196 水面に映る影より遠く
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― 昨日・甘味処にて ―
抹茶クリームあんみつ!!
[いとちゃんの主張>>1:363は、葵に衝撃をもたらしました。なぜその存在を忘れていた……!という衝撃です]
うわぁ、めっちゃ悩むわー。 あきちゃんはどないするん? えっ、ヒナちゃんの、なにそれ。そんなんもあるん!?
[雛子ちゃんは豆腐クリームあんみつなんて言い出して、葵をさらに惑わします]
いやっ、ウチは白玉クリームあんみつ!! 決めた! もう迷わへん!
[自分に言い聞かせるようにそう宣言して、ぱたりとメニューを閉じました]
(52) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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あっ、ウチもウチもー!
[一口味見、という雛子ちゃんの提案>>12は、もちろん参加する気満々です。 いとちゃんが雛子ちゃんにスプーンを差し出す様子>>47を見れば、昨日のことを思い出してしまうわけですが、そんなわかりやすくぎくっとしたりはしなかったはずです]
いっちゃん、ウチも!
[動揺を隠すように、いとちゃんに向かって口をあーんと開いてみせました。 それから、どんな話に花が咲いたでしょうね。今日のプールの時の話題になれば、若菜君の所業>>1:340をみんなに暴露して憤慨してみせたでしょう]
女の子とハイタッチするのに、あんなに高く手を上げるなんてありえへんやろ!? めっちゃジャンプしたけど届かへんかった! ジャンプ力鍛えてぎゃふんと言わせなあかんわ!
[なーんて、本気で怒ってるわけじゃありませんけどね。 あ、ジャンプ力を鍛えるのはちょっと本気です]
(58) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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― 昨日・夜 ―
[宿題を切り上げると、リビングの両親のところへ行きました。 花火はコンビニにだって売っています。けれど、ドラッグストアなんかで購入する方が安上がりなのです。 そして、葵は所持金が心許ありません]
あのさー、明日の夜、補講のメンバーで花火しよってことになったんやけどさー。 夏休みって意外と物入りでさー。
[ゴマをすること15分、3000円のカンパに成功しました]
おおきに! そしたら、ちょっとひとっ走り買ってくる!
[ドラッグストアは意外に遅くまで開いています。そして、登校時間にはまだ開いていません。となると、行くなら今の内、とさっそく買いだしに行こうとする葵を、母が呼び止めました]
(68) 2016/08/21(Sun) 14時頃
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え。 浴衣?
[よーいどんのポーズのまま、顔だけ母の方に向けていた葵は、ぱちくりとまばたきします。 全然考えていませんでしたが、言われてみれば、確かに花火と言えば浴衣です]
んー、ちょっとみんなと相談してみる! おおきに! ほな!
[そう言って、葵は今度こそ家を飛び出しました]
(69) 2016/08/21(Sun) 14時頃
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[ドラッグストアに向かう道すがら、ぽちぽちとスマホをいじります。 歩きスマホは危険です。真似してはいけません。 小夏ちゃん、雛子ちゃん、いとちゃん、晶ちゃん。 補講参加女子グループに送信するのは、ついさっき母に聞かれたことでした。 花火といえば、確かに浴衣です。けれど、他のみんなが普段着なのに、ひとりだけ浴衣なんていうのも、もちろんその逆も居心地が悪い気がします。 こういうことは、事前の確認が大切なのです]
"ねーねー、明日の花火やけど、浴衣着る?"
[花火のマークのスタンプも添えておきました]
(76) 2016/08/21(Sun) 14時頃
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― 通学路 ―
[そういえば、樫木君の文面には"手持ち花火持ち寄って"と書いてありました。>>1:331 ということを葵が思い出したのは、いつもの荷物に加えて、結構な大きさの花火セットの入ったビニール袋を持って、学校へ向かう道すがらのことです]
……そういえば、手持ちやない花火も結構入ってたような。
[ロケット花火や、落下傘花火、ドラゴン花火なんかも入っているような気がします]
ま、ええか!
[基本的にあまり深く物事を考えない葵は、その一言でいいことにしてしまいました]
(79) 2016/08/21(Sun) 14時半頃
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― 教室 ―
花火!!
[いつものおはようの挨拶の代わりに、そんなことを言って葵は教室のドアをくぐります。 どやぁ!という顔で、花火の入った大きなビニール袋を掲げてみせました。 樫木君のメッセージ>>78を受け取ったのは登校途中のことです。どうせすぐ会うんだからいいか、と返事はしませんでした]
樫木君、いろいろおおきに! ウチはそれでかまへんよ。
[樫木君と顔を合わせたら、忘れないうちにそうお返事しておきます]
(80) 2016/08/21(Sun) 14時半頃
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[ところで、昨夜メッセージを送ってから気がついたのですが、葵は着付けができませんでした。 浴衣を持ってきても着られなければどうしようもありません。 ということで、メッセージは追加送信されることになりました]
"ちなみに、ウチは着付けできひんねんけど、誰かできる?(;゚(エ)゚) 誰もできひんのやったら、母さんが着付けたげるから家においでって言うてた。 あ、浴衣も余ってるで!"
(84) 2016/08/21(Sun) 14時半頃
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[葵の今日の持ち物に浴衣が入っているか、それは昨夜送ったメッセージ>>76>>84の返信次第です。 朝のホームルーム、先生が心配した生徒>>0は誰かいたでしょうか。 葵は今夜の花火が楽しみだったので、浮かない顔ということはなかったと思います。 もちろん、転校の話を忘れたわけではありませんでしたけれど。
誰か、転校のことをはっきり先生に聞いた人はいたでしょうか。>>3 その時だけは、葵の顔からも楽しげな表情は消えて、先生の反応を見逃さないようにうかがったと思います。 ともあれ、花火の前にまずプールです]
(99) 2016/08/21(Sun) 15時半頃
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― 更衣室 ―
昨日は楽しかったなー。 今度はこなっちゃんも一緒に行こな! いっちゃんの食べてた抹茶クリームあんみつ! めっちゃ美味しかったし、ウチ、今度はあれにするわ!
[女の子たちとわいわいと騒ぎながら今日も着替えを済ませます。 昨日も散々美味しかったと伝えた抹茶クリームあんみつの美味しさ>>97を、今日も熱く語りました。 もちろんヒナちゃんの豆腐クリームあんみつも、ウチの白玉クリームあんみつも美味しかったで! あきちゃんのあんみつもあっさりしてて美味しかったし!……なんて、結局あれもこれも美味しかったという結論のようです。みんな違ってみんないいって昔の詩人さんもおっしゃってましたよね]
(112) 2016/08/21(Sun) 16時頃
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よし!
[そういえば、今日の葵は一味違います。 昨日思い知りました。頑張りを見せたって、先生は冷たい。 だったらやっぱりこれが最善手ではないでしょうか]
普通のストローやと細すぎて酸素の確保が心配やし! タピオカドリンク用のやつにしてみた!
[ちゃきーん!と取り出したのは、タピオカドリンク用の太くて丈夫なストローでした。 葵は今日、すいとんの術を極めた忍者になります!**]
(113) 2016/08/21(Sun) 16時頃
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[受け取った返信は3人分。返事をくれた3人は浴衣に乗り気のようでした]
"りょーかい!( ・Θ・)ゞピヨッ!! 何着か持ってくね!"
[そう返信しておきました。 葵には姉が二人います。もう家を出て一人暮らしをしている姉たちは、浴衣は持っていかなかったので、姉の分の浴衣が余っているのです。 浴衣は着物ほど道具もいりませんしかさばりません。ちょっとした荷物にはなりましたが、持ってくるのはそんな難しいことではありませんでした。
いとちゃんからの返信はありませんでした。既読はついていたので、確認してくれたことはわかっています。 その上で返信がないのは、きっと]
(205) 2016/08/22(Mon) 00時頃
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また変に遠慮してるんとちゃうんかな。
[葵は、そう思いました。思い出したのは、あんみつに誘った時のいとちゃんです。 真っ先に誘ったのに「他の人の迷惑じゃないなら」なんて言ったいとちゃんのことです。
返信をくれた3人が「着付けはできない」と書いていたにもかかわらず、葵が浴衣を持ってきたのは、葵には確信があるからです。 きっと、いとちゃんは着付けができるという確信です。 “ヤタケは着付け出来たりする(・・?” 昨夜、小夏ちゃんが送ってきた文面です>>150。そしてやっぱり返事はありませんでした。 だからこそ、葵は思ったのです。 誰も着付けができない状況です。いとちゃんは着付けができないなら、きっと「着付けはできない」ということを返事してくれていると思います。 だって、いとちゃんには着付けができないのに、みんながいとちゃんならできるんじゃ、と当てにしたら。みんな困ることになります。 いとちゃんは多分、そういう展開になるのは避けたいと思うタイプだと思ったのです。
だから。 葵は今日、浴衣を3着持ってきています]
(206) 2016/08/22(Mon) 00時頃
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[葵は窓際の席が好みです。けれど、今の葵の席は、窓際ではありません。 まあ、小夏ちゃんの席の近くだしいいかなと思っています。でも、今度の席替えの時は、くじ引きで絶対窓際の後ろの方の席をゲットしてやるぞ!とも思っています。 そんな葵は、窓際の席じゃなかったので、目撃せずに済んだ光景があることを知りません。>>185 きっと、見つけてしまっていたら、葵の心は曇ったでしょうから、葵にとってそれは幸運なことでした。
しかし、そんな幸運も知らなければ当然自覚はできません。 故に、葵は水泳の補講をどう乗り切るかで頭がいっぱいで、浮けないのに泳がされるなんて理不尽!ウチって可哀想!の気持ちでいっぱいです]
(210) 2016/08/22(Mon) 00時半頃
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― プール ―
[タピオカドリンク用のストローはいい仕事をしました。 抜かりなし!これなら何時間でも潜ってられんで!と思ったものです。全身ふやける覚悟もできていました。 しかし……]
な、なんでバレるん!?
[先生に見つかってしまいました。さすがに補講最終日ともなると、先生もいつもよりやる気を出してしまったようです。夏休みやねんから、そんなやる気いらんのにーなんてぼやいたら、先生に耳をつかまれました]
ギブ! ギブ!
[じたばたする羽目になりました。ストローは補講が終わるまで没収だそうです。補講が終わった後なら返してくれなくていいです]
(213) 2016/08/22(Mon) 00時半頃
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わかったわ先生。ウチの本気見したる。
[昨日も見せた気がするのですが、仕方ありません。 葵は、浮けません。浮けませんが、前に進むことはできます。微々たる速度ではありますが。 ならば、沈みながら、意識不明になるまで前進あるのみです。 久水葵!今日がお前の命日だ!という気持ちで、スタート地点に立ちました。 できるだけたくさん酸素を確保すべく、深呼吸を繰り返します。 いっきまーす!とは今日も言いません。酸素がもったいないからです。 先生に向かって厳かに頷くと、覚悟を決めて葵はプールの壁を蹴りました]
(214) 2016/08/22(Mon) 00時半頃
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ごぼべぶばぶがぶごぶがぶっ!!
[本日の葵の記録、24m 葵は水底で、真っ白な灰になりました]
(216) 2016/08/22(Mon) 00時半頃
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[根性論ではどうにもならないことが世の中にはあります。 しかしこのケースはどうにかなってしまったようです。それでも1m足りないというツメの甘さが葵の葵たる所以でしょう。 来年の課題は、残り1mの克服と、溺れているように見えない泳ぎ方の研究です。 とりあえず一つ目の課題のために、肺活量を鍛えようと思います]
(218) 2016/08/22(Mon) 00時半頃
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― 教室 ―
[補講の後のホームルームが終わり、解散となった後、まっすぐに葵が向かうのは同じ列の後ろの方の席です]
いっちゃーん。
[向かいながら、昨日はいとちゃんが葵の席に来てくれたこと>>1:258を思い出しました]
あきちゃんも、こっちこっち。
[いとちゃんの席の方へ、あきちゃんも勝手に手招きます。へらっと、当たり前のような顔で笑いました。 いつも通りは意識した途端、いつも通りではなくなってしまう。そんなことわかっていて、それでも葵は“いつも通り”の顔をしてみせるのです]
浴衣持ってきてん! 先に選んで!
[いつまでも着れるものを、と両親が買ってくれた浴衣は、クラシカルなデザインです。 どれがええかなあ?なんて3着並べてみせました]
(221) 2016/08/22(Mon) 01時頃
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着替えは、やっぱ更衣室やんな? いっちゃん、着付け頼むな!
[いつもの葵なら「頼むわ〜」と言っていたような気がします。しかし葵は「頼むな!」と強い口調で押し切りました。やっぱり葵は“いつも通り”ではありません。 でも、そんなこと、気づかない振りをしました]
いっちゃんがおってくれて助かったわ〜。
[気づかない振りで、笑ってみせるのです]
(227) 2016/08/22(Mon) 01時頃
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/* 今度はト書きであきちゃんて書いてしまった…不覚。
お姉ちゃんの名前は、菫と棗とか、そんな感じかな?
(-70) 2016/08/22(Mon) 01時半頃
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むしろ着てくれへんかったら、ここまで持ってきたウチの労力返せ!って言うわ。 遠慮せんといて!
[晶ちゃんは浴衣を気に入ってくれたようです。>>237 もちろん!と頷いてみせたのは、晶ちゃんへの返事ですが、いとちゃんへの思いも籠められていたでしょう。 折角持ってきたのに、無駄になんかせぇへんよね?……なんていう、笑顔の圧が感じられたかもしれません。 もちろん、本当の本当に、いとちゃんが行きたくないと思っているなら、無理強いする気はないのですけれど。 葵は、いとちゃんの気持ちを聞いていません。行きたいとも行きたくないとも。 だから、いとちゃんにはっきり拒絶されるまでは、あきらめないのです]
じゃ、あきちゃんはそれな! いっちゃんはどっちがええかな。
[……ちなみに、はっきり拒絶された時、盛大に落ち込む準備はできています**]
(244) 2016/08/22(Mon) 02時半頃
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[“いつも通り”の感じで、わいわいとにぎやかに楽しげにしている葵は、けれど本当は“いつも通り”ではありません。 本来の葵は、他の人が関わる物事をこんなに強引に押し進めようとするような人間ではありません。もっとも、葵自身のことに関して言えば、わりと強行突破したりすることはありますけれど。そう、さっき、多くの人の感動を呼んだ水泳の新記録樹立のように。 けれど、教室内は今夜のイベントでそわそわと浮き足立ったような、いつもとは違う空気が流れています。 その空気にまぎれて、いつにない葵の圧に気づいていたのは、多分圧を感じている本人であるいとちゃんだけだったでしょう。 いとちゃんはどっち?と笑顔を向ける葵の瞳が時々揺れているのに気づいたのは、きっといとちゃんだけだったでしょう]
…………へっ?
[そんな葵にかけられたいとちゃんの言葉>>264に、虚をつかれました。“いつも通り”の仮面がぽろりとはがれそうになります]
(275) 2016/08/22(Mon) 12時頃
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[なんで?別になんもあらへんよ?……そう返事しようとして、けれど胸が詰まってしまいます。 葵は一度にたくさんのことを考えるのが苦手です。そうして棚上げしてしまったあれこれは、棚の上に乗っているだけで、なくなったわけではありません。 “いつも通り”のメッキがはがれそうになったその時]
! せやろ?
[天の助けの小夏ちゃん>>245。いとちゃんの「ひょえあっ」という悲鳴にまぎれて、葵の仮面は剥がれ落ちるのを免れました。 小夏ちゃんの援護射撃に内心感謝しながら、浴衣が可愛いという話にどやぁ、という顔で頷きました。 頷いて、下を向いた一瞬、小さく小さく漏らした本音は、いとちゃんに届いたでしょうか]
(276) 2016/08/22(Mon) 12時頃
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なんも変わらへんかったら、ええのに。
[思い出すのは、いとちゃんの言葉に答えられなかった自分のことです。>>1:244 思い出すのは、葵の言葉に明確な返事をくれなかったいとちゃんのことです。>>1:299 夏休みが終わって、二学期が始まっても、ずっと今までどおりでいられたらいいのに。葵は、そう本気で思っているのに。 周りも、そして葵自身までも、“今までどおり”ではいられない空気を否応なしに感じてしまって、葵は“今までどおり”にしがみついているのかもしれません。 わがままに巻き込んでいる自覚が、本当は、あります。 あるけれど、気づかない振りをしている葵は、謝りません。謝れません]
(-84) 2016/08/22(Mon) 12時頃
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[そして、とうとういとちゃんが観念したように浴衣を選んでくれました>>267。ほっと息を吐き出してしまったことは、誰かに気づかれてしまったでしょうか]
りょーかい! そしたら、ウチはこっちってことで!
[最後に残ったのは濃紺の浴衣でした。白抜きの柄は、実は葵の葉っぱだったりします。 葵に向けてくれるいとちゃんの笑顔がどこか困ったようなものであることには、気づかない振りをして]
着付け頼ってしもて、堪忍! いっちゃん、おおきにね。
[着付けへの謝罪と感謝に、その返事はこっそり籠めておきました]
(277) 2016/08/22(Mon) 12時頃
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わー! めっちゃ可愛い! ヒナちゃん、プールの時も可愛い髪形してたもんなー!
[それから葵は、雛子ちゃんの取り出した巾着の中身に目を奪われます。>>274 そんな葵はいつも髪なんてブラッシングするだけです]
ウチは髪の毛短いもんな〜。 みんながどんな風になるんか、めっちゃ楽しみ!
[葵の女子力では、こんな長さの髪形がどうにかなるなんて想像もできません。 自分は完全に部外者のつもりで、雛子ちゃんの髪留めの数々を楽しげに眺めました**]
(278) 2016/08/22(Mon) 12時半頃
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― 花火へ ―
眼福やわぁ。
[浴衣姿の女の子たちの並ぶ姿に、葵はご満悦でした。 いとちゃんに教わりながら、着付けにチャレンジした子はいたでしょうか。葵は完全にいとちゃんにお任せしてしまいました。 浴衣を着て、髪形も変わると、みんなぐっと雰囲気が変わって、なんだかこの場所が学校なのがとても不思議な感じがしました]
こなっちゃんの浴衣も、ヒナちゃんのもめっちゃ可愛いやん!
[浴衣着る?って聞いてみてよかったと思います。 まあ、ウチが持ってきた浴衣も負けてへんけどな!なんてドヤ顔することも忘れません。 晶ちゃんといとちゃんの浴衣姿に満足げに頷いてから、あ、と声を上げました]
いっちゃん、メガネ外したら全然見えへんの?
[浴衣姿のいとちゃんは、しっとりとした和服美人という感じでとても素敵でした。 メガネを外したらもっと雰囲気が出るような気がして、何の気なしに聞いてみます。 もちろん、全然見えないのは危ないですし、ましてや夜です。無理強いをするつもりはありませんでした**]
(284) 2016/08/22(Mon) 14時頃
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― 教室でのこと ―
[誰にも聞こえないかと思った呟きは、いとちゃんの耳に届いていたようです。いとちゃんからのお返事>>323も、果たして葵へのお返事なのかもあいまいな、小さな小さな呟きでした。 その呟きが耳に入った時だけは、葵の笑顔は消えてしまっていたかもしれません。 いとちゃんは、本気で言っているのでしょうか。ええ、きっとそうなのでしょう。冗談には、聞こえませんでしたから。そもそも、冗談というものは、楽しいもののはずですから。 いとちゃんは、本気でそう思っている。 それは……それは、とても不本意なことです。 これ以上楽しい空気は壊したくないので、深追いは、しませんけれど]
(347) 2016/08/22(Mon) 21時半頃
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えっ、ウチもええの?
[どの髪留めがいいかと雛子ちゃんは聞いてくれます。>>312 完全に部外者のつもりだったので、目を丸くしました。でも確かに、晶ちゃんの髪でも請け負える雛子ちゃんです]
あっ、可愛い! うん、これにする!
[雛子ちゃんのお見立ては、すっかり気に入りました。 もともと、葵はそういうセンスに自信がありません。浴衣の帯もどれを合わせればいいのかよくわからなくて、母に見立ててもらったものを持ってきたくらいです。 雛子ちゃんの手鏡にうつる後頭部を眺めながら、嬉しげに頷きました]
(354) 2016/08/22(Mon) 21時半頃
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