105 CLUB【_Ground】
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[まじわらない沈黙を 通信を切るというかたちで 先に破ったのはティーだった。
鈍いようで敏い上司に、見抜かれるのを恐れた。]
(@30) 2013/12/21(Sat) 19時頃
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[相反する願いは 張り詰めた氷の下で永遠の眠りにつく。
ティーの手が、 無意識にポケットを探り、 指先に感じた温度を、そっと手のひらに閉じ込めた。]
(@31) 2013/12/21(Sat) 19時半頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/21(Sat) 20時頃
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[水音。
研究ルームに隣接するトイレの洗面所で 凍るような冷たい水で顔を洗う。
着ているのは クリーニングから戻って来たダークブルーの一張羅。 入れ替わりにチャコールグレーのスーツが 今頃きっとクリーニング屋の倉庫に並んでかかっている。]
(@32) 2013/12/21(Sat) 20時頃
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[やわらかいフェイスタオルで顔についた水滴を拭い ノンフレームの眼鏡を掛けて鏡を見た。
薄い硝子の球面レンズの向こうで、 いつもの顔が笑っていた。]
──── ぁ。
[ポケットの端末を確認して、 一件の録音メッセージに気付く。 まださほど時間は経っていない。
再生。
そして──>>@25]
(@33) 2013/12/21(Sat) 20時頃
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…────〜 っ、
[叩きつける雹雨のような、 厳しい言葉(げんじつ)に息を詰めた。]
(@34) 2013/12/21(Sat) 20時頃
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────────────────。
[無機質な白い部屋を 長い長い沈黙が満たした。
鏡に背を向けて、ティーは細い指で端末を繰る。]
(@35) 2013/12/21(Sat) 20時頃
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―寮・虎の部屋―
入るぞ。
[少し間をおいたのは、通信に向けた怒気を掻き消すため。 しかし扉を開けるその手が、少しの怒りを残したままだ。 どんな瞳をしているかは、目隠しの下。 判断することはできず、見えた指先の惨状に。]
――――お前、なにしてんだ。
[消そうとした怒りが滲む。 つかつかと歩みより、赤い筋を描く指先をひっつかむ。 迷うことなく口に運び、鉄錆を舐め上げた。 暫くの間!何も喋らない。]
(@36) 2013/12/21(Sat) 20時半頃
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[ふつりと切れた通信に、男は考える。 乾いた砂の音、長い沈黙、先にきられたことご決定打。 部下が何を考えているかなど、明確に知ることは出来ない。 ただぼんやりとした輪郭が、店のランタンの明かりのように浮かび上がった。
気付かない。 気付かないで。
そんな防波堤。]
(@37) 2013/12/21(Sat) 20時半頃
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[VIPルームでシメオンに挨拶をした後、いつものように調理室へ向かう。 チアキとシーシャにとっては最後の食事。 調理室のドアに手をかけた時]
――…、
[通信機から漏れ聞こえる硬い声>>@25]
……知ってる。
[とん、と扉に額をつけて目を閉じる。 じっと堪えるように黙り込む]
(@38) 2013/12/21(Sat) 21時頃
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…………、…………、…………。
[更に長い、長い沈黙のあと。
苦しみながら焦がれるような声を聞いて ティーはやっと、音声送信ボタンに触れた。]
(@39) 2013/12/21(Sat) 21時半頃
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―寮・広間―
おーい、お前ら。飯だぞー。
[皿を乗せたワゴンを運んで、いつもと寸分違わぬ言葉。 何匹かがじゃれあう広間に、配膳口から食事を渡す]
(@40) 2013/12/21(Sat) 21時半頃
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!
[初めて聞くシーシャの大声]
!!!
[まさかの放送でのアンサー]
……爆発しろ。
[お約束な気がして呟いた]
(@41) 2013/12/21(Sat) 22時頃
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ティソは、研究エリアにいたせいで愛の告白を聞き逃した。後で知ったら悔しがるだろう。
2013/12/21(Sat) 22時頃
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─研究エリア レストルーム─
[自分はひどく残酷なことをしていると思う。 なぜなら、結局かれには、 奪い取る爪も牙も備わっていないのだから。
傍にいたいと願う相手が、 ひとであれ同じ仲間であれ、 愛(システム)に縛られた身には限界がある。
ありもしない希望をちらつかせて 道を惑わせる。 無垢な少女(イヴ)をそそのかす 悪魔(へび)のようだと己を哂った。]
(@42) 2013/12/21(Sat) 22時頃
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[配膳口に声をかけてきたチアキに、いつもの食事を配る。 ただいつもと少し違うのは、仕切りのついたプレートの一区画、デザートが付属していたことか]
匿名希望の権兵衛さんからだ。 おっさんには内緒だぞ。バレないうちに最初に食え。
[そして、皿を渡す時、ひそりと何か囁いた]
(@43) 2013/12/21(Sat) 22時頃
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[ありもしない希望──そう思っていた。 この時は。
だから、自分の言葉で、 かれがどんな行動を起こすかなんてことも、 まったく想像していなかった。*]
(@44) 2013/12/21(Sat) 22時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/21(Sat) 22時頃
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[両手でむにぃーーーっと頬を摘んで、引っ張る。 痛い。
指を離すと、弾力のある肌が ぱすん、と元に戻って、赤くなった。]
(@45) 2013/12/21(Sat) 22時半頃
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[想うことが罪だなんて、認めたくなかった。
けれど理想(それ)は理想(それ) 現実(これ)は現実(これ)。
研究員(ティー)には研究員(ティー)の仕事がある。]
(@46) 2013/12/21(Sat) 22時半頃
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[レストルームを出る前に、 ティーは鏡に向かってにっこりと笑った。
映っていたのは 完璧(ひゃくてんまんてん)な笑みだった。]
(@47) 2013/12/21(Sat) 22時半頃
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[>>83 どうやらチアキには、ごんべーさんに心当たりがあったらしい]
ん、……会えたら伝えとく。
[今はもう自分のパートナーとよろしくやってるだろうごんべーさんに、自分が会う機会はあるだろうかと考えつつ。 ぺこりと頭を下げた姿に目を細めた]
(@48) 2013/12/21(Sat) 23時頃
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―寮・虎の部屋―
[男は暫く無言であった。 時折何か唇を動かしたが、それは明らかに虎に宛てた声ではなく。 向かう先は幾つかの通信。 それが重なる度、男に降り積もる白い雪。
不機嫌に返す虎の声(>>53)に何も返すことなく 無残な死体と成り果てた爪研ぎ板と、掴んだ指先を交互に見やり。 水音だけを響かせて、鉄錆を舐めあげた。]
――――――。
[無言は語るよりも雄弁に怒りを表す。]
(@49) 2013/12/21(Sat) 23時頃
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ヤニク、
[尾を揺らして近づいてきたヤニクに、壁越しに笑みを向けて。ほんのりとソイソースの香りがただよう肉料理の皿を差し出す]
あつあつだからな、猫舌じゃなくても気をつけて食えよ。
[そう言って差し出して]
(@50) 2013/12/21(Sat) 23時頃
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[コツ、コツ。
シーシャの持つ端末に、そんな音が届いたのは、 サムがシーシャに与える最後の食事が済んだ頃。]
(@51) 2013/12/21(Sat) 23時頃
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測量士 ティソは、メモを貼った。
2013/12/21(Sat) 23時半頃
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[シーシャへと声を掛けた後、もうひとりへも準備を促す。]
(@52) 2013/12/21(Sat) 23時半頃
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[心ここにあらずなシーシャ>>84に、皿を渡す]
Sir.ヴェスパタインがあんなことするとはとは思わなかったわ。
[ぽそり。追い打ちに他ならないしみじみとした感想]
はっきり声に出して言える相手に巡り合えたのは、とても恵まれたことだと思う。おめでとう。
[追い打ちによってシーシャはどんな顔をしていただろうか。けれど嘘偽りない祝福で。 そして仲間たちのもとへ戻る姿を見送った]
(@53) 2013/12/21(Sat) 23時半頃
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――――おい。
[虎の小さな歯軋りが聞こえる。 男は口を話すと、指に刺さっていた破片を自身の手に吐き出した。 白衣のポケットに突っ込み、黒縁の向こう側で眉間にシワを寄せ。 落とした声が酷く低く、苛立っていたのだということを漸く自覚する。 落ち着けるようにと息を吐き出し。]
先週、「ここにいたい」って言ったな。
[指の傷については、今叱るべきではないと判断を下す。 感情の吐露、発散。 人間とは違うのだ、こんな風にしか表せない事くらいわかっている。 代わりに問うのは、先週背中で聞いた言葉。]
(@54) 2013/12/21(Sat) 23時半頃
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[ヤニクへ皿を渡した時に、受け取った言葉。
その後のシーシャには、声の、手の震えはきちんと隠せていただろうか]
(@55) 2013/12/21(Sat) 23時半頃
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[男は乱雑に付けられた目隠しに指を掛ける。]
“何で”だ?
[それは解く為ではなく、固く結ぶ為に。]
(@56) 2013/12/21(Sat) 23時半頃
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[食事を見届け、空になった皿を回収してから、広間を離れる。押し黙って歩く通路。動物たちの無邪気な声も充分聞こえなくなってから]
……っ、
[堪え切れず、その場に蹲る。 ヤニクの言葉が身の裡に響く。触れた手の離れ際、多くを望まない彼からの、告げられた「願い」が胸に痛い]
…… 俺 は、
[震える手で握るのは、パスケースと端末。 連絡はまだない。自分も、これから果たさねばならない仕事がある]
(@57) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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――――。
[“痛い”と告げる声が、余程痛い。 伸ばされる腕に抗う術を男は持たず、また拒否するつもりもなく。]
――――――。
[けれど、受け止めることもない。
残酷だ。 どこかの誰かが無垢な少女を唆す悪魔だとするならば。 男のそれは、覚えてはならぬ感情を植えつける黄金の果実。]
(@58) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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だから「ここにいたい」のか? “痛い”んだったら、ここから出てちゃんと愛してもらえばいい。
[男の指先は、目隠しを縛る。 決してここで剥がれ落ちることのないように。]
俺から離れれば、“いたい”のもなくなる。
[服を掴む手に触れ。 落とすのは――――]
(@59) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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