2012/03/15(Thu) 23時頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/03/15(Thu) 23時頃
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[こうも長く人と話すのは久しぶりなのかもしれない。 思い出して滑稽なのは…この二人の名すら知らないこと。 けれど、橙がいう「皆「同じ」人」であるのなら、 その名前すら不要な境界線なのだろう]
桜は…何を望む花なんだろうね。
悲しくあり幸せでもあり。 出会いであり別れであり。
その根に死体があるといえば… 桜の元に、人は集うのだもの。
[翠色は、そこにある人々を目に写す]
(+48) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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[忘れられない、忘れたくないあの日の桜。 彼と一緒に歩いたあの日、見上げた桜は美しかった。
あの時と同じように美しく、しかし違う花。 綺麗なのに、哀しい花。]
マコ。大丈夫?
[マコの様子を見て、少し心配になり声を掛ける。]
(30) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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俺は、君にもそうなってほしいと想うよ。
[橙にもう一度、翠を向ける。
桜がざわめく。また、何かを飲み込むかのように]
……人は…幸せになるために、生まれてくるのにね。
(+49) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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[女は自分が自分でない感覚を味わって居る。 ふわふわと空気に溶けて、実体が無くなって仕舞った様な。
──実際、身体は此処に無いのかもしれないが。
だからこそ、常の気の強さもなりを潜め、心に感じる侭に温もりを求め、叉、与えんと欲する。]
(+50) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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[奏者は、もう周りが見えていないかのように、 ふらりと桜に近づいて行く。
伸ばす片手。 もう片方には、しっかりと愛器を握って。 それは、此処ではない、現の世界と同じ。 自分で無くなるその瞬間まで、自分で在りたい……と。]
(31) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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[名を尋ねられて姓を答えられなかった訳。 愛した人と、同じだからだ。 血がつながっていなくとも、同性ということよりも それが、重く冷たい鎖だった。
兄は父の連れ子、自分は母の連れ子。 互いに積極的に歩み寄れるような性格ではなかった。 けれど、不器用に…… 音痴なのに、ヴァイオリンの音に合わすように鼻歌を歌うとか そうやって近づこうとしてくれた人。
コンサートのチケットを自分から贈ったこともない。 それでも、彼が会場のどこかに居ないかと、いつも探していた。]
(32) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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う、ん。でも……
[のぞむが伝えて。それそのものは、もちろん、とばかり頷きたい気持ちはあったのだけれど、でもそれじゃあまるでそのたった一瞬、ほんの数歩の間すら彼女がとどまっていられないみたいじゃないか。 嫌だ、ととっさに思った。戻りたいと望んだ彼女が消えてしまうなんて、理不尽だ。 残りたいと望んだ自分じゃなくて、どうして。]
……わかった。
[手はまだ繋がっている。ここにエリアスは存在してる。 幽霊と手が繋がっているなんて不確かすぎる絆かもしれないけれど、それでも僕の手が覚えてる。 生きたぬくもり。静かな声。あいつとは反対の色した銀髪。 この手を離すもんか。最後の、その一瞬まで。]
(33) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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あと、どれくらい?
[エリアスを見ないまま、桜に視線を向けて、言った。 エリアスに聞いたのかも、桜に聞いたのかも、答えがあるならどっちでもよかった。 ないなら、それでも仕方ない。少しでも長くあれと、望むだけだ。]
(34) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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幸せが何か、私にもうわからない。 わかるのは、独りは不幸せって事くらい。
だから───、 此処に居れば、しあわせ ──だよ?
[外に居た時より和らいだ翠を確認して、その想いは強まる。]
(+51) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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[「幸せになってほしい」と願うけれど、 自分の幸せは祈らない。 翠色から空虚は消えたけれど、 消えてしまった想いに心は痛み、 そしてなくしたことを悼まないわけでもない。
だからせめて自分でもあるだろう橙色に。 自分を責める銀色に。
少しでも、と]
(+52) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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/* セシル(´;ω;`)ブワッ
(-11) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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[桜が囁く声に負けまいと、きゅっと唇を噛む。 桜の元へと行って、皆に異変を知らせようとする彼を、足止めしてしまうなんて、我儘だなと思う。
それでも――― 彼の優しさに、甘えてしまいたかったのは、誰かに聞いておいてほしかったから。
透けてゆく世界に、何かを残しておきたかった。]
ごめんね、引き留めちゃって…。
…私ね、好きな人が居たんだ。 でも、実らない恋だと、気付くには遅かった。
(35) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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[恋とは、奏者にとって訳の分からない猛毒《カンタレラ》。 身に抱いて生きていれば、きっといつかあの人も殺してしまう。
耳に届く幻の声。 嗚呼、幸せになって欲しい。誰よりもあの人に。 けれど、それと同時に、とても憎い……―――。
愛して欲しかった、姓も性を乗り越えて。 弟でなく、一人の人として……。 奏者からは、ヴァイオリンの音には乗せれても、 言葉で求めることはできなかったくせに。 だから、求める己の醜さも良く判っていた。]
(36) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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…そう。なら、よかった…
[此処とは、「桜のあるこの場所」だろうか。 それとも、こうして「在る」ことに、 そう想ってくれているのだろうか]
君が幸せなら…俺も幸せなのかもしれない。
[橙は翠であって、翠は橙であって。 境界線をなくした今は、そう思ってもいいのだろう]
(+53) 2012/03/15(Thu) 23時半頃
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