160 東京村
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[心臓を引きちぎったような意思が私の中にあった。 身体を反転して、追ってくるであろう人に向き直る。]
わた、私は……
[何を言おうとしてるんだろう。私は、何を思ってるんだろう。]
(215) 2015/06/06(Sat) 23時半頃
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死にたくなんて、ない……!
[お腹が震えるような声で、絞り出した。]
(216) 2015/06/06(Sat) 23時半頃
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死にたくなんて なかった
死にたくなんて なかったはずだよね あなたも
(*13) 2015/06/06(Sat) 23時半頃
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ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ゆるして ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい……
[私は、私のお腹に向かって繰り返す……。]
(*14) 2015/06/06(Sat) 23時半頃
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[寂しいから死にたいと思ったことなんてない。 死にたかった時に寂しいから嫌だなんて思ったことはない。 どんな目に遭わされたって、痛かったって、死んだほうがマシだなんて思わなかった。家ではお父さんとお母さんが笑顔で待っているのだから。]
(224) 2015/06/07(Sun) 00時頃
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お父さんと お母さんの 名前ももう 思い出せないけど
(*15) 2015/06/07(Sun) 00時頃
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[私の声が響いて張り詰めた空気の路上を、新しい声が打ち破った。(>>220) 思わず私は声を張り上げて答えた。]
……っこ、ここにいます! たすけて……!!
[それから、端的に終わりを告げるような、あの穏やかな声がまた聞こえた。(>>226)]
(228) 2015/06/07(Sun) 00時頃
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[追いついてきた男が、再び乱暴に伸ばしてきた手(>>229)]
……や!
[やめて、と振り返りながらその手を払おうとして…… 私は、足を滑らせた。]
(232) 2015/06/07(Sun) 00時頃
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[足が浮いて、落ちていく。 手は何者もつかめない。肩にまだかけていた学生鞄が、腕をゆっくりと抜けていく。 体がだんだんと水平に近くなり、そのまま頭が腰より下にいくのを逆転する視界で感じた。 階段が視界にどんどんと迫ってくる。
一回目を、頭で跳ねた。
二回目までに反動で体が捻られて、肩と腰が打ち付けられる。
三回目はほとんど浮いてなかったから、そのまま、階段に体中を打ちつけながら落ちていく。
鈍くぶつかる連続音が、階段の狭い空間に反響してとても大きく、響いた。]
(246) 2015/06/07(Sun) 00時半頃
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落ちる感覚は おぼえてる
(*16) 2015/06/07(Sun) 00時半頃
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ふっと 何もかも忘れられるような瞬間があって それと 何もかも思い出す瞬間があって そしてその次に何もかもなくなって
なくなるはずだったのに
(*17) 2015/06/07(Sun) 00時半頃
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[階段の下は何者も息をしない無音さで静まり返っている。 もし私を追って下りてきたならば、階段に転々と、だんだんと多く飛び散った血がある。 そして、階段の一番下には、何も無い。
まるで今朝、山手線から消えた二人のように。]
(253) 2015/06/07(Sun) 00時半頃
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