244 【R18】ミゼリコルディアの宴【魔女村】
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― 薀蓄:吸血鬼の研究 ―
世に魔術の系統はたくさんあるけれど、吸血鬼になる研究って本当に難しい いや、でも難易度のランク自体は高くないのかな、僕ぐらいの新米魔法使いが目指せるぐらいなんだし
でも本当に難しいし、高位の魔法使いが最後に目指すもの的な扱いをされるのか それはね、理論は簡単でも術式の実践にものすごく問題があるんだ
(352) 2018/06/18(Mon) 16時頃
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不死の存在ってつまるところ生命が死を克服できたかどうかみたいなもので、吸血鬼はその具体的な航路みたいなもの だから吸血鬼になろうと思ったら、死を克服するため【いったん死なないといけない】わけ
普通の術式だったらさ、大失敗しても工房が爆発して顔真っ黒で髪の毛チリッチリになって「ダメだこりゃ」って言わされる程度で済むかもしれない
けど吸血鬼の術式はとりあえず死んでから蘇られるかどうかだから、術式が失敗したらそのまま死んじゃうわけ――だから難しいの 失敗したら死んじゃう、じゃあどこからが成功かというとこれが100点以外認められない 上手く行かなかった分だけ復活時に不完全になっちゃうわけだから、死ななかったとしても「外道スライムコンゴトモヨロシク」ってしか言えないモノになってしまうかもしれない
(353) 2018/06/18(Mon) 16時頃
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ほんの僅かなミスが致命傷になっちゃうからこれ難しいの、だって死んじゃうから! 僕の理論は完成したよ、でも本っ当にこれが正しいのかって確証がまだ無いわけ
例えば術式どこか間違っているかもしれない 理論からして誤っているかもしれないし、小さな書き間違い1つで事故が起こるかもしれない、そもそも理論の構築のため引用した書物の記述や先代からの遺産が正確だって保証も無い
それらが全部正しいって確証が得られるまでどれだけかかるのか分からない もしかしたら不十分のまま賭けに出なきゃいけない
……先代は大雑把なひとだったからね、そこらへんが適当だったんだ
[それでも、あれがなければ――と小さく続けた。 こういう話を捲し立ててつつ自分で理論の検証を行うのを粘り強く聴いたり、どこかで止めたりしてコントロールするのが助手……人生の鍵を託した人にしかできないこと。**]
(355) 2018/06/18(Mon) 16時頃
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[あれ以降まだ続いた薀蓄がようやく一区切りつくと]
……というわけで、研究については今は検証と確認が主なので、ちょっと手が空いてる 資料を読み返すだけなら解読魔法使えばいいしね
なので今のうちに 吸血鬼になった以降の対策をしておきたい
うん、何かと言うとね……【 弱 点 克 服 】をやりたい
(365) 2018/06/18(Mon) 21時半頃
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吸血鬼の弱点で有名なのが『太陽の光』 でも資料を読むと、昔の吸血鬼は昼間だと活動が制限されるぐらいでそこまで苦にはしなかったみたいな記述がされてる 光浴びたら消滅するほど致命的に弱い、よくある吸血鬼のイメージって最近のがほとんど、ってことが分かっている ……で、なんでこう変わったのか、僕は仮説を立てた この弱点は、吸血鬼の生前の適性が際立ったものじゃないかと ほら僕みたいにさ、薄暗い研究室にずっと引き籠もっている魔法使い上がりがなるようなよくある吸血鬼だったらそりゃ日光に弱くて当然だよね? なので……人間のうちに日光に強くなっていればそのぶん吸血鬼になっても対応できるんじゃないかな、っていう説を提唱したい [それを受けてどうしたいのかと言うと……]
(366) 2018/06/18(Mon) 21時半頃
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― 屋上 ―
というわけで、今日は太陽の光をたっぷり浴びよう
[この館は湖岸の絶壁の上に建っており、その崖は1つの大きな岩盤である。 眼下に湖と街が広がる絶景を見渡しながら、半裸になった彼は天然で磨かれた岩盤の上に寝っ転がった――近辺ではこの崖が最も高い場所なので人目は気にしなくていいので。 晩夏のまだ強い日差しを受けて火照る身体にとっては、ひんやりとした岩がとても心地良い] ――おいで、メルヤ [隣で一緒に寝転がるよう手招きした。 ゆったりとした時間を共に過ごそうと。 仮説についてはあれでも真面目に考えたものらしい。*]
(367) 2018/06/18(Mon) 21時半頃
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