18 Orpheé aux Enfers
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>>296 ……え?
[胸のあたりがずくりと疼く。 しばらく俯き、そして。]
……構いませんよ。
[その表情はおそらく、笑ってはいない。]
(@30) leeha 2010/09/11(Sat) 01時半頃
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−昼間:講義後>>295−
……それじゃあ何の為に携帯電話を持っているかわからないじゃないですか。
僕のメールを受信していただけるならば、ちゃんとご連絡いたします。そうじゃなかったら、合宿棟に乗り込みますからね?
[妙に張り付いた絵美を浮かべている。]
……なんちゃって。 それじゃ、ついでですから合宿棟までお酒を持っていきます。 ベネットさんに見つからないように、こっそりとね。
(@31) leeha 2010/09/11(Sat) 02時頃
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>>297 ……いいえ。 さっきも言った通り、僕は「巻き込まれるプロ」ですから。
[距離を取らねばゆゆしき事態になる。 頭の中は妙に冷静で、ベネットの一挙手一投足がスローモーションではっきりとわかる。
それなのに、身体が動かない。 ……つまりそれは自分が冷静ではないということなのかもしれないが。]
(@32) leeha 2010/09/11(Sat) 02時頃
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>>300 ……僕が?
[ベネットの手をじっと見つめる。 それが自分に向けられるものかどうかをじっと見きわめようとする。]
苦しいのですか? 苦しいのなら、無理はなさらず。
……何を言っているのでしょうね、僕は。
(@33) leeha 2010/09/11(Sat) 02時頃
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>>302 [伸ばされた腕は、そのままに受け止める。]
つまり、迷い込んだのはお互い様、ですか。 ……なんだか困っちゃいましたね。
[ベネットの手の質感が白衣越しに伝わる。 演奏者の指先を振り払うわけにはいかない……というのとは全く異なる理屈で、彼はそれを受け入れていた。]
苦しいのも、お互い様なのでしょうね。 ですが僕は、生温い幻想の世界であなたを受け入れることはできません――…そう、あの時僕が火をつけるのを拒んだように。
僕は永遠に存在する「安住の地」ではなく、ただのひとりの人間です。僕は感情を持っているし、怒りもすれば動揺するときもある。
それでも構わないというのなら――…
[と言った瞬間、自分の言葉に目を見開いて、それから先の言葉を失った。]
(@34) leeha 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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>>309 「幻じゃない」方の僕をお見せするのは、少々怖いですね。 少なくとも、温厚だとか、講義が睡眠導入剤同然だとか、そういうイメージとはかけ離れたような人間ですけれども。
[そこでやっと口許を緩める。しかし視線は床に落とし、ベネットの方を見ることはできずにいる。
暫しの沈黙の後、重い口を開く。]
……それでも、構いませんか?
(@35) leeha 2010/09/11(Sat) 03時頃
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>>312 なんだ。そうだったんですか。
[急におかしくなり、くつくつと笑い出す。]
……まあ、そりゃあそうですよねぇ。 あそこまでいろいろ揺さぶられたら、ちょっと横から押されただけで、つい「素」が出ますって。
『ベネットさん。 あの時の僕は、くれぐれも内緒にしておいてくださいね。 あなたが倒れたことを内緒にしておくのと引き替えに。』
[そっと振り返り、こちらを見上げるベネットを見つめる。彼の震える指先は振り払わぬままに…]
……なんていう見返りを求めてしまう悪い癖を持ってますけどね?
(@36) leeha 2010/09/11(Sat) 03時頃
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>>316 ……そう、ですか。
[掴まれた右腕はそのままに、左腕でベネットの頭を抱える。白髪交じりの黒髪を掌でぐしゃりと乱して、]
それじゃ、そういうことでひとつ。 ほら、あんまりこういう所を出すと、心証悪いからさ。
[まるで友人にじゃれついているようにも、恋人を抱きしめているようにも見える、曖昧な形のハグ。それに名称をつけてはいけないと感じて、声にならない声で、可笑しそうに笑う。]
(@37) leeha 2010/09/11(Sat) 03時半頃
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>>320 え?このままでいいの? ……というのは冗談だけど。
[冗談めいたような口調で告げる。 腕時計の文字盤を確認して、小さな声をあげつつ思案する。]
あと30分くらいしたら次の講義だから、その時までだけど。 続きが必要なら、いつでもお気軽に……というとさすがに示しがつかないか。いろんな面で。
……まあ、あれだ。 それもこれも、ジェミーにとって必要だったら、だけどね。
(@38) leeha 2010/09/11(Sat) 04時頃
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>>322 あ……
[自分の言ったことが分からず、指先で頬を掻く。]
正直何が「続き」なのかは俺にもよく分からないのだけれども。
まあ、少なくとも無碍にはしない。 俺が応じられる範囲でなら、いくらでも……
……って、酔っぱらった時はその限りじゃない……けど……さ
[何故か明後日の方向に目逸らし。]
(@39) leeha 2010/09/11(Sat) 04時頃
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>>325 いや……もうすぐ講義なのは本当だけど。
[何かを思い切りミスしたような気がする。 というか、言ってはいけないことを言った。 顔を近づけて瞳を閉じた相手の表情は、明らかにひとつのことを欲しているような気がした。]
ええと……あれだ。 酔っぱらった時にするやつと、今ここでするやつとは、全く別のものとして考えてくれると助かる。
[と前置きして、至近距離にあるベネットの唇にそっと口づけた。]
……ずるいな、ジェミー。 罠に嵌められた気分だよ。悪い気はさほどしないけど。
(@40) leeha 2010/09/11(Sat) 04時半頃
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>>329 [名前を呼ばれて、心臓がどくりと鳴る。小さく笑って、相手の頭を抱く腕に、少しだけ力が入る。]
名前で呼ぶのは、学校の外だけにしようか。 ……俺も気をつける。
いや、こういうの本気で照れるからマズイな。
(@41) leeha 2010/09/11(Sat) 05時頃
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>>333 [時計の音を聞き、そっと身を離す。予定の時間から少し過ぎてしまったようだ。]
それでは、また後ほど。 何かまた困ったことがあったら、「僕」にお声掛けしていただいて構いませんから。
いますぐオーケストラの音を、最高の形でひとつに纏めるのは、おそらく至難の業です。それは素人の僕でもわかります。
だからすぐに問題が解決できなくても、時間をかけてゆっくりと、絡まった糸を解くしかありません。
一緒にがんばりましょう。 一人で抱え込まないで、辛い時は相談してくださいね。
[そう言って、健康管理センターの一室から去っていった。]
(@42) leeha 2010/09/11(Sat) 05時頃
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−喫煙所にて>>335−
……誰が何をしているのですか?
[紫煙を吐き出すバーナバスの顔をじっと見る。今度は20秒ほど。またも新記録だ。]
学部3年生の教育実習指導の講義があったんですよ。 そんな妙なことはしてません。
それより、遅くなってしまって申し訳ありません。 どちらへ参りましょうか?
(@43) leeha 2010/09/11(Sat) 05時半頃
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>>339 ……言い訳じゃないですよ。 もし嘘だというならば、イアン・トールソン……打楽器やってる3年生の方に聞いてください。彼は僕の授業に出てますから。
[呆れたように息を吐く。肩にかけたクーラーボックスの中で、何かが擦れる音がした。]
はいはい。 あなたがお求めのものはありますから、まずは落ち着いてください。
[そう言いながら、バーナバスの後ろをついて、空き部屋へと移動する。]
(@44) leeha 2010/09/11(Sat) 05時半頃
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−空き部屋>>-342−
[緑色の缶ビールのプルトップを開けながら、バーナバスの声を聞く。]
いいえ。最初はここのオーケストラの方の何人かにお話を伺う予定でした。あなたに副部長としてお願いしたいこともありましたし。
でも、今は……少しだけ違うことを考えています。
楽器を盗んだ方のことを、少しだけ耳にしました。 詳しい事情や、盗んだ理由みたいなものまでは伺っていませんけれども。
……別に僕はその方を問い質したいと思っているわけではないのですよ。
(@45) leeha 2010/09/11(Sat) 06時頃
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−空き部屋>>343−
詳しい事情や経緯は、あなたが話せる範囲で。 無理に聞き出すのは、あまり僕の流儀には合ってませんから。
[缶を傾け、ビールを口の中に流し込む。その目はバーナバスの竜胆色の目をじっと見つめている。]
(@46) leeha 2010/09/11(Sat) 06時半頃
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舞台に上がれない……そうですか。 だからぶち壊す……同じ目に遭わせてやる……ですか。
音楽をやりたいと……そういう気持ちがとても強いんですね。トラヴェルソさんは。そういう憂き目に遭ってなお、そんなことを表面では微塵も感じさせなかったのですから。
[缶の下を垂れる雫を、テーブルの淵で拭う。]
なるほど。つまり「お前も楽器を奪われてみろ」というのは愚問なんですね。僕は聞く気は無いですが、名乗りを上げたら聞かれることもあるやもしれませんね。
……じゃあ、あなたと「同じ目に遭った」方を見て、どう思いました?
(@47) leeha 2010/09/11(Sat) 06時半頃
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ある事情……ですか。 その事情は、まあお話するかどうかはお任せします。
僕にとって大切なところは、そこじゃないんで。
……何といいますか……こう。 辛い日々だったでしょう。 やりたいことをやれない苦しみは、……しかも「できない運命」というものは。
孤独?苦悩? あなたが堪えてきたことは、きっと計り知れないほど大変な労力だったでしょう。そして、それでもあなたが守ってきたものがあると思うと、胸が痛くなります。
音楽が好きで、音大まできて。できなくなって。 ならば無くなってしまえばいい……か。
[ビールを飲み、息をつく。]
……叫び声のようですね。 言葉にならない、胸が引き裂かれそうになるくらいの、叫び声。
(@48) leeha 2010/09/11(Sat) 07時半頃
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>>350 居られなくなるために…… ……去りがたかったのですか?
[ビールを飲み干し、食堂からこっそり借りてきたグラスに氷とウィスキーを入れ、口に含む。]
僕には、あなたが皆さんに嫌われたかったようには、見えないんです。むしろ「叫びを聞いてくれ」と……そう言っているようにも見えます。
表面上では「楽器とスコアの盗難」という行為ではありますが、その奥に見えるのは……
……あなたの苦悩と、あまり誰の目にも触れなかった孤独の欠片、なのかもしれません。
(@49) leeha 2010/09/11(Sat) 07時半頃
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孤独が、好き……
[空のグラスを差し出し、自分で作れるようにバーナバスにウィスキーの瓶を差し出す。]
……そう、ですか? あなたの周りには、あなたを慕う人々がたくさんいるのに?そして、あなた自身も彼らを大切に思っているようすに見えるのに?
本当にあなたは慕われている。 それは傍目から見たときの、僕の素直な感想です。 ベネットさんは、あなたをどうにかしたいと……どうにかしてあなたがここで演奏するための方法はないかと奔走して……必死でした。
[居場所を言えばきっと、彼は駆け出してゆくだろう。そんなことを思う。]
ねえ、トラヴェルソさん。 何故、わざわざ孤独になりたがるのですか? ただでさえ孤独に堕ちそうなのに、さらに自分で自分を追い詰めてまで。
(@50) leeha 2010/09/11(Sat) 07時半頃
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トラヴェルソさん。 僕はね、こういう時、いつも思うんです。
自分の孤独や痛み、或いは苦悩に堪えてきた人は、それに「堪えうるだけの力」を持っている……と。それについては、学校臨床心理学演習の授業でお話しましたから、詳しくは割愛しますけど。
そこから先を考えた時…… これはひとりの人間として、ですけれども。
孤独や痛みや苦悩に堪えてきた人が、少しだけそれを和らげて……自分の目と手とあらゆる感覚を使って……
小さな一歩でもいい。 「完璧な幸せ」でなくてもいい。そんなものは何処にもないから。
……ただ、「少しだけ生きやすく」なる方法は無いかと考えてしまうのですよ。
(@51) leeha 2010/09/11(Sat) 08時頃
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だから、あなたがすることが何かを考えてください。
……けじめをつける、ということにしても、自分を孤独に追いやる真似はしないで欲しい。
自分の孤独を少しでも癒してくれる人達に、できるかぎりで良いですから、向き合ってみてください。そして、彼らを支える人達にもね。
大丈夫です。 今まで孤独に向き合ってこられたあなたになら、きっとできると思うんです。まあ、僕の勝手な言い分ですけどね。
……僕が言いたかったのは、それだけなんです。
(@52) leeha 2010/09/11(Sat) 08時頃
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んー……
[酒でぼんやりとした頭で、高校時代にかじった物理の授業を思い出す。]
円運動に外側からの力を加えれば、その運動エネルギーは少なくなるか、或いは止まるかもしれません。それか、別の方向に動き出すか。
ベネットさんがあなたにやってることって、多分それですよ。 外側から、内側から、いろんなベクトルから力を加えて、どうにかその円運動を止めようとしている。
[ベネットのことを愛称で呼ぶ姿を羨ましいと感じながら、つぶやく。]
……彼がまだ合宿棟に戻ってきてないとしたら、健康管理センターにいますよ。
(@53) leeha 2010/09/11(Sat) 08時頃
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>>352 人に教えるのが好き……ねぇ。 ああ、それは分かりますよ。なんとなくだけど。 教師も合ってるかもしれないですけど、それで納得は行くのでしょうか?
[酒が入ったせいか、少し語調が崩れる。]
……ああ、それから。
[こちらに目を合わせないバーナバスの首元に、半ば強引に腕を絡める。しかも微妙に目も座っている。]
あのさー。制服女生徒をにゃんにゃんしたら、それ淫行ですから。
ってか、教師やってるとそのうちエロいシチュエーションで制服見ても勃たなくなるどころか、頭の中で仕事モード入っちゃってチンコ萎えるらしいけど?「教師と生徒」のイメージプレイとかも堪えられなくなるんだとさ。
ソースは俺の後輩。 ヤツは男のロマンもくそもねえって言ってた。 現実って恐ろしいねぇ……いやマジで。
(@54) leeha 2010/09/11(Sat) 08時半頃
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まーいいや。 お前、とりあえずもっと飲んどけ。
[バーナバスの横顔を至近距離で見つめ、ニタリと笑う。そして何を思ったのか、バーナバスの頬にキスをした上で、耳たぶを丁寧に嘗めはじめた。]
……んー?何って、「お近づきの印」。
[ビールの空き缶を足先で小突きながら、何が可笑しいのか解らないけれどもケラケラと笑う。]
駄目だよバービーちゃん油断しちゃー。 周りに女の子がいたら服ひんむいて全裸にしたいとこだけど、何せヤロー同士のサシ飲みだから脱がせても面白みが無い!あれは女の子の反応を見るのが美学なんだ!
[何だかよく解らない理屈をこねている。まあ所詮酔っ払いの戯れ事ではあるが。]
……何ィ?それとも感じちゃったァ?
[何を言ってるんですかこの人は。]
(@55) leeha 2010/09/11(Sat) 08時半頃
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……なんつって。
[バーナバスの首元に絡めた腕を離し、ウィスキーをちびちびと飲む。]
ベネット君のとこに行きたいんなら行ってらっしゃい。俺は止めないよ。
ああ、でも健康管理センターでヤッちゃ駄目だかんね? そういうシチュエーションで一発やるのっていい思い出になるけどさ……痛い記憶と共に。
ま、行くにしろ行かないにしろ、頑張ってねー。
[壁に凭れて、バーナバスの挙動を見遣る。彼がどんな行動をしようと、スティーブンは特に止めるつもりは無かった**]
(@56) leeha 2010/09/11(Sat) 08時半頃
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―夜:空き部屋にて―
[バーナバスの背中を、にこやかに微笑みながら手を振って見送る。ドアが閉じる音を聴いて、天井を見つめて、溜息ひとつ。]
……ふう。 彼もなんだかんだで心配ってことかね、ジェミーのこと。なんというか、駆け出さなかっただけで、柄にも無くちょっと狼狽えた様子だったしさ。一方のジェミーもなんだかんだで彼のことを心配しているみたいだし。
[煙草を咥え、火を点ける。闇色の空に紫煙が弧を描いた。]
あー……ってことは、ひょっとして。 俺、けしかけちゃった?ヤッちまえって。
[茂みに棲まう虫の声が、空き部屋の中に鳴り響く。それを聴きながら、スティーブンは少し黙って考えた。]
………ま、いっか。 どうせアレだろ。「人類皆兄弟」ってヤツ。
[客観的に見たら少し意味合いが違う気もしないでもないが、酔っぱらいの頭の中ではしっくり来たようなので、細かいことは気にするべきではないのかもしれない。]
(@57) leeha 2010/09/11(Sat) 20時頃
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―夜:空き部屋にて>>360―
[それからいくばくかの時間が過ぎた後。 開け放たれた窓の縁に肘を掛けて佇むスティーブンの耳に、フルートの音が聴こえてきた。]
………凄い音だなァ。 音量じゃなくて、激しさの方。 感情的で、形が無く、きわめて原始的な……。 クラシックを専門としている先生には怒られそうな音だけど……
[激しく壁にぶつかりながら響く音を、遠くに居ながら、全身をもって受け止める。]
ん? つまり俺も音楽を聴く耳が持てたってことかな?
……なんて。まだまだ甘いよな。
[紫煙をもうひとつ、闇色の空に放って笑った。]
(@58) leeha 2010/09/11(Sat) 20時頃
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―夜:空き部屋にて―
[ほどなくして、男の声(>>362)が夜の闇で響いた。]
これで一件落着――…となればいいんだろうけど、おそらくそうはいかないだろうな。
むしろこれからが本題だ。 これから先どうやって「音楽と向き合うか」ってコトを考えなよ。今度はこんな方法じゃなくて、さ。
それに……別に破滅の道を歩まなくたって構わないだろ。やりたいことを、やれるだけの範囲で、遠慮せずにやりなよ。必要ならば周囲の手だって借りればいい。
[グラスに入ったウィスキーの残りを、ぐっと飲み干す。]
……お疲れさん。 あとはお前たちの音楽を楽しみなよ。 誰にも真似できない、お前たちの音楽を。
俺は誰よりも近い場所で、それが聴けるのを楽しみにしてるよ**
(@59) leeha 2010/09/11(Sat) 20時頃
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