244 【R18】ミゼリコルディアの宴【魔女村】
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起きたら、こんどは 一緒にお魚、とりにいこうね
[むにゃむにゃ、寝言のようにいって 玉結びの袖口をしっかり握りました]
(-48) 2018/06/17(Sun) 03時頃
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[分厚い藁の寝床の中、胎児のように体を丸め 小さな子熊は冬の間中、夢を見ます。
窓を叩く風の音はゴオウ、ゴオウと 滝壺へと落ちる水の音へ 積もった雪の重さに、屋根が軋む音は 荷馬車の上で、積荷が擦れる音へ
風の荒さと、雪の重さからなる夢は 寂寥感に満ち満ちて、良い夢とは言えないもの
人間ならば、飛び起きることもあるでしょう もし起きられなくとも、せいぜい一晩限り 朝になれば、自然と目が覚めて どんな悪夢も次第に薄れていく。そんなもの
けれど子熊にとって、冬の眠りは深いもの 見る夢がどんな悪夢だとしても そうそう目覚めることは叶いません]
(232) 2018/06/17(Sun) 17時半頃
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[大熊へ隙間がないほど寄せていた体は 幾度もの寝返りで、ころりころり
夢の怪物を振り払おうとするあまり いつしか、体は寝床から床板へ
冷たいそこへ転がりかけた時 暖かいものが前足の先に触れて]
――――……。
[温もりに先導されるようにして 寝返りの向きは、寝床の方へ
一番大きく、暖かい存在に触れたなら 眠り始めた時と同じようにぴたりと体を寄せ 悪夢のない、深い眠りへと落ちていくのでした]
(233) 2018/06/17(Sun) 17時半頃
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―― そして、雪解け水の頃 ――
[あれほど激しかった風の音も 今では時折わずかに、窓枠を揺するだけ。
窓の隙間から室内へと流れる空気にも 切り裂くような鋭さはもうありません。
どこからか飛んできたのか 羽虫が一匹、寝床の中の子熊の耳にとまれば]
―――ふ、ぁ
[くぁぁ。と顎が外れるほどの大欠伸 抱きしめる腕の下からもぞもぞと這い出して ふかふかの毛に覆われた前足で顔を擦ります。
泥だらけだった前足 もっともその泥は、今ではもうすっかり乾いて ぽろぽろこぼれてしまうほどでしたが]
(234) 2018/06/17(Sun) 17時半頃
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[一頻り目をこすったなら 眠気を払うように、ふるりと身震い一つ
眠る前、何かに怒っていた記憶があるのです それに何か悲しいことがあったようにも
なんだったっけ?と首を傾げ 寝ぼけ眼の子熊は、もう一度寝床へころり]
おはよ
[ふわぁと、もう一度あくびを繰り返しました*]
(235) 2018/06/17(Sun) 17時半頃
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[目覚めの挨拶をしたものの 頭の中は、まだ殆ど夢の中 悲しい出来事も、怒っていた理由も 泥汚れの原因さえ思い出せそうにありません。
思い出すのも面倒くさいから この際、二度寝してしまおうかなんて 頭から藁の中へ潜りかけた時です。
すぐ隣で大熊が起き出してくる気配がしました]
(242) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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………?
[子熊よりずっと、熊歴の長いガストンですから きっと、冬眠なんてお手の物。
目覚めたらしゃきしゃき朝の準備を始めて 身繕いを整えるはずなんて そんな推測はどうやら、大間違いだった様子。
ごそごそしたり、欠伸を漏らす姿が面白くて 見つめているうちにまた、とろりと夢の中 穏やかな寝息が漏れ始めたのです、が]
(243) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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[ごそごそしていたガストンが なぜだか、勢いよく起き上がりました。
『おかしい』という言葉は 何を意味しているのでしょう?
寝ぼけ眼の子熊は、考えて考えて…… 思い出した瞬間、眠気が飛びました]
(244) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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どういうことって?
[とぼけているわけではありません 唸り声混じりの相手に、こちらも唸り声。
怒っていた理由も思い出しましたから 瞳に力を込めて、ここにいる理由を]
……一緒がいいって、いったじゃん 言ったのに、なんで 出て行かないといけないのさっ!
[小さな熊が威嚇したとして 大きな熊にどれほどの効果があるのでしょう?
それでも、怒っているのだと 鼻筋に皺を寄せ、叩きつけるようにいいました*]
(245) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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[礫のように投げられる言葉の数々を 揺るがないようお臍にグッと力を入れて 身じろぎひとつせず、子熊は聞いておりました。
言ったはず?説明したはず? 確かにそれはそうでしょう
託された手紙にも、確かに書いてはありました でもそれは、受け入れるにはあまりにも]
返事がかけない手紙なら そんなの、いらないやいっ!!!
[駄々だと思われたとしても それでいいのです。
大人には大人の 子供には子供の言い分がある そのどちらが正しいかなんて 簡単にはわからないと思うのですから]
(275) 2018/06/17(Sun) 21時半頃
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そうやって勝手に決めるなら アンタも、ボクの親と一緒だよ!!!
[このままだと生きていけないからと 自分と妹を売った両親の姿と 目の前の彼の姿が、重なります。
子供3人分の食い扶持が減った分 家族の暮らしは楽になったのかもしれません 妹たちも、どこかで幸せになれたかもしれません
でも、いくら幸せの可能性を積み上げても 手放されたという事実は消せはしないのです]
(276) 2018/06/17(Sun) 21時半頃
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殺されるからなに? あぶないからなに?
そうやって、山からボクがおりたとしても 幸せになれるかなんてわからないんだよ!?
それなら、うまく行かなくたって 一緒にいられる方法を考えた方がずっといい
[前にガストンが言っていたこと "欠けたものは、戻せない" その言葉の意味を少年は知っていました。
一度、バラバラになってしまったら いくら寄せ集めてくっつけたって 元どおりにはなれないのです]
(277) 2018/06/17(Sun) 21時半頃
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家族だから、一緒にいたいんだよ! ガストンのバカ!!!!
[必死で言葉を並べ立てて 思っていることを伝えようとしても 結局最後に出るのは、子供の喧嘩のような言葉 息を切らし、前足でぐしぐしと涙を拭ったのでした*]
(278) 2018/06/17(Sun) 21時半頃
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/* この村って、誰か知り合いいたっけ?とか 今更思ったやつ。 ぶ……ぷろではおぼえてたから。ちょっと忘れただけだから
(-64) 2018/06/17(Sun) 21時半頃
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[自分の問題に、巻き込みたくないという言葉 その言葉に子熊は、一瞬目を見開くと ため息とともに、静かに瞳を伏せました。
自分の問題。確かにそれはそうでしょう けれど、それを理由にして 子熊の行く末を決めてしまうというのなら それは、もう彼だけの問題とは言えない そう思うのです。
違うと言った人間の 少年の両親と全く同じことをしているのだと なぜ、わかってもらえないのか 家族と言いながらも なぜ外のものとして扱うのか
羊皮紙の手紙を読んだ時のように なんだかとても悲しくなった子熊は しょんぼりと、肩を落として]
(298) 2018/06/17(Sun) 23時頃
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[わかってくれないならもういいと 言葉を切ろうとした時でした。
不意に唸り声ごえが止んだかと思うと その代わり、なにやら呆けたような短い声 探し物を見つけたような声 そんな声を聞いてしまったのですから
先ほどまで唸り声をあげていた子熊の方も 緊張の糸が緩むというもの きょとんと目を見開いて 怖い顔を作るのも忘れ、口も半開き
だって、それというのも]
(299) 2018/06/17(Sun) 23時頃
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へ?いえで? [子熊がここに残るなら ガストンは出て行くという意味でしょうか。
そう解釈するのが妥当な気もするけれど それにしては、なんだか様子が違うな。と こちらも床にぺたりとお尻をつけました*]
(300) 2018/06/17(Sun) 23時頃
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し、知ってらぁ……! 意味ぐらい!!
[家出は家を出ていくということ 至極真面目な様子の大熊に 子熊はえへんと、大見得を切ります
もっともっと幼い頃 子熊だって家出したことがあります 何で叱られたのか、今では覚えていませんが お気に入りのオモチャと、オヤツを持って 三時間ばかり、納屋に立てこもった時のこと
あとで見つかって、大目玉をくらいましたが 見つかるまでのワクワク感……! 今でもしっかり覚えています]
(321) 2018/06/18(Mon) 08時半頃
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[でも、ガストンの言う家出は 子熊の記憶の中の家出とは、だいぶ違うよう。
子熊は首を傾げ、うーん 腕組みのおまけまで付けて思案顔]
それって、お引越しとか 旅に出るって言うんじゃ……
[一応、言ってはみたものの どちらにしても、家を出るのは一緒 ただそれが、どちらか片方だけか それとも二人だけかの違いだけ。
そこまで考えたところで 今度は子熊がぱっくり口を開く番
話を飲み込むまでここまでかかるのは きっと心底、怒っていたせい そう言うことにしておきましょう]
(322) 2018/06/18(Mon) 08時半頃
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うん!一緒に行こう!!!
ガストンのこと嫌いな人間がいる街は 遠回りになっても、寄らないようにして 二人だもん、きっと大丈夫
[目的地のない旅です。 いいえ、目的地を探す旅かもしれません。 どこまでも歩けるだけ歩いて そうして、足を止めたところが目的地 それでいいように思えます。
妹が見つかったとして 『ついていかない』なんて言われても大丈夫 それでも子熊には、もう家族がいるのですから]
ね、とーさん
[差し伸べられた腕に、両手で抱きつき 大きな大きな熊に満面の笑顔を返したのでした*]
(323) 2018/06/18(Mon) 08時半頃
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[どこまでも一緒 それ以上に素敵な言葉は、きっとないでしょう。 どこまでだって一緒なら なんでもできるような気がするのです]
うん!起きなきゃ!!
[子熊もよいしょ 弾みをつけて立ち上がろうとしましたが。
少しばかり勢いが良すぎたのか あべこべに、後ろへころり 尻餅ゆつくように転げてしまいます。
むぅ、と小さく唸ってから 今度はちゃんと手を使ってのそのそ 先ほどの失敗がだいぶ恥ずかしかったので 慎重に立ち上がることにして]
(342) 2018/06/18(Mon) 13時頃
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じゃあ、ポスト見に行かなきゃ
荷物はね、えーっと 食べ物とお気に入りのもの! [図鑑に家出の仕方があるならばいいけれど どこを見てもきっと、書いてないでしょう。
まず、食べ物はないと始まらない その次に、羊皮紙とペンも お手紙を書くのにきっと必要。 地図は?もしあったなら持っていた方が楽
そんなふうにあれやこれや 頭の中で考えていくのも楽しいのです*]
(343) 2018/06/18(Mon) 13時頃
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んー。いーよ?
でも、次やったら怒る 今日よりずっと、ずっと怒るからね
[今日も充分怒ってはいましたが いかんせん、まだ迫力が足りません。
だから、次に喧嘩するのは 今日よりずっと大きくなった頃がいい それまでは喧嘩はお預けしていましょう]
ボクも、怒ってごめんね
[仲直り。と大きな熊のお腹に おでこをこつり当てました*]
(-101) 2018/06/18(Mon) 13時頃
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[瞬く間に大熊が人間の姿に変わったなら 子熊もそれを真似して、見よう見真似。
えいや!と、気合いを入れてはみたけれど なかなかうまくはいかないものなのです 体を震わせてみたり、ジャンプをしてみたり しばらくの間、あれこれ試行錯誤して]
ほら!変身できた!
[ようやく人の姿になれたのは お腹がぐぅぅとなるほど、後のこと。
それでも、一人前に変身できたと 得意気に鼻を鳴らしたのでした]
(368) 2018/06/18(Mon) 21時半頃
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[変身も、もう自由にできる 木登りなんて、どちらの姿でもお手の物 なんだか大人に近づいたような気がして 人間の姿の子熊は、しゃんと胸を張りました。
では、父親熊の方は?というと 唇の端がひくひくしているのが 子熊の目にだって、みて取れます]
だーーーめ!!! とーさんなんだから、とーさん!
これから、人がいるところにも行くんでしょ? そのときに、とーさんって呼んでなかったら とーさんのこと怪しまれるかもしれないじゃん だから、とーさんだよっ!!!
[ここぞとばかり連呼したのはもちろん たくさんいえば慣れるかもしれないと 半分以上は、わざとです]
(369) 2018/06/18(Mon) 22時頃
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[怒ってみたり、泣いてみたり 冬眠中に動かなかった分を取り返すように 起きてからというもの 子熊はひと時だって、じっとしていません だから、お腹が空くのも当たり前というわけで
ポストの中から取り出された籠の中 それはもう、美味しそうな食料を見つけたなら いそいそと手早くお皿の準備]
かへ? かへふぁー いっふぁこほぉ、ふぁい
[行ったことない。そう言いたかったのですが 生憎、酢漬けのキャベツで口が埋まっていました。
酢漬けのキャベツを水で飲み込んだなら その次は、ウインナーという具合に 次々とお皿へ手を伸ばしていき]
(370) 2018/06/18(Mon) 22時頃
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[そうして、お腹がいっぱいになったなら 食べ物と大切なものだけ持って出発 ……と、いうつもりだったのですが]
んーとね、大っきい二匹は留守番 あとはみんな、つれてく
[テントウムシを連れて行こうというガストンに ちょっと考えてからそんな提案を
空っぽの家が寂しくないように テントウムシに住んでいてもらいましょう]
(371) 2018/06/18(Mon) 22時頃
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[もし、故郷の村を救えたなら そんな思いも、ないわけではありません。
けれど、もし故郷の村に辿り着いたとして 人々がガストンを受け入れてくれないのなら そこで暮らしたいとは思わないでしょう。
ぎゅっと繋いだ手を握り返し すぅっと、一度深呼吸。 旅立ちの準備は整いました]
好きかどうか、じゃなくって 好きになってくれるか、どうか!だよ!
ボクだって最初は 食べられちゃうって思ったもん
(372) 2018/06/18(Mon) 22時頃
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[最初は好きじゃなかったとしても 少しずつ、近づいていけたならいい、と 力を込めて主張したその言葉は 半分は自分自身に向けたもの。
旅立ちにはもちろん不安もあるけれど 不安だけをみていたら、脚が竦みそうでしたから]
いこう、とーさん
[まずは慣れ親しんだ山道を ずっとずっと先へと進んでいきましょうか*]
(373) 2018/06/18(Mon) 22時頃
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