35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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さて。
[下駄をつっかけて、縁側から中庭に降りて。裏木戸を開けて、空き地の様子を覗く]
やっぱり今日もおったのか、おしの「先生」。 今日は私塾も解散だ。子どもらは帰ってしまったよ。
[鳩渓堂の看板を見上げる、志乃の横顔に声をかけた]
(266) 2011/08/16(Tue) 00時半頃
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―空き地―
いいんでないか? 子どもたちに教えるという形で、彼らの自由な発想を引き出している。なかなかの先生ぶりだと思うがね。
[ぽてぽてと、いつも子供らがいる辺りにまで出て行って。自分だけ立っているのもなんなので、その場にしゃがみ込んだ]
僕はどーも、教え方が小難しくていかんのだよ。 どうだ、おしの。今日は僕に「議題」を出してみんか。僕だって、たまには「生徒」になってみたい。
(276) 2011/08/16(Tue) 01時頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2011/08/16(Tue) 01時頃
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[志乃からの議題を、真顔でわくわくと待っていたのだが]
む。空に魚か。魚……。
[いざ出されると、これが意外に難しくて。志乃の笑顔と反比例して、むむむと眉間に皺が寄る]
秋の雲に鰯雲なんてのがあるが、そういうことじゃないよなぁ。 水のない所では魚は呼吸ができない。だから空で魚は生きられんはずだが、たとえば竜巻が川の水ごと空に巻き上げれば……。
[固い。子どもたちに比べて、発想があまりにも固かった]
おしの先生は、どう思うんだい?
[降参とは口にしないが、首を傾げて問い返した]
(284) 2011/08/16(Tue) 01時半頃
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[つらつらと志乃が述べる話に、目を丸くして聞き入る]
なるほど、な。雲の上は、海の底か。
[ぽけっとした様子で、空を見上げて]
……世界は丸い、日が昇るのは太陽でなく地面が動くから、人は猿から進化した。みんな、おしののような発想のできる人間が発見したのかもしれんなぁ。
[空が眩しくて、目をしぱしぱさせて。眼鏡をとって、瞼をこすった]
なんもかんも、わっかのように繋がってるのかもしれんな。空の上と海の底も。過去と未来も。全部。
(296) 2011/08/16(Tue) 01時半頃
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……祭の晩に振る星も、光る空の魚の群れだったりするのかな。 海に浮かぶ、大きな団子みたいな月影目指して降りてくるんだ。
[ぽつりとそう言って。眼鏡を掛け直し、「それじゃ他の日に来ない説明がつかんな」と、自分で言って笑った]
(297) 2011/08/16(Tue) 01時半頃
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