244 【R18】ミゼリコルディアの宴【魔女村】
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それじゃ、行こうか
[愛用の重力魔法の魔導書を手にして、発動させながらメルヤをふわりと抱き上げてベッドへ――メルヤが重いわけではないのだ、引きこもりのおっさんの筋力なんてそんなものだ。]
(-56) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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[このまま、時が止まればいいのに。
そう、願っては打ち消す想い。
せめて今だけは心の侭に……]
(241) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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ねえ、気づいてましたか。貴方へのご奉仕は、身の回りの世話だからしてたんじゃない事。
[ふわりと抱えられ、それが魔法に依るものかどうかなんて関係なく。それ以上、多くは語らずに。
今に彼に、心と身体の総てを預けた*]
(-57) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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[目覚めの挨拶をしたものの 頭の中は、まだ殆ど夢の中 悲しい出来事も、怒っていた理由も 泥汚れの原因さえ思い出せそうにありません。
思い出すのも面倒くさいから この際、二度寝してしまおうかなんて 頭から藁の中へ潜りかけた時です。
すぐ隣で大熊が起き出してくる気配がしました]
(242) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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………?
[子熊よりずっと、熊歴の長いガストンですから きっと、冬眠なんてお手の物。
目覚めたらしゃきしゃき朝の準備を始めて 身繕いを整えるはずなんて そんな推測はどうやら、大間違いだった様子。
ごそごそしたり、欠伸を漏らす姿が面白くて 見つめているうちにまた、とろりと夢の中 穏やかな寝息が漏れ始めたのです、が]
(243) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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[ごそごそしていたガストンが なぜだか、勢いよく起き上がりました。
『おかしい』という言葉は 何を意味しているのでしょう?
寝ぼけ眼の子熊は、考えて考えて…… 思い出した瞬間、眠気が飛びました]
(244) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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どういうことって?
[とぼけているわけではありません 唸り声混じりの相手に、こちらも唸り声。
怒っていた理由も思い出しましたから 瞳に力を込めて、ここにいる理由を]
……一緒がいいって、いったじゃん 言ったのに、なんで 出て行かないといけないのさっ!
[小さな熊が威嚇したとして 大きな熊にどれほどの効果があるのでしょう?
それでも、怒っているのだと 鼻筋に皺を寄せ、叩きつけるようにいいました*]
(245) 2018/06/17(Sun) 19時頃
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─ 回想:一番目の記憶 〜 Der erste Speicher ─
[一番古い記憶────
森の奥深くにある泉のそばで 母に魔術を教わる 幼い " 少年 " 実母であるかなんて 分からない 父親、という言葉すら 知らなければ ふたりで暮らしている事に 疑念の欠片もなく 買い出しは 母が 故に 少年が森から出ることは 皆無で 母もまた 外の世界をなにも語らない だからこそ 見識の狭さは日々の幸せを約束する
───── " 魔法 " 其れが 世界に於いて異質なモノであると 知らなかったのだから ]
(246) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[或る日の事 ───── 泉のそばでひとり 果物をもぎ取っていると 草むらから現れたのは 同じ歳ぐらいの少年 母以外 誰とも話した事なんてなかったから 大きな幹に隠れながら 恐る恐る果物を差し出した
打ち解けたのは直ぐだった 彼は貴族の子供で 狩猟中に小鹿を追って 付き人とはぐれたらしい 貴族、というのにも理解は叶わなかったが はじめて聞く外の世界に 心は踊った 彼の方は、と云えば 森の中に住んでいる少年に興味が沸いたようで ランプに魔法で 紫の炎を灯せば とても驚いて すごいと褒めてくれた ]
(247) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[また遊びに来てもいいかと聞かれたので 子供が かろうじて通れる抜け道を教えた " 森からは出てはいけない " と言われていたから 少年が抜け道を使って出る事は無かったけれど 彼は その抜け道を使って遊びに来るようになった 彼と会っている事は すべて母には内緒 怒られるに決まっているから 内緒にしていてね、と彼にも口外しない事を頼んだ 初めて出来た 友達 彼と過ごす時間は楽しかった
けれど日々は過ぎ───── 彼が成長して抜け道を通れなくなれば 会いに来る事は なくなった ]
(248) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[少年が青年となった頃───── ひとりで買い出しも許されるようになれば 街で 懐かしい面影を持った男に出会う 矢張り あの日の" 彼 " だった 彼は懐かしそうに言った
" 今日はすぐ屋敷に戻らないといけないが 明日また この街で会えないか "
" ランプに灯された あの綺麗な紫の炎を また見たいんだ " 唯一の友達に もう一度会えた喜びに コクリコクリ、何度も頷いて 馬に跨り 足早に去る彼の姿に手を振った ]
(249) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[翌日───── 約束した小さな広場には 椅子に腰掛ける彼の姿 他には誰の姿も見当たらない 静かすぎるぐらいに
彼は昨日の軽装とは違い 今日は甲冑姿 今は教会付の騎士団にいるらしくて 脱ぐ暇も惜しんで会いに来たと言われれば 嬉しすぎて 口元が緩んだ
思い出話で盛り上がった頃 彼が椅子の後ろから取り出してきたのはランプ " 誰も見てないから ここで見せて欲しい " 外で魔法を使う事の不安はあったけれど 確かに 広場には誰もいないし 断って 楽しい時間を台無しにしたくなかった ]
(250) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[───── ぽぅ、と ランプに 紫の炎が灯された瞬間 彼が立ち上がり ランプを掲げたまま大声で叫ぶ
" ご覧になりましたか司祭様! これぞ、魔法使いである証!! "、と
それと同時に 建物や草陰から現れたのは 彼と同じ甲冑姿をした 多数の兵士 その後ろにはローブを纏った中年の男 ローブの男が号令を掛ければ 甲冑兵達は剣を抜き 近づいてくる
どういうことなのだろうか、と 慌てて彼を見上げれば 胸に鈍い痛みが走った ]
(251) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[ランプを持っていた筈の 彼の手には剣が握られ 其の剣は 青年の胸に突き刺さっていた
朦朧とする意識 そこから先は よく覚えていない
" 約束通り 黙っててよかったよ " " これで 俺も出世できる "
そんな彼の言葉だけが 暗い意識の中で 鮮明にきこえた ]
(252) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[目を覚ますと──── いつもの光景だった 森の奥 母と住まう小屋の中 いつものベッドで目が覚めた 夢だったのだろうか───── ? そんな疑念はすぐに消える
横にはベッドに覆いかぶさる 母の姿 眠っているのではなく─── 死んでいた
母が使う魔法は " 癒し " 全ての魔力を青年に使ったのだろう 身体は老婆のように しわしわになっていた
込み上げてきたのは 深い怒り 悲しみ 母の亡骸を抱きしめ 誓ったのは復讐 ]
(253) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[けれど、枕元に置かれた水晶と 母の手紙
" この水晶を割って 記憶を捨てなさい 誰も恨んではいけません 愛する カルス 貴方に幸せが訪れる事を "
全てを忘れて──── ? 忘れたら 此の怒りも 憎しみも 身体の外に出ていってくれるのでしょうか
それでも青年は 母の遺言に逆らう事などできない ならば──── いっそ 別の人間《 魔女 》として 生きよう
母の着ていた服を引き継ぎ 母の名前を引き継ぐ──── " フローラ " と ]
(254) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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― そして、現在 〜Jetzt gerade ─
[記憶を封じていた水晶の魔力は 長年の歳月に因って 弱まり
髪の先まで魔力を巡らせたことで 完全に効力を失った
全ての記憶は" フローラ "の中に ]**
(255) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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/* なんか適当に決めた設定を あとから辻褄合わせるのって楽しいよね!(おい
(-58) 2018/06/17(Sun) 19時半頃
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[>>148詰るようには聞こえただろう。 その苛立ちはフェルゼも意識していない己の無力さだ。
産まれる前だとか出会う前だとかではなく ただやるせない寂莫感が襲う。
幼い頃のように銀色の髪に手を伸ばされても 普段の悪態は身を潜めた。]
俺は…殺され掛けてた、から。 逃げて守って貰ってたんだよ。
[声音には”感謝”が滲む ──リッキィがいなければ死んでいた。
年端もいかぬ身で何も出来ずに 救われた。
だけど彼女を助けるものは、いなかった…のだろう。]
(256) 2018/06/17(Sun) 20時頃
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[>>149キィ、安楽椅子が撓る音。
秘密の森。美しい泉。それはフェルゼが知らない場所。 そうして語られるものは手酷いものだ。
人間に裏切られ──…母を喪い
同族と呼んで差し支え無い
魔法使いに呪いを掛けられ 友を失った。
彼女の孤独に気づかずに過ごしていたのだと 今更のように噛み締めるのだ。]
(257) 2018/06/17(Sun) 20時頃
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リッキィは、リッキィだ。 魔女らしくなんてこれっぽっちも思ったことない。
お前の呪いで苦しいなら 俺がその呪いなんて解いてやる
だから、そんな顔するなよ。
[ぎゅっと唇を引き結ぶ。 ずっと以前に諦めたのだろう。
彼女が描いた彼女の──在り方。 どうしてそれを奪われなければいけなかったのだろう。
目を合わせてただ眉を下げる どうして自分はこんなに──…無力なのだろう]*
(258) 2018/06/17(Sun) 20時頃
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[どういうことって?なんて聞き返されたのがすっとぼけでないことくらい、その目を見れば分かります。 きっとこの聡い子供なら分かってくれるに違いないとタカをくくった己を責めて、熊はぐっと奥歯を食い締めました。]
言ったはずだぞ。 ここには戻ってくるなと。 その理由も全部、説明したはずだ。 子どもの理屈で、罷り通るはずがない!
[歯を剥かれ、唸られても、こちらの方が熊として生きてきた時間が違います。 二本足で立ち上がると、天井を突き破らんばかりの図体で、ぎろりと子熊を見下ろしました。]
(259) 2018/06/17(Sun) 20時頃
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[唸れば地鳴りのよう、剥き出た牙はナイフの鋒のよう。大きな熊は怒気を込めて、おん、と鳴きました。]
ここに居てどうする!おれといてどうする! 動物になれる魔法使いを殺す人間がいると おれは言ったはずだ、どり。
[子ども相手に大声で吼えるのは大嫌いでした。 でも、聞き分けのない子どもの手を取り優しく教えるための言葉を、男はよく知りません。
まだちゃんとは働かない頭で必死に言葉を練りましたが……]
(260) 2018/06/17(Sun) 20時頃
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おれだって、家族、失いたくない。 何故それを分かってくれない。
[大きな熊は言葉で諭すより先に、小さな目に涙を溜めて言いました。小さな小熊に威嚇までしておいて情けないでしょうが、説明出来ない気持ちはどんどん雫になって溢れてくるのです。]*
(261) 2018/06/17(Sun) 20時半頃
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[魔女と弟子は生きてきた長さも、経験も、 どれをとっても、何もかも、違うから。 だからフェルゼに助けてもらおうなんて思うことはなく だけど、彼なりの励ましや、表情を伺い見れば、 どうにかして寄り添おうとしてくれているのがわかる
だからこそ、いつもの威勢を失くした様子も 眉下がるその表情も。それがただチクリと痛い。]
(262) 2018/06/17(Sun) 20時半頃
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[ “呪いを解くと死んでしまう” ことまでは伝えなかった だからこそ、フェルゼのその言葉があったのだろう。
── 呪いを解くと死んじまうんだよ。 あんたは、私を殺す気かい?
なんて、そんな冗談を口にしようとして、止めた。
── 本望じゃないか。そんなこと。 私を長い間ずっと、縛り付けてきた呪いだ どうせ解かれて死ぬのなら ……………………
だから、魔女は次の瞬間、こんなふうに呟いたんだ ]
(263) 2018/06/17(Sun) 20時半頃
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ああ。呪いを解く方法が判ったら どうにかして解いてくれよ。
アンタは人間だが、優秀な弟子だ。 アンタが死ぬ頃までには、 呪いを解く方法が、きっと、見つかるさ。
[親は子どもよりも先に死ぬものだろう? ── 私を看取ってくれるのは、アンタがいいな。 ]*
(264) 2018/06/17(Sun) 20時半頃
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―ずっと支えられていた、こと―
[光を受けて銀にも見える白い髪 鮮やかな赤い瞳に目を奪われた。>>228
どうだろうか。 不似合いだろうか。
やっぱり装飾屋できちんとしたのを買うべきだったのだろうか。]
[そんな風に臆していると思いもがけずに優しい声が通る>>229 柔い表情に強張っていた心と体が緩んだ。]
(265) 2018/06/17(Sun) 20時半頃
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そ、そこが一番難しくて 粗があるから余りみないで……欲しくて
[ありがとう。──胸に染み入るような声 少しだけ手に怪我までしたけどがんばって、良かった。
そうして相好を崩す。 途端にカリュクスが触れた先から一瞬青白い光が放ち 石に吸い込まれていくのを
黒瞳が、キョトンと見つめた。>>230]
(266) 2018/06/17(Sun) 20時半頃
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そうなの…? わたし、知らずに選んでたけど、そうなんだ。
魔除けの力と…警告。 ……これでカリュクス先生に
[もうひとつに掛けられた魔法は知らずに
つけてみましょうの声に 促されるように頷く。>>231
一緒に姿見の前に並んで立つと アイボリー色の簡素な服の上で月長石だけが輝いてみえた。]
(267) 2018/06/17(Sun) 20時半頃
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