15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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ポーチュラカは、ラルフに満面の笑みで翠の瞳を向けた。
2010/07/17(Sat) 02時頃
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―ヨーランダの塒―
[かつて城の姫が使ってた部屋、その戸棚を軋ませながら開ける。 まだ、ここに来たばかりのころ、不安で、街からたくさんの物を集めてきていた。
服も、少し綺麗なものならば、と、むやみに持ってきて、押し込んだ。
雪崩れて出る布切れ。虫食ったものがほとんどだけど、その中から白いあたたかそうな上着を選ぶ。]
――……。
[もう一つ、緑のシャツも手に取り、ベネットがいるであろう倉庫に向かった。]
(267) 2010/07/17(Sat) 02時半頃
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ヨーランダは、ベネットのいるであろう小さな倉庫に扉を小さく、開ける。
2010/07/17(Sat) 02時半頃
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[リムジンのように長い胴の鼠が、ちょろちょろと床の上を遊ぶ。 傷口が乾いたからか、出し尽くしたからか、体内から零れ落ちる儚い幻想生物は漸く増殖を停めたよう。 編成した鉱質の半身は、ひんやりと冷めている。]
(268) 2010/07/17(Sat) 02時半頃
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[扉の開く気配に、少し身を起こした。]
…君は、確か…… [熱に浮かされている間に見かけた気はするけど、記憶は曖昧。]
(269) 2010/07/17(Sat) 02時半頃
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[>>266 表情を歪めるのは、むしろこちらの方で。 わざわざ触れたようにも見えたその仕草に、少し声音を強張らせた]
……指、落ちるよ。 もう、絶対に触ったりしないで。
[血の朱玉が伺えようと、 差し伸べられるような手は、ないから]
……怒らせるのに、驚かせるのが好きなんだ。 君には専用の小さな扉《ポーチュラ》でもあるのかな?
[少女の仕草を見つめながら、けれど。 この子もニンゲンからは遠そうだと、別のことを考えて]
……ともだち? 俺とは、友達にならないほうがいいんじゃないかな。
[向けられる翠の眸に、返すは小さな困惑の色]
(270) 2010/07/17(Sat) 02時半頃
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―小さな倉庫―
>>269
――…
[入ると、異形の鼠が足元を駆け抜けていく。 それをつっと眺めたあと、またベネットに向き直り、そろりそろりと歩みを進めた。
彼が口開くと、ただ頷いて、その横にしゃがみこみ、荷物を床に置く。]
――……
[熱に浮かされた顔、その額に手を伸ばす。]
(271) 2010/07/17(Sat) 02時半頃
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[白い手が、額に触れる。 体温はだいぶ下がっていたけど、消耗しきった身体はまだとてもだるくて。]
…心配させちゃった? ごめんね、少し休めば良くなる…はず。
(272) 2010/07/17(Sat) 02時半頃
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森番 ガストンは、メモを貼った。
2010/07/17(Sat) 02時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/07/17(Sat) 02時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/07/17(Sat) 02時半頃
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>>272
――……
[休めばよくなる、の言葉にはこくりと頷いて、手を額から頬に移し、その頭を傾けて、また横になるように促した。]
休んでて……。
(273) 2010/07/17(Sat) 02時半頃
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指がなくなっちゃうのは、困るわ。
[柔らかく微笑む。 けれど少女は“二度と触らない”とは、口にしなかった。]
怒られるのはいやだけど、怒られないのはもっといや。 叱ってくれる人がいるなら、時には叱ってほしいもの。 だって、一人ぽっちは寂しいわ。 ぽーちゅら…? ふふっ、どうかしら。 ないしょ。
[人差し指を口にあてて、くすくすと笑っていたけれど。 友達にならないほうがいいと聞けば、同じく困った表情を見せて。]
(274) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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…うん、そうする。
[床へと身を横たえ、侵食が進んで霞んだ右目とまだ生身のままの左目で少女を見上げる。]
君は…ここの子? [胴長鼠は、伸びて伸びて…二つにぷつりと千切れて壊れてしまった。]
(275) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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/*随分とまともになっちゃったなあなんて。 まともでいる―は荒廃した世界において、特徴だよなあ。
(-37) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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ヨーランダは、ベネットが横になろうとすればその頭の下に白い上着を滑り込ませようと・・・。
2010/07/17(Sat) 03時頃
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どうして?
私のことが、きらい? それとも、お友達になるのはいや?
[翠の瞳は悲しそうにラルフを見つめ。 答えを待つ間、じわりじわりと涙が覆う。]
突然だから、困る? ごめんなさい。
でも、私はお友達になりたいわ。
―――だめ、かしら?
[潤んだ瞳で見上げて、首を傾げる。]
(276) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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ベネットは、ヨーランダが差し出した上着を枕がわりにした。柔らかい…。
2010/07/17(Sat) 03時頃
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>>275
もっと、柔らかい場所に移ったほうがいい。
[ベネットが身体を横たえると、そう呟いて…。]
――……ガストンか、チャールズに頼むわ。 ベッドのある部屋に…運んでって。
[それから、着ているチャールズの外套を綺麗に整える。]
私は、ヨーランダ。 ヨナでもいいの。
ここにみんなより少し長くいるだけ。
[そのベネットの二つの眼を見下ろす。]
――……
(277) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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>>274
うん、だったら もう驚かしたり、しないでね。
[言い含めるような声音は、 けれど続く言葉の内容にそのまま小さなため息に繋がった]
そうだね、一人だと大事なこと忘れちゃうから。 それは寂しいってことになるのかな……わからないけど。
でも怒られたり叱られたりするよりは、 もっと違う……
[違う何を願っていたのか、思い出せなくて。 くすくす笑う少女の姿に、けれど言葉は繋がらない。]
(278) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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ここでも、雨と風が来ない分だいぶ楽だけどね…。
[心配そうに見下ろす少女へと返す笑みは、侵食された右半面も同じように柔らかい。]
そう、よろしく…ヨナ。 君がほんの少しでも長く居られたってことは、ここは余所よりは安全なんだね。
(279) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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>>276
いや、君が嫌いとか、そういうわけじゃないんだ。
俺は……その、 君を危ない目に遭わせるかもしれないし。
[答える間に翠が潤み始めて、 思わず伸ばしかけた手を留める]
――それに、友達になったら、 お別れするの辛くなったりしないかな?
[少女の傾いだ首と同じように、 困惑のより深まった顔で首を傾ぐ]
(280) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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>>279
[苦しげな人はそれでも笑おうとする。 そして、ここで、そんな笑いをくれた人は、段々と儚くなっていく。
そう、見てきた、そんなひとたち…。]
ここは、他よりは安全だと思う。 異形も、泉の傍だとおとなしくなるの。
[そして、ベネットの前に缶詰を出すけれど、開ける方法はなくて、少ししょぼんとした。]
――……
(281) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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[缶詰と、しょんぼりした少女の表情を交互に見て、]
…開けられない、の? 缶切りは…さすがに僕も持ってないなぁ。
スプーンでも頑張れば、あけられるんだけど…
(282) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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ええ、もう驚かせたりしないわ。
[しょんぼりと反省した顔は一度俯いて。]
一人ぽっちは寂しいわ。 大切な事も忘れてしまう。 叱ってももらえない。
かくれんぼしても、見つけてだってもらえない。
[だからいやなの、と潤んだ瞳を手で拭う。]
(283) 2010/07/17(Sat) 03時頃
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>>282
ごめんなさい。 缶切りだけがどうしても探し当てられなくて…。
シイ…ううん、ラルフなら開けられるのだけど。
あとで開けてもらう。
[缶はあきらめて、緑のシャツをまたその身体の上にかける。]
痛いところは何処?
[そして手を伸ばし、そう尋ねた。**]
(284) 2010/07/17(Sat) 03時半頃
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傷付けられたりしないわ。 危ない目にだって、お友達となら平気だもの。
[そう云って伸ばした手は、ラルフの刃に侵されていない部分へと。 本当は頬や頭へと手を伸ばしたのだけれど、少女の背丈では足りなかった。]
お別れするのが辛いなら、お別れしなければいいのだわ。 お友達になってくれるのなら、私はずっとあなたと一緒。 そうすれば、寂しくも辛くもないもの。
[ね? と潤んだ瞳を再度向けて。 お友達になりましょうと、少女は儚い微笑みを浮かべた**]
(285) 2010/07/17(Sat) 03時半頃
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ベネットは、ヨーランダに小さくうなずくと、その手のぬくもりを感じながら眠りに落ちた。*
2010/07/17(Sat) 03時半頃
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>>238 [俯く顔には小さく頷く、 危ないということが伝わったのかはわからないけれど]
忘れたことは、でも、 思い出さないと埋められないけど。 ……君はみつけてほしかったのかな。 見つけて欲しい誰かが、いたのかな。
[眸を拭う少女に、やはり慰めるような腕はない。 生身のそれも、酷く穢れているから]
(286) 2010/07/17(Sat) 03時半頃
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[屈強なブーツで廊下を踏み締めていく。]
生き残っている箇所が…広い城だ。 この雨程度なら、全て崩れ去る事は無いだろうよ。
[廊下を進み、小さな部屋がある。中にはベッドの類はないが、壊れたインテリアが数個、そして絨毯の名残がある。元々何のための部屋は分らない。]
…この辺でいいだろう。 久しぶりに、気を抜くか。
[まとも―この世界ではとても―な食事を食べたせいなのか、多少眠気が出てきたようだ。部屋の隅で静かに休息を取り始めた。**]
(287) 2010/07/17(Sat) 03時半頃
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>>285
平気じゃ、ない。
さっき指、切ったでしょ。 今度はそれじゃあ、すまないかもしれないよ?
[不用意に触れようとする幼い手、近づかれるのは怖くて―― 右腕に少女の柔らかな掌が触れれば、びくりと手を引っ込める]
――…いや、俺が辛いわけじゃなくて。 どうしよう、困ったな。
俺はきっと君を裏切るよ。
[少女の言う友達、という言葉に 自分が考えるほどの重みがあるのかは、わからない。 上辺だけでも頷いてみせれば、納得してくれるのだろうか ――滲んだ眸にそんなことを考えた**]
(288) 2010/07/17(Sat) 05時頃
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掃除夫 ラルフがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(掃除夫 ラルフは村を出ました)
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―回想・台所―
[>>249 生きるために手を取り合う。 それは何かしら、協力しあった、ということだろうけれど]
……互いに?
[言葉の通じない獣、に何か支えられたことが、 そして齎された何かがあったのか、わからないけれど。
彼がとても人間らしい気がするのは、 なんとなくその辺りが要因な気がして――]
(289) 2010/07/17(Sat) 05時頃
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ラルフは、少女が友達になって、というのもその何かを求めてのことだろうか、考える**
2010/07/17(Sat) 05時頃
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2010/07/17(Sat) 05時頃
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裏切られたって構わないわ。
傷付くのも構わない。 指が切れるだけで済まなくても。
[ふわり。]
無理矢理にとは、云わないけれど。 「一度会ったら友達で、毎日会ったら兄弟だ」って 壊れたテレビが歌っていたわ。
[ふわり。]
壊れた世界で出会えたこと。 私はとっても素敵だと思うの。 だからお友達に、なりたいわ。
それとも、あなたは―――…
[ふわり、と。]
(290) 2010/07/17(Sat) 06時半頃
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…―――触れられるのが、 怖 い ?
[ふわり、と 滲んだ瞳が優しく哂った。]
(291) 2010/07/17(Sat) 06時半頃
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…ごめんなさい。
[すっと表情は元に戻り。 まるであの一言は幻のよう。 しょんぼりと俯いて。]
ワガママ言い過ぎちゃった。 お友達じゃなくても、私の名前が決まったら聞いてくれるかしら? ソフィアがきっと素敵な名前を付けてくれるから その時はラルフにも聞いてもらいたいのっ。
[くしくしと瞳を擦って、微笑みに変える。 もう一度首を傾げて、少女は問うた**]
(292) 2010/07/17(Sat) 07時頃
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―エントランス―
[>>235何者かの姿と、殺気を認めると、立ち上がり、眠るマーゴの前に立つように、構える]
……。
[人とも異形ともつかない、あるいはそうなる途上とも言える姿に、目を細め、相手の動向をうかがう]
(@74) 2010/07/17(Sat) 07時頃
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