159 戦国 BATTLE ROYAL
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−三途の川の渡し船−
[たぷん。と、静かな波音が船の側面を打つ音にふと目を開ける。
船の船尾で、後生大事に刀を抱いて蹲る景虎がぼんやりと瞼を開き、一対の紅玉が露わになる。]
………?
[こてり。 自分の置かれた状況が分からず首をかしげる。 屋形船の中からなにやら聞き覚えのある声が聞こえるが…*]
(+0) 2015/05/22(Fri) 01時半頃
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/* >>8>>9 きゃあ////(ごろんごろん)
(-7) 2015/05/22(Fri) 01時半頃
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[船の上から暗い水面を覗き込めば、なにやら自分の首が刎ねられる様子が見えた>>4:94
――ごろり
――ころり
転がる首を父の首と重ねるように見つめていれば、血と土で汚れた白髪を掴まれ家臣らしい男に渡される。 考えれば、アレでも一応大将首なのだ。 それがどうなるかは明明白白。
自分の首の行く末に小さく笑い、もう興味はないと視線を外そうとしたところで…]
(+1) 2015/05/22(Fri) 01時半頃
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…………え?
[現れた忍びの姿>>5に、鳩が豆鉄砲を受けたようにぽかんと口を開ける。 あぁ、下忍のだれも、小太郎に自分の死を伝えなかったのか。 そう一人で納得し、せめて彼が去るまでは…と浮かせかけた腰を板の上に戻す。
>>8小太郎が富楽に何かを言っているが、何を言っているのかまでは分からない。 ただ、その顔は酷く怒っているようだった。]
(+2) 2015/05/22(Fri) 01時半頃
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……たろー…、こたろー…。
[富楽に向けて忍刀を構える小太郎の姿に、眉根を寄せて、猫の仔が鳴くようなか細い声で名前を呼んだ。]
ばかだ。 こたろーは、おおばかものだ…。
[船のヘリをぎゅっと掴んで顔を伏せる。 屋根の下からの賑わいが、酷く遠くの祭囃子のように聞こえた*]
(+3) 2015/05/22(Fri) 01時半頃
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/* この忍びは中の人を悶え殺す気か
んー。 でもあの子が生きているなら、小太郎は帰るべきだと思うのよな。 所詮雪はあの子と似ているだけで。 里へ戻れば生きたあの子が待っているなら。
それをしないのは、すでにあの子が死んでいるのか。 小太郎がとち狂ったか。
生きているなら三途の川に叩き落としてでも現世に追い返してやる
(-13) 2015/05/22(Fri) 17時半頃
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/* 誰だこのカッコいい黒猫は 生きて絡みに行けなかったのが結構悔やまれてる
でっかいにゃんこもふりたーい。
(-15) 2015/05/22(Fri) 18時頃
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−素心若雪−
[雪若は母親というものを知らない。 母だったその人は、子を産んだその時に息絶えたからだ。
雪若は父親の温もりを知らない。 物心ついてから…。いや、生まれてから一度たりとも、父は子に触れたことが無かったからだ。
父義景は嫡子でありたった一人の子である雪若を居ない者のように扱った。 家臣たちも皆、主である花柳藤義景の不興を買うことを恐れて、雪若を路傍の石のように見えぬふりをした。 雪若の世話をするのは、母の乳母であった老女と年若い家臣のみ。]
(+8) 2015/05/22(Fri) 22時頃
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[ある日。 一人庭で遊んでいた雪若は視線を感じて顔を上げた。 遠くの渡り廊下から、自分を見ている男が一人。 乳母に尋ねれば、躊躇いの後にこういった。 「あのお方は花柳藤義景様。雪若さまのお父上にございますよ。」
歳四つ。 雪若は生まれて初めて自分に父がいることを知った。 父とはどのような人なのか。なぜ声をかけてくださらないのか。 乳母に父の話しをねだり、父の人となりを想像しては、会ってみたい口にする。 乳母が母と似ていると言えば、愛らしく華やかな女童の着物を好んで着るようになった。
それでも時が経てば、子はおのずと理解するもの。]
(+9) 2015/05/22(Fri) 22時頃
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[自分が父に、憎まれているということを。]
ちちうえ…
[乳母が亡くなり、城の片隅にただひとり。 まだまだ人恋しい年頃だった雪若は、父の気を引こうと頑張った。 それでも父は、雪若を見ようとはしなかった。 声をかけることすらしなかった。
そんな父が、初めて雪若に声をかけた。 「そうか…」と。 そっけない一言であったが、初めて父と目が合った。
雪が降り積もる冬。雪若八つの年である。 それは、雪若が生まれて初めて人の返り血を浴びた日でもあった。]
(+10) 2015/05/22(Fri) 22時頃
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[死んだのがどこの草かは知らされなかった。ただ、義景の命を狙っていたことだけは確かだった。
そして雪若の剣の才は瞬く間に重臣たちに知れ渡り、無い者のように扱われていた雪若への扱いが変わった。 天剣の才有と讃える者。それまでの不遇を憐れむ者。剣鬼と恐れる者。義景の意を伺う者。
その周囲の変化は人の醜さを雪若に見せつけると共に、ひとつの光明をもたらす。
「父上は、雪の事がお嫌いだから」 けれど… 「剣の腕を磨けば、父上は雪を見てくれるかもしれない」と。
そして瞬く間に腕を磨き、戦場へ出るために元服を迎えた。 その日。まだ幼い雪若は愛らしさを残したまま、父より一字を賜り景虎となった。
戦場で敵と切り結べば、命を絶つその瞬間までは、相手はただ自分だけを見てくれる。
戦で武勲をたて、大将首を持ちかえれば父への目通りが叶う。乳母のように頭を撫でて褒めてはくれなくとも、忌み嫌うような目を向けられようとも。 桶の中で塩漬けにした“手土産”を差し出すその瞬間は、確かに自分は父の目の前に存在できるのだと。]
(+11) 2015/05/22(Fri) 22時頃
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[しかし幼い心を打ち砕くかのように、希望は幻想と消え果る。 義景が本当に望んでいたのは敵将の首ではなく、愛する女を殺した夜叉子の首…つまり自分の首だと知ったからだ。
そして景虎は出会う。 金さえ詰めば、相手がだれでも、どんな仕事でも請け負う忍びの頭領に。風間小太郎の名を継ぐ青年に。
ならばこれが天命かと。 紅玉の瞳に影を落として、手の平から零れる小判で金の雨を降らせた。]
「じゃあ、次は雪に仕えてよ。」>>0:28
[始めは義景の顔色を窺って居ない者として扱っていたくせに、剣の才有りと見ればころりと掌を返した家臣たち。その誰一人として、景虎は信じてはいなかった。 一度簡単に態度を変えた者は、またすぐに態度を変えて自分を裏切ると。
だから、決して自分を裏切らない者が欲しかった。 忠も儀もいらない。ただ自分を見て欲しい。 むしろそれが金で買えるなら安いもの。]
(+12) 2015/05/22(Fri) 22時頃
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[逃げた毬のように転がる父の首を大事に抱きかかえて、家臣一同の見守る前で高座に座った。 既に風間の忍びを使って根回しは済んでいる。これはただの通過儀礼だった。]
今日から雪が花柳藤家の主になるけど…。 異論のある人、いないよねぇ?
[白い着物を緋に染めながら、ふわりと花のように綻んだ。*]
(+13) 2015/05/22(Fri) 22時頃
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/* 素心若雪 【純粋な心は雪のようだ】
(-18) 2015/05/22(Fri) 22時頃
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/* >>48 はっ!! そうか…元々西軍は大名が2名しかいなかったのか… 忍びと坊主と代理だもんな
東軍も似たようなものだけれど。
(-19) 2015/05/22(Fri) 22時頃
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[船のへりに額を乗せて俯いていれば、人の気配を近くに感じて咄嗟に持っていた太刀を引き抜く。
――シャッ
と鞘走りの音を立てて振りぬかれた太刀は、常であれば相手の胴を上と下とで切り分けていた瞬足の一太刀。
しかし肉を断つ馴染んだ感触はなく、代わりにそこに立つ人を見上げて緋色の目をぱたぱたと瞬かせた。]
………鷹船?
[こてり。なぜここに居るのかと疑問の色をありありと浮かべて、景虎が首をかしげる*]
(+26) 2015/05/22(Fri) 23時半頃
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[さらに鷹船のその後ろ。 見覚えのある老女の姿に気づけば、今にも緋色の目が零れ落ちそうなほど大きく見開いて。]
八重…?
[なんで?と、八重と鷹船の顔を交互に見比べる。 八重が死んだこと。自分が死んだこと。 それは理解しているのだが、鷹船もまた、既に死人であることを景虎は知らなかった*]
(+27) 2015/05/22(Fri) 23時半頃
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/* わぁーい ばーちゃん!ばーちゃん!
(-30) 2015/05/22(Fri) 23時半頃
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/* 雪から一体どれだけ藤の花の香りが漂っているのか…
(-31) 2015/05/23(Sat) 00時頃
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[条件反射で抜いた太刀を鞘に納めて、鷹船の問い>>+29にこくりと頷く。]
鷹船の目には、雪以外の誰かに見えるの?
[見上げた緋色の瞳を猫のように細めて、ちょっとした悪戯な笑みを浮かべる。 まさか、男が藤の香に引き寄せられて現れたとは露程にも思っていない。]
鷹船こそ本物なのかなぁ?
[目の前の鷹船は、一見すると死人には見えない。 けれど自分だって生前と変わらない姿をしているのだ。 ここに居るということは、自分と別れた後に死んだのかもしれない。 ならいつ?誰に? 湧き上がる疑問は好奇心か、それとも戦狂いによるものか。*]
(+30) 2015/05/23(Sat) 00時頃
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ふふっ 敗軍の将っていうなら、この船に居るのは全員そうじゃないかなぁ? ねぇ。 川を渡り終えたら、本物の鬼と合戦でもしてみようか?
[夜叉もまた鬼。 川を渡り終えれば、恐らくその先は地獄だろう。 にやり、と笑って鷹船に船尾の席を譲ると、とことこと八重の方へ近づきその手を引いて戻ってきた。 鷹船と八重の間に収まる形で、愛刀を抱きしめて水面に目を向ける。
場面は丁度、猫の爪が小太郎の胴を抉る瞬間だった>>79
無残に引き裂かれ、血を流し倒れる小太郎の姿に微かに目を伏せる*]
(+32) 2015/05/23(Sat) 00時半頃
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/* 今さらですが夜叉をwikiで調べてみた。
夜叉(やしゃ、梵:यक्ष yakṣa、パーリ語:ञक्ख yakkhaの音写、訳:暴悪・捷疾鬼・威徳)は、古代インド神話に登場する鬼神。薬叉(やくしゃ)とも称する。のちに仏教に取り入れられ護法善神の一尊となった。
鬼神と言われると鬼灯様が出て来るんですが。
(-41) 2015/05/23(Sat) 00時半頃
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[>>+33呵々と笑った八重の手が頭に触れて、驚いた猫のようにぴくりと動きを止める。
人に頭を撫でられたのはいつ振りだろうか。
驚きが過ぎ去れば、嬉しそうにふわりと目を細めて笑い。 八重の手を引いて船尾へ戻る。
関ノ原の戦は、西軍の惨敗で終わる。 その結果は奇跡でも起こらない限り覆らないだろう。
八重の言葉にこくりと頷いた。 もしかしたら、話しに聞く件の魔王が先陣を切って合戦の真っ最中かもしれない。
所詮は戦の中でしか生きられない鬼の子だ。 ふと船板の軋む音に顔を上げれば、こちらに背を向けて船の反対側から水面を覗く伸睦の背。>>+35
声はかけず。 再び水面を見つめながら、太刀の鞘をぎゅっと抱きしめた。*]
(+36) 2015/05/23(Sat) 01時頃
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/* 何故同じように空を見上げるんですかねぇ!! まったくもう
(-44) 2015/05/23(Sat) 01時頃
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