29 Sixth Heaven
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― 個室3 ―
[ふるふると、戸口からかけられた声に首を振る]
なんでも、ない……なんでもないよ……。
[ただただ首を振る様子は人の目を見ようとせず]
私が……変なだけ、なの。 そう、私がおかしいの……。 外の世界は、幸せ、だって……。
[言葉に反して体は首を横に振るばかりで]
(98) 2011/04/22(Fri) 18時頃
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でも、笑える気がしないの……。
[言葉が固まり始めれば、苦しげに眉を寄せる]
幸せな、世界。 平和な、世界。 でも、本当は悪い気持ちを持ってて、 皆それを取り上げられてて……。
[強張った表情に貼り付けた微笑みは失せていく]
人の笑顔が信じられない……。 システムで作られた平和も笑顔も、 本心では何を思ってるか解らないんだもの……っ。
(99) 2011/04/22(Fri) 18時頃
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― 個室3 ―
[翠の傷ついた色を見て、慌てて左手で彼の手を掴もうと]
違う……違うの……。
[弁解の言葉も、語気強く問い詰められて先が続かず。 弱りきったように俯いて、黙ってゆっくりと右手を差し出し。 人差し指を庇うように下にして目を背けた]
ちょっとだけだから、こんなの。 平気、だから……。
[手を見ただけでは一見爪が割れでもしたかのようだが、 よくよく見れば爪そのものは綺麗な事が解るだろう。 打ち付けた手の関節周りにも幾つか内出血や打撲跡ができていた]
(106) 2011/04/22(Fri) 19時頃
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[小さく唇を噛んで]
……だって、ね、……フィル。 私、悪い気持ちに慣れ過ぎちゃったんだよ。 だから、怖いの……悪い気持ちがない世界が怖い……。
皆、本当は持ってるはずの気持ちを取り上げられてるだけ。 本当は、沢山の悪い気持ちを生んでるはずなの。 だって、私ずっと此処にいたから解る……。
でも、外ではそれが取り上げられちゃうから。 誰かが悪い気持ちを生んでる事が見えなくて、怖い。 その気持ちは全部ここに持ってこられて、器に注がれてしまう。
普通に生きるだけで、此処に残る皆を苦しめるんだよ。
(107) 2011/04/22(Fri) 19時頃
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[嫉妬や憤怒といった欠けた感情が世界に蔓延る事。 それに対する怖れよりも、吸い上げられた気持ちの方が問題で]
私も、自分の気持ちに気付かなくなっちゃう。 私にはそれが、無理矢理被せられた仮面みたいに思えるの。
皆同じ顔をして。 怖い顔は削られて、良い顔だけ残されて。
そんな、良い顔ばっかり貼り付けられた人を見ても、 私、それが本当に嬉しいのか楽しいのか、判らないよ……。
(108) 2011/04/22(Fri) 19時半頃
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[>>109との問いにはおずおずと頷いた]
一緒に、外に行こうって……。 罪だって判ってても、それでも、って。 フィルが、言ってくれたから……。
折角……折角、覚悟……した、はずだったのに……。
[悔しさに涙が滲む。 あの時は全てを割り切って、 本当に彼と一緒に行こうと思えたのに。 今になって何故こんな事になってしまったのか]
(112) 2011/04/22(Fri) 19時半頃
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……抑えられなかったの。 中でも、何度かやった事、ある……。
[消え入るような声。 ムパムピスに答えた後、フィリップに追究されて押し黙った]
…………。
[困ったように、また背を壁に押し当てるようにして。 少年の語気の荒さに大粒の涙が零れた]
あれが嘘になるのは私だっていや……。 でも……でも、っ……判らないんだもの。
だって……、だ、って……っ……――。 兄様だって、笑って私を撫でてくれてたんだもの……!!
[喉につかえた大きな塊を吐き出すように、 そう言い放った途端堰をきったように声を上げて泣いた]
(114) 2011/04/22(Fri) 20時頃
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……解ってた、つもりだった。 でも、ちゃんと解ってなかった……。
自分の気持ちを、此処に残る人に 押し付ける覚悟は、できてた……。 でも……何も知らずに感情を生み続けてる人達の中で、 その人達を見ながら暮らしていくんだって。
そう思ったら……。
[左手で零れる涙を何度も拭いながら]
気持ち悪くて……怖くて……っ……。
(115) 2011/04/22(Fri) 20時頃
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[だん、と壁を打つ音が間近に響き、思わず身を竦ませた。 拍子に背中の傷が擦れたか、微かに痛みを表情に乗せて]
判る、よ……フィルの気持ちは本当だって。 此処でもずっと好きだからって、一緒にいたいって。 そう言ってくれたから、判る、よ……!!
フィルが私を好きなのが間違ってたなら、 私を連れ出そうとなんてしてくれなかったはずだもの……。 フィルの事を疑ってるんじゃ、ない……違う、 違うの……信じて……。
[目元を擦りながら、顔を上げる。 涙に滲んだ灰青は雨雲にも似て]
(122) 2011/04/22(Fri) 21時頃
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何処に、行けば良いのか、判んない……。 判んないから、苦しいの……怖いの……気持ち悪いの……。
フィルだけで、いい……。 他は何も、いらない。
[少年は少女と長く共に生きたいと言う。 笑っていて欲しいと言う。 それならいっそ何処かに閉じ込めてくれれば良いとすら、思いながら]
[仲裁に入る前のムパムピスの呟き>>119は、耳をすり抜けて。 未だしゃくり上げながら、壁に身を寄せて震えていた。 ムパムピスの視線には、フィリップの方を窺うように見ながら]
(125) 2011/04/22(Fri) 21時頃
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[不安げに瞳が揺れる。 フィリップの顔が近付いてくるのには 睫毛を震わせながら目を閉じて、少し肩を強張らせたが、 軽く触れる唇の感触に濡れた睫毛を上げ、少しだけ肩の力を抜いた]
……ごめん、なさい。
[自傷行為を咎められれば小さな声を落とす。 彼の触れた髪に無意識にそっと触れて、その背を見送った]
(127) 2011/04/22(Fri) 21時半頃
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あんな風にフィルを怒らせるのは、いや。 フィルと一緒に、幸せでいたい……。 それだけ、なのに……。
[それは同じ気持ちのはずなのに。 どうして叶わないのだろう。 涙を拭いながら悔しさを噛み締めて]
……どうすれば良いのか、判らないよ。
[途方に暮れたようにまた俯いた]
(130) 2011/04/22(Fri) 22時頃
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[部屋の隅に縮こまったまま動けないでいると、 特徴的な足音と共にゆっくりと影が落ちてきた。 頭に触れる一瞬、小さく体が震えたけれど。 受け入れるように大人しくそのまま]
…………。
[傷は、と問われて少し押し黙った後。 ぎこちない動きで壁から身を離すと髪を掻き揚げた]
……せな、か。
[少しだけ前かがみになると、ゆったりとした衣服の隙間から 引っ掻き傷と思しき真新しい傷が覗く。 周囲には古い瘡蓋や色素の沈着した跡。 そして、ほとんど消えかけの古い刺し傷の跡があった]
(135) 2011/04/22(Fri) 22時頃
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[感情の制御が利かずただ蹲るばかりだったが、 やがて優しげな笑みと仕草に緊張も解けて来て。 >>137と問われれば小さく頷いた]
お世話してくれる人を傷つけて……独りになるのはいやだったから。
[嫉妬、それは時に見放される事を極端に厭う。 力のある者は力ずくで対象を繋ぎ止めれば良いが、 幼い頃の少女にはそれもできなくて。 また、ある意味で管理者の気を引く行動でもあったのかもしれない。 ともかく、抑圧された感情をぶつける矛先が 偶々自分に向いてしまいそれから習慣になっていたようで]
平気。 自分でやった事だし。 死んじゃうわけじゃ、ないから……。 それに、ちょっとくらい痛い方が……生きてるって、解る。
[自分の体の事を顧みる風もなく。 言われるがままに傷に髪が触れないよう 掻き揚げた髪をそのまま怪我をしていない方の肩へとまわした。 ゆったりとした服の背から傷跡が覗く]
(147) 2011/04/22(Fri) 22時半頃
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……ムパムピスお兄ちゃんの、お母さん。 他人を傷つける人だった、って事……?
[不意に語られた話>>140に顔を上げる]
…………――。 私は、……フィルを傷つけたりしない。 でも……。
[自分については確約はできなかった]
幸せって、何なの? 一緒にいられるのが幸せだって、思ってた。 でも……此処にいたらフィルは私を殺さなくちゃならなくなる。 そっちの方が幸せだって、ムパムピスお兄ちゃんは思うの……?
(150) 2011/04/22(Fri) 23時頃
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[>>157と語られる嫉妬の影響はつきりと胸を痛めた]
……ムパムピスお兄ちゃんも、被害者なのね。 足のそれは……事故とかじゃ、なかったんだ。
[何故弊害を知るものばかりが選ばれてくるのだろう。 知っているからこそ枷になる、そういう事なのだろうか。 労わるように目を細めて]
私は、何処へも行けないわ。 鳥籠の鳥は、冬の寒さや夏の陽射しに耐えられない。 8年もずっとこんなところにいたんだもの。 自分が何もできない事くらい……解ってる。
……私、ギルバートお兄ちゃんが死んだ理由。 今なら解る気がするの。 たとえヘンリエッタが殺されていても、いなくても。 きっと、ヘンリエッタはもうこの世にはいないんだわ。
(164) 2011/04/22(Fri) 23時半頃
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[手を握るムパムピスの瞳を、灰青が見据える]
……じゃあね、ムパムピスお兄ちゃん。 私は、貴方達の知らない8年間……此処に繋がれて生きてきた。 その間笑って暮らしていたであろう貴方達を。
私は、羨んでも良いはずよね……?
[影を背負った瞳の色は限りなく灰に近く。 責めるような視線に、恋焦がれるような視線をぶつけた]
……私、ね。 もう、限界だって、解るの。 これだけの事を知って、考えて。 その上でまた器として繋がれたら、壊れちゃうわ。
ううん……本当は。 フィルがいなければ……。 フィルが何より大事だって言ってくれてなかったら。 きっともう、こう言ってるわ。
(169) 2011/04/22(Fri) 23時半頃
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はやく わたしを ころして。
……って。
(170) 2011/04/22(Fri) 23時半頃
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……それでも恨むなら、恨んで。 誰に許されなくても、構わない。
[今にも壊れそうな心の音がする。 綺麗に笑顔を浮かべながら、頬にはまた涙が伝っていた]
私を私として見てくれるのは、フィルしかいない。 フィルと世界と、2つが私を求めるなら。
たとえ世界を壊しても。 たとえ世界に許されなくても。
私は、フィルの傍にいる。
(172) 2011/04/22(Fri) 23時半頃
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/* 若干地雷をかすった。 逆にやりやすくなったかもしれないけど、 PCに感情爆発が起きそうな気配である。
(-146) 2011/04/22(Fri) 23時半頃
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そうやって自分に枷をかけたのね……。
[彼もまた籠の鳥、いや、足枷をつけた犬か]
外に出られたら、もう私の羨みは消えるわ。 嫉みも羨みも、求めても手に入らないものがある時にしか 生まれない感情だもの……。
[嫉妬の器である自分が“外”へ行けば、 嫉みや羨みの感情はそのまま世に解き放たれる]
自由になれた鳥が、籠の中の鳥を羨む事なんて、ないのよ。
(182) 2011/04/23(Sat) 00時頃
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そうね、私は止めなかった。 トニー君を止めるには私達の決断は遅かったけど。 チャールズおじさんは止める事はできたかもしれない。
でも、ムパムピスお兄ちゃんは我が侭だわ……。 連鎖を止めて欲しかったなら、そう言うべきだった。 今言われても、遅いよ。
[壊れたように、涙は止まらない。 嗚咽も何もなく、ただただ流れ続ける。 それを拭う指を、両の手で捕らえて細い首元へと誘った]
(184) 2011/04/23(Sat) 00時頃
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……許さないというなら、このまま縊って意識を奪って。 無理矢理にでも私を中へ放り込めば良い。
[彼の手が外れないように、両の手で捕らえたまま。 “マーゴ”、その響きに一瞬息を止める]
……何故、そんな事を訊くの? 心が壊れるより、体が傷つく方がずっとましだわ。 ……死なない、限りは。
(189) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
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[>>187、小さく首を振る]
それなら、貴方達はまだ幸せな籠の鳥になれそうね。 羨むつもりがないのなら、羨まなければそれで良いでしょう?
[憐れむような笑みは、理解できなかった。 迷子の鳥とて、籠の鳥に羨まれたいわけではないから]
(190) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
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/* こういう修羅場大好き(←
(-160) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
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/* 若干マーゴが不整合な子になってるなと思いつつ。 でも、筋が通らなくたって良いかなーなんて。 だって、壊れかけの器だし。
とか。
(-162) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
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/* 何よりも途中から知能レベルが明らかに上がっている 自分が駄目だという事に気がついてはいるものの。
また“縊る”とかマーゴの言わなそうな事言っちゃった...orz
(-165) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
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……上手くいく事なんて、何もないのね。 この世には。 いったい、どうすれば良いのかしら。
私は、フィルに当たりたくない。 でも、自分に当たったらフィルが傷つく。 フィルを傷つけずにすむなら……それが一番。 だけど、私は……フィルの望むように笑えない……。
それこそ、本当に誰にも会わないところに閉じ込めてくれたら。 フィルにしか会わなくて良いなら。 きっと私は何も傷つけずに生きていける気がする。
少しずつ大丈夫になったら……外の世界に慣れていけば良い。 駄目そうなら、無理をしなければ良い。 最初はそこからで……駄目かな。
(199) 2011/04/23(Sat) 01時頃
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……外の人を見なくて良いって、割り切って良いなら。 私はそこから始めたい。
ずっと此処にいて、いきなり全然違う人達の中に 入る事は無理だって……解ったわ。
檻みたいな暮らしかもしれない。 でも、心を守るにはそれしかないの。 私の心は“ここ”に慣れきってしまった。
その事を、フィルに解ってもらわなくちゃ。
[こうして話す中で見出した糸口は、 果たしてフィリップにも受け入れられる道なのだろうか。 それでも、自分が傷つく事が許されないなら。 せめて道を模索しようと]
(201) 2011/04/23(Sat) 01時頃
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[心の何処かでは、望んでいたのかもしれない。 いっそ殺してくれと、直接フィリップに言った事も実はあったのだ。
抗うだけの力もない。 睡眠も食事もろくにとっていない体は今にも 崩れ落ちたっておかしくないのに。 ……慣れてしまったからだろうか。 ムパムピスとの会話の方向が変わりつつある事に 少女もまた気付かないまま、瞳は微かな青さを取り戻していた]
(203) 2011/04/23(Sat) 01時頃
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