172 ― 恋文 ―
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おはようございます!
今読み返したら、イスルギさんの秘話に”石頭”って書いてあった。
見間違いじゃなかったみたいだけど、大丈夫だったかな?(><;)?
名前間違えるって、本当に避けたい事の一つだよね……
(-0) 2015/10/22(Thu) 09時半頃
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[今日も今日とてラブ・レターにやってきた。 扉を開けた陽香の目元は少し赤かったかもしれない。]
こんばんは…。 マスター、コアントローコーヒー……お願いします。
[少し声色を明るくしようと努めたが、そんなに上手く出来なかった気がする。
いつもの席に座った。今日の気分は凄く最悪。そんな気持ちを和らげるためにも、重たい体をこの喫茶店まで運んだのだ。]
(ここに来れば……)
[ここに来れば、元気になれると思ったけど。やっぱり気持ちは晴れない。]
(+0) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[実は、今日の稽古でやってしまったのだ。 原因は私だ。そんな事は分かっている。
それはほんの一時間前に遡る。 稽古の進行中。自分がネックだと思っているシーンに差し掛かった時]
”……愛してます。”
「………………。」
…ん…?セリフ……。
[自分が「愛してます」と言えば相手役の男の子が「僕もだ。」という流れになっている。なのに彼は不機嫌な顔で突っ立ているのだ。周りの部員たちも不穏な空気を感じ取って何も言わないでいる。]
(+1) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[私は何となく嫌な予感がして、冷や汗をかいた。]
……どうしたの?
「言えない。」
え?
「そんな気持ちがこもってないセリフに、何が言えるんだよ。」
[私の芝居が不完全だから、彼はセリフを言いたくないというのだ。 相手役の男の子は、学校でもモテるし彼女も居る。きっと私より断然「恋」や「愛」を知っているのだろう。だから、陽香のそれっぽい演技に嫌気がさしたのだ。]
「もう本番が迫ってるのに、そんなんで最優秀賞取れるかよ」
………………。
「三年の先輩方は、これで卒業なんだぞ。主役のお前がそんなんで良いのかよ。」
…………っ…………。
(+2) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[そんな事、言われなくったって分かってる。出来ないのは自分が一番分かっている。でも、私は「恋」をときめきをまだ知らない。でも、そんなの言い訳にならない。]
「お前、それで女優目指してるって……どの口が言えんだよ。」
…………っ……、
[そんな時、先輩が間入ってくれて、本日の稽古はお開きになった。集中稽古が続いて、部員全員が疲労気味なのを早く帰って休息を取るのと、主役の2人は頭を冷やせと言われた。
みんなに、相手役の男の子に迷惑掛けている。何も出来ない自分が、悔しくて。悔しくて。涙が滲む。 私は逃げるように、部室を後にした。]
(+3) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[そして、今に至る。]
(もう……だめだ……私。)
[マスターが近づいてくる気配がしたので、下手くそな笑顔でコアントローコーヒーを受け取る。 すると、添えられていたのは”薄い桃色”、”オレンジ色”、”空色”の封筒。]
マスター…これ…!
[こんなに沢山のお手紙。マスターは、にこにこしながらカウンターへ戻る。 文通を相手からのお返事か。はたまた新しい相手からのお手紙だろうが、今誰かの手紙を読める心境だろうか。
でも、このカラフルな便箋の柔らかい色達に。少しよれちゃってる封筒に、少しだけ口元が緩んだ。 私はまず、よれよれの薄い桃色の封筒を手に取った。 そっと中から取り出し、目を通すと”右肩上がり”の文字。]
(あっ……コアントローの人だ!)
[私は、傷心していたもの忘れて、夢中で読み出した。]
(+4) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[その手紙を読んでいると、ぽろぽろと涙が零れる。でも視界が遮られて読めなくなるので、袖で目元を拭って。
手紙に書かれた言葉は、新鮮で、優しくて。 会ったことのない自分に対して、この言葉一つ一つを、考えて書いてくれたのかなと思うと、心がどんどん温かくてなって。 それに、2人だけの秘密を共有してるみていで、ドキドキした。
文字に見え隠れする、彼の楽しげな気遣いに思わず笑みが零れた。]
…豊田さんって…どんな人だろう……。
会ってみたいな……。
[胸が苦しい。この人ともっと話がしたい。この人をもっと知りたい。 でも、高校生は相手にしてくれないかもしれない。もし実際に会ったら、思ってた人物と違くて、文通もなかったこことにされるかもしれない。 いや、そんな風に思う人ではない気がする。
なんだこれ、嬉しいと不安のドキドキがごちゃまぜだ。]
(+5) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[まるで、夜の海みたい。闇が深くてちょっと怖いのに、キラキラ星が……あれ?]
……あれ?
[思い出したように、私はスクール鞄の中から一枚の”絵葉書”をそっと取りだした。 目を閉じた女の子が、桃色の風に吹かれて、キラキラ星が煌めく何も見えない海に足を浸からせている絵。以前、もらっていた大切な絵葉書。 この絵は、何となく今の自分に似ている気がする。
”恋をしている女の子”。
自分はもしかして。]
(私……もしかして……。)
[いや、ちょっと落ち着こう。私、今ちょっと混乱してる。 何度か深呼吸して、よれよれの薄い桃色の便箋に目を落とせば、やはり胸の中には”ドキドキ”が残ってて、思い切り口元が緩んでしまった。
恋をするって、なんだか楽しくて、なんだか嬉しくて、なんだか不安で、でも、心は温かい。]
(+6) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[お返事を書こう。なんて書こう。胸がドキドキ。 よし、いったん落ち着こう。]
お腹空いた。 パンケーキ、食べてみよう。……たっぷりのはちみつを……、ん?
[手紙が書かれていた、おすすめのはちみつたっぷりパンケーキ。まだ自分のおすすめが無いから、まずは豊田さんのおすすめを食べてみようとすれば、携帯のメール着信ランプが主張している。]
あ……、
[相手役の男の子からだ。何だろう。また、何か言われるのかな。 怖いけど、私は大きく息をはいてメール画面を開いた。]
(+7) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[そこには、部活の時言い過ぎた事の謝罪と、今から2人で自主稽古しよう、学校近くの公園で待ってるとの事が書かれていた。]
今から?
[豊田さんにお返事を書きたい。 だけど、部活の事も解決しなきゃ。それに、今の私だったらあのセリフが言える気がするのだ。 私はコアントローコーヒーを飲み干して]
また来ます!
[会計する際、和紙様な色合いの「レターセット」が目に入る。私は目をぱちぱちさせて、]
マスター!これも下さい!
[茜色、萌黄色、山吹色を選んで会計した。 このレターセットでお返事書いたら、きっと楽しいはず。]
(+8) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[そして、公園で相手役の男の子に会って、さっきのシーンをやってみれば、不思議と楽にセリフが出てきて。男の子も満足そうに、「できんじゃん」と笑っていた。 きっと、彼は励ますつもりで敢えてきつい事を言ったのだろう。そう思えば、申し訳なさと、嬉しさで、また泣いた。
家に帰ってきて、残り2つの手紙を読んだ。
最初に、とても綺麗なオレンジ色の綺麗な封筒。これ機械で作ってるんだよね。手作りの手紙なら、感動だ。 内容は、名前の由来の手紙のお返事だった。 両親の事を褒められて、自分の事も褒められてる気がして、嬉しくなった。]
……石……動く?……イスルギ……かな?珍しい名前。
[確か、演劇コンクールの中部地方代表が石動高校だったような。]
(+9) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[それから、空色の封筒を開けた。 作曲家募集の人だ。曲を頼むわけではないのに、書いてしまって気を悪くしてないかな?と不安だったが。その気さくな文章に、安堵した。]
良かった、スランプぬけられそうなんだ…。
ふんふん……歌も歌って曲も作るのかぁ。凄いな〜。
[好きな事、夢中になれる事を大切にして下さいと書いてあった。]
恋人みたいに……か。ふふっ……。
[うん、私はやっぱりお芝居大好きだ。大変な事や、嫌な事もあるけど。 結局、お芝居の事ばかり考えている。まだまだ、演技はヘッタクソだけど。]
歌……聞いてみたいな。「ラブ・レター」でライブとかやってくれないかな?
[そういう設備がなかったらやはり無理なのだろうか。]
(+10) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[陽香は、机の上の封筒を眺めながら]
会ってみたいな……。
[文通は楽しい。続けたいと思う。でも、書いてくれた人たちに会ってみたい。 そんな風に思った。
陽香はペンを手に取って、お返事をかき始めた。]
(+11) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[その日以来、ラブ・レターには行くことが出来ないでいた。 本番が来週に控えて、学校に泊りがけの稽古の日々が続いた。 噛み合ってきた芝居に、仕上げをするため皆頑張っている。]
(ああ……ラブ・レターのコアントローコーヒーが飲みたい……。)
[コンクール会場も遠方なので、帰ってからじゃないときっとあの店にはいけないのだろう。 部員と寝床を共にする中。窓から見える、星空を眺めていた。
豊田さんは、今は何をしているだろう考えながら、眠りについた。]
(+12) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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[コンクールから帰って来た。 結果は、もちろん最優秀賞を勝ち取った。うちの演劇部は、毎年全国大会に出場している。プレッシャーは大きかった。今回のコンクールで、最優秀賞を取らねば全国には行けなかったのだ。
やっとコンクールも終わって、「ラブ・レター」に行ける!と思っても、来月の全国大会に向けてやる事が一つ残っている。
それは、”学校上演”だ。 来月のまでの中弛み解消と、コンクールで良い成績を残してきましたという報告も兼ねて、学校で同じ題材を発表するのだ。これも毎年恒例の行事となっている。
稽古はさらに熱を上げて、時間を増やしてやるという事だ。]
(ああ……コアントローコーヒーが、飲みたいよ……。)
[放課後も土日も、みっちり稽古。
どうにか隙を見つけて「ラブ・レター」に行けないだろうか。 お手紙のお返事だって書いている。でも、あのお店に行かないと相手には届かない。うーん、どうしたらいいだろう。
それが、今一番の悩み。]
(+13) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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壁ロルを建設してしまい、すみません。
遅筆な自分が恨めしい。しかも、なんか大丈夫なんだろうか、この私の文章たち……
陽香ちゃんは、豊田さんに遅咲きの初恋! 付き合えなくても良いから(おじさんだし、高校生だし、犯罪だし。でもそんなの関係無いんだぜ!)、せめてラブ・レターで会いたい!
おやすみなさい。 明日…今日?起きれるかな?
(-33) 2015/10/23(Fri) 04時半頃
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ああ…間違えた…明日投下予定のロルまで落としてしまった……。
もうだめだ……ねよう……。
(-34) 2015/10/23(Fri) 05時頃
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