219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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[ あなたとの出会いは、 透き通ったスクランブル交差点。]
(@13) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ ゲームのはじまりが告げられたあの日。
わたしは、恐ろしい状況に悲鳴を上げて、 咄嗟に逃げ出そうと走りだしたものの、 細いヒールが僅かな段差にとられてしまって、 そこに、あなたが手を差し伸べたのです。
わたしの手を引いたあなたの横顔は、 眉尻が下がって、なんだか泣きそうでしたが、 わたしなんて、本当にべそをかいていましたから。
その表情も、素朴な顔立ちも、 胸がときめいたと言えば嘘になりますが、 頼りないなんて、一時も思いませんでした。]
(@14) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ それから、わたしとあなた、 一蓮托生となったふたりで、 懸命にゲームに挑みましたね。
あなたしか知らなかったわたしには、 与えられた力を使いこなすなど到底不可能で、 まばゆい光の弓矢を引くあなたの背を、 祈るように見つめることしかできませんでした。
けれど、まるでクイズのようなミッションを、 先に紐解くのは、いつだってわたしのほう。]
(@15) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ それを、他の参加者の方にも共有しましょうと、 協力すれば、ミッションは容易になるはずと、 そう言い出したのはわたしで、あなたは頷いて、 わたしたちには協力しあえる仲間ができました。
むつかしいミッションも、みんなで乗り越えては、 笑いあい、手を取り、肩を組み、
老若男女入り混じったわたしたちは、 ただ「 一度死んだ 」という事実と、 「 生きたい 」という理念のもと集い──、
ええ、ええ。それが間違いだったわ。 今ならばようくわかるのよ。
でもね、なんせ当時は、 ひとの悪意も知らないおんなのこだったんだもの。]
(@16) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ 死神のゲームで、同族食いがはじまることなぞ、 さして珍しいことではありません。
けれどそれは、数多のゲームを見て、 今だからこそ、言えることであって、
当時のわたしには、信じられないことでありました。
わたし、信じられない思いで振り返った、 あの、二度目の死の間際に、 あなたが「 やっぱり 」とでも言いたげな、 諦観めいた顔をしていたのが、忘れられないの。
あなた、すべてわかったうえで頷いたのね。 そのうえ、また言ったわね。]
(@17) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ 死神になるか、消滅か。 みっつめの選択肢はなかったわたしたち。 そのときもあなたは付き従う従者のように、 「 君が選びなよ 」と言いました。
わたしは死ぬことが恐ろしく、 それにね、七日足らずの日数の中でも、 やり直せるような気がしていたの。
あなたとの出会いはわたしにとっての宝物。 そういうことを重ねていけば、 わたし、また幸せになれるんじゃないかしら。
「 死神として生きましょう 」と私は言って、 ヘーゼルの瞳は、希望を宿して輝いて、
あなたはいつもの優しげな、 ほんのちょっぴり困ったような笑顔で、頷く。]
(@18) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ 結局、死神のお仕事をしなかったあなたの、 死神としての寿命はあっという間に尽きて、 あなたはわたしの土くれになりました。
それが、わたしたちのすべて。 ひとは喪ってから気付くいきものと、 それは何の本で読んだのだったかしら。
そうではない可能性に気がついたとき、 あなたはもう微笑みもしない土くれでありました。
わたしがあなたの代わりに魂を狩りましょうと、 そう言ったわたしに、あなた言ったわね。 そうじゃないと。違うんだと。
ねえ、あのとき、口にしかけて留まったのは、 一体、誰の名を呼ぼうとしたのでしょう。]
(@19) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ もしかしてあなた、すべて知っていたのね。と、
土くれのあなたに問いかけてみても、 あなた、まばたきひとつしてくれないじゃない。
仕立てのよいワンピースを着たわたしと、 よれよれのTシャツに踵の潰れたスニーカーのあなたが、 もとより知り合いだっただなんて、思わないじゃない。
あなたと出会ったあの日、 泣きべそをかいていたわたしは、 名さえわからず、名乗れずにいる無礼を詫びたとき、 あなたがどんな顔をしていたのかなんて知りません。
もしも、この憶測が正解だとして、 あなたがどんな思いで隣にいたのか。
そんなこと、もう知る術もありません。]
(@20) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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”それじゃあ、ひとつ質問です”
”── あるひとが、 なによりたいせつなものを、 ある日、なくしてしまったとして、 それを喪うまでと、それから
その存在は、同じものと言えるでしょうか”
(@21) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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A. おんなじにしか、おもえないのです わたし自身の目には、そうとしか
だけどね、こう考えてしまったの 隣で見ていた誰かにとってはどうでしょう
だから、せめて、取り戻したいのです 喪ったものを、それに似たものを
そうすれば、なにかわかるのかしら わたし自身にも、なにかが見えるかしら
あのひとの見たなにかが──*
(@22) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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── スクランブル交差点 ──
『 よほどつまらないゲームと感じた誰かさん 』 『 それか、余程憎い相手でも、』 『 参加者の中にいたのかしらね 』
[ 前にそんなことがあったわねと、 ひとり思い出して、死神はお返事。>>@5]
『 とにかく、コンポーザー様が 』 『 ご立腹じゃないことをお祈りするわ 』
[ じゃなきゃ、その後がロクなことにならないって、 死神は経験則からそう考えたものですが、 ああ、でも。コンポーザーも交代したのでしたね。]
(@23) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ なにはともあれ、犯人探しをしなきゃ、 きっと宙ぶらりんになる賭け事。
きっと、彼にも死神にも必死になる程の熱意はないし、 けれど、こんな賭け事にのってくれる心安さが好き。]
『 そうやって遊んでくれる 』 『 華月斎のそういうところが好きよ♡ 』
[ 死神は今日も仲間への愛を語って、 そうして、スクランブル交差点の真ん中、 そこに立ち尽くしておりました。]
(@24) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ もう、今回のゲームも最終日なのだそうです。
生真面目にわたしを「死神さん」なんて呼んだ女や、 年に似合わぬ言葉を知っていた少年や、 和服の美青年に、カリスマ美容師、 かわいげがなくてかわいい女子高生。
今回は、楽しいひとがたくさんいたから。 ちゃあんとそれを憶えているから、 死神は、とっても良いゲームだったと思いました。]
(@25) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ 誰が残っていた誰が消えたかなど、 死神の知ったことじゃあありません。
── あ。死神志望者がいるかは気になりますが。
所詮は、これが日常ですから。 女は死神と成りましたから。
気分はすっかり終幕。]
(@26) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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[ それでもね、ゲーム最終日。
そのミッションが、あまりにまっすぐだったから、 なぞなぞにしたって、あんまりまっすぐだから。
死神は、その内容を確認して思わず、 ひとつだけ、メッセージを送信しました。
『 今度のお茶会のことだけれど 』 『 くさかげの新メニューを試してみたいわ 』
[ 約束を果たしてもらえないのは困ります。
最後の最後ではありますが、 お仕事をしなくちゃかしら、って。
死神はすうっと南に向かって、飛ぶ。*]
(@27) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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/* 誰か南エリアの精製陣壊さない?! 急に議事に貼り付けるようになった死神はエンカウントが下手です
(-36) 2017/06/23(Fri) 22時頃
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── 道中 ──
[ スクランブル交差点からの移動中。
最後の舞台となったシアターへと向かうなら、 きっとどこかで、いつか見た顔>>42>>50を見た。
自らを魔女の名で呼んだ少年が、 あまりに華麗なビフォアアフターを遂げていて、
(── ゴシック趣味のスノーホワイトなんて、 まったく、聞いたことはないけれど )
死神は、意地悪な魔女よろしく、 ひとつ、つくりあげた土くれを従えて、 矢で射抜いてやろうと思ったのです。
ラヴェンナ。その名を呼んだのは、あなたです。 あなたの目にうつるままに振る舞って差し上げる。]
(@49) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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[ 心のない土色の塊は、 死神の意のままに、矢を弓に番えて、
── けれど、スマホが震えたものですから。>>33
死神の意識はふいと逸れて、 土くれは矢を射るタイミングを見失って、
ああ、そういえば、 魔女の差し向けた追手も、毒リンゴも、 結局のところ、真の意味で、 白雪を消し去ることにはならなかったと、 確か絵本にはそうありました。
映画では──、どうだったのでしょうね。]
(@50) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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[ ── あら。
なにか、毒気を抜かれたように、 ぱたりと腕を下ろした死神に、 呼応するように、土くれ人形は消えて。
まあいいわって、見送ることにしたの。
どうぞ、いってらっしゃいな。
悪い魔女と違って、奇術師の制し方なんて、 絵本も映画も、教えてくれやしないでしょうけれど。
彼らが振り返ればきっと、 ラヴェンナは笑みを湛えてそこにいる。**]
(@51) 2017/06/24(Sat) 00時半頃
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/* えっと、東が藤さん、西がパティジョージで、北と南がまだだっけ?? 北どうだっけ!
(-86) 2017/06/24(Sat) 20時頃
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/* オッケー、ニキニキとロイロイが北にいる! あと南だね! 誰かおいで! 死神待ってるね!
(-87) 2017/06/24(Sat) 20時頃
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── 十王マルチシアター前→ ──
[ ふたくみ。
ふたくみの参加者と、 それから、ひとりの死神と。
彼らが最後の舞台へと向かうのを、 死神はすこうし離れた場所で見ておりました。
手を振られれば>>65、こちらも同様に。 小さく手を振って、もうそこに殺意などなかった。
あの子たちは生き延びることができるかしら。 とさえ、思った。
死神なんて、気まぐれなものだし、 それに、別に彼らが憎いわけじゃない。 寧ろ、死神は彼らのことが好きでした。]
(@85) 2017/06/24(Sat) 20時半頃
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[ お人好しが生きられる世界なら、 それはきっとすてきなことです。
だけど、ともにシアターへと飛び込んでった、 ひとりの同僚ほどの熱意もまたなく。
事実を覆してまで生きたいというのなら、 きっと、自ら選び取り、自ら戦うべきだった。 それができなかったから、女の選択肢はふたつきりで、 そして、あのひとは消えてしまったのだと思います。
だからね、紅組がんばれ、白組もがんばれ。 そんな気持ちで、彼らの背を見送る。
ただ、奇術師のおんなのこが勝ったとき、 彼らが死神になってくれるととってもうれしいなんて、 夢想。]
(@86) 2017/06/24(Sat) 20時半頃
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── 南エリア:フラワーアトリエ・ヘダラ ──
[ あとに続く他の参加者の姿がなさそうだと悟れば、 ふわり、浮かんで、また南のほうへ。
フラワーアトリエ・ヘダラの看板に腰掛けて、 未だ精製され続けるタブーたちを、 すこうし高い位置から、見下ろして。
羽のある、蝙蝠や烏を、 土くれ人形が盾に矛になり、捌けども、
次々と生まれゆく禁断ノイズを前に、 状況は、停滞といったところでしょうか。]
(@87) 2017/06/24(Sat) 21時頃
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── 結局これ、どうするのかしら
[ 南の精製陣を前にして、 のほほんとした死神は、結局のところ、 自らの手でどうにかするつもりなど これっぽっちもありませんでした。
ゲーム中は、あのひとを。 死神となってしまえば、土くれを。
ずうっと従えている死神は、 自らの拳で戦ったことなど、なく。
脆い土くれ人形には、 漆黒蠢く地に降りて戦い、 精製陣までたどり着くことなど、 到底出来やしません。]
(@88) 2017/06/24(Sat) 21時頃
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[ だからね、こんな場所まできて、 すっかり様相の変わったサイガワラを、 静かな眸をして見下ろしているのです。]
ずいぶん、つまらない街になってしまったのね
[ これじゃあ、お買い物に出ても、 新作スイーツでお茶しても、マブスラをしても、 なんだか、興をそがれてしまいそう。
そんな緊迫感のないため息をつきながら。
誰か代わりに解決してくれるひとを待つとしましょう。 それがわたしというものですから。*]
(@89) 2017/06/24(Sat) 21時頃
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── 南エリア ──
精製陣よう
[ やってきた同胞>>@94の言葉。
きっとそれは疑問ではなかったのでしょうけれど、 死神は応えるかのように呟いた。
黒を生む源泉を、白いゆびさきが指す。
呼ばれた名>>@95に弦姫は艷やかな髪を揺らして、 かわいらしいもの見るように、目を細めた。]
(@96) 2017/06/24(Sat) 22時頃
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おもしろいかどうかなんて、 きっとあなたのほうがよく知ってるじゃない
[ 死神が好きなものは、かっこいいひとや、 かわいいものや、人気のあるものであって、 そこに、”おもしろい”という感覚は、 それほど関わっておりません。]
だけど、おもしろいもの探してるとき、 華月斎はそういうときが、 一番よい顔をしている気がして、 わたし、好きよ
だから、ええ 試してみればいいんじゃないかしら
[ 舞い飛ぶ蝶々>>@95に、死神は「あら」と、 遊ぶように、遊ばせるように、指を一本差し出して。]
(@97) 2017/06/24(Sat) 22時頃
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── ああ、でも参加者なんて もうみんな、いなくなってしまったんじゃなくて?
[ 残っていたものは舞台に上ったと、 死神はなんとなく、そう思っておりました。
今回はずいぶんと、漆黒に食われましたから。 最終日の様子は、さみしいものであります。
さらには、強き魂なぞ呼ばれる者にも、 死神はお目にかかっていないからして、
浮かんだのは、そんな疑問符。*]
(@98) 2017/06/24(Sat) 22時頃
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/* コンコンかあいい
(-106) 2017/06/24(Sat) 22時半頃
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