35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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―寄合所―
……解せぬ。
[ものっそい不機嫌な顔で、腕組みをして呟いた]
長老、出し物のからくりを作らねばならんから、僕は役員にならんでいいという約束だったではないですか。
[たしか出し物の依頼を引き受けた時に、そういう口約束をしたはずなのだが。精一杯ねめつけてみるが、長老は何かふがふが言うだけで、まったくもって要領を得ない]
祭りの出し物がひとつ減っても、知りませんよ僕は……。
[溜息ついて、寄合所の端に座り込んだ]
(+0) 2011/08/18(Thu) 22時頃
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[何かおかしい、という想いは、夜も更けてからますます強くなる]
いや、離してください、夜くらい帰らせてくださいよ!
[家へ帰ろうと思ったら、顔役に首根っこつかまれて引きもどされる。寝泊まりの道具なら充分にあるからと。食事ならおかみさん連中が差し入れを持ってきてくれるからと]
やです、やですよ、僕は南瓜を食いに帰るんだっ。
[頑として言い張ってみるものの。聞き分けのない子供を諭すように、再びころりと、寄合所の奥に転がされてしまった]
……どうなってんだ。
[まるで、何か見えない力に、この場所に閉じ込められているかのような。昨日、団十郎と話をした時の、『神通力』という言葉が脳裏に過った]
(+1) 2011/08/18(Thu) 22時頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2011/08/18(Thu) 22時頃
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― 寄合所 ―
ほうこの漬物なかなか美味ですな。 この漬け方はどうして―?
[漬物の話やら世間話やら。すっかり役員と談笑している。帰宅しても特段することもないので宿泊に抵抗はないようだ。
海岸を見張る―其れが出来ないのは心残りだが。]
(+2) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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―寄合場の窓際―
……また人連れてきたかんじですか…? わたしは手伝わないってば……。
[相変わらず不機嫌な様子で外を眺めている。 障子、そして雨戸を開いたそこは外の空気が直接流れ込んできていて。 逃げ出そうと思えば逃げ出せなくもないが。]
…………あーあー……。 つまんないですねー……。 お祭りは楽しむほうがいいに決まってるのに…。
[そこに、訪問者が現れた。]
(+3) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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[ぶちぶちと文句をいいつつ、部屋の隅っこで祭具の組立中]
……日向の質問に、答えそびれたなぁ。
[手助けなしでも、彼女は答えを出せるだろうか。 「みらいじんはわるい」、日向ははっきりとそう言った。けれど、そう確信しているならば何故、彼女は「質問」をしたのだろう。 それはきっと、迷いに他ならない。誰かのお墨付きを得ることで、自覚ない迷いを振り払おうとする行為]
……あながち間違ってもいないと、思うけどね。 本来交わるべきでないものが交わると、必ずひずみは生れる。 時の仕組みを完全に理解しないまま、その場しのぎの誤魔化しで記憶操作を続けているとしたら。それは良いことではないのだろう。
……いや、
[ほつれた飾り紐を編み直しながら、小さく呟く]
そんな説教くさい話ではないな、
(+4) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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おょ、甚六さん…? え……傘……?
[それは修理に出していた傘。]
あー…団十郎さんから…ですよね…? ありがとう、って伝えておいてください……。 忙しいから…甚六さんも外出れないですよね…。
[受け取った傘はやけに軽くて、見違えるようだった。]
…………。
[修復された傘。 あのおんぼろだった傘。 繕い、直し、そして、また傘としての働く。]
(+5) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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―― お迎えがやって来た ――
燈火運び?
[井戸にスイカを放り込んだ後 お豆腐が多すぎると、母さんに怒られた だって、皆で食べられる方がいいと思ったんだもの お味噌汁にだって、使うと思ったんだもん
そんな時に、お祭りの実行委員だって人が来て 私に、その役が来たんだと言った]
…――――
お家に、帰れないの?
[未来に帰れないのは、構わないけれど 夕ちゃんと一緒にいられないのは、嫌で]
(+6) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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…………、うん。
[なんともいえない空虚感。 この原因が分かることは恐らくないだろうと確信している。]
………外出られないから。 傘届けてもらっても使わないですけど…。
[寄合場の部屋の中で傘を広げる。 傘の中から見上げるようにしてみれば、そこにある風景はいつもとは変わっていた。]
……毎日、進んでいく、ってこういうことですよね…。
[風が吹き込めば、そのまま外を見た。]
(+7) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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人として出会い、関わってしまったんだ。 ……忘れたくないよ。
[過ごした記憶、大切な記憶。 細かな砂のように両手から零れおちて、きっと]
ひとりで見上げる星空に悲しくなっても、 僕は、その理由をきっと思い出せないんだ。
(+8) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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夕ちゃん…―――
[代わりに行こうか、と言ってくれる夕ちゃん でも、夕ちゃんが代わりに行ったって 一緒にいられない事に、変わりはないから]
…――――
いいよ、私、行くよ 夕ちゃんと一緒にいられない時間は、寂しいけれど 一度、こういう役もやってみたかったんだ
[母さんがやって来て、荷物や着替えの準備をしてくれて 夕ちゃんに、行ってきますって、言う前に 連れていかれてしまった]
(+9) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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[障子の向こう
あおいいろ
ほろ り こぼれる
なみだが1つ
そらも うみも
いまだけは
このかなしみを隠してほしい]
(+10) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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源蔵は、部屋の中で傘を広げた志乃に気づいて。後ろ姿をぼんやり眺めた。
2011/08/19(Fri) 00時半頃
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……理解できないですね…まったく。 なんなの……、本当に。
[抱くはずのない感情だけが胸に残り続ける。 その理由を知らないまま唇を噛む。]
………仕事、手伝えば気分転換になるでしょうか。 掃除ぐらいは…できるかな…。
[気が向いてはじめた掃除が逆に止められてしまうのは後の話。**]
(+11) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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―― そして、朝 ――
[目を覚ましてみれば、集会場の天井が見える 外では、誰かが忙しそうに走る音 隣には、夕ちゃんがいない
一年前までは、こんな朝が当たり前だったのに 目覚めてみれば、随分と寂しい気がする もし未来に帰ったら、こんな日が毎日続くのかと思うと 心から、恐ろしくなってしまった]
…――――
夕ちゃん、いない…――――
[起きた所で、私に手伝う事なんてない 約束事を覚えたり、道順を覚えたり そんな事ばかりで、正直暇だ だからこそ、夕ちゃんのいない時間が、異様に寂しく感じる]
(+12) 2011/08/19(Fri) 00時半頃
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[なんとなし、その背に声をかけづらく。結局志乃の傍には寄らぬまま、集まって談笑している男衆の方へ>>+2と向かう]
漬物、僕にもくれんか。
[そう言って、茄子の浅漬けをつまんで口に放る。 もぐもぐと物を噛んでいるうちに、そういえば昨日の朝以来、食事をしていないことに気がついた]
(+13) 2011/08/19(Fri) 01時頃
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夕ちゃん…――――
[ぐすり、泣きそうになってしまったけれど でも、立派にお勤めを果たせば 未来に帰らなくても、きっと怒られない 仕方なかった、で済む気がする]
…―――
[よし、頑張ろう 私は、頑張るのだ]
でも、何をがんばったらいいんだろう
[とりあえず、お手伝いでもしようかな]
(+14) 2011/08/19(Fri) 01時頃
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[ご飯を食べている人達に、お茶でも出そう ええっと、お湯を沸かして、お茶っぱにお湯をかける? ああ、湯のみにお茶っぱを入れて、お湯をかけるのかな?]
どうぞー
[そんな淹れ方で淹れたお茶を、皆に配った 所々から、お茶を吹きだす音が聞こえた]
(+15) 2011/08/19(Fri) 01時頃
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あ、せんせーも、お茶どうぞ
[お茶っぱの浮いたお湯を、差し出した]
(+16) 2011/08/19(Fri) 01時頃
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おや、あさも来ていたのか。 ……大事な話は、ちゃんとできたかい?
[差し出された湯のみを、礼を言って受け取って]
――ふむ、
[茶葉の浮いた湯をじぃっと見つめる]
よし、あさ。今日の授業は「お茶の淹れ方」だ。
[とても真面目な顔で頷いた]
(+17) 2011/08/19(Fri) 01時頃
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はい、せんせー 大事な話は、まだ途中です 今は、二人で、一緒に考えているところ
[先生は、じぃーっと湯のみをみている 何かあるのだろうか、と思ったら 今日の授業は、お茶の淹れ方らしい 美味しい淹れ方があるのかな、面白そうだな]
はい、お茶の淹れ方ですね
[先生の前に、正座してみた]
(+18) 2011/08/19(Fri) 01時頃
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[おやこれはと源蔵の姿を見るや、>>+13役員が漬物を差し出す。周囲に居たものにはこれは珍しいと明後日の言葉を出したものも。]
いやいや私どもと同じく、どうやら役員として招かれたようですよ。
[と申せば、うーんそうだっけなあと返された。 キレの悪い返答に疑問符を少し浮かべた。]
(+19) 2011/08/19(Fri) 01時頃
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あ、博史さんも、お茶どうぞ
[お茶っぱの浮いたお湯を差し出した]
(+20) 2011/08/19(Fri) 01時頃
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>>+20あ。 どうもありがとう。
[差し出された湯を受け取る。しかし直ぐに年端もいかぬ少女の姿にめをぱちくりさせ。]
もしかして、きみも、役員に選ばれたのかい?
[あまり考えず聞いた。]
(+21) 2011/08/19(Fri) 01時半頃
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うむ。学びの基本は、知識と実践のひと続きだ。 まずは煎茶の淹れ方にしよう。まず湯のみに湯を注ぎ、その湯を急須に移す。そして急須の湯を、別の器、湯ざましに移す。 こうして湯の温度を、沸騰したよりもいくらか低い、適温に調節するわけだ。そして茶葉を急須に……、
[昔こうやって、一平太にも茶の淹れ方を説明した気がする。例の手記を読むに、祖母も茶の淹れ方がわからなかったようであった。 ひととおりの説明を終える頃に、その様子を見ていたおかみさん連中が薬缶と茶筒と、新しい湯のみと急須、一式を持ってきてくれて]
さぁ、何事も経験だ。
[朝顔に、真面目な顔で頷いた]
(+22) 2011/08/19(Fri) 01時半頃
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はい、燈火運びのお役目らしいです お籠りしなきゃいけないんだけど、良くわからないし やる事がないので、お手伝いをと、今お茶を
[私が手伝いをすると、皆がやめてくれって言うの なんでだろう、本当に]
(+23) 2011/08/19(Fri) 01時半頃
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珍しいとはなんだね。そっちで呼びつけておいて。
[男衆の中から漏れた言葉に、露骨に不機嫌な調子になりつつ二つ目の漬物もぐもぐ。博史の言葉にも煮え切らぬ返答をしている様子に、昨夜感じた違和をまた感じた]
……博史殿は、普通に招かれたんで間違いないですか?
[少し不自然な質問かもしれない。けれど体裁構ってられずに、そのままに問いを投げた]
(+24) 2011/08/19(Fri) 01時半頃
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えっと、お湯を、湯のみにいれて…―――
[先生に教わった通り、湯のみにお湯を淹れて それを急須にいれて、湯冷ましに・・・湯冷まし? これかな? これにいれて、冷やしたらいいのかな?]
うん、と…――――
[適温って、どのくらいだろう 触って、熱くないくらい? でも、触るの怖いしな…――― まぁ、いいか]
えいっ
[茶漉しにお茶っぱを淹れて、急須にお湯を注ぐ くるくると回すと、良いらしい 何回とか、作法があるらしいけれど 私には、良くわからない]
(+25) 2011/08/19(Fri) 01時半頃
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はい、せんせー
[急須から湯のみに注いで、先生に差し出してみた]
大丈夫かな?
[少々温いかもしれないが、大丈夫だろうか]
(+26) 2011/08/19(Fri) 01時半頃
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[役員の任命の件で、先生が不信を感じている 当たり前か、長をこちらで操作したのだから 普通はやらない事を、平気でやっている]
…――――
[だけど、それを説明するわけにはいかないし もしも説明したなら、どうなるのだろう ああ、でも記憶を消すだけなのかな]
(+27) 2011/08/19(Fri) 01時半頃
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ありがとう。
[湯のみを受け取り、香りをかいで、一口含んで飲み込んだ]
……うん、上出来だ。
[にこりと笑って、空いた手で朝顔の頭をぽんぽんと撫でる]
学びはまず先達に習い、倣い、それから経験。そしてより良くしようとする向上心だ。 先達を見て、わからないことがあれば懼れずに尋ねてごらん。そうすればこの茶はさらに美味くなる。
[そう言って、ずず、と茶をすすり]
大事を話せるようになったあさなら、きっとこれから、もっといろいろをできるようになっていくだろうさ。
[たとえそれが、どの場所であろうとも]
(+28) 2011/08/19(Fri) 01時半頃
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>>+24―ええ。私は普通に家に来て呼ばれました。 何故私が早くに呼ばれたかはよくわかりませんが。
[普通に、という言葉に若干の違和感を覚えた。例年の祭りを思い起こし、そしてそのときと違うことを考えれば、呼ばれたこと位か。]
(+29) 2011/08/19(Fri) 02時頃
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