146 demi-human... 『亜人の住まう街で』
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・・・なにも聞いてねーよ。
凡そどっかサンポでも行ってんじゃねーの。
[妙な静けさを湛えた空間。 ひととき、そのまま佇んだ後少女の問い>>17に口を開く。
言葉とは裏腹、確証のない不安を覚えていることに、らしくねえなと苛立って髪を掻く。 恐らくは同じ発想に至ったのだろうか、自分の服を引く小さな手からも緊張が伝わってくる。
いちど目を閉じて、開ける。 その指をやんわり剥がせば、代わりにさっき作った鍵を握らせて。空いた手は小さな頭に軽く乗せた。]
戸締りヨロシク。
アンタはせいぜいじっとしてなよ。
[傷つけたくも、傷つきたくもないのであれば。 今日は外出しても碌な事がないのは目に見えている。そんな意図を含めて言葉少なにそれだけ忠告をすると、手を振り振り、身勝手にするりと店を後にしようとしただろう。*]
(27) 2015/01/13(Tue) 22時頃
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/* ワクラバさん狼って気づいてなかったやつ
(-12) 2015/01/13(Tue) 22時頃
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-街・中央-
…地味に痛いものですねぇ…。 さて、こういう時はどうするんでしたかね。
[取り敢えず刺さった侭だったそれを力任せに引き抜けば、収まるどころか一層紅と痛みは増していくようで。 利き手だった分、心の内で悪態をつきたくもなるのである。 地面に投げ捨てたそれは乾いた音を立てて、一回跳ね上がるも再び地面で静かになった。]
全く…本当に……疲れました、呆れましたよ。 その内飽きるかと思っていたんですが、増すとも減る見込みはありませんし。
[先程抜き取ったものを拾い上げれば人のいる方へと投げる。 それは誰かに当たったようで、広がるのは血の臭い。 唯、鬱憤を晴らす対象としてやられた以上、此方がしてはいけない道理など何処にあると言うのだろう。]
もう如何なったって僕の知った事じゃあないです。 今、此処で、戦争になったって知りません。 嗚呼、こんな歪んだ平和ならば…“ ”。
(28) 2015/01/13(Tue) 22時半頃
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“一つ残さず消えてしまえばいいんです”。
(-13) 2015/01/13(Tue) 22時半頃
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[周りの眼差しが一層険しくなったのは確かで。 それによって飛んでくる罵倒や鬱憤の類いも、しかし全く意味を成さなかった。]
嗚呼、そうです、それがいいでしょう…! ふふ、ふふふ…はははははっ!
[怪我をしていない手で顔を覆うと、突如として笑い出したその光景は酷く奇怪なもの。 とうとう気でも触れたかと、避ける様に僅か距離が開く。 それでも1分もしない内にぴたりと笑うのを止めたのが警戒させたのだろう、一層空気は張り詰める。 ずるり、と覆っていた手を下せば周りを見渡して。]
貴方方は僕が邪魔で仕方がない、僕は貴方方が疎ましくて仕方がない。 …いいじゃないですか、潮時です。 一緒の生活なんて辞めればいいんですよ。
[その発言を聞いてか、全く静まり返る辺りの人間に向けられた血のような赤は、爛々としていた。 …まるで獲物でも狙う猛獣のように。]
(29) 2015/01/13(Tue) 23時頃
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― 街の外れにて ―
[目を覚ませば木の陰で。ぽつり、ぽつりと途切れた赤の道。「ああ、」と納得した声と共に近くに転がる傘へと手を。陽は既に高く昇っていて、直接光に当たっていないのに皮膚が焼けるように痛む。]
……ああ、もう。嫌ですねぇ。 ええ、嫌ですぅ。最悪ですぅ。 流石のヨーランダちゃんも激おこぷんぷんなのですぅ……。
全部、……全部、アイツらが悪いんですぅ。 ――だからぁ、はやく血を抜き取って殺っちまえばいいのにぃ……。
[小さく溜息を一つ吐き、立ち上がって――何となく違和感。ゆるり、と視線を動かしその違和感の正体を探そうとしたが陽の光が邪魔をして。]
――ッ、 ああ、……そう、ですかぁ。 分かりました。分かりましたよぉ。 MAX分かっちゃいましたぁ……、
(30) 2015/01/13(Tue) 23時頃
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つまり、殺っちまえばいいんですよねぇ、 ……殺っちまってもいいってことですよぇ?
[肩の激痛で瞳を見開いて視線を其方へ。そこにあったのは一本の矢。じわり、と赤が滲むのなんて気にもせず力任せにそれを引き抜くと矢が飛んできた方向を見て。]
何ですかぁ、コレ。 こんなんでぇ、スーパープリチーな吸血鬼を殺れると思っているんですかぁ? もし、本気でぇ殺りに来ているならぁ……、 ――アンタ、頭沸いちゃってるんじゃねぇですかねぇって思いますですよぅ。
(31) 2015/01/13(Tue) 23時頃
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[痛みなんて苦ではない。どうせ直ぐに癒えるのだから。一番苦しいのは――、 蝙蝠に姿を変え、家畜の方へと飛び上がる。「仲良く」だなんてどうでもいい。平穏に安全に暮らせないのならばそんなことをする意味なんて無い。 影だかなんだか知らないけれど、正体も動機も分からないそれに期待するならいっそ、]
……あーあ。 気が変わっちまいましたぁ。 急募、アンタらをーぶっ殺すやる気ぃ……いや、殺る気? なんちってぇ、ですねぇ。
[ぽつり、と呟いて。くるりと方向転換。思い出したのは酒場のおねえさんの言葉で。きっと亜人が人間に反撃したと話が広がったのならばもっと溝は深くなるだろう。仮に戦いが始まったとして、酒場は無事で済むだろうか。そうしたら――、おねえさんはどうなるのだろう。そう考えると反撃をする気にはどうしてもなれなくて。 赤い模様を地に落としながらその姿のまま、ふらふらと東部の方へ。]
(32) 2015/01/13(Tue) 23時頃
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[酒場の入り口は、万が一に備えて簡易バリケードが作られた。魔法が使えるものはその魔力を増幅させる杖やら、まじないの札やらを手元に置いている。外から打ち破られる前に、内から打って出るものがいるかもしれない。そんなピリピリした雰囲気である。もちろん、外の方も、今にも入り口を壊しにかかりそうなのだが…]
「なぁ、コリーンちゃんよ、店、守りたいのはわかるが…もう、無理じゃ。命の方が対峙じゃからの。布、外しとけ」
[巨人族の常連に、そう諭される。あと数十分で、内側か、外側か…どちらかから入り口が壊されるのは、避けられそうになかった。言われる通りに、布を外す]
…この酒場も、もう、お別れね…
(33) 2015/01/13(Tue) 23時半頃
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[それでも、なんとか、なんとか戦いを、止めたかった。でも、その術は、残っているのだろうか?そう思った時、自然と、ある行動を取っていた]
(34) 2015/01/13(Tue) 23時半頃
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Sing, sing a song Sing out loud Sing out strong Sing of good things not bad Sing of happy not sad.
Sing, sing a song Make it simple to last Your whole life long Don’t worry that it’s not Good enough for anyone Else to hear Just sing, sing a song.
Sing, sing a song Let the world sing along Sing of love there could be Sing for you and for me.
(35) 2015/01/13(Tue) 23時半頃
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Sing, sing a song Make it simple to last Your whole life long Don’t worry that it’s not
Good enough for anyone Else to hear Just sing, sing a song.
[歌ったのだ。この、緊迫した場面で、この、憎しみが渦巻く酒場で。現実逃避がしたかったのかもしれない。酒場の歌い手としての、最後の時を過ごしたかったのかもしれない。ただ、歌うしかない、私にはそれしかないと、そう思って]
(36) 2015/01/13(Tue) 23時半頃
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−籠の中から−
[子供部屋のカーテンはぴったりと閉められて、外の様子を覗くことは出来ません。 とは言え、たかだか布一枚。捲る気になれば街はすぐ目の前に見えるのですけれど、今のマリオはそんな気になれません。 子供用のベッドの上で頬杖をついて、足をバタバタさせて。昨日の夕暮れ、こっそり玄関を開けた時のことを思い出します。
帰ってきたマリオを、ママは怒りませんでした。 ただ駆け寄ってきて、黙って抱きしめてくれただけ。 けれど、マリオは知っています。 その腕が小刻みに震えていたことも。 涙が溢れてシャツの肩に染みを作ったことも。 よかったと、ママが何度も呟いていたことも。
いつも明るいママのそんな姿を見たら、さすがのマリオも、お外で遊びたいなんて言えませんでした。 だからベッドに横になったままで、いろんなことを考えました。]
(@0) 2015/01/14(Wed) 00時頃
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モモねーちゃん、大丈夫かな ヴェスお兄さんとこ、行ってみたいな …ワルモノは、ちょっと怖いけど
[優しいふたりと、ちょっぴり意地悪なひとり。 彼らは元気にしているでしょうか。昨日のお兄さんのように、石を投げられたりしていないといいのですけれど。]
クリスおじさん、ご用事終わったかな そしたら、また触らせてくれるかな
[ひんやりした鱗の感触を思い出そうとしながら、手のひらを握ったり開いたり。 そうこうするうちに、男の子は眠たくなってしまったようです。 無理もありません、ベッドの上ですることもなく、暇を持て余しているのですから。 長い睫毛に縁取られた瞼はピタリと閉ざされ、規則的な寝息が聞こえ始めます。夢の中でくらいは、お友達と仲良く遊べるといいのですが。**]
(@1) 2015/01/14(Wed) 00時頃
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…何か用でしょうか
[街の中央付近に来てみれば、男数人に囲まれて その手には農作畜産に使うような農具を持ってきていて。武器にでもするつもりだろうか]
俺はただの人間なので。見た目と、中身だけは 死なないだけの人間なので、武器は必要無いですよ
[拳で殴っても、成人男性が喧嘩する程度 農畜産業で鍛えあげられた屈強な肉体に敵うような体はしていない 平和的解決が出来るとも思っていなかったが]
――同じ人間からも、か
[元、とは言え自分も人間だと信じて暮らしていた時期があった 亜人を差別していた時期もあった それ故に、亜人から受け入れられない事もあって 亜人だとわかれば人間からは差別されて どこにも染まらず、染められず]
(37) 2015/01/14(Wed) 00時頃
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『お前のせいで…お前のせいであいつは……』
[あいつって誰だろう 沢山の人が飲まれる記憶を見てきたけれど、説明してくれないと そう考えた所で左頬に衝撃が走って思わず地面に転がる 殴られたとわかるのにほんの数秒かかって、それからむくりと起き上がれば男達を見る]
…痛いじゃないですか 何するんですか。俺は何もしてないのに
[息をするように嘘を吐いて 相手は亜人ならば悪いとでも言うように、もう一発殴ってくる 切れた口内も、転がった時に出来た擦り傷も、すぐに治癒して。何度も何度も立ち上がっては男達の前で同じ事を繰り返す]
(38) 2015/01/14(Wed) 00時頃
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“痛いです”
――そんなんじゃ、殺せないですよ
[首を切っても腕をもいでも血を失っても燃やされても何されても死なない。死ねない いい加減気味悪くなったのか、男達は気が済むまで殴ればどこかへ去って行って。今日は一段と人と話すな。なんて考えては街の中央へと歩いて行く その頃には既に傷など癒えていて**]
(39) 2015/01/14(Wed) 00時頃
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遂にこの国の王がこの街へと目をつけた
全てはここで決着をつけると
きっとキミ達の元にも兵隊が来るかもしれない
色々と話を聞かれるだろうが、兵隊は危害を加える事は無いが、どういう表情をしたかは、キミ達が見る事だ
兵士が入った事で街の人にも少し変化はあるかもしれない
それは萎縮か、それとも余計に差別は激しくなるか
(#3) 2015/01/14(Wed) 00時頃
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[歌は、御伽噺のような、そんな素敵な効果はなかった。ただ…少し『白けた』場違いに響く、その歌声に、怒気は、ほんの数分だけ揺らいだ。…その数分が、功を奏した]
「お前たち!武装して何をしている!散れ散れ!」
[暴力は歌よりもずっと、ずっと強かった。農具やナイフなどではなく、ギラリと光る穂先を備えた槍や、全身を覆うような鎧を装備した兵隊たちが、不穏な集会を散らしていったのだ。中の緊張は解けないが、とにかく、外から怒号は消え失せた]
…いなくなった…わよね。
[もう一度布をつけて、外の様子を恐る恐る伺う]
「お前たちも出てくるように!話を聞かせて貰う必要がある!気概は決して加えるなと、王からのお達しだ!」
「やれやれ、今度は騎士様かい。出るしかないかのう。」
[椅子やテーブルのバリケードを撤去して、マスター達と共に、騎士の元へと行く。…万が一に備えて、布は外せるようにして]
(40) 2015/01/14(Wed) 00時半頃
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( ……寒い )
[陽のあたらぬ場所。 己の家も大概暗いが、この場所の比ではない。 まだ、体は動くか。――どれほど保つだろうか。
囁くは憎悪。呻くは怨念。 凝る闇に、差し込む光は只管に弱い。]
( 飲まれたのがおれでよかったのかもな )
[冷たい息を吐きながら、ぼうっとそんな事を思う。 そして、目を閉じた。
『 ………………!!』
呼び声が聞こえてきたのは、夢の縁に立ったすぐ後の事*]
(+3) 2015/01/14(Wed) 00時半頃
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[周りが元の勢いを取り戻し、少しごたついた後くらいの事だろうか。 最後、飛んできた何かを払い除けた時にそれを“聞いた”。 何かが近くを蠢いているような、そんな感覚を伴うそれは、しかし確かめるより先に重い鉄の音を捉える。 一斉に勢いを失った人間達は、『散れ』と言う声に従ってバラバラになっていった。 そして目の前に現れたのは、随分しっかりとした装備に身を固めた面々。 ならば勝手に行かせてもらおうかと散っていった集団に続くように移動しようとすれば、肩を掴む手が一つ。]
何ですか? 僕には残れと言うんですか?
[鬱陶しい、という眼差しを向けるもそうだと言うように頷くので、渋々それに従って。 彼らが尋ねてきたのは“影”についてであった。]
知りませんよ、そんなもの。 …この話も、亜人と貴方方が呼ぶ相手にしか聞いていないんでしょう? ふふふ…実に滑稽ですね。
[騎士達はどうやら呆れと苛立ちを持った様子だった。 まあ、侮蔑しているのだから当たり前だが。 この応答は直ぐには終わりそうもない。]
(41) 2015/01/14(Wed) 08時頃
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……お散歩。
[いらだたしげに頭をかく彼の言葉>>27を反芻しながら、そこに滲む不安のようなものを感じとって、なにも言えなくなってしまいます。
同じことを考えているだろうにそれを指摘しないのは、彼の優しさでしょうか。 ――そうだとしたら、悪魔のくせに、なんて。ほんのすこし、おかしくなってしまいますけれど]
はい。 ……わたしは、もうすこし待ってみますね。
[鍵を受けとり、頭に乗るてのひらに目を細めます。 頭に置かれる手に、意味なんてないんでしょうけれど。 そのてのひらが存外ここちよいということは、内緒にしておきましょう。 言ったら、もうやってくれなくなりそうですもの]
(42) 2015/01/14(Wed) 09時頃
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……気をつけて、くださいね。
[もう既に怪我をしているみたいだから、今更かもしれませんが、そんなことを言って。 彼の後ろ姿を見送れば、いつも店主さんが座る席に腰かけます。 そうして今しばらくは、彼の帰りを待とうとしたでしょうか。
――外が騒がしくなってきたことに気づけば、騒ぎの方へと視線を向けるくらいは、したでしょうけれど*]
(43) 2015/01/14(Wed) 09時頃
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/* 何かこのこ結局このドス黒い感情解消も出来ないし表にも出せないしって無邪気装って生きてくしかないんじゃないかなって思い始めたょ
(-14) 2015/01/14(Wed) 09時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2015/01/14(Wed) 09時半頃
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[ ――名を、呼ばれた、気がしたのだが ]
『……おい! おいッ、そこの亜人!!』
[次に聴こえてきた声は全くあれとは違うもので 訝しく思いながら、彼は目を開ける。 目の前に金髪の壮年男性。それが「パルック」と呼ばれる人物だと、彼は知らない。じっとしていれば中々に人のよさそうな人相をしているだろうに、今は少しこけた頬にも、大きな鼻にも大量の汗を伝わせ、目を血走らせていた。
確かニンゲンや他の種族は暑い時や戦っている時に体温を発散するため「汗」というものを出すという。 ……この男は何故、汗をかいているのだろう。こんなにも「寒い」のに。
彼がぼやけた思考でそんなことを思っていると、胸倉を掴まれ、怒鳴られる。頬に飛んでくる唾が気持ち悪くて拭った。]
『ここは……ここはどこだ! どうせまたお前達亜人がやったことなんだろう、そうだろう! 出せ、俺をここから出せ!』
出せない。おれも引き込まれた
[淡々と応える。白い息が零れる。――寒い。 なんでもかんでも亜人のせいにするなと睨めば、金髪の男は更に激しくがなりたてる。]
(+4) 2015/01/14(Wed) 11時頃
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『煩い煩い! はやく返せ!妻と子に会わせてくれ! 暑くてかなわん、出せだせだせだせぇえええ』
……寒い、だろ、 が、
『全部全部お前らのせいだ! 醜いヒトモドキめ!!』
くるってやがる
[もしかしたらヒトによって、この亜空間で見えるものは違うのかもしれないが。それでも、血走った青い眼からは、既に正気の光は失われているように見えた。 彼がその薄い掌を払おうとすると、男は更に逆上し、大凡ヒトとは思えぬ唸り声をあげる。
星達の怨嗟の合唱が響く。――其れが、「ある男」に向けられた言葉のひとつひとつだと、彼は気づくことは出来ない。
血走った眼球がぐるぐるとまわるのが見えた。]
『あぁあぁぁぁぁあぁあぁあぁぁあ暑い熱い暑い熱い炎が、火が身体に燃え移っちまうよ燃える俺が燃えてしまうおいなんでお前は平気なんだそうかお前がやっているんだなだから平気なんだそうだろう早く出せここから出せ早く早く早く』
[”憎い” そんな声が聞こえた気がした。 彼の鱗が奔る首――それでも、喉の辺りはまだニンゲンのそれなのだ――に金髪の男は深く深く爪を立てる。痛み、気道が締まる。苦しいのに、寒さに凍えるからだは動かない]
(+5) 2015/01/14(Wed) 11時頃
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はな、せ 狂人、
『おおお目が、目がいくつも回ってぐるぐるぐるぐるぐる俺を見てるよう俺が何をしたっていうんだ許してくれよう俺のせいじゃないんだよころしてくれ熱い熱い熱い熱い……ああ、ああああ!
…くるっているのはおまえだ、 狂っているのは、お前だ!!』
[死ねと金髪の男は叫ぶ。 粘つく汗の感触。 ぐぅ、と押し込められた男の指の関節が白くなっていた。 眩んだ視界に、血走った眼が、叫び散らす口角の泡が映る。
背筋が凍るような――鱗が逆立つような心地がした。]
(+6) 2015/01/14(Wed) 11時頃
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――――……離せェッ!!
[叫ぶ声は震えていた。 思い切り金髪の男の鳩尾を殴りつける。 ただの人間がリザードマンの一撃に耐えられる筈も無く、肺の空気をほぼ全て押し出しながら、金髪の男は殴り飛ばされ、地面に転がった。
……再び、怨嗟と静寂が闇を支配する。 響く木枯らしの音。肩で息をしながら、彼は男を見た。 気絶はしたが死んではいないらしい。
頬についた唾を拭うと、彼は鼻を鳴らし歩きだした。 男のいない場所へ。
体温を奪うのは、寒さだけではないような気がした。
『狂っているのはお前だ』
その言葉を反芻して、震える。
多くの人々を殺し、それでもこの街で生きようとした自分は――
(+7) 2015/01/14(Wed) 11時頃
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――もしかしたら、この自分こそが、]
……は……
[小さく吐息を零して、彼は膝をついた。 そのままゆっくりと地面に倒れ臥す。 もう星すら見えない。
盲目の、闇だけが視界を支配する。
『お前のせいだ』 『不気味だ、近寄るな』 『気持ち悪い』
聴こえてくる聲に背を震わせる。 ……噫、寒い。**]
(+8) 2015/01/14(Wed) 11時頃
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/* ワクラバの追体験的な。
(-15) 2015/01/14(Wed) 11時頃
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