239 ―星間の手紙―
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そういえば、ステラにも長いこと連絡してなかったな。
[エデンでの生活を懐かしむうち、あちこちに不義理をしていたこともまた思い出す。 あそこを出てしばらくは、彼女とも連絡を取っていたのだけれど、何かのタイミングで返事をしそこねていた。 元気にしているだろうか。 あの儚い翼のような不思議な器官は、傷ついたりしていないだろうか。
もう一度、音声メッセージの作成を始める]
(28) 2018/04/24(Tue) 20時頃
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ステラ、長い間連絡していなくてごめん。アンタレスだ。 元気でやってるか? 君の綺麗な翼も元気だといい。
俺は仕事も順調、ちゃんと飯も食ってる。 こっちに知り合いも増えたけど、やっぱりエデンのみんなが懐かしいな。
今いる星は、空が金色って言うのかな、蜂蜜酒みたいな色をしてる。 白い雲がひらひら流れてると、何だ、えーと、すごく綺麗だ。表現力が無いな俺。
これからはさぼらずに返事するから、よかったらまたメッセージをくれると嬉しい。 じゃあ、また。
(-28) 2018/04/24(Tue) 20時頃
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よし、と。
[送信コマンドを実行して、窓の外へ目を向ける。 黄金色の空。
空の向こう。 エデンも、懐かしい皆の住む星はどれも、宇宙を越えて遙か彼方]
(29) 2018/04/24(Tue) 20時頃
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/* >>6 ところでエスペラントの人気ぶりに笑いました 本人とルシフェル除いた8人中5人から来てる いや俺も出したけどな!(どや
(-29) 2018/04/24(Tue) 20時頃
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/* きのうのひわかえしてぇのにねむてぇのだめだ…
(-30) 2018/04/24(Tue) 20時半頃
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/* アンタレスくんのお返事があまりにしんどい。。。 色々手遅れ感がすごくて。。。死んでごめん。。。 それに死ぬのが怖いキャンディちゃんと 既に死んでるリザの関係もヤバいよな〜〜!
(-31) 2018/04/24(Tue) 20時半頃
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こんにちは、ルシフェル。 あら、メッセージが届いてますね!
ちゃんと受け取ってくれて、ありがとう。 これなら、昨日の私のメールも 正しく届けてもらえたかしら。
ルシフェル、貴方はやっぱりすごい子です。
(-32) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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お礼にまた一つ、教えてあげましょうね。
人間って ね 毎日がすごく楽しいのですよ。 今日はどんな日になるだろう。 明日は何があるだろう。 まるで、宝石で彩られた道を歩いているみたい。
貴方には、今の私の気持ち、解らないでしょう。 …………それとも、解りますか?
人に寄り添う 貴方になら────……
(-33) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[仕事終わり、長くはない休憩時間を削って。 挨拶の様に通信機を撫ぜながら、 新規のメッセージを確認します。
きし と、レンズが動きました。 ふつ と、湧き上がるものがありました。 けれど私は、その正体も知らずに 何とお返事したものか と、考え始めるのです。
それから、躊躇いがちに──── ]
(30) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[聞き取り辛い声色。 ザリザリとした、確かな電子音。 それは 決して、録音した音声故のものではなく。]
(-34) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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ハロー、貴方の今日は どんな日でしたか?
それを知る術が無い様に、 明日がどんな日かも、私には知る事が出来ません。 でもきっと それで良いのだと思いますよ。 だってその方が、明日が楽しみになるでしょう?
"楽しみ"が実現するのが、明日なのです。 だから貴方の言う通り、 明日には明日にしか無いものがあるのでしょうね。
(-35) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[僅かな沈黙。]
(-36) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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…………私が人であった時も 明日の事は、明日にならねば解りませんでした。 けれど 貴方のお知り合いの人は、 それを知る術を持っているのですね。 それとも、ご本か何かで読んだのかしら。
お蕎麦にはきっと、天ぷらが合いますよ。 嗚呼、私が其処に居れば、作ってあげられるのに。 残念です──── すごく、残念。 五十九年ぶりのお蕎麦、味わってお食べなさいね。
その後、気が向いたのなら どうか 貴方にとっての今日が どんな日だったのか、私に教えて下さいな。
明日のお話、出来なくってごめんなさい。
(-37) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[──── 送信。 文章でなく音声を送るのは、緊張します。 緊張。 ふふ、おかしな響き。 別に緊張する必要なんて、無いでしょうにね。
それから もう一通の新着メッセージ。 それを見て、考え込む仕草を。
送り主は、知っている人でした。 事故に遭ったという人でした。 わたしが酷く心配していた筈なのに、 私はすっかりとそれを忘れていたのです。 ……さて、どう返したものでしょう。 考える指先は、どうにも鈍く重いものでした。]
(31) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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はじめまして、エスペラント。 私はモナ。惑星オイジュスにあるお屋敷のメイドです。
音声でなく文章でのお返事、お許し下さい。 私の声はとても聞き苦しいので、 きっと貴方を不快にさせてしまいますから。
さて、結論から言いましょう。 私は 身体が全てなくなろうと 人は人のまま生きていけると考えます。 その生命が尽きる時まで、人は人なのです。
貴方は、何故 と思うでしょうか。 でしたら、私からも問いかけましょう。 どうして、生きていないと言えるのでしょうか。 どうして、人ではないと言えるのでしょうか。
(-38) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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折角です、貴方のこれまで抱え込んだ気鬱ごと、 思う事の全てを詳らかにお話して頂けたなら、 其の悲しげな声を慰める為、尽力致します。 貴方の欲しい答えを、きっとお渡しします。
もし 泣きたくなったのなら、私の元へおいで下さい。 その涙を拭う指先ならば、私も持っていますから。
貴方の息災を祈って モナより:)
(-40) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[私に心臓があったなら、 きっと どくどく 激しく脈打っていた事でしょう。
嘘偽りを打ち出したわけではありません。 けれど、決して誠実でもありませんでした。 彼が此処へ来る事はないだろう 彼が真実を知る日はこないのだと、高をくくって。
それでも 強張っていた指先を解す様に動かせば、 罪悪感めいた考えもすぐに鳴りを潜めました。 すっかりと、いつも通りの私の気分で。]
(32) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[わたしとしての思考の片隅、
記憶さえ残っていたのなら、人は人なのか。
そんな問いかけが、住みついたまま。]
(-39) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[ややあって 再び動き出す指先は、殊更軽快です。 何故って、それは勿論 メールの宛先が、可愛いあの子だから。
あの子は、未だ寂しい思いをしている様です。 嗚呼── 私が、傍に居られれば。 沢山の料理とお菓子でもって、 その寂しい心を埋めてあげられるのに。
……なんて、詮無い事ですね。]
(33) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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お久しぶり、クリス。
本当に、最後はいつだったかしら。 でもね、私もルシフェルを確認しだしたのは つい最近の事だから、丁度良かった。
というのも、少し前まで体調を崩していたの。 もう すっかりと良くなったから、心配しないでね。 クリスの方はずっと元気だったみたいで、 私、まるで自分の事の様に嬉しい。本当よ。
だけど、それとは別に ひとりぼっちの時間を持て余している貴方の事、 心配していないわけじゃないの。
せめて 私のアップルパイのレシピが 貴方の心を慰めてくれる様、祈っているわ。 リザさん特製のレシピ、他の人に教えちゃ嫌よ?
(-41) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[連々とアップルパイのレシピが続く。 ごく一般的な、素朴なアップルパイ。
"ラムレーズンを加えても良いかも" "横にアイスと生クリームを添える事!"
付け足すそれらの忠告は、 リザが以前貴方に作ったものを元にしている。]
(-42) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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勝手だけれど、 私は貴方をまるで自分の子供の様に思っています。 私の子にしては、ちょっと大きいけどね! だからまた、こうして近況を送ってくれたら嬉しいな。
私の方も、勝手に近況を綴らせてもらうわ。 因みに 今は、さるお屋敷でメイドをしているの。 私の作る料理、美味しいって評判なんだから。
じゃあ、貴方のパパとママにも、宜しく伝えておいて。 後、娘さんをあまり寂しくさせないでね って!
追伸:バナナみたいな形でリンゴの味 って 何だかとっても不思議な果物ね。 いつか私も、見てみたいな。
貴方のもう一人のママ リザより:)
(-43) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[──── たん、
可愛いあの子へ宛てたメール。 其処に、彼女の幼馴染からきた 奇妙な音声メッセージの事は綴られません。
だって どう書けば良いか……解らなくって。
だから ただ、 三通のメッセージをルシフェルに託して。 ちゃんと届けてね って。 優しく優しく、撫でるのです。]
(34) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[……撫でた拍子に呼び出されたのは、送信履歴。 其処に並ぶ宛先二つが見慣れたものだと気付いて 指先が強張り、びくっ と震えました。
一通目は良いのです。 問題は、二通目。 無作為に選んだ宛先が、まさか 彼だったなんて!]
( あんなメールを送ってしまって、 どうしましょう、呆れられてたりしたら…… )
[きゅいきゅい 忙しく動くモノアイを 今ばっかりは、制御しようったって無理です。 こういうのを、後の祭りというのでしょう。]
(35) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[嗚呼──── けれど、
運命だ と。 そう思ってしまうわたしは、愚かでしょうか。
だって、数ある連絡先の中から 無意識に選んだ先が、彼だなんて。]
(36) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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[やがて動揺は薄れ、 返事を待つだけの余裕も生まれてきます。
……返事が無い可能性だって、ありますとも それでも 楽しみだな って、思うんです。 待つ時間も悪くない って そう思える私は────
まるで、"人間"みたい。]
(37) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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/* 今気付いたけど秘話の送り先がまんま入村順だ……
(-44) 2018/04/24(Tue) 21時半頃
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/* ルシフェル任せ、という通信が 本当にルシフェル任せだったことに驚きだったりします。 ルシフェル(ラ神)とかもいるのでしょうね。
(-45) 2018/04/24(Tue) 22時頃
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―― 惑星F321にて ――
[仕事を終えたあと、 男は未確認のメッセージを3件確認する。
無作為に送られてきたそれらは 1通は可愛い昔馴染みから、 2通は同一人物からのものであった]
ルシフェル。 音声加工ソフトヲ……イイヤ、ヤメテオコウ。
[どうして、こんなことを思いついたかは 男にも分からなかった。 ただの気まぐれだったのかもしれない。
男はマイクに向かって、 ひとつの謎かけをするのだった]
(38) 2018/04/24(Tue) 22時頃
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(-46) 2018/04/24(Tue) 22時頃
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