105 CLUB【_Ground】
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[インクが描くのは、柔らかな笑みを見せる兎の愛玩動物。 桃色の愛らしいキルティングに身を包む。 その胸元に揺れるのは、銀色。
男の唇が辿る情報は、印刷物と全く同じ。 そして追記された立ち会いの名は、部下には見覚えのないものだろう。 上からはFFと呼ばれている、男の本名。]
どこから、話すかね。
[話す口調は、御伽噺の一つでも語るよう。]
もう、十八年も前になるか。 俺が二十歳になった頃の話だ。
(@90) 2013/12/22(Sun) 03時半頃
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[おわかれ──。]
…──、 うん。
…──、 みんなに、送ってたんだ。 …──、 いいこだねぇ。
[いつもよりも、随分と間があくのは、 一声一声、息を整えているせいだ。
ほんのすこしでも、不安をあたえてはいけないから。 通信機から漏れて来る声に、意識を向けさえして。]
(@91) 2013/12/22(Sun) 03時半頃
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…──、
…──、
…──、 うん。
[チアキの口から語られる数週間の思い出に 頷く。
声は吐息のやわらかさ。
コツンとちいさな音がして、 まるで、額をくっつけ合っているように思えて、 応えるように、コツ、と爪で扉を叩いた。]
(@92) 2013/12/22(Sun) 03時半頃
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…──、 いっぱい、練習した? …──、 うん。 よく、観察したね。
[サムの可愛い贈り物を聞いて、くすり。]
……──、 だいじょうぶ、 今のはオレとサムと、チアキだけの秘密。
(@93) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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切欠なんぞ、たいしたこっちゃなくてな。 単純に人と付き合うのが苦手で、頭動かすのは得意だからこの職に就いた。 十八で入って二年働いて、初めて製作に携わる事になって。 つっても、勿論今ほど重役じゃなかったけどな。
[その頃は若く、自分の見えている世界が全てで。 ただ目の前の今日を、明日を、生きていた。]
アイツが生まれた時は、そりゃあ、嬉しくてな。
[忘れるはずがない、柔らかな雪が舞い落ちる夜。 神の祝福を受けて“生まれた”のだと思うほど。]
一番下っ端だった俺が、世話係に就いた。
(@94) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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この“仕事”がどういうモンなのか、全然わかってなかったんだろうな。
[こうして冷酷で在る現在(いま)は、過去のそれ故に。 虎にも、フェネックにも、ティーにも、サミュにも。 他にも、誰にも落とした冷たい雨音。]
俺も、アイツも、すぐに惹かれあった。 “世話”なんぞしてると、そうなっちまうのかもしんねぇ。 若い所員にはよく在る詰まらん話だ。
[最初は警戒していた兎が、徐々に慣れ。 男に甘えるようになり、寂しくなれば呼び、詩を詠い。 男もすぐに足を向け、小さな体を抱き締め、絵本を読み聞かせ。 目隠しを外したい衝動を何度抑えたか。 体を重ねたい欲求を何度慰めたか。]
(@95) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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[チアキが画用紙に描いた絵を、 ティーはまだ見ていない。
一番好きなものをとリクエストした。 希望は希望であって、約束ではないけれど。
そこに描かれているものを、見たくなかった。
もうすぐ、新しい飼い主で埋め尽くされる画用紙を──。]
(@96) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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[若い所員によくあるつまらない話。
鼓膜が拾う過去物語は、 そう、まるで、自分のことのように。]
(@97) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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…──── ァキ
[ちいさな声。
喘ぐような。]
オレは、
オレは、へーき。 元気だよ。
(@98) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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[チアキへの答えというより、 自分に言い聞かす言葉。
白い雪を降らせた声が、真白に凪いだ雪原を穿つ。]
(@99) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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チアキ、 それは、 まちがい。
[額をつけたまま、ふるりと頭を振る。 硝子レンズの端が扉に当たり、カツリと音を立てた。]
やさしーのは、 チアキだよ──…。
[約束。 その言葉に、アイスブルーが揺らぐ。
いやだ。 見たくない。
そんなこと、言えるわけがなくて。]
…──────、 ぅん。 ぜったいに、見るから────…。
(@100) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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――――愛してたよ。
[目を閉じなくても、耳を塞がなくても、すぐそこにまだ残る感触。 部下の小さな声(>>@98)に、重なったのは偶然か。]
揃いのロケットなんて買って、こっそり渡したりしてな。 “いつか”一緒に写真をとって、お互いで持とうなんて 下らん未来を、叶えられると信じてた。
[減俸もペナルティも、研究所を追い出されても構わなかった。 二人で並んでいけるなら、歩んでいけるなら。]
それが“愛”だと信じてた。
[その愛(プロセス)は、かくも脆く。 “いつか”なんて曖昧なもの、いつまで待っても訪れる事はない。]
(@101) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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まあ、愛らしい顔だったから。 アイツに買い手が着くのは遅くなかった。 出荷されてすぐに成約になった、飼い主の顔なんざ覚えてねぇが。
[一度珈琲に視線を落とす。 兎の顔は忘れずとも、飼い主になった男の顔は思い出せない。]
世話係として、立ち会いが決まった。 俺はその場をぶち壊して、奪って逃げようとも思ってた ……その頃は、若かったからな。
[そう、もう二〇年も経ってしまった。 それほどの若さも、眩しさも、真っ直ぐさも、“数週間前(いま)”の男にはなく。]
アイツもものすごく嫌がってた。 でも、それは決定事項で、どうしようもない事だ。 お前なら、わかるだろ?
[赤い羽根の記憶、深層で触れた男とサミュの似た部分。]
(@102) 2013/12/22(Sun) 04時頃
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普段泣くようなヤツじゃねぇのに、泣き喚いて暴れまくって。
[それはともすれば、虎と重なる。]
主張なんてあんましねぇのに。
[それはともすれば、狼と重なる。]
俺もアイツも所員に羽交い絞めにされて。 俺の場合は、見せしめだったんだろうな。 “お前が携わる仕事は、こういうことだ” っつう。
[神聖なあの部屋は、小さな教会(しょけいだい)。 無惨にも、目隠しを外すというただ一つで落ちる刃は いったいこれまでにいくつの想いを刎ね飛ばして来たのだろう。]
(@103) 2013/12/22(Sun) 04時半頃
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[ (あい)なんて、知らない──。
偶然被さった声に、 無意識の、虚(から)の心が軋みをあげた。
知らないものは認められない。
さみしくて、かなしくて、こころぼそくて。 ただそばにいてくれる誰かを求めるのが(あい)なら、 そんなものはこの感情の名前ではないと、訴える。]
(@104) 2013/12/22(Sun) 04時半頃
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泣き喚いた顔は、目隠しを外されて見る見る変わってったよ。 俺だけにしか向けてなかった、向けない、そう思ってた表情に。 ご大層に誓いのキスまでやってのけて、アイツは振り向いた。
余程、だったんだろうな。 『解離性系統的健忘』、記憶喪失ってやつだ。 俺の事だけ、すっぽりなんもかんも、忘れて。
警戒した目で、言ったんだ。
「 ――――“Who” are you ? 」 っ、てな。
(@105) 2013/12/22(Sun) 04時半頃
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[チアキが心配している。 しおれる花に最後の水をやりに来たのに、 不安そうな声をあげさせてしまった。]
ん…──、 へーき。 オレはへーき。
……ほら。
[だからティーは笑う。 顔は見えなくとも、笑えば声も明るくなると聞いた。
だから、わらう。]
(@106) 2013/12/22(Sun) 04時半頃
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[そこから先は語るに至らない、とても下らない話。
男が“Foo(存在している)/Who(誰)”と名乗りはじめたことも。 あの兎を追い求め、何度も同じものを作り出そうとしたことも。 目隠しを外す“客(にんげん)”を憎んだことも。 同じような思いをさせぬ為に辛く当たる態度も言葉も。 貫くような所員としての動きも。 感情でわかっていながら、立場が雁字搦めに縛り付けていることも。 何一つ、男にはしてやれることがないことも。 そんな自分自身を、一番憎んでいることも。
口にしてしまえば簡単で、実に面白みのない物語(じんせい)。]
(@107) 2013/12/22(Sun) 05時頃
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[話し疲れたのか、男は少し間を置いた。 声が揺れる事はなく、まるで御伽噺のような口調。 切り捨てた過去を震え声で語る資格は、男にはない。
――――愛してたよ。
――――そう、愛して “た” 。
少し冷えた珈琲を啜る。 窓から見上げるのは、空。 真っ白な、雪。]
(@108) 2013/12/22(Sun) 05時頃
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長くなったが、そういうこった。 全部投げ出しても欲しいもんが、あった。 まぁ、手には入らなかったけどな。
[淡々と話す様は他人事であるかのよう。 そして、一時戻るのは“上司”としての顔。]
で、お前には居んのか。 買いたいやつが。
[それが蛇とリスでなければ。 フェネックか虎であれば、買えなくはない。 買い取りという形になり、減俸もペナルティもついてしまうが。 心の内を聞けるかと、向ける瞳は強く。]
(@109) 2013/12/22(Sun) 05時頃
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[何度も名前を呼ばれて、目を閉じる。
呼んでくれる声が、チアキのものだから。 心地好い、ひなたのような声だから。
ほぅ──と、吐息が漏れた。]
(@110) 2013/12/22(Sun) 05時頃
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[サミュからの返事がある前に、もう一人の部下と繋がった通信を切った。 白衣のポケットに眠る銀は、全て聞いてしまったのだろう。 聞かせたくなどなかった。 いつまでも、いつまでも “愛してる” と。
嘘でも、貫き通したかった。]
(@111) 2013/12/22(Sun) 05時頃
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[チアキの声に赦されるように、 細い指が銀の蔓を摘み、 ノンフレームの硝子の堤防を、崩した。]
…──チアキ、
オレは、チアキがそう言ってくれるから、 へーきだよ。
チアキはオレに、ずっと欲しかった言葉をくれた。
泣いていいって。 寄りかかっていいって。
オレは誰かに、ずっとそう言って欲しかった。
(@112) 2013/12/22(Sun) 05時頃
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チアキは、わるいこだね。
…────オレとおんなじだ。
チアキ。 …──チアキ。
( オレの )チアキ────。
(@113) 2013/12/22(Sun) 05時頃
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チアキが寂しいとオレも寂しい。 チアキが悲しいとオレも悲しい。
チアキが嬉しいとオレも嬉しい。
……チアキが笑う顔が見たい。
(@114) 2013/12/22(Sun) 05時頃
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[何度も何度も、繰り返し名前を呼んだ。
降り積もる雪のように、 チアキを白く隠してしまえればいいと。]
……──〜、 チアキ
[震える唇から、隙間風のような声が漏れる。]
(@115) 2013/12/22(Sun) 05時半頃
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[切なげに愛しい子の名を呼びながら、
薄い唇は、うっすらと、笑っていた。]
(@116) 2013/12/22(Sun) 05時半頃
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もし、だ。 お前が買いてぇヤツが居たとして。 そいつがお前と同じ気持ちなら、俺は何も言わん。
[新しい煙草を取り出して、火を灯す。 空気に溶ける白は、雪よりももっと穢れている。]
買い取る時も、出来るだけ上に掛け合ってやる。
[そう言って話し終えた“上司”の灰皿の上。 押し付けられた煙草は、強い噛み痕が残っていた。 どこかにも淡々と降り積もる、涙(ゆき)の *かわりに*]
(@117) 2013/12/22(Sun) 05時半頃
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[決して開かない扉の向こうで、 小さな傷つきやすいこころを抱えて、
他の誰かにこころを奪われる前に]
(@118) 2013/12/22(Sun) 05時半頃
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[────────────────……]
(@119) 2013/12/22(Sun) 05時半頃
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