191 The wonderful world -7 days of MORI-
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── 背負うものなんて、ありますか?
[ おれは、即答する。
”正しい”者が、なにかを背負う必要など、 一体全体、どこにあると言うのだろう。
── って、怪訝そうな顔で。]
(641) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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ネルは、優しいから、優しすぎるから、 どうでもいい、誰かの死を悼むかもしれません。
── だけど、どうせ七日目には散る命ですから。
ここで、死ぬようなひと、 生き返れるわけ、ありませんから。 そういう運命だったんです。
結果はなにも変わっていなくて、 数日、はやまっただけの終わりに、 なにも間違ったことをしていないおれや、 ましてや、ネルが、 なにか背負う必要、ありますか。 .
(642) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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[ 他者を蹴落とす気もない。 蹴落とされるかも、という警戒もない。 あるいは、懸念はしていたとして、 当たり前のように、死にゆく命なら、
はじめからそうと、決まっていたのだ。
背負うものなんて、はじめからなにもなくて、 それが見えたとするならば、 幻にすぎないんじゃないかな。
不安や罪悪感が見せる、幻。
……きみに、そんな思いをさせるやつを、 おれは、決して許しはしないだろう。]
(643) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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── ネルは、なにも知らなくていいんです。今は。
今は、こんな、慌ただしい状況で、 理不尽に、死んでしまって、 ネルは、とても優しいし、 混乱も、するかもしれないけど、
いつか、分かってくれます。 そのときまで、ネルは、なにも知る必要はないし、 不必要に、嫌な思いをする必要なんて、どこにもない。 悪意を持って、知らせようとするひとがいるなら、 おれは、その悪を殺します。
だから、今は、 ただ、このゲームの、”わかりやすい部分”を、 きちんと、まっとうしてくれれば。
おれは、おれの役割を、こなすだけです。 .
(644) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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[ そう、ふたつ合わさって、やっとたどり着けるんだって、 おれは、気づいたんだ。気づかされた。
きみを取り戻す。
それを確かなものにするためには、 化け物退治じゃ役に立てないおれにも、 ちゃんと、できることが、使命が、あって。
── おれ、今、きみのために、 ちゃんと、きみの役に、立ててるかな?]
(645) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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── だから、
正しい人間に、背負うべきものなんてなくて、 それを無理やり、なにかの咎や罰とするのは、 とても、卑劣な行為だと思います。 .
(646) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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[ そこまで言い切って、おれはやっと口を噤んだ。
結局、この死神は何が言いたいのだろうか。 きみに負担をかけるようなことを、 考えていなければいいけど、って、
おれは、朗々と語りながら、そう、思ったのだ。*]
(647) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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[何にもしてない。 そんなことは、ない。 少なくとも自分が生きる気力があるのは、彼女がそこに存在しているおかげなのだから。
それでも、自分の中では。 それに確かな理由付けが出来ない。 全てを説明できるほど、わかっていることはない。]
(648) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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[彼女がなぞる画面の、黒い誰か。>>638 自分は知っている。自分はわかっている。 だけど、それを告げた所できっと彼女は思い出さない。 それに、エントリー料のこともある。 万が一思い出したとして、どうなってしまうのか、分からない。
そこまで考えて、自分も同じか、と息を吐く。 自分の思考全てに説明がついてしまえば。 自分はここに立つ資格を失うんじゃないか。 そんな気がしてきてしまう。]
(649) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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待ってるさ。 大切な人間なんだろ。
待ってなくても……追い縋ってやればいい。
[ああ、なんて滑稽な。 そう思わずにはいられないが、言わずにもいられない。 その人物は、確かに君を必要としている。 そう、言ってやりたいものなのに。]
ああ、明日も。 ちゃんと、頑張る。
[諭されるように、素直に返す。>>640 それ以上の言葉を吐くのは。 きっと、今の自分ではない。]
(650) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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[ 例えば、世界に居場所がないとしよう。 例えば、自分が信じるものなどなかったとしよう。 例えば、生きる理由を見つけられなかったとしよう。
そんな時に、隣には君がいたのだ。 君を『生きる理由』に出来なかった僕に。
君の手を取る資格があるのか。 君を導く資格があるのか。 わからないのだ。]
(651) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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[ それと同時に。 君が僕を生きる理由にしてくれなかったことに。 どこかで、苛立ちを感じてしまっていた。
そんな自分が生き返ることも。 間違いなく正しいとは、言い切れない。
ただ思うのだ。 今度は、彼女と生きたいと。**]
(652) 2016/06/13(Mon) 02時頃
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[ただずっと、眺めていた]
(@83) 2016/06/13(Mon) 02時半頃
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[お礼を言われた時も。>>526 ミッションをクリアして喜ぶ姿も。>>528 近付く人影も。>>533 幾何ちゃんがこっちを見た時も。>>@70 首に当てた手から、変な音がした時も。>>539 鈍色に光る刃を降り下ろす時も。>>543 地面に崩れ落ちる身体も。>>556 少し前、男が目を瞑り事切れる瞬間も。>>559 八千代ちゃんが来た時も。>>@75
僕はずぅっと、少し離れた上空から。 青いガラス玉の瞳をただ、下の景色へと向けて 一連の流れをずっと、ただ、眺めていた]
(@84) 2016/06/13(Mon) 02時半頃
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[八千代ちゃんが再び何処かへ飛んでいって。 僕は、出来るなら誰もいなくなってからがよかったんだけど、 ミッションがクリアされた今、ぼーなすたいむはもう暫しもないから まだひとが残っていたとしても、そろそろ地上へ降りるだろう。
幾何ちゃんは、包丁をもったひとはまだいたかな。 幾何ちゃんがいたなら、「疲れたでしょ」とか、 「もうすぐ始まるだろうから少し休んでなよ」とか、 そんなありきたりのことを言って見送ろう。
包丁をもったひと、ねるのほんと答えた君がいたのなら、 「今のうちに洗ってきたら」 「血がついたままだとすぐ錆びて、使い物にならなくなるらしいよ」 って、これまた何の感情も含めず、淡々と、 初めて会った時と同じ声色で告げるだろう。
どちらにせよ、ここから僕以外いなくなるまで。 血溜まりの海と、そこに沈む亡骸から君たちへは視線を一切向けず、 何時も通り無表情の僕が、其処にいただろう。 その頃どちらもいなくなっているなら、それが一番だけれど*]
(@85) 2016/06/13(Mon) 02時半頃
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[ ── 会話が、途切れたあたりだっただろうか。
それまでは気づかなかった、金髪の死神>>@85に、 おれはなるほど、と頷いて、 その場を足早に立ち去っただろう。
なんせ、血に濡れた包丁なんて、 おれは処理したこともないし、 使い物にならなくなると、困るのだ。
近くの建物、って。 水が使えそうなところ、って。 おれは、目についたユニシロに走って──、]
(653) 2016/06/13(Mon) 03時頃
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[ 最終的に、刃についた血を洗い流し、 手と、顔を洗ったところで、 意識を遠のくのを感じることになる。
── どれだけ洗っても、 木製の柄に染みこんだ赤色が取れない、って、 躍起になっている、そのときに。
その、おれが、血だまりを立ち去ってから、 ユニシロに飛び込み、意識を失うまでの間、
誰かに会ったか、というのは、さておき。**]
(654) 2016/06/13(Mon) 03時頃
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[包丁のひとは、すぐに此処を離れていった。>>653 説得染みたことも、忠告も、何一つせず、 僕は目を向けないまま、見送ろうか。 見てないから表現としては正しくないけれど。
幾何ちゃんは、いたなら何か話したかな。 僕は普段どおり、それでも急かすように言葉短めに返すから 君が立ち去ってくれればいいのだけれど。
そうして、怒涛の展開ってやつが終わった地に一人。 それでも、この死神のゲームでは珍しくはない、普通によくある出来事が終わった地に一人。 僕は膝を折るでもなく、立ったまま血だまりを見下ろしている。
別に、見慣れた光景で。ルール違反でもなんでもなくて。 だから僕は、その行為自体には何も感じないんだけど。 赤く染まったふたりをただ、じっと見下ろしている]
(@86) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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……大丈夫、だよ。
[零れた言葉を聞く人なんて、生きている人なんていないから これは僕の、独り言。 天使の福音だなんてそんな、喜ばしいものでも意味があるものでもない]
このせかいのかみさまってひとは、寛大らしいから 生き残れなくたって、 まぁ、喪ったものは戻らないけど、 それでも生き続けるチャンスを与えてくれるらしいから。 きっと、あなたたちも、たぶん そのチャンスを与えるに、値するって、 評価してくれてるんじゃない、かな。たぶん。
[だって、僕みたいなのが与えられるくらいなんだ。 可能性はゼロじゃないし、むしろ低くもないだろう。たぶん]
(@87) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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「そりゃ、楽しかったし、いい思い出になったぜー。 毎年キャンプに行ったのも、楽しいとわかったからだしな。」 「そっかあ。 じゃ、おいさん、恥ずかしいから、ちょっと内緒でもいい?」 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! そ…そ…そういうのは、できるだろうけど!!! 好きな人と!!! 好きな相手としか、しちゃ!駄目だとおれは!!思う!!!!!」 「結局は、カラダコミュニケーションってやつよ。 素直に曝け出すって楽しいし、心もぐーんと縮まるんだぜ。」 「こーのエロ親父ーーーー!!!!!」
「 あ、そーだ。 君、名前は?
俺は、テルね、テル。」 「やっぱ屋上なんだな。サンキュー!」
(@88) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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[――明日、からは。 もう少し、自分の手できちんと、 参加者を消していくべきかもしれない。
別にポイントは初日でそこそこ稼いで、 稼ごうと思ったってノイズの大群でもけしかければ、 それが自分のポイントになるのだけれど。
それでも、やけに賑やかで騒がしい漫才みたいな声が、 こうも頭の中で響いてしまうくらいなら。 さっきみたいに、ありがとうなんて言われてしまうなら。 そんな普段と異なる事態が起きてしまう前に、 無慈悲に、無感情に、無遠慮に、無残に、無責任に、 ただただ命を刈り取る方がきっと、楽なのに]
……なんだか、なぁ。
[無表情のまま、その場にしゃがみこむ。 膝に顔を埋もれさせるような真似はしない。 何も映さないガラス玉が、ただただ無機質に屍を眺めて]
(@89) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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…今回は、ちょっと、 やりづらいなぁ。
[途方に暮れたような声だった。 見知らぬ土地に一人ぽつんと立たされたような声だった。 僕にはそんなの、分からないけど。
理許おねーさんに、視認されてたらどうしようって 怒られるかなぁって思いながら、僕は日付が変わるまで その場を動かない。
参加者の一人に入れ込んだ覚えも、感情移入した覚えも、 そもそも移入する感情がないのだから、 僕はなんにも抱かないしなんにも覚えないのだけれど]
(@90) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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[いつかあのこが言っていた、歌ったらすっきりするって言葉>>3:229に倣って 歩きながらじゃないけど音を紡ごうとしても、上手く出てこなくて]
…なんでだろ。
[代わりに零したため息に応えてくれるひとはいない。答えなんて、僕は求めていない。 だって僕は、何にも抱かないし感じないから。
だから僕は無表情に、ガラス玉の瞳に何も乗せないまま 日付が変わるまで、ただ、目の前の沈黙する亡骸を眺めていた]
(@91) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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[ 「おまえは天使なんかでもお人形なんかでもないんだからさ」 「いつか今まで生きてきた分の感情とやらも取り戻せるだろ」
笑って僕の髪をかき混ぜる温度は、遠い記憶に褪せつつある** ]
(@92) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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……恨んでいない、か。そうか。
[いっそのこと、恨んでいると言ってほしかった。 小津の言葉>>615に、一瞬だけ黙り込んで。 そこで怒鳴はカラリと口調を変えた]
そりゃ、こちとら怖がられてナンボの商売だからなァ。 取り立て屋のヤクザモンが舐められたら終いだ。
[―――恐ろしくは“あった”。>>615 小津から語られた言葉は、過去形であった。 その意味が分からぬ怒鳴ではない]
(655) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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(債務者と取り立て屋。 それだけの関係だったはずなんだがなァ……)
(656) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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言ってくれるじゃねえか、テメエもよ。
[にぃと、笑って。
死んで悔いるくらいなら。 生きて、自らの過ちを悔いろ、だなんて。
難しいことを言ってくれる。 それがどれだけ苦しいことか、小津は分かっているのだろうか。
小津と喋っている今でさえ。 この矮小な心が、罪の意識に押しつぶされそうだというのに。
そして、この贖罪の気持ちを。 生き返った後も持ち合わせている保証など、 どこにもありはしないというのに]
(657) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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そりゃこっちの台詞だ。 テメエがそんな様子じゃ、俺の調子が狂っちまうだろ。
[内心とは裏腹に、怒鳴は声音を砕けたものにして。 軽く小津を小突いてみせた]
おうよ、生き返ってとっとと借金返しやがれ。 返済期限さえキチンと守れば、俺の顔を拝まずにすむぞ。
[冗談めかして言う]
(658) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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(俺の顔なんて、2度と見ることがないような。 そんな幸せな人生を送ってくれればいい―――)
(659) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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[そうして、意識は暗転する**]
(660) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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