131 SACRED JUSTICE ―闇の正義と光の祝福―
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― 旧王城 ―
[局地的な地震に兵が動揺した直後のこと]
……また、派手な術を。
[天空を切り裂く暗黒の稲妻。>>3:356 それは聖都の街並を、聖堂を――勿論眼前の城までをも破壊せんとする]
まあいい、こちらにとっては好都合だわ。
[しかし預言書はそんな事には構わない。 目的は聖具《レガリヤ》の奪還、そして如何な悪魔の力と言えど、聖具までも破壊することはないだろう。 雷鳴響く中を平然と歩くと、再度混乱する兵をかわし、旧王城へ侵入した**]
(7) 2014/08/22(Fri) 01時半頃
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― 旧王城 ―
"見よ、敵の顔を。見よ、己の顔を。 戦場にある者は、皆同じ顔をしているではないか"
――乱難の相《フェイズ・コンフュージョン》
[混乱に乗じた侵入者は、更なる混乱の術を重ね兵の同士討ちを誘う。 しかし術の効果範囲は決して広いものではなく、何時しか兵士の物量が混乱の垣根を越え始めていた]
つっ! ……流石に動きに支障を来たす水準では、感覚による警告が来るか。
[今は羽衣のように緩い渦を巻く黒衣の預言書《ドレスコード》。 その隙間から覗く肌には、今や隠し切れない程の裂傷が刻まれていた。 しかしそれでも、死人の躰はすぐに表情を平然へと戻す。 王の座は目前。辿り着きさえすれば、預言書の目的は果たされる――]
(39) 2014/08/22(Fri) 21時半頃
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[しかし、その身は目に見えぬ何かに阻まれた]
(40) 2014/08/22(Fri) 21時半頃
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なっ……これは。
[手で叩いても、叩く音すら響かぬほど、強固にして厚い壁。 それでいて視認は出来ず、触れる以外に存在を知る方法はない]
「王の座」の絶対防御。 まさかここまでの範囲に及ぶとは。
[立ち止まる少女の背に向けて、ここぞとばかりに兵士が殺到する]
……五月蝿いわね、思考構築の邪魔だわ。
[預言書は敵を見もせず、掌を背後に向け伸ばす。 ――預言書は護るべきものを持たない。 ならばこの状況に取る手段は]
"灯火は人の命を救いたり、炎は人の命を護りたり。 憤焔は、人の命を奪いたり"
(41) 2014/08/22(Fri) 21時半頃
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――焔難の相《フェイズ・イラプション》!
[爆風が、廃城の壁ごと兵士を吹き飛ばした]
(42) 2014/08/22(Fri) 21時半頃
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[随分と見通しの良くなった城壁の向こうに、白い翼持つ姿が近付きつつあった]
――来たわね。
[自身の身の危険にも関わらず、預言書が浮かべるのは笑み。 それは天使の狙いを、王から逸らすことが出来たが故に。 現在の王の状況は不明だが、あの程度の試練ならば乗り越えられるだろうと信じている]
[しかし、彼女が城へ到達するよりも早く]
……貴方は。
[爆風により空いた空間に降り立ったのは、兵士の群れと比較して、一際目立つ異装の男>>52]
このような所にわざわざお出ましとは……一体何の御用かしら。
[熱と緊張に満たされた空間を、白い羽根がはらりと舞い落ちていった]
(56) 2014/08/22(Fri) 22時半頃
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……驚いたわ。殺しに来たかと思ったのに。
[暗殺者>>59の問いを受けての、第一声はそれ。 それから目を閉じ、ふ、と笑みを浮かべる]
シーパル……ああ、あの堕天使のこと。
[まるで他人事のように。 言葉も選ばず、言い放つ]
別れた時はまだ生きていたわね。 でも、随分と命を削っていたみたい。
[別れた後の彼女の身に何が起こったか、預言書は知らない。 ――そして彼女について、この先を記した預言はたった一文のみ]
もう長くないんじゃないかしら。
(64) 2014/08/22(Fri) 22時半頃
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[こちらの言葉に否定は返らない。>>66 射抜くような視線が向けられるが、預言書は動じることもなく]
何の為……ね。 ……貴方、ここに何があるかはご存じ?
[障壁に背を向けたまま、手の甲でこつこつと叩くような素振り]
"私の"目的はただ一つ、白に染められし聖具《レガリヤ》の解放。 その邪魔をさせはしないわ。
[一度目の戦闘と同じく。 黒のヴェールがぶわりと広がる]
たとえこの躰の希望《親友》であろうと――その家族であろうとね。
[牽制というように、刃のごとく変質した一枚が暗殺者の眼前すれすれを飛ぶ]
(67) 2014/08/22(Fri) 23時頃
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[牽制の刃は完全に見切られている。 そう示すかのように、暗殺者は微動だにしない。>>72 飲み干す薬の瓶は見覚えのあるものだったが、今自身の持つそれは必要とされていない。 ――それは「意識」を強制的に呼び覚まし、預言書との支配率を逆転させるためのものだからだ]
そう……それは残念。出来れば出逢いたくなかったわ。
[抜き放たれた刃。 預言書は身構えることなく自然に立つ。 ただ、ざあ……と黒衣が666の紙片に分かれ、その身の周囲を舞った]
(86) 2014/08/22(Fri) 23時半頃
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『心』? ……心を殺して生きていそうな貴方が、随分と情緒的な言い方をするのね。
[呆気に取られたような溜息。 しかし、「父」と明言した暗殺者に、その瞳が微かに揺れた]
[しかし、その迷いを振り払ったのは――黒衣に浮かぶ新たなる預言。 《プレゼント・プログレッシヴ》]
"騎士が復讐に狂い、護り助く務めを忘れ果てし時。 騎士を失くせし闇の王は、光の前に頽れる。 ─── 伏した王。剣を喪い、軈ては息絶えん。"
(87) 2014/08/22(Fri) 23時半頃
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いいえ、私は戻らない。 預言成就のその時まで!
"やがて空は翳り、風が哭き始めた。 渦巻く風は天を貫くも、天上へ至ることはない"
――嵐難の相《フェイズ・ストーム》
[黒の紙片は渦巻く風に乗り、周囲を廻る速度を増した。 それは具現化した《白》き羽根と、まるで対のようであり。 その領域へ踏み込む者を、押し戻し切り裂かんとする]
(88) 2014/08/22(Fri) 23時半頃
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[「最後の王」とされた、闇の王の死。>>79 それが預言に与える影響は計り知れない。 しかし――それが解消し得る矛盾であるなら、預言書はその行動を最優先とする]
まだ、間に合う……。 早くこの者を倒し、騎士を王の下にお連れしなければ。
[暗殺者と対峙しながらも、預言書は演算する。 未来の分岐を、存在確率を。 しかし、未来が確定し、預言が矛盾なきよう書き換わったならば。 それは預言書の目指すべき未来そのものが、変動したことを意味するだろう]
(101) 2014/08/23(Sat) 00時半頃
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死人、ね……。 けれどその身体は、血を流す身のままなのでしょう?
[心を殺すにも限度がある。 そう含みを持たせるように言って]
……珍しくあの子と意見が一致しそうだわ。
「私と一緒にしないで」!
[嵐に舞う紙片を刃で切り裂いていく。>>93 その動きは驚異的であった。 迫り来るその姿を見ても、預言書は避けようともしない。 障壁を背にしたこの状態では、逃げる場所もないのだが]
(102) 2014/08/23(Sat) 00時半頃
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"闇の軍勢は、今や地を埋め尽くさんばかりであった。 光の者らは槍の穂先の前に、為す術もなく押し出される"
――突難の相《フェイズ・スラスト》
[刃が己の身に、如何なる危害を加えようとも動じず。 敵が眼前にあるのを好機とばかり、鋭き円錐へ変じた闇の紙片を、暗殺者へ向け一斉に突き立てようとした]
(103) 2014/08/23(Sat) 00時半頃
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心? ……馬鹿なことを。あの娘に呼び掛けた所で無駄ですよ。
[――泣いている。 今にも喉の辺りにある扉を破って、叫びが迸り出てしまいそうだ。 しかしそれでもまだ、表面上は平静を保っていた。 当然だ、幾ら心が暴れようと、肉体は完全に預言書のものなのだから]
[穂先を阻んだのは刃ではなく、純白の盾であった>>108]
ち、天使の加護とは厄介な……!
[闇に属する者にとって、それは敵の一派でしかない。 だが]
(116) 2014/08/23(Sat) 01時半頃
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『やめて!』
なっ……
[隙を見逃さず、更なる一撃を加えようとした預言書を、強く引き留める力があった。 結果攻撃は一手遅れ、槍が彼の左腕を裂くに留まる]
余計な事を……! 突難の相《フェイズ・スラスト》! 追撃を――
[そして刀の間合いに入った達人を前に、その一手は致命的であった]
(117) 2014/08/23(Sat) 01時半頃
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[左肩から入った刃が、斜めに喰い込んでいく。 その先に心臓はない。 あるのは十字の傷がついた肌と、空虚な――]
い、や…………
(118) 2014/08/23(Sat) 01時半頃
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いやああああ!
[それは何に対する拒絶なのか。 ――瞳には意思があった。 死への恐怖と、過去への後悔が]
[黒衣の預言書《ドレスコード》が、その身を護ろうとするかのように、強引に両者へ割り込み衣服の形を取り戻す。 その袖口から、『覚醒』の薬の入った小瓶が、ことんと音を立てて落ちた**]
(119) 2014/08/23(Sat) 01時半頃
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/* びっくりした、正念場にネット繋がらないかと思ったよ
(-37) 2014/08/23(Sat) 13時半頃
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― 旧王城 ―
そんな……唯物論的な話じゃないわ。
[暗殺者>>125の言葉に首を振り。 一度灯った光を隠そうとするかのように、少女の眼差しが険しくなる]
在るのは希望。失くしたのはそれ以外すべて。 そして希望も――もうすぐ尽きる。
[皮肉げに顔を歪めた少女に持ち掛けられたのは、意外な申し出だった>>127]
(157) 2014/08/23(Sat) 14時頃
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なに馬鹿なこと言ってるの? それでどうにかなる訳ないじゃないの。
[吐き捨てるように言って、ゆっくりと身体が傾きかけている暗殺者を睨んだ]
ああ……でも。 貴方が黙ってやられてくれるというなら、それは好都合だわ。 影に紛れ暗躍していた貴方が死ねば、さぞかし――
[焦点がぶれ始めた視線に、先程までのような見切りはもう不可能であると踏んで。 少女は一振りの黒いナイフを手に、悠々と近付いていく。 そして、その右手を振り上げ――]
(158) 2014/08/23(Sat) 14時頃
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――何?
[しかし、その右手は左手により止められた]
――――何よ?
[全身の傷に黒布を巻き、滑稽な操り人形のようになりながら。 それでも、指先までは操れぬだろうというように、左の指が右の手首へ喰い込んでいく]
……やめなさい! 「―――めて」
(159) 2014/08/23(Sat) 14時頃
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もうやめて……!
[搾り出すような声が、少女の喉から発せられた]
おじさんも、おかしなこと言わないで! ……おじさんが死んで、シーパルが嬉しいわけない。 そんなこと出来ないよ……!
[しかし、言葉では否定しながらも、ナイフは少しずつ暗殺者の胸部へ近付きつつあった。 動き掛けている少女の心を抑えようというように、黒の衣が締め付けを強くする**]
(160) 2014/08/23(Sat) 14時頃
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シーパルは、きっとおじさんの事、大切に思ってるよ……!
(161) 2014/08/23(Sat) 14時頃
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おじさん……!
[暗殺者の言葉>>176に、願いは通じたと安堵する。 しかしそれは間違いだったと、すぐに判明した]
――え?
[危うい均衡を保っていた右手に、加えられるもう一つの力。 それは狙いを過たず、暗殺者の胸に突き立った>>177]
お、おじさ――――んぐっ
[呆然と、開けたり閉じたりしていた口に、小瓶が捻じ込まれる。 不意を突いたように流れ込む液体に、少女の喉が鳴った]
(181) 2014/08/23(Sat) 19時頃
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かはっ、あっ……
[まるで急激に脳へ血が廻った、そんな錯覚の後に、信じられないほど思考が澄んでいく。 しかしそれに喜んでいられる状況ではなかった]
おじさん! やだ、なんでこんなこと……!
[ようやく自由になった手で、紅色の溢れる胸元を抑える。 けれどそれ以上は何も出来ず、おろおろと周囲を見回す]
(182) 2014/08/23(Sat) 19時頃
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だめだよおじさん、それは自分で伝えてよ……!
[ぶるぶると首を振る。 記憶を掻き乱す感覚はもうないけれど、そんな約束をする訳にはいかなかった]
ねえ、おじさん起きて! 誰か助けて……!
[必死に周囲の兵へ向け叫ぶ。 しかし、闇の衣纏う少女と表舞台に立つことのなかった暗殺者へ、手を貸す者は誰もいなかった]
どうすればいいの? どうすれば――
(183) 2014/08/23(Sat) 19時頃
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――――――
[その時。 少女は初めて、膨大な預言書の頁を、自らの意志で開いた。 古代語は意識の中で自動的に翻訳される。 それでも大半は意味のわからない記述を、一つ一つ読み解いていく]
……あった。 88ページ32行。 "彼の者にしか聞こえぬ声で悪魔は囁いた、 汝の欲望に忠実たれ、それを咎める者は汝以外にいないのだから"
――囁難の相《フェイズ・ウィスパー》
(184) 2014/08/23(Sat) 19時頃
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[意識のチャンネルを親友へ合わせる。 彼女が今どんな状況かはわからないけれど、少なくともこの状況を伝えなければ後悔する。 だから見えない糸の繋がる先へ、力の限り叫んだ]
(185) 2014/08/23(Sat) 19時頃
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早く来て! お父さんが大変なの!!
[長々と説明する余裕はない。 場所は思念を地図代わりに送り、後はどうにか間に合ってくれと願うのみ**]
(186) 2014/08/23(Sat) 19時頃
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