191 The wonderful world -7 days of MORI-
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――抜け落ちた追憶・3――
[学校のスクールバスの停留所から少し離れた 小さな小さな倉庫の裏に内緒で子犬を飼っていた。
モリ区で生まれて、すぐに外国へやられた俺は うまくその地に馴染めなかったから 寂しさを紛らわすには、その子犬は丁度いい友達だった。
ある日、いつもどおりあの子の餌を、 給食の残りを持って倉庫の裏に行った。
いつもあの子が尻尾を振って待っている場所に、 にやにや笑うクラスメイトが立っていた。
腕にはぐったりしたあの子が抱えられていて、]
(0) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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( ――返して欲しかったら、 奪い取ってみせろよ。 )
[けらけら笑うそいつらに 必死で殴りかかって追いすがって、 そんな俺を面白がったそいつらは、 学校中を駆け回った。]
( じゃあ、これがラストミッションだ )
[嗤って嗤って、あの子が投げられた先は、 学校の裏の小川。
小さな悲鳴が聞こえた。
喉から泣き声のような、 懇願のような、 わけのわからない叫びが迸って たまらず小川へ駆け出していた。]
(1) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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[
漸く雑巾のようになったあの子を掬い上げた頃には あいつらはもう姿を消していた。
泣きながらバスにも乗らず、歩いて帰って 驚きながら出迎えた貴方は、 俺の頭を撫でて一緒にあの子を埋めてくれた。
野花を供えた小さい墓の前、]
「 」
[貴方がぽつりと言った言葉は 昏い炎として、小さな胸に宿る。]
(2) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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[――一ヵ月後、 あの子を川に沈めた一人が水難事故に逢ったと聞いた時。 俺はそれを、”当然の報いだ”と思った。
学校で祈りも捧げさせられたし、 悲しみに暮れる彼の親族の顔を見たにも関わらず。]
( だって辛い目に遭って当然なんだ、 悪い事の報いには悪い事がやってくるんだ。 ……ざまあみろ )
[そう思い続けてきた。 因果応報、という言葉を知らなかった幼い頃から。]*
(3) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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[……暗闇の中で、テープを巻き戻すように ”昨日”の事を見る。
その悪について言及したとき、 一瞬表情を苦々しいものに変えた怒鳴の顔を。>>1:669
それから、小津さんと なんだかんだ仲良さげに背中合わせに戦い、 憎まれ口を叩く姿を。
ころころと笑って、ムキになって、子供くさくて 盗むことが自分の生なのだと言った、卯月の姿が。]
(4) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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( 死んでからわからなくなった。 なあ、役立たずの神様、 彼らは本当に、
………………。)
(5) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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――2nd day/中央区 901前――
[Pi,]
[信号の音が聞こえて目を開ける。] [気づけば、また中央区に立っていた。 訝しげに視線を彷徨わせたのは一瞬の事。]
なん、なんだ……? ――! 朝比奈!
[あれから見えなくなってしまったパートナーの苗字を呼んで 俺は一先ず、彼女を探すことにした。**]
(6) 2016/06/07(Tue) 06時頃
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[端末が鳴る。 送られてきたメールを確認し、 またもや俺は訝しげに 片眉を上げることになった。]
闘技場……コロシアム? ……小さな戦士……?
[一体全体なんのことだ。 とりあえずコロシアムに向かえばいいのか。
訝る俺の耳に届いたのは、 「マスブラの大会が 本日ヴァニタスコロシアムで開催されております」 などという温度が大分高い宣伝。
そういえば俺も遊んだことがあったな、 マスブラ。 おはじきじゃないかと貴方は呆れていたが。]
(35) 2016/06/07(Tue) 13時頃
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[……バッジ。>>1:8
ずきりと頭が痛む。 遠い過去のことが頭をよぎって それ以上を考えないように、 目は白いツインテールを探していた。]**
(36) 2016/06/07(Tue) 13時頃
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……卯月。
[探す間うっかりテレパシーで思考が漏れた事には気づいていない**]
(-9) 2016/06/07(Tue) 13時頃
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──回想:褒めた──
褒めて伸びるタイプなのか?
[背は最早伸びなさそうだが。>>57 冗談交じりにそう返事をして
頭を撫でられた時は、 なんともいえないいたたまれなさが心を鷲掴み うろ、と思わず視線を彷徨わせた。]
……お褒めに預かり光栄だ
[最後に頭を撫でられたのはいつだっただろう。 朝比奈の赤い目を見る。]
(75) 2016/06/07(Tue) 20時半頃
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[……こいつは子供くさいくせに、 俺に足りないものを、ふらりと与えたりして それを自覚していない。
……調子が狂う。 頭を逸らして手から逃れて 朝比奈から離れようとしたその時、
世界が夜に包まれた**]
(77) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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卯月!!
[叫んで、 蛙に襲われる白い小動物>>66を目視してから アスファルトで蛙を串刺しにしてやるまで0.3秒。
正直理科室で哀れに吊られているホルマリン漬けのごとく吊るし上げて内臓をバラしてやろうかと思ったが、 ノイズは形を留めず消えていった。
──時は少し前に遡る。]*
(82) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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─回想─
(は? おい、うづ…朝比奈! 単独行動は慎んだ方が…)
["コロシアムで会おう?" といいたげなパートナーからのテレパシーに 焦りに焦っていた俺は脱力した。 どうやら心配していたのは俺だけらしい。
901前から駆け足でコロシアムへむかう。 外からあの白いツインテールを待てど探せど 一向に姿は見えず、 その上、]
(83) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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(───?! 今すぐ現在位置を教えろ朝比奈!)
[あいつが"助けてごーちゃん"などと のたまうから。 お前は目が離せないハムスターか何かかと。 焦りと怒りとよく解らない感情を耐え 周囲を見渡した。
それは幸運だったのだろう。 引き寄せられていくゴミ箱>>65を発見し]
そ こ か…!!
[自己記録を更新しそうな速度で 路地へ駆けていく。 そして今に至る。]*
(84) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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──現在── [ノイズを一掃した後。 もしも朝比奈が俺に気づくようなら 詰め寄ってこう言っただろう。 凍りつきそうな冷たい声で。]
軽率な行動は慎め 待ち合わせするなら目印のある場所にしろ お前が死ねば俺も死ぬんだ、 それを理解しろ
[一気に吐き捨てて、はあ、とため息を付く]
……心配、するからな、俺も。
[ごく小さな声でそう告げて、踵を返すだろう。]*
ほら、コロシアムに行くんだろ ……行くぞ
(87) 2016/06/07(Tue) 21時頃
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…………泣くな、馬鹿
[振り向いていなくとも、 しゃくりあげるような息や、押し殺した声から 泣かせた事はわかった。>>93>>94 振り向かないまま、その涙をたしなめる。]
(118) 2016/06/07(Tue) 22時頃
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[多分、もっと、違う言葉をかけられた、筈。 ……筈なんだが、どうしていいかわからない。
振り向いて涙でもぬぐってやるべきなのか。 そもそも何故一人で突っ走ろうとしたのか 聞かなくちゃいけないんじゃないかとか。 もっと違う表情の方が良い、とか。
思っても声に出ないのはどうしたらいい。 テレパシーで伝える訳も無し。
悶々としている間に、マブスラの会場 ――ヴァニタス・コロシアムにたどり着く。]
(119) 2016/06/07(Tue) 22時頃
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[蛙を掃討したり、ああだこうだとモメたこともあって、 きっと少年>>#1から話を聞けたのは 茶髪の青年と赤髪の少女や、 美形二人組>>105>>106の後だっただろう。]
黄金の誇りって……バッジか?
ああもう、泣くな。泣くな、ったら! (どいつもこいつも……!) わかった。探してきてやるから……!
[泣きじゃくる少年に頭を抱えた俺を 朝比奈がどう見たかはわからない。*]
(120) 2016/06/07(Tue) 22時頃
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………にしても、 死神マンって、ネーミング…。
[尚、俺が少年に声をかけられたのは、 彼>>123が少年に持たせた「助けて!死神マン!」と 書かれたチラシのお陰だったりする。
話を聞けば、 かっこいいお兄ちゃんがたが持たせてくれたとの事で 他の参加者が協力するためにそうしたのだろうか…と まだ顔も見ぬ彼に、内心で感謝した。*]
(128) 2016/06/07(Tue) 22時頃
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[こういう時、冗談の一つでも言えれば―― という後悔は先に立たない。>>147
泣きじゃくる少年を前に、 どうすればいいのか頭を抱えていると、 ひょい、と朝比奈が子供に近寄っていく。
盗られた相手の頭を撫でる泥棒。 警察として失格レベルで人を泣かせている警察。
なんだか変だが、少しは少年も泣き止んだようで ほっと、重い何かで塞がった胸を撫で下ろし 息を吐き出した。>>148]
(155) 2016/06/07(Tue) 22時半頃
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……ああ、もちろん。 ついでにそこのお姉さんは稀代の… ……幸福を運んでくる兎だからな 取り返せるさ。
[ちょっとばかしイースターラビットの解釈が違うが、 まあ許してもらおう。 こくりと頷き、妖艶に笑う朝比奈に向けて、 小さく笑いかえした。*]
(156) 2016/06/07(Tue) 22時半頃
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――コロシアム・外――
とはいえ、……一体誰が盗んだんだろうな 死神、とかか?
[ぼやきを一つ。]
[すぐにその場を離れて、コロシアムを出た俺が見たのは 南西に光る、何か。 それから北区から飛んでいく死神らしきもの>>@27]
……。 朝比奈。 あっちに行ってみないか。
[指差したのはユニシロの方角。 彼女の答えはどうだっただろう。*]
(158) 2016/06/07(Tue) 22時半頃
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/* >>175 wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ラ神がすごいめぐりあわせをなさった。。。
(-60) 2016/06/07(Tue) 23時頃
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…………なんだ、”うさぎ”。
[にひひと笑う卯月からくるりと目を逸らした。 弾みで何度も名前を呼んでいる事がバレてると知りつつも 誤魔化すように兎と呼んだ。>>174]
ああ、未確認飛行物体が建物から建物を跳んでいった。 もしかしたらニンジャかもしれん
[いや、十中八九死神だが。 適当な事を答えつつ、うん、と頷いてくれた彼女の前を歩いて 卯月が少年に声をかけた後、くるり、振り向き 彼へ向けて、ぞんざいに手をふってやった。]
(もう泣くなよ、と 後ろをあるくこいつと、盗まれた少年と、 それから、)
(――記憶の奥底に居る、いじけた黒髪のガキへ そんな事を思った。)*
(182) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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――→南区:ユニシロ前――
[ユニシロは区民に優しいお値段の服を提供する衣料品店だ。 その前にたどり着くと、 ぐるり、先ほど見つけた光る何かと、 さっきニンジャと呼んだ死神の姿を探す。]
……鴉は、お前に似てるとか言ったよなあ
[昨日の会話を思い出し 傍らの朝比奈に語りかけながら 空を舞う鴉を見上げた。
その嘴には――金色に光る、何かがある。*]
(183) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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/* やばい むせかえるほど笑ってる
(-73) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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この前兎だって言ってたじゃねーか
[言質はとっている>>1:595 ぺしぺし叩かれながら、ちょっと笑いがこみあげて からかうような言葉遣いになる。]
……ニンジャに、なあ。 [跳躍はできるのだろうか、この兎に。 彼女とユニシロの方角へ向かい―― 共に鴉を見上げて、]
お前の力の見せ所なんじゃないのか? ……なんだ、届かないのか。 高度を下げるか、ノイズを消すか、足止めするか
[思案、している時だった。]
(209) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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!! 朝比奈、避けろ!
[Zing! 風切音を耳にしてばっと身構える。 銀の流星のように襲い来るナイフを目視すると、 そのうち一本を身を翻し避けた。
視線を外したから、鴉の行き先を見届けることはならず>>@39
ナイフは刺さる事無く、ぼとりと落ちるだろう。 俺はナイフが来た方向を睨む。]
(213) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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お前は……。
[腰まで届く銀髪が揺れている。 細身に黒っぽい服を纏った、 いかにも死神といった風貌の男が立っていた。]
ご挨拶だな。 あれを守っているのか?
[尋ねたところで答が返るかはわからないが。 その死神の出方を窺う]*
(215) 2016/06/07(Tue) 23時半頃
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