270 「 」に至る病
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[元々読書は好きだった。 此方に移り住んでから故郷のストーリーがこの地の言葉でどんな風に綴られるのか気になって読み始めた。 大胆な解釈はなく、かといって機械的に単語を置き換えるつまらなさもない。 文章の癖は限りなく自分好みで、どこか「さびしそう」な雰囲気を感じていた。]
『翻訳家にツテはありますか? パイプを繋いで貰えるなら、取材を受けても良いですよ。』
[ひとりになったガラス職人に雑誌の取材が来た時、政治家育ちの手腕で"アオ"(この土地の住民はクチキを上手く発音出来ない者が多い)とのコネクションを結ぶことに成功した。
国内で絶版となり手に入れるのが難しくなった児童書を手土産に、薄い青色ガラスに桜の花弁を閉じ込めた栞を添えて。
桜はすぐに散ってしまい、そのままだとすぐ朽ちる。 こうしてガラスで挟んでやれば、花弁は「死なない」のだという蘊蓄は、その後の押し売りの前口上。 長生きの為に君の眷属にして欲しい、と直球で告げた。 直接会った吸血鬼翻訳家は、顔もまさに好みだったから、迷うことなどなかった。]
(381) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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/* プロで英文誤字ったのホント恥ずかしい。。。 息子がバックスペース押して消してしまったんや neverが抜けたんや。。。。
(-81) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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[アパートメントに通う内に部屋に咲かせた桜はいくつか。 気に入られる為の土産は何時しか「共に時を楽しむ為のもの」に代わり、第一候補は今では唯一候補だ。]
……喉、乾いてんだろ?
[促すように言葉を重ね、ごつごつとした首を晒す。]
その渇きをたすけるの、俺でいたいんだよ。
[告白ついでだ。 彼がどう解釈するかは別として、言ってしまおう。
ソウスケの蒼は「アオ」とも読めて、 ソウスケの佑は「たすける」という意味を持つ。
こじつけと言われようが何でも良い。
長く 生きて
(382) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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[そうしてたくさん遊んだ帰り際。>>364 駆け出す僕に、アリスが呼びかける。 だから僕、立ち止まって、 (少し不思議そうに小首を傾げて)]
……? うん、わかった! またね、ケイト。
[アリスがそう言うなら、アリスは”ケイト”なんだろう。 可愛い洋服を着替えるみたいに、 女の子は名前も気分で変えるものなのかもしれない。
それでも君は僕のアリスだから。 特に何も問題はなかった。 可愛いアリスの戯れに付き合ってあげよう。 たっと駆け出す、白兎が一匹。 名前は次に会った時に教えてあげるね、と。*]
(383) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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そばに
(-83) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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いられるなら。*]
(384) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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/* あさきさんは即透けだけど、それ以外分かんないな
(-82) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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[狭い世界で、鳥籠の中で。 途方もない金を積ませて、両親の贖罪を聞き続け 全身に管を通して生きるんじゃあ、意味がない。
生への執着を自覚したから、わかること。]
グスタフ──…僕は、…さあ あんたの気持ちは理解でき、ない ……かもしれない
けど──…知ってるんだ 独りでずっと我慢しているのは、つらい
独りは、寂しい。 ……だろう?
[これも、彼が教えてくれたこと。 いつ訪れるとも解らぬ死に怯え、明日を希むのは。
会いたい人がいるからだと。]
(-84) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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[必死に息を継ぐうち、重なっていた双眸は外れ 頚筋を張りのある毛先が擽った。 施術以外でこれほど至近距離にあるのも珍しく、 ほとんど力の入らない掌を、そっと後頭部に置く。
彼が何を堪えているか知りもしないまま。 我慢を嗤い、踏み潰すように茶髪を撫でて。]
(385) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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/* ……なんか、重要なとこサンドしてごめんねソウスケ。
(-85) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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うん、美味しい。 さすがよ、ハニー やっぱりあなたに淹れてもらうに限るわ。 [女の紅い唇は、さらに深く深く 三日月を思わせる弧を描き] 未だに茶葉の種類も覚えられないんだから [もう片方の手に握ったままの白杖で、 ぺしんと下僕(しもべ)の尻を叩く]
(386) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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/* グスタフと、エピローグに入ってここを御覧になってる方はお気づきかもしれませんが。 通常発言と秘話にしたかった発言を間違えました。
(-86) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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/* くっ 自分の投稿の遅さで秘話続きプレイが失敗しているの悔しい
(-87) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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はぁ……ッ、く、…そう、だ…… これが最期かもしれない、から
聞いてくれるかい? グスタフ
[見えない表情を窺うように額を寄せ、視線を落とす。
薄っすらと尖った犬歯が見えた気がして ああ、本当に吸血鬼なんだな、と 呑気な感慨が脳裏を掠めた瞬間。
灰青が揺らぎ、ぽた、と雫が彼の頬に落ちた。]
(387) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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ほ──…んとうは、すごく、怖、んだ だから、 …もう少しだけ、そば…… に …
[彼の後頭部に触れる掌が小刻みに揺れるが、 震えているのか、痙攣なのか、もうわからない。
わかるのは、このまま死にたくないということ。]
(388) 2019/10/06(Sun) 23時半頃
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[──どうせ死ぬなら、今、この瞬間がいい。]*
(389) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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炉の番 チトフは、メモを貼った。
2019/10/07(Mon) 00時頃
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/* こんなん、しんでしまいます…!
情緒ジェットコースターで君と生きる意味を考えるRP村、 まだまだ地獄の入り口!!
(-88) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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――そうだよ、ミルフィ。 薄い生地でクリームやフルーツを巻いたもので…… 実際に食べてみるほうが早いか。
[久々にフィールドワーク以外に広い場所を―― 人ごみを歩いたもので、少し張る足を感じながら 嬉しそうにクレープを指差す君と、店に並んだ。
回転木馬。観覧車。>>339>340 一緒に乗ってしまった分、 写真に収められたのはほんの少し。 それでも、青い空の下で幸せを謳歌する君の姿は 本当にすばらしい。]
ミルフィ。楽しいかい? 良かった。――僕は、きっとそれだけで――……
(390) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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[――――ふっと、鼻を雨の匂いが掠める。]
(391) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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―― 何百回目の誕生日 ――
[意識が浮上する。
カーテンの隙間から陽射しが漏れていた。
今日は大学の講義も、研究会もない日だ。 ゆっくり眠りすぎたかなと時刻を確認すれば 普段より少し遅い時間を指し示していて 空には雲ひとつも見えはしない。
気のせいかな、と思いながら セイルズは寝ぼけ眼で顔を拭い、眼鏡をかけた。 そのまま階下へ降りていく――――]
(392) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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わっ……? ミルフィ?
[リビングに入ってすぐ見つけたものは、 満面の笑顔を咲かせたいとしい娘>>349と、 精一杯の努力の証が見えるケーキ>>348
Happy Birthdayと出迎えられ、 セイルズはぱちぱちと眼鏡の奥の瞳を瞬かせた。
ミルフィの誕生日を祝うことはあっても 自分が祝われたことはしばらく無かったものだから 咄嗟に、何を祝われているのか解らなくなって 感動が遅れてやってきた。]
(393) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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僕の誕生日を? お祝いしてくれるのかい? ケーキ、自分で作ったの? ああ…………
[セイルズは息を吐き、 首を振って、ミルフィをそっと抱きしめた。]
ありがとう、僕の可愛い娘。 [感無量。というべき様子である。 ケーキが潰れないようには気をつけたが 直前の問いに答えるのは遅れた。>>351]
(394) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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ろうそくは………… …………何本になるのかなあ。 きっとそのケーキには乗り切らないよ。
だから、そうだな、 ミルフィとすごした年数と同じ数だけ立てよう。
そうすれば、年々増えていくのが楽しみになる。
(395) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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/* 自分の感情を玩具にするの滅茶苦茶楽しいけど 同時に滅茶苦茶つらいな…、つらい…つらい…、 だがそれが良い…。
(-89) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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[と、来年も祝ってもらう画策をしながら、 己の年をぼかす吸血鬼教授は、 いまだに、自分の正体を明かすことを怖れている。
――怖いのだ。 眷属の自覚を持ったミルフィが病に蝕まれるのが。 あるいは、眷属であるからこそ、 自分と己との間の絆を疑いだすのが。
だからまだ明かしていない。 いずれバレてしまうことと解りながら 無駄な足掻きを重ねている。]
(396) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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/* このフェルゼくん死に際にしては喋りすぎては。
相方ちゃんのお返事が届いて、自分の返事を打って落とすまで他ペアの様子を確認する余裕がないわけですが、 直近見えたソウスケさんの口説き文句が熱烈で素敵
(-90) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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[セイルズはそうしてロウソクの数をごまかしてから、 ケーキを食べるべく、食卓についた。
朝からケーキを食べるのは胃に来るのではないかと 直感めいた何かを感じたのだけれど このために早起きして 慣れないケーキ作りに勤しんだミルフィを思えば 胃もたれなどたいした事ではない。
彼女と過ごした年数分の――もしもまだ一年未満なら、 月数分の、ロウソクを立てて火を消してから]
(397) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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神に感謝を。
[普段神を嫌っているセイルズは思わずその言葉を口にし ぱくり、とケーキを口に含んだ。
小麦粉と卵と牛乳を目分量でボウルにいれ たっぷりお砂糖を含んだケーキは やはり甘く甘く、甘かった。>>348
けれどもミルフィが作ったものが 父親にとって不味いはずがない。 少し「ガリッ」という音がしてもたいした事はない。]
(398) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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すごく、すごくおいしいよ、ミルフィ。 ところで、これは砂糖をいくら使ったのかな…?
[ふと興味が出て、 投げかけた問いには何と返っただろうか。
何と返ってきても、 愛娘が作った料理に、難癖をつけるはずもない。*]
(399) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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/* セイルズいいパパすぎでは……????
(-91) 2019/10/07(Mon) 00時頃
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