212 冷たい校舎村(突)
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ねえ、 悪いやつをやっつけてくれるのがヒーローなんだよね。 だったら、
(33) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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[息が白いのさえ雪に塗れる通学路。 能久が通るいつもの道の途中には 通称サボり魔こと上須賀堆の家がある。 ポケットから手を出して、 慣れた手つきでインターホンのボタンを押した。]
…たかしーーー たーかしくーん
朝ですよーーがっこいこー
[今日のこの天気だ 間違いなく寝ている。
呼びかけて起きないなら 次は直接スマホでコールだ。 休校連絡が来ていないのだから学生は理不尽ながらも登校しなければならない。 故に、サボらせるものか、と巻き込む気満々での呼びかけであった。*]
(34) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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/* よろしくお願いします。冷たい校舎村初参加です
91(0..100)x1
(-13) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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/* …………うむ そんな気はしていたなー
(-14) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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/* わりとまじめにこの段階で落ちロルが浮かんでいるのに!!!
(-15) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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―朝―
[大雪のおそれあり、と告げていた昨晩の天気予報は見事、大当たりと相成った。 カーテンを開けて、窓の向こうに見える銀世界を視界に入れた途端、 うわあ、と、感嘆ともため息ともつかない声が漏れ出ていた。
こんなお天気なのに休校の連絡はない。 電車通学の子とかだいじょうぶかな。 かくいう我が家は歩いてでも通える距離にあるので、 だいじょうぶ、なのですが]
……。
[カーテンを閉めると部屋を出た。 居間に近付くほどに朝食の匂いも近付いてくる]
(35) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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おはようー。
[純和風の朝食が載ったお盆を持って二階にあがる母とすれ違う最中の話題も、 やっぱり、外の雪景色のことだ。 心配そうな母に「だいじょうぶだよ」って快活に返して居間へ。 朝食を食べ始める。
こんな天気だけど学校をサボる気なんてない。 何せ今まで無遅刻無欠席で通ってきたのだ。 雪道は歩きにくそうだけど、夏まで陸上部で走ってきたから足腰にだって自信はある。 そう簡単に滑りはしない。
勉強だって―――コツコツと頑張ってきたんだから]
(36) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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ごちそうさまでした。
[あとは歯を磨いて制服に着替えれば登校の準備は終わる。 防寒具は濃紺のダッフルコートに黒色の手袋、 それからお気に入りのマフラー。 片方の端からもう片方の端にかけて、 群青から水色のグラデーションになってるのが綺麗だし、 そのグラデーションの中に星屑や雪の結晶がちりばめられているのもまた綺麗。
鞄を持って部屋を出て、隣の部屋の扉の前で止まる。 わたしが中学に入る前にふらっと行方知れずになって、 夏真っ盛りにふらっと帰ってきた姉の部屋。
母が置いていったお盆の上の朝食に手を付けた気配はない。 ご飯も味噌汁ももう冷めてしまっている]
(37) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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…………。
[扉ごしに呼びかけようとして、やめる。 返事がないのは前から立証済みだし、 わたしの声なんて聞きたくもないに違いない。
降り積もる雪もふたりの間の溝を埋めてはくれない。
それでも扉に手を当てて何かを噛みしめるような顔をする。 学校じゃぜったいに見せない、醜い、顔]
(38) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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それじゃ、あお姉。いってきます。
[虚空に囁くように口にして、あとは。 いつも通り母にも「いってきます」と挨拶してから、 いつも通りに家を出た。 いつも通りとは異なる銀世界に、ブーツの足跡をつけながら**]
(39) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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/* うーーーーーんおいおい手広く伸ばしていくしかないか どこが赤になってもいいように(来週の週末がお仕事あやしい)
160-1cm
(-16) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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/*
皆激重そうで楽しそう
能久昴は ・両親の浮気が原因で昴の高校卒業を機に離婚すると謂っている ・母は男の家にいる(たまに顔を出す) ・父は母似の昴を見るのが嫌で家に寄り付かないし なんなら浮気もしてる ・中学生時代から続いている問題 ・家で母が男としてるのを見たことあるし死にそう
・尻軽の系譜みたいだし俺もあんなふうになるのかな…って思うと絶望しかない ・せめて学校では明るくしていたい
・家には一人でいる ・パンケーキはまだ家族が幸せだったころに作って褒められたもの ・しあわせのあじ
という背景
(-17) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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/* 委員長見た目から変わりすぎて心配しかない
(-18) 2017/03/08(Wed) 11時頃
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/* ちなみに今回SINOBUZは一切関与しない、予定 単にこのチップ使いたいだけ……
女子と思しきチップばかりのところにさらに女子重ねて委員長はごめんね! 女子の方がやりやすいんだ……
(-19) 2017/03/08(Wed) 11時半頃
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・委員長: 黒髪がきれいだと思っていたのに何があったんだろう。
・三星: 綺麗な目だと思ってじっと見てたことがある。
・天ケ瀬 美人、すごいきれい。綺麗すぎて高嶺の花!
・橘 わるそう。悪友になれたらいいなあ!
・古辺 転校生だしいろいろ話しかけたかも。
(-20) 2017/03/08(Wed) 11時半頃
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/* たかしくんへんじまち たかしくんって呼びながら (さんすうのたかしくんみたいだな…) とおもってたのはひみつだぞ
(-21) 2017/03/08(Wed) 11時半頃
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/* ほかのみんなもはやくこないかな(ソワソワリン)
(-22) 2017/03/08(Wed) 11時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2017/03/08(Wed) 12時頃
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『 20人にひとり 』という数字の持つ意味
(40) 2017/03/08(Wed) 12時半頃
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皆の記憶になんて、5分と残らなかったかもしれない。
自分だって、あの日、あの話を聞いたのが、 果たして保健の授業の時間だったのか、 道徳的な、講義的な、何か特別な催しだったのか、 とにかく、自分がそこにいた理由は、うろ覚えなのだ。
おんなじ制服が、椅子にかけてずらりと並んでいた。 壇上で話しているのは、学校の教員じゃなくて、 小奇麗な格好をした中年女性だった。
居心地の悪さを感じていた。 けれど、言葉のひとつひとつを、 きちんと聞いておきたいという気もちも、同時にあった。
(41) 2017/03/08(Wed) 12時半頃
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20人にひとり という数字の重みは扱いづらい。
クラスにひとりふたり じゃ、軽すぎて、 5% と言いかえてみれば、重すぎる。
自分の手には、持て余してしまうけれど、 抱え込むには、ちっぽけな気がして、
それで、
(42) 2017/03/08(Wed) 12時半頃
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……そう。
ちょうどそのとき、隣のやつが、 耐えかねた って感じに、大きなあくびをして、 『まったく、どうしてこんな話を聞かされているんだ』 とでも言いたげに、時計を確認して。
それが、あんまりにも完璧に、他人事ってふうだったから、 俺は、心の中で、ゆっくりと10まで数えてから、 そうっと、その真似をする。
数字の意味なんて考えなくていい、 当事者ではない誰かに見えますように。
当事者ではない、誰かに。
(43) 2017/03/08(Wed) 12時半頃
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/* 20人に1人。 発達障害。 緑内障。 LGBT。
(-23) 2017/03/08(Wed) 13時頃
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/* LGBTかな。
(-24) 2017/03/08(Wed) 13時頃
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[ 祖母の葬儀を終えて、 もうすぐひと月にもなるというのに、 リビングのカーテンレールにはまだ、 母の喪服が吊り下げられたままでいる。]
── 朝 ──
[ 自室とは違って、暖房のきいた居間。
制服のセーターの下に着込んだカーディガンが、 この部屋の中だと、少し暑いくらいだ。
焼いたトーストに、マーガリン。 ぱさつく食感を牛乳で押し流していたら、 文化祭のパンケーキを思い出して、朝から懐かし虚しい。
我が家の大雑把トーストといえば、ふわふわどころか、 口の中を切りそうな焦げ具合だった。]
(44) 2017/03/08(Wed) 13時頃
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[ コートを着込んで、マフラーを装備。 この時期に風邪っぴきなどまっぴらだから、 マスクをつけて、手袋はポケットに突っ込んだ。
ローファーは濡れたら面倒くさそうだからと、 スニーカーに右足を突っ込んだところで、 背後から、大雑把な母のアドバイス。
『長靴はいてったら?』
うちにある長靴、爺ちゃんだか父さんだかの、 ガチの作業用のやつだろ って却下したものの、
玄関扉を一度押し開けて、 顔が凍りそうな雪と、一面の白に、即時撤退。]
(45) 2017/03/08(Wed) 13時頃
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母さん、爺ちゃんの長靴どこ
[ 『そこらへんにあるでしょ』と、 またも適当な声を背中で受けながら、 靴箱を一通りひっくり返して、ようやく。]
このへん、帰ってから片付けるから
[ マスク、マフラー、イヤーウォーマー。 手に携えるのは、家で一番ごつい傘。 コートの下は、セーターとカーディガンの二重装備。 それに、埃っぽくてダサい長靴という完全防備で、 靴で散らかった玄関を後にした。]
(46) 2017/03/08(Wed) 13時頃
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/*
50(0..100)x1
先にふぉーちゅんしておくよ
(-25) 2017/03/08(Wed) 13時半頃
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── 通学路 ──
[ 視界は不良。 なぜなら傘を前傾姿勢でさしているから。
ぐ、ぐ、と地を踏みしめるように歩けど、 スノーブーツなんて上等なものじゃあない長靴は、 つるつるとすべっ……いや、心もとない。]
さみい っつーの
[ そんな泣き言、ひとり言。 徒歩20分の道のりが、これほど遠く感じるとは。
確実にいつもより時間をかけて歩む道のり。 前方に、自分のものと同じ制服のズボンが見えて、
あれ? そういえば、 今日はここまで、ひとりも英戸生を見ていない。]
(47) 2017/03/08(Wed) 13時半頃
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[ そんな疑問も相まって、 ひょいと傘をのけて、人影>>13を覗き込んだ先。]
── あ。 理一?
[ 偶然にも、それが知った顔だったから、 懸命に動かしていた足を止めて、 あまり通らない声を飛ばす。
口をあけたはしから、口内にまで舞い込む雪は、 いつだって、なんともいえない冬の味。]
(48) 2017/03/08(Wed) 13時半頃
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