237 それは午前2時の噺。
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2018/03/26(Mon) 22時半頃
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─ 深夜2時の、少し前 ─
本当です。 笑い皺は最後まで残るんですよ。
[ 瞬間、暗闇。 電気が消えたのだと理解するまで数秒。 暗闇に目が慣れて周りが見え始める。
漆塗りの白木の仏壇。 金箔の装飾が浮かび上がる。 葬儀場の、古い箪笥の中身のような、 立ち昇る香が染み付いた畳の匂い。
通夜が終わった後の静謐。 親族が亡くなった人と過ごす最後の場所から明かりが消えた。
其処にいた筈の人影がいない。]
(36) 2018/03/27(Tue) 00時半頃
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どちらにいらっしゃいますか?
[ 焦りを覚えた。 急に消えるなどあり得ない。 神隠し、などという妄想が頭の中で輪郭を持ち始める。 仮眠室で読んだオカルト雑誌で特集が組まれていたか。 否、今はどうでもいいだろう。]
(37) 2018/03/27(Tue) 00時半頃
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[ 繊細な文壇が在る手前手当たり次第という訳にもいかず、 じ、と視線を巡らせて探した。 見つけるより先に音が届く。 その人は畳の上に蹲って「もう嫌」と呟いた。
此処は親族が亡くなった人と過ごす最後の場所。 その場に居るのは自分とただ一人、 未だ制服も脱がない少女のみ。
あと一人、居ると言えば居る。 浮かぶ白い顔。 その人は蹲った少女の傍で沈黙を決め込んでいた。 明日には人の形では無くなり、人にしては余りにも無臭。
今日は少女の母の通夜である。]*
(38) 2018/03/27(Tue) 00時半頃
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