229 観用少年
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/* あーー、それは狡いでしょ。 普通に好きだわ。>>237
(-36) 2017/10/06(Fri) 21時半頃
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[淡々と。無機質で。 それでいて、人のような色を纏い始めた 声>>155に息を飲んだ。
あなた“も”、と。 重ねられた見知らぬ影に、 喉がひりつくような感覚を覚えたけれど、 それを振り払うよう、小さく首を振る。]
そう、なんだ。 妻も……子供も、いなくなってしまったからね。
[肯定を絞り出し、玄関へと向かう。 店から渡されたらしい草履を脱いだであろう少年を 招いた場所は、庭を一望できる客間。]
(238) 2017/10/06(Fri) 21時半頃
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[道中でも、会話は殆どなかったと思う。 元々、人付き合いは不得手だ。ましてや、子供と話すなど。 全て、妻に背負わせてしまった男は、 手をつないだ人形とすら、碌に言葉を交わすことが出来ない。]
少し、待っててくれるかな。
[客間の座布団に少年を座らせてから、 少し離れた台所へと向かう。
暫しの後、鍋で温められたミルクを盆に乗せて、 彼の眼の前へと置いた。]
(239) 2017/10/06(Fri) 21時半頃
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待たせてすまなかったね。 今日は少し冷えるし、 この方がいいかと思ったんだけれど。
[迷惑だっただろうか、と。男は眉を下げる。 著名なイラストレーターがデザインしたものだったか、 お洒落なイラストが描かれたマグカップと、 その向こうの少年を見比べる。
死んだような眼差し。 期待も、好意も。 何も無いその眼差しに、重なる切れ長の面影から、 ふ、と目を逸らすよう、静かな庭を眺めた。*]
(240) 2017/10/06(Fri) 21時半頃
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和算家 直円は、メモを貼った。
2017/10/06(Fri) 21時半頃
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[小さなつぶやきは、耳に届いた。 けれどそのつぶやきが何を意図するのかまでは分からない。 彼が普通ではない、ということなのだろうか。
けれど、それを聞き返そうと思わなかった。 それはきっと、……根拠のないなんとなくの感覚。 彼にそれは聞かない方がいいのだろうと思った]
自覚して直せるもんなら直してるっつーの。 あぁ、いや……やっぱりダメだな。 直さなくてもいいと思ってるし。
お前に選ぶ権利がないってのも説明書を読めばわかるのか? まぁ、それはそれにしても。 俺の前では、お前は好きにすりゃいいよ。 ダメなことはダメって言うけど。
[彼を人形だと思わないが故の言動。 それを彼がどう取るかまでは分からないけれど、 自分は思うことを伝えるのみだった]
(241) 2017/10/06(Fri) 22時頃
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[そうして出かけた買い物。 買い物なんてロクに行かないせいで、何が何処にあるのかも 全くと言っていいほど分からない。
早く帰るつもりがおおよそ普通の人の2倍はかかっただろうか。 あーくそ、とぼやきながら店を後にして、 遅いと怒られねーかなと思いながらそうっとドアを開ける。
開けた先は、隋分と綺麗になった自分の部屋。 洗濯やら何やらもやってくれていたようだった。
部屋の中へ進むと、眠りに就いている彼に気付く。 その姿は、思った以上に人形らしいと言えばそうだった。 寝顔を少しの間眺めて、小さな声でオスカーと呼ぶ。
すると、意外も意外。 寝ぼけ眼で自分の名を呼ぶ彼に、思わず笑みを浮かべて。 彼と目が合ったのなら、ただいまと当たり前のことを告げようか]*
(242) 2017/10/06(Fri) 22時頃
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[好きにすればいい、と気楽に告げられる。 それが人間の少年ならどんな風に感じ取るだろうか。
人形である自身には”好きにする”ということがわからない。 持ち主の要望に応えることが至上の喜びだ。
話せば話すほど駄目っぷりが露呈する>>241
どうして南方の妹は人形を与えようと思ったのか皆目検討が付かない。]
努力はする。けどな
てめえも説明書少しは読めよ。
[今までの悪態の中で一番力無く呟いた。 わかって欲しいというのは傲慢だろうか。
在り方から教えるなど、やったことがないのでわからない。]
(243) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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[―――― 愛情が不足すると
徐々に徐々に衰えていく。
かなしい美少年の人形。]
(244) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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[ぱちり。目が覚めた。 目が覚めたらまた別の場所で目覚めるかもしれない。予感は良い意味で裏切られた。 >>242の名前を呼ぶ声は眠りの中で。
ただいま。
誰に告げているのだろう。 この家には他の誰もいないのはわかっていて、なお。
誰に告げているのだろうと自問を繰り返し、繰り返して。]
……おかえり。
[固い表情で告げた。恐らくは人形たるオスカーの素で
誰も触れていない新雪のような部分に触れられ溶けては憶えるしかない。
南方のオスカーへの扱いは今迄とは全く異なる。 それがふたりの最初の出会い。 ――――――どちらも欠けた部分を補おうとしているなどとは露とも気づかずに]
(245) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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――――三日後
[三日が過ぎた朝のことだった。 南方は研究に牛耳しており夜が遅いとのことだがオスカーは”ケンキュウ”なるものをよく知らなかった。
とはいえオスカーが返品される懸念への強張りが少し解けたぐらいの頃。
もしかしてこのままのつもりなのだろうか。 物思いに耽りながら、朝食にだし巻き卵を作る。 けたたましい携帯の音が鳴った。]
オッサン、電話! 出ろよッ! 布団からも出ろ!
[駄目人間を絵に描いたような南方は携帯が鳴っても起きない。 掃除を終え、ベッドのシーツも真っ新で肌触りが良いものにしたベッドに近寄り掛け布団を引き剥がせば既に肌寒い季節に身を震わせただろうか。
テーブルの上に置かれた携帯を投げつけて朝食を作りに戻った]*
(246) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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[ "枯れて"しまったの。 とは、言わなかった。 かたちは似ていようとも、 ひとの終わりと僕の終わりは違うから。 だから、と 言って。 ── どうしていなくなってしまったの。 とも、言わなかった。
余計なことは聞いちゃあいけないんだ。 …何処で学んだかは覚えちゃいないけれど。 絞り出されたような直円さんの返事に、 僕は浅く、頷くだけ。 ]
(247) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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/* 尋ねては無いがオスカーが「どうせ返品するんでしょ」が抜け出せないから三日後とかぶち込む暴挙感
天の声ありがとう!
(-37) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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[ 招かれた部屋へ向かう途中、 会話らしい会話は無かった。
もとより僕はお喋りとは真逆なうえ。 出会って僅かであろうと、 繋いだ手の、その先。 直円さんが人付き合いの得意な方では無いことは、 なんとなく 察していた。
開けた庭を捉える。 言われたのなら、きっとその通りに僕は座る。 去りゆく背を、ぼうと見送って、 ── 行ってしまうの、と
他人事のようなあいを感じながら。 ]
(248) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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[ だけど、 ── 戻ってきた時には、きっと 思わず。 初めて直円さんに会ったときのよう、 小動物よろしく また 鼻をひくりと動かした。
ミルクのかおりがするから。
身をすこぅし乗り出して、 マグカップを、 ( ──…このひと自身の趣味なんだろうか、 絵を暫し眺めてから、 ) ひとくち。 "満たされた"人形は、息を吐く。 ]
(249) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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……ありがとう。
[ ぽつり。表情一つ変わらずとも。
冷たいものを出されたって、 僕は何一つ文句を言わない自信はあれど、 素足にはすこぅし厳しくなる季節。 温かい方が、きっと いいから。 ]
(250) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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── 僕は、 いなくなってしまった という あなたのこどもと似ているから、 あなたに買われたの?
[ 良く聞く話だ。 世間話のように、白い水面を眺めながら、 僕とは異なる方を見遣る 主へ* ]
(251) 2017/10/06(Fri) 22時半頃
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[ざらついた感情に触れる何かが、 指先に形を変えて頬の輪郭へ触れている。
言われるまま見上げる姿勢は首が痛み、 それでも濡れた瞳は映した青年を中心へ。 どこか遠い瞳は未だそのままで、 耳に残る言葉の意味を理解しようと幾度か瞬き]
ガーディ……
[囁きの音を確かとして、 諦念の滲む光源が和らぎ薄れる。
授けられた名は、 待ち続けた主人とは違う存在から。 けれど、いま手に掴んでいる腕の主は名をくれた]
(252) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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[>>224 お人形の呟きから、 その“涙”がろくでもない代物らしいのは把握する。 とりあえず友人のことは肘でつついて牽制しておいた。
>>225 脂ぎったおじさん。 その脅威は例のペドフィリアの噂のせいで、 妙に現実的で、思わずヴェールの下で眉根の寄る。
小さな王子様はすっかり庶民のお行儀の悪さだ。 元々フランクな大安売りの語り口も、見た目の様相とは大分印象は違ったか。
付けたしのように添えられた言葉は>>230 例えばどうしようもない庇護欲のようなものを誘ったのかもしれない。頼られ必要とされることは、誰だって心地よさを感じるもので。けれど、それはどこか不純に感じて嫌だった]
……それは困ったわね。
[口調はちっとも困ってはいなかった]
(253) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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[目隠しされたままで歩こうとしたプランツは、 崩れついでにそのままぺったり黒い喪服に張り付いた。 どうしたものかと彷徨った手は、少年の細く小さな肩に収まった。
そのまま手続きは友人と付き人に済ませ、説明やら何やらを聞く。町の噂では気難しいお人形だと言われているのに、こんなにべったりと懐くものなのかしら。 疑問が湧いたが別に悪いことではないので、よしとする]
(254) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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[手を引かれ歩く速度は子供じみた遅いもの。 視線は彼の姿を捉え続けて、 その彼が継ぐ言葉も仕草も入ってこない。
けれど笑顔だけは焼き付いて、 それに返す言葉よりも先に緩く笑い]
……ケイイチと一緒、なら。
[その向こう側に靄る影は瞳を曇らせるもの。
それでも今だけは、 透き通る声で名を呼び、引かれる手を握る。
影を見ないふりをして、 焼き付く笑顔だけにまっすぐに目を向けて]
(255) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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[>>232 目隠しを外す指には確かに恐れがあった。 最初に見た者に愛情を抱く、と説明がされてしまったから。
自分の酷薄さを知っている。 その愛情に応じることが出来るのか。 枯らしてしまうことが怖かった。
そんな躊躇いを見越したように、少年の手が指に触れて。 だから零れた微笑みはその華奢な指の感触が、嬉しかったからだろう。
>>233 そして感嘆の声を聞いて今更のことに気づいた。 せめてもう少しまともな格好をしている時に「初めまして」をしたかった。この黒尽くめの喪服では、言葉は冗談にさえ聞こえない]
(256) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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……クール?
[王子様の言語感覚はわりと現代的で、 薄々気づいていたけれど、この子は結構やんちゃだ。 とりあえずこの喪服の意味はまだ告げずにおいた。
金糸雀色は淡くはかなげで。 そのきらきらとした瞳がまっすぐで眩くて、無垢が胸に痛い。 陶酔めいた美しい微笑みはその存在全てを傾けられるようで、大変なものを手に入れてしまった、と思う]
誉められたのかしらね、……ええとありがとう?
[先ほどよりよほど困ってしまったような声音だ。 向けられる眼差しがヴェール越しでよかった、少しくらい狼狽えて目をそらしても気付かれはしないだろう、多分。
契約が済めば「行きましょうか」と指示する相手は付き人の大男だ。合図一つで少年を小脇に抱え込み、そのまま車に乗り込んだ]
(257) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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/* ガーディくん可愛い………………………………………
(-38) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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/* >>257 この子は結構やんちゃだ
(まがおる)
(-39) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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[後部座席に二人、 少年が先ほどまでくっついていたから、 つい無意識に膝の上はあけてしまった]
……ねえ、そうだ。 あなた、名前はあるの? 私の名前はグロリア、グロリア・ユン。 そちらの物騒な彼女は――、
[芙蓉とギリアン、 二人のことも紹介しておく。
芙蓉は助手席に行ってもらった。 『綺麗なカナリーイエローね、トパーズみたい』と、 手続き負えて真っ先に、そんなことを口にしたからだ**]
(258) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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……ぼくは、何をしたらいい?
[それは、とても『人形』らしい問いかけを*]
(259) 2017/10/06(Fri) 23時頃
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[彼と初めて対面したときから、三日が経った。 仕事をしているのかと疑われたので、研究をしていると伝えた。 彼がそれを理解していたのかはさておき、 何かしらしていることは分かっていたようだった。
あれからお互いに少しずつ慣れ、気付けば三日という短い間で 随分とましな関係になってきたと思う。 ――最初の喧嘩腰は何も変わっていないが。
今日も今日とて、彼に叩き起こされる。 朝はぎりぎりまで寝て飯も食わずに出ていたというのに、 彼が起こすせいで規則正しい生活を送っている]
(260) 2017/10/06(Fri) 23時半頃
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あー……あと、ごふん。
って、さっむ!!
[この肌寒い季節、布団を剥がれて暢気に寝ていられるほど 寒さに強くない。 しぶしぶ布団から出て、電話に寝ぼけ眼で出れば、 お前が出るとはなと電話口で驚かれたことは、想像に難くない]
おはようさん、オスカー。
[電話を終えて、数分後。 眠そうに欠伸をして、ベッドから彼の元へと歩んでいった]*
(261) 2017/10/06(Fri) 23時半頃
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[>>260喧嘩腰と言われたならオスカーは夜を閉じ込めたような瞳をまん丸にした事だろう。
所謂、これが少年人形の”仕様”であり喧嘩をするなどという概念すらない。
ただ人間というのは睡眠時間を確保しなければならないと得ていた知識で
帰宅時間に合わせて対応しているのはきっちりとしているだろう。
三日でわかった。否、二日目ですでに学習した。 >>261はあと五分と言って自ら起きた試しは無い。]
(262) 2017/10/06(Fri) 23時半頃
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……オッサン、何の電話だ?
[火元を消して無表情で問い掛けた。 普段ならまず挨拶をしていたのを訝しんだだろうか。
かすかに聞こえた電話口の声は差して広くない部屋と寝起きの南方の声を聞いた。
―――― 間違えた?
自分を購入したらしい妹からの電話でそんなやり取りを耳にした。]*
(263) 2017/10/06(Fri) 23時半頃
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