270 「 」に至る病
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―― 見送り ――
混同、……か。 覚えておくよ。
[ぽつ、と雨のように落とした言葉は心もとない。 それでも、吸血鬼教授は フェルゼの言葉に一度は頷いてみせた。>>447]
(48) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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( 時々、わからなくなるんだよ。 何も言っていないのにあの子は妻に似てくる。 あの子はあの子で、妻は妻なのに 僕は少し、どうしていいか解らなくなって来る……)
[弱音を吐き出すことはない。 ただ、暮れかけの空の下、 ひとり歩いていく白い少年の背を見送っていた。>>2:449
普通に会話が出来た分、まだ”問題なし”と判ずれど 彼が心の裡に飼う激情までは見通せない。 セイルズはただ、今日出会った眷族が 末永く、吸血鬼と共にあってほしいと願った。]
(50) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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僕らの渇きを癒すのは 血ではなく、君たち自身なんだよ。
[その声は聞こえはしないだろう。
見事に緋色に染まった空を見上げる。 鼻先を湿った匂いが掠める。
黄金色の陽があかあかと地上を照らすのを 吸血鬼教授は眩しそうに見て]
……雨が、降りそうだな
[ぽつりとひとりごち、自宅の扉を閉めた。*]
(51) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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―― 自宅にて ――
[暖炉の上にキャンドルが2つ並んでいる。 新郎、新婦を模したようなそれを セイルズは微笑み、見つめてから 夕食の皿を食卓に並べた。]
おかえり、ミルフィ。
[娘の顔をみれば安心したように笑う。 焦燥、それから火照りに当てられた娘と対照的に セイルズの心は雨に打たれたときのように冷えている。]
(53) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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ああ、そうなのか。 じゃあ、このパスタは明日に回そうかな。 [主食にラップをかけて冷蔵庫にしまう。 そして、どこか言葉の少ない娘と食卓を囲んだ。 食前に神への祈りを捧げないままで。
サインを貰ってきた、というので 「よかった」と微笑み、それをいただく事にした。
珈琲に混ざる家畜の血の味を サンドウィッチで上塗りした。]
(55) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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サインをもらってきたのかい? 素敵だね。 僕もね、お土産をもらったんだ。 ほら、暖炉にキャンドルがあるだろう? 大変愛らしい。 聞きそびれてしまったけど、 もしかしたら手作りかもしれないな。
[今日あったことを、 いつもの日常の延長線上のように語る。 それでも、娘の口は重かった。
今回の遣いは娘にどんな変化を齎すのだろう。 怖れにも、諦観にもにた感情を抱えながら セイルズもまた食事を取り終えて>>20]
(56) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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……ミルフィ?
[熱を含んだ瞳と目が合う。 それだけで、彼女が何を欲しているのかを理解した。
細い指が釦に向かうのを見ずとも その肩口が晒されるのを見ずとも
理解できてしまうのに、そこから視線がはずせない。]
(57) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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…………
[衝動を堪えるように、手元の珈琲を一口。]
どうして、そう思うんだい? 僕は健康体だし、食事も毎日とっている。 疲れてすらいないよ。 吸血を欲するコンディションではない。
[一瞬、鋭く娘を睨みつけた。]
食事を取る気はないよ。 飲んで欲しいのは君の方だろう?
(59) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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(「信じてくれないから、… 血を捧げることでしか実感できないんです」>>2:422)
(60) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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[珈琲の液面が揺れる。 ミルフィから視線をはずし、茶色い液面を見つめ ぽつりと、セイルズは語る。]
そんなこと ”吸血” なんかより 僕は深く君を愛してきたつもりだ。
本能を押さえつけ、人間と同じように…… 肉食獣が羊を食べず草を食むように。 けれどきっとそれは君たちには辛い事。 僕の自己満足に近いこと、なんだろうね。 ……けれど。
[他の吸血鬼と眷属との暮らしに当てられた、 というのがおそらく正しいのだろうが]
(61) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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わかっておくれ。 壊れると解っていて手を出したくない。 僕は君を失いたくない。
……ミルフィ。
[珈琲から視線をあげ、娘の熱を帯びた瞳と目が合う。 20年の年月を越えて尚、 吸血鬼教授の瞳は雨降る日を映し出している。]
僕ら二人が13年積み上げてきたものを 君の意思で壊すなら 衝動的にではなく、理性的にあるべきだ。
(62) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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一体何を、聞いてきたんだい?
[声には、静かな怒りが乗る。
懇願に応えることなく、 ひとまず、セイルズは冷静に現状を把握しようとした。**]
(63) 2019/10/12(Sat) 14時頃
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[ミルフィの瞳と目が合う。 外の世界を見て楽しんで欲しいとは思ったが ”こう”なるのなら、 お遣いになど行かせるべきではなかったのかもしれない。
セイルズは指を組み、 肩を抱いて震える姿に、 遠い昔、彼女を拾った時の事を思い出して 瞳を揺らし、息をついた。
それから「ママがいなくなった穴埋めに」>>163 という言葉に、沈痛な面持ちで目を伏せて
あらわになった柔肌を見ては つきりと痛んだ頭を軽く抑え、 眼鏡の奥の瞳に恐怖を写し 首を横に振った。>>164]
(202) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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(「愛しているの。――あなただけを愛してる。 だからもっと飲んでほしいの」 )
(203) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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…………やめてくれ。
[本当に、妻に似てきてしまった。 頼みもしないのに、血もつながっていないのに。 ――どうして、という自嘲は心の中にしまったまま]
…… あの日、倒れていた君を見て、 生かさなきゃと思った時に クラリッサの姿を見たのは、……確かだ。
けれど僕はほんとうに、君を「娘」だと思っている。 正常とは、何だろうね。
血を与え飲ませるのが親子であり本当の家族なら、 全ての吸血鬼と眷属は家族でなければならないが 必ずしも、そうじゃないだろう。
(204) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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君と共に、13年を歩んできた。 子供を育てるのは初めてだったし 喜びも苦しみも等しくあった。
見た目が似ていなくとも 年が離れていても、世の中には「親子関係」が存在する。
それでも……僕は、君の父親には、なれないのかな。 ひとのおやには、なれない、と。 手厳しいね。
(205) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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[苦笑する。 或いは、はじめから間違っていたのか。 死ぬべき命を吸血行為によって永らえさせた――だから 最初から、その道は閉ざされていたのか。]
吸血鬼だろうが、人間だろうが、 本来、一緒にいる理由なんか、どこにもないんだ。 どこにもないんだよ、ミルフィ。 君は、もっともっと自由なんだ。 自由であるべきだ。
確かに君は僕の眷属だが 一生を僕に縛られている必要はない
好きなところに行って 好きなひとと話して 好きなように生きる、権利がある。
……だから…………
(206) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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[痛む頭を押さえ、息を吐いた。 衝動を堪えるために噛んだ結果、咥内に傷がつき、 口の中が鉄の味で満ちた。
眼鏡を食卓に置くと、 肘をつき指を組み、額を押し当てる。
そして、力なく笑った。]
(207) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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…………詭弁だ。
とうの昔に解っている。 何のために君を生かしてしまったのか。 何故血を飲まないのか。 ひとえに、僕が臆病だったからだ。 君が外の世界で生きられないことなんて 生きようにもその穢れた血が邪魔することなんて とうの、とうの昔にわかっていたけど
人間の親子のふりをして 叶うはずのない夢を見ているほうが、まだマシだった。 君はいずれ僕のもとを去る、と。 僕はそれを祝福する日が来る……と。
(208) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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[長年懐に抱いてきた不信を 親らしくもなく娘に叩きつけて、 暖炉の上のキャンドルを一瞥する。 新郎新婦の愛らしい姿。
それを見て祝福するだけの 人並みの幸福を得てみたかった。
――愛したものとずっといられないなら その後の幸福を望んで何が悪い。 そう思うのに、神は等しくお終いをつれてくる。]
(209) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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父親の資格なんかない。
…………最低だよなぁ。
(210) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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[セイルズは立ち上がると、 ソファに放られたブラウスを拾い上げた。 それをミルフィの肩にかけて、抱きしめ、体を離し 悲しみと、慈愛のない交ぜになった目で彼女を見る。
随分と背が大きくなった。 もう立派なレディだ。
セイルズは脳裏に、一瞬クラリッサの姿を思い浮かべる。 100年連れ添ったいとしい妻が 意図していないのにミルフィの姿に重なる。
自嘲めいた笑みが浮かぶ。 ――こんな姿、きっと他の誰にも晒せないな、 そんな事を思いながら目を閉じ]
(211) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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[父親の顔をしていたのは、それが最後だった。]
(212) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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[セイルズは笑って、乾いた口を開く。
きっとミルフィが見たことのない 傷つききった男の顔をして 絶望の色の深い瞳を彼女に向けた。] 僕は君を愛している。 君の幸せを願っている。
けれど。もう、……一人になるのは、嫌なんだ。
君たちをいくら愛しても、 病は進行して君たちを蝕む。 いずれ君も、狂うだろう。
そうして、血を飲ませるのが僕のため、なんて ふざけた事をいって、……僕を置いていくんだろう?
(213) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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傍にいる理由? 本当の家族になる? こんなこと、で。 たかが食欲の発露でしかない、こんなことで 君は満足か。――満足なのか。
教えておくれよ……
(214) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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[恐怖と怒り、悲しみがない交ぜになった瞳は ミルフィを移し、クラリッサを映して揺らぐ。
雨のにおいがする。 雨音も聞こえないのに、 十年も時が経ったのに セイルズはいまだ過去に囚われている。
血塗れた石畳の上で、 愛した人を揺さぶったあの日のままで 「君も同じなんだろう?」と、ミルフィを見た。]*
(215) 2019/10/13(Sun) 00時頃
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[クラリッサの代用品、という物言いに セイルズは苦笑を浮かべた。 長年この娘はどれほど暗い炎を飼って来たのだろう。]
酷い物言いだね。 けれどそれが、僕の本質なんだろうな。 君たちと同じ寿命を生きられないくせに 同じ生き物ではないくせに 同じ幸福を分かとうとして……
君たち人間にとっては、吸血鬼は化け物で 人を物のように扱って狂わせてしまう。
何人も、何人も。
(237) 2019/10/13(Sun) 03時頃
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[今すぐ死にたいな、と思ったが、 その衝動で死ねるなら400年を永らえていない。 欲求に蓋をして――――……>>222
愛を囀り、縋りつくミルフィを見下ろす。 その姿は愛を求める女に見えた。 孤独を怖れる子供の姿にも見えた。]
(238) 2019/10/13(Sun) 03時頃
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(『二人で、ずっと生きられたらいいですね』)
[かつて大学の研究室で そう微笑んだクラリッサを思い出す。
永遠の愛を誓った妻は、 薬指から指輪を外さなかったにも関わらず 永遠の約束を守ることなく死んでいった。
――いま、男の胸に去来するのは 妻に向けた暖かな恋情ではなく 幼かったミルフィと過ごした輝かしい日々 それらを惜しむ気持ちと けして失いたくはないと叫び震え、燃える昏い炎。]
(239) 2019/10/13(Sun) 03時頃
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君が娘であっても、 君が妻であっても………… どちらでも。
僕が望むことはただ一つ。 君が幸せであることだ、ミルフィ。
[亜麻色の髪を撫で梳いた。 惜しむように、愛しむように、 苦悶の最中、男は言葉を搾り出す]
(240) 2019/10/13(Sun) 03時頃
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