142 I-GAME-FINAL STAGE-
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ハルトちゃん……
[見ている前でハルトちゃんとその相手の十文字は凍ってしまった。
駆け寄ることすら出来ずに、ヘッドセットを外して現実世界の部屋でそっと嗚咽を漏らす。
駆けていっても彼らの冷たさに触れることすら出来ないのだと無力感に打ち拉がれ。
願い事は自分の力で叶えるものだとかつての自分は風祭に豪語したか。
じゃあ、どうあっても自分の力が届かない場合にはどうしたらいい？
きっと、今の自分になら悪魔の招待状が届いても可笑しくないだろうと静かに自覚した。*]
(@0) mikeru 2014/12/21(Sun) 21時半頃
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ーREAL I-GAME終了直後ー
[その頃一方、福原六くんは参加者たちが全員現実世界に無事戻ってきたことなど知らず部屋で打ち拉がれながら目を覚ました。
傍らにいるルーの頭を撫でながら泣き腫らして赤くなった目を擦る。]
うぅ……。
ハルトちゃんが……ラッシードが……。
(@1) mikeru 2014/12/22(Mon) 19時半頃
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[一頻り泣いた後、ゲームで生き残った者ならばこちらに帰ってきてるのではないかと気づく。
と言っても、ハルトちゃんが死んだショックで、誰がいるのやらまともに見ていなかった。
誰に連絡すればいいのだろう……と考えたところでルーと視線がかち合う。]
風祭さんに電話してみようか。
ルー、お前のご主人ならきっと生き残ってるさ。
[プルルル、プルルルと今時古臭い音を響かせて端末を鳴らした。]
(@2) mikeru 2014/12/22(Mon) 22時半頃
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ん、お前今鳴いた？
[どこからか甲高い犬の鳴き声が聞こえてきて、端末を握りながらルーに尋ねる。>>138
そんなわけはなかった。ルーが鳴いたところなど聞いたことがない。]
何処だ……。
[窓の外を眺めてみるが、生憎この部屋の窓は中庭に面している。]
(@3) mikeru 2014/12/22(Mon) 22時半頃
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うおっ、風祭さん！
[>>147まさか本当に出るとは思ってなかった。
いや、風祭さんのことを信じていなかったわけじゃないが、こんなにあっさり繋がるとは。]
え、なに、教会に来てるの！？
[聞くなり部屋を飛び出し階段を駆け下りる。
端末は耳に当てたままだ。
ルーは紐を引かなくても勝手に着いてきた。]
え、え！？参加者全員帰れた！？マジで！？
死んだ人も！？ってことはハルトちゃんも、あっ、
[耳に届いた朗報に驚き、思わず階段を踏み外した。
ガタンガタンと階下まで転げ落ちる。
受け身は上手く取れたが、騒がしい落下音は風祭さんの耳にも届いたろう。ルーが心なしか呆れたような顔をして後から階段を順当に降りてくる。]
(@4) mikeru 2014/12/22(Mon) 23時頃
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アイテテ…リアルだったけど死ななかった……
[痛みに呻きながらも、表から入ってきたなら風祭さんは礼拝堂にいるとだろうと見当をつけそこに繋がる戸を開けた。
果たして、彼はそこにいた。
ルーが真っ先に駆け寄っていく。
あんなに尻尾をブンブンと振っている彼の姿は初めて見た。]
どーも、久しぶりです風祭さん。
ルー、めっちゃ喜んでますよ。
[ふと見ると風祭さんは黒いちっこいのを連れていた。
代替の盲導犬だろうか？
じいっとちびこいワンコロを見てみるがどうにもそいつの瞳に見覚えが……無かった。有る訳ない、こんな犬っころ知らん。*]
(@5) mikeru 2014/12/22(Mon) 23時頃
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[派手な物音が気になったのか、叔父も礼拝堂に出てきた。
風祭さんから聞いた朗報を叔父にも伝えてやる。
すると叔父は心底ほっとしたというような顔をして、それから高速でフリックしてメールを打ち始めた。大方黒田さん相手だろうがやけにフリック速いなおい。
メールを打ち終わったのかこちらに向き直ると、叔父は風祭さんの連れている黒い子犬を見て、何処で見つけたのかと風祭さんに尋ねた。]
叔父さん、犬好きだっけ？
[俺には何が何やら分からない。]
(@6) mikeru 2014/12/22(Mon) 23時頃
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……このちびっころ、ようく躾をしてやった方がいいんじゃないか。
[>>148こちらに悪戯を仕掛ける様を見て感想を。
正直仔犬の肉球パンチはこちらを脅かすどころか、あまりにも可愛らしすぎて硬派な俺の頬がピクピクと微笑むのを我慢していたが。]
(@7) mikeru 2014/12/22(Mon) 23時半頃
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[叔父は暫し考えた後、ホレーショはもうイタリアに帰ってしまったと風祭さんに説明した。>>156
それから……「ワンちゃんを大事にして上げてください」と言ってにこりと微笑んだ。
その叔父の表情は何処か悪戯を思い付いた小僧のようでもあり、仏のようでもあり……。]
いや、似てるとは思わねえけど。そいつ飼うんだ、すげえな。
なんかあったら俺に言えよ。
[毎度の事ながらもう六の口からは敬語が剥がれていた。]
(@8) mikeru 2014/12/22(Mon) 23時半頃
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