207 愛しの貴方を逃がさない。
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[ 気付いたときには、 全てが終わっていることも 知らないで** ]
(80) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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―終わりの朝―
[喉が、渇いた。 無意識に喉元を掻き毟っていた片手を戒めて、再び野菜を切り分ける。
夜を徹して、台所で作り上げる料理は、それは多種多様。 シチューはもちろん、ムニエル、肉じゃが、ハンバーグ、などなど。 それらは全て、ウサギのような少女の好物。 彼女の大好きな、母親の料理に似せて、作り上げたもの。
きっと、少女の口に届くころには、どれも少し冷めてしまっているだろう。 ごめんね。けれど、何が食べたいのか、聞くことが出来ないからね。 せめて、最高の料理で彼女に別れを告げたい。そう思った。]
(81) ふゆのひと 2017/01/28(Sat) 22時頃
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[小さなテーブルに、所狭しと料理が並んでいく。 漂う香りは、きっと食欲をそそるだろう。 満足げに笑ったシェフは、喉を、がり、と掻く。蚯蚓腫れが、また増える。
最後の一皿を作り終えたときだったろうか。 合図とばかりに、朝日が部屋を照らした。 あぁ、もう、時間が経つのは本当に早い。 早く、全てを終わらせないと。
一週間も我慢していたんだ。そろそろ、限界が近い。]
(82) ふゆのひと 2017/01/28(Sat) 22時頃
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[ルーズリーフ一枚に書かれた、簡素なメモ書きと、小さな鍵。 向かいの席にそれを置いてから、自分も反対の席に着く。
そうして、喉を掻き毟っていた手を、ぴた、と、止める。 もう片方の手に握っていたものを、くる、と、半回転。]
(83) ふゆのひと 2017/01/28(Sat) 22時頃
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[吸血鬼は、どうやったら死ぬんだっけ?
胸に杭を、突き立てるのさ!]
(*4) ふゆのひと 2017/01/28(Sat) 22時頃
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[シェフは、握っていた包丁を、 喉元の蚯蚓腫れたちを真っ二つにするかのように、 自分の喉元に突き立てる。]
(84) ふゆのひと 2017/01/28(Sat) 22時頃
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[ぐら、と、身体が傾く。 派手な音を立てて倒れた人間に驚いたのか、 がしゃんと檻の中、ウサギが跳ねる音がする。
ほんのり湯気を立てた料理の皿の下に、 赤い液体が流れて、鍵と、メモ用紙の隅を汚していく。 もうすぐ目覚めるであろう、彼女へのお別れの言葉が、赤く染まっていく。]
(85) ふゆのひと 2017/01/28(Sat) 22時頃
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[喉元からせり上がってくる液体の味は、酷く、苦い。
皮肉かな、大量の美味しそうな料理たちを目の前にしても、 化け物が食べたいと思ったのは、最後に頭に浮かんだのは、
白い容姿に赤い目をした、あの少女の姿だったのだ。**]
(86) ふゆのひと 2017/01/28(Sat) 22時頃
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[どうしてそんな言葉が出たのか、自分でもわからない。>>+71 否、わかってはいるが、それを認めたくない。
身体の疼きは、治まるどころかどんどん増していく。
触れる手は、優しく温かい温もりを感じるのに、 触れられた部分はまるで電流が流れた様。
それが焦らされているように感じて、 意地悪されているみたいに感じて。
彼は自分の「やめて」という願いを、 叶えてくれただけのはずなのに。]
(87) saiyu0314 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ジン、とまた下腹部が熱を帯びる。 潤い、蜜を滴らせ、シーツに染み広げる。
―――まるで目の前の相手を求めるように。]
……しゃ、しんや、さん… ……っ…
[早く、触れて。 早く、この疼きを止めて。 早く、あなたをちょうだい―――
そう伝えるかの様に、相手を呼ぶ。 喘ぎそうになる声は抑えながら。]
(88) saiyu0314 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[それは何に対してなのか。 抗い切れなかった自分自身へなのか。 大事に自分を育てて見守ってくれた家族に対してなのか。
それとも、目の前の相手に対してか―――
きっとすべてに対して。
心の中で呟いて、 残された理性に蓋をした。]
(89) saiyu0314 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[理性を手離せば、後は欲望のまま堕ちるだけ。 快感を求めるように、相手を誘い、 欲を満たすように求められれば、拒むことはせず。
触れられることを嫌がったのは自分。 けれど、触れて欲しいと願ったのも自分。
無数の自分自身に見られながら、 恋人でもない相手に愛される。]
(90) saiyu0314 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[堕ちるところまで堕ちたら、どうなってしまうのか? そんなことを考えるのは今はやめ。
今はただ、この快楽に溺れていよう。
彼の腕の中という檻に閉じ込められながら―――*]
(91) saiyu0314 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ ガシャン! ] [ ウサギの目覚めは、 きっと目覚ましでも、朝の光でも無く、 派手な音だ。 ]
(92) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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― 終わりの朝 ―
[ きっと、 あの時から毛布にくるまっていたのだろう。 窓の外からは陽光が射してくる、そんな 朝だ。 約束を破られて 少しばかり腹正しい気持ちはあったけれど、 柔らかい温もりを感じる身体を ゆっくりと起こして、
起こし て、 ]
(93) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 赤色。 ]
(94) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 卯月の瞳の色とも、 籠の中、暴れるウサギの瞳の色とも違う、 光に反射して鈍く煌めく、赤色がそこにあった。 倒れる家主の、その喉元。
咄嗟に卯月が抑えたのは、 包帯が巻かれている首元だった。 卯月が噛まれたときに僅かに感じた あの鉄の臭いと同じものをかぎ取る。 その中に"美味しそう"な匂いもあったけれど、 ……それを上塗りしていくみたいに、 段々濃くなっていく 臭い。
―― 嗚呼神様! どうして卯月はこんな時に聡いというの。 ]
(95) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 悲しいと言えば良かったんだろうか。 叫び声も悲鳴も上げられずに、 卯月の赤色は、ただ、鈍い赤を見ていた。 裂かれた真っ赤な喉。 蚯蚓腫れが見えるから ―― "渇いていたんだ" と 遠く 頭の何処かで理解をする。
したところで、この惨状。 もうどうにもできないのだろう。 ]
(96) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ テーブルの上の、数多の料理。 血まみれの椅子と家主の正面に立ち。
( ―― 心臓こそ五月蠅かったけれど、 どこまでも卯月は"冷静"だった。 )
血に染まったルーズリーフと 小さな鍵を手にとって、 …先ずはウサギを放そう。 腕の中に収まったそのこは、 人の温もりに安堵したのか、 卯月の腕の中でじいっとしていた。 ]
(97) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 動物を抱いたまま 食べ物を食べちゃいけないだなんて、 家主は血まみれで突っ伏しているんだから、 そんなの、良いよね。
緊張しているウサギの背を撫でながら、 卯月は料理を口に運んだ。 飛び散った血の味もして、 苦い表情になったのは言うまでも無い。
ルーズリーフの裏側。 かろうじて残っている白の上に、 彼の赤色で文字を残す。 ]
(98) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 当てつけみたいなものだろうか。 彼がこの赤文字を読む機会は きっと二度と無いだろう けど。
ウサギを抱えて、席を立つ。 裸足のまま、家を出て行こう。
なんだか酷く コンビニが恋しくなった。 だって、最後に食べたあの料理は、
とても、 ]
(99) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ *"美味しくなかった"* ]
(100) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ ―― それからの話。 卯月は警察に連絡したところで、 もう此処から離れようと考えて、 とうとう実家に逃げ帰った。 ウサギを抱えた裸足の少女に、 警察もなにやら思うところがあったらしい。 全部任せる――、という訳にもいなかったけれど、 犯罪者に巻き込まれた、という よくニュースで聞いているような展開になった 筈だ。
筈だ、というのは 卯月にとっての結末は、 最後に食べたあの手料理だけだったから。 ]
(101) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ どうしてだろう。
あれから味覚が無くなった上に、 母の料理が食べられなくなった。 否、"誰かの手料理"が食べられなくなった。 一口運んだところで、反射的、だろう。 全部戻してしまうようになった。 味が分からないのに 手料理は駄目ときたものだから、 自室には大量のカップ麵と、お菓子と、総菜と。 結局今まで通りの食べ物ばかりだ。
歯で潰す感触と音だけで、 卯月は今日も、生きながらえている。 ]
(102) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 最後に食べたのも、最期に食べたのも、 名も知らぬシェフの料理だった。 八重瀬卯月にとっては、 きっとそれだけの 話** ]
(103) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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―コンビニ『パルック』―
[新製品のパルックサンド。 ポスターの端が捲れ、遂に風に飛ばされた。
がらんどうの棚。 がらんどうの店内。]
……かみさま。
(104) k_karura 2017/01/29(Sun) 00時頃
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[神蔵の扉が開く。
かみさまは、微笑みを浮かべていらした。
手招きをするように差し出された御手。 白く細く美しい御手。]
(*5) k_karura 2017/01/29(Sun) 00時頃
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[まだ上がる右手は、歓喜に震えていた。
手と手を重ねる。 ひんやりとした御手。]
(105) k_karura 2017/01/29(Sun) 00時頃
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[防犯カメラに映っていたのは、 右手を宙に差し伸べた店長の姿だけ。
(*6) k_karura 2017/01/29(Sun) 00時頃
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[カタリ。
カウンターの上に仮面が落ちた。 硬質な音が響く。
愛と身と魂を捧げた娘は、 幸福な笑みを浮かべていた。]**
(106) k_karura 2017/01/29(Sun) 00時頃
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