219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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─ 回想 / 3rd Day ─
ええ。 ───友人であり、相棒で。
(>>12 実、悪いと思う言葉の裏。 きみに甘えちまっているのだとしても、 その優しさに凭れ掛かっちまうように 罪悪感は浮いて、口角が上がって仕舞った、が。 そののちに続いた言の葉に、 ぱち、と、鉄砲を喰らった鳩のような顔をしてから 浮かべるは、人形箱の如き─── ”家”。)
……ははっ、そう見えますか? (…兄さんとは違って、) 研鑽の足りねえ不肖もんですから、 僕は未だ未だ、達観ってもんに遠いかと。
(73) 2017/06/17(Sat) 16時頃
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犠牲なんざ……、 やりたいようにやってるだけですよ。 ……”僕は”。
[礼儀も分別も、 家元として斯くあるべきの常識を覚えるのはのち。 それでも厳格に”躾”られる兄を日日目にして、 自然と身についた隣人愛にも似た他者への礼儀は。
(古来、──和を貴ばれた精神の如く。)
男にとっては当たり前だと思っているからこそ、 謙虚のつもりも無く、うなじに手をやるのだ。 競わねばならぬ筈の、──この場に於いても。]
(是がのちの「藤之助」としての名を継いだ 男であれば、曖昧に笑うだけだっただろう。)
(74) 2017/06/17(Sat) 16時頃
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(>>13 そうは言っても、差し出されたもんを。 受け取りにくくならねえように添えた、 半分本音の”交換条件”を了承するような笑みが 玻璃に映れば、安息とともに笑み直した。)
いや、是が本名で。 芸名ってのは、僕は───ねえですが。 よく言われますがね。
[遇らわれた花の名の格好の所為か、 時折ある問いと同じものには、はは、と亦苦笑い。 うなじから手を離すようにして、はた、と 目を留めるは「もうひとつ」と前置かれて>>14 ”置かれた”小さな青にぱちくりと回した目は一寸。]
(75) 2017/06/17(Sat) 16時頃
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(他者への警戒心のひとつふたつ。 有れば、その問いの意味を探るのだろう。 だが、僕は、───。)
”洛陽城東 桃李の花 飛び来たり飛び去たって誰が家にか落つ──”
[落とされたウィンクの茶目っ気に、 ふ、と、”気に入った”とばかりに咲った。 若さ故の言葉の荒削りさだとか、見目の張りはあれど、 その様ばかりはのちの男と重なる──かもしれない。]
(吟じれば扇一閃。 ひらりと泳じる、何処からともなく訪れた 花びらは唄に合わせて桃と李の。 ふたいろが渦巻けば刀の形と成って、 男の下駄の前に二本、交差するように地に刺さる。)
(76) 2017/06/17(Sat) 16時頃
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ひとは十人十色だと言うもんですが、 サイキックってのも十色で面白えもんですね。 ……そして、須らく物理法則ってのは、 超えてんだろうか。
(「僕は斯うして、 刀を舞わせるくらいのもんですが。」 そう宙空に浮いたバッジを面白がるよな目線を 這わせた後、愉快を見せて貰ったと瞳を眇めた。)
[>>15 忘却に飲み込まれてしまった思い出の中、 偶と居合わせたのちの男は依頼者との繋ぎとして かれを案内した事もあったかもしれない。]
(77) 2017/06/17(Sat) 16時頃
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[>>16 然うして、次には。 バッジの下に差し込まれた掌があれば、 すとん、と落ちる青の小気味良い音を聞きながら 足元の剣を花びらととも散じさせ。 黙礼を黙礼で返した後、だ。
>>3:555きみにテレパシーでバッジについて 断りを入れれば、帰って来た返事に淡く綻ぶ。]
『……きみなら、 そう言ってくれると思っていた。』
(78) 2017/06/17(Sat) 16時頃
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( ”なあ、きみは。 ほんとうにきみで、──輝久なんだよな。”
………なんて、水面に石を投じるような 真似は到底、出来なかった。 )
(79) 2017/06/17(Sat) 16時頃
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(……若しも、 きみが輝久でない誰かであれば その口から教えて欲しいと思うのは悪い事だろうか。 ”死人に口無し。” ほんとうに口が無くなってしまう前に、な。 )
[─── 僕では、輝久である事を諦められないのだ。] [まるで、この身から分別が枯れ落ちちまったみたいに。] (……きみにつけ続ける、見えない疵を知らぬ儘に。 ぐるりと渦巻く不安に瞼を閉ざせば、丁度。 然うしてその日も又、1日の帳を落としたのだ。)*
(81) 2017/06/17(Sat) 16時頃
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( 『伝えられるときに伝えないと』 )
[>>@2:97 声色なんてもの変わらない筈の機械音でも、 ふッ、と声量が下がったの為ら、 彩の変わったように思えるもので 何故かは分からないのに、深、と沈んだ。
死神の語った目紛しい言葉のうち、 あの時は何も刺さらなかった何某かも、 時が経てば触れた指に疵を作る ───花瓶片の心地に能く似ている。]
(…朧霞の中で待つだけでは、 いけないのかもしれない と 分かっても、尚、……女々しいもので。)
(98) 2017/06/17(Sat) 16時半頃
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─ 4th Day / サイガワラ駅東口 ─
[───4度目と成れば、 電灯が燈るように起こす意識も滔と慣れる。]
(唯、浮ついたこころに錘が乗ったように、 地に足が着いた感覚が深まったのは。 >>99昨日の少年との遣り取りの所為──、 ……なんだろう。)
[案の定、 きみの姿は見えないものだから、息を伸ばした。 誰かと語っているうちは追いやれた不安だとか、 そう言うものの渦を踏み潰すように、下駄を鳴らす。]
(100) 2017/06/17(Sat) 17時頃
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(「ははは、態態普通ってんだから ほんとうのところは如何なのやら。 ……なんてな。
藤宮竜胆さ。二十二歳、 ま、──下積み中ってとこかね。 妖狐でも八尾比丘尼でも吸血鬼でもねえ、 ”一般人”だ。 …見ての通りの筈なんだがな。」)
[>>99昨日少年と交わした挨拶はそんな様に。 微かに意識が落ちる迄の記憶を空に這わせながら、 きみにひとつ、何時もと違った問いを 投げようとした時であった───。]
(109) 2017/06/17(Sat) 17時半頃
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( 何時ものように奔る違和感>>#0、 鳴り響いたメールを確認してから 「はあ、」と唸って目をまんまるに。 )
……羊、ってのは。 あの”沈黙の羊像”──か? 二つってのはなんだ。真っ二つなのか、 ──”あんなふうに”首だけなのか……。
[ふい、と端末からかんばせを浮かせ。 辺りを見回すふうにした時に丁度東口の入り口から 見えたホームでまあ、>>#5ころころと転がっている 羊の頭みたいなものがあったものだから、目を留め。]
(や、余りにも馴染んでたもんだからな。 自然と口に出しちまったもんなんだが、……。)
(112) 2017/06/17(Sat) 18時頃
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や、 あれだろう。
[驚嘆に丸めたのも一寸。 >>#4首狩り人めいたミンクが流れて来る様は 未だ見えちゃいえないが、から、と慌てて地を蹴る。]
(憐れな羊像を目にせずとも、 ああも首を転がされちゃ、厭が応にでも悟る訳だ!)
[──あんなにも目立つふうに首を転がされているのに、 周囲は誰も気付かないのが何処ぞ滑稽。 まるで僕らへの皮肉のようだ、と思うのも 一瞬過ぎってく思考の一部分に過ぎないもんで。]
(114) 2017/06/17(Sat) 18時頃
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[その代わり、 駅の構内へと向かおうと足は。 別の思考に因って、ふい、と留まる。]
(……”建物の中”じゃあ姿は見えるってんなら、 駅の中もそうだとしたら───。 ホームに出るまでは、時間が掛かんじゃねえか。)
[如何したもんか、と考える合間。 先刻話しかけそびれたきみに不意と、 『……駅で羊の首が転がされてんだが』と なんとも言えねえ気分でテレパシーを念ずる裏。] (落ちた首は、───椿の花を思わせる。)
(115) 2017/06/17(Sat) 18時頃
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(未だに手掛かりひとつ無い散り様が、 ふ、とこんな時に気に掛かっちまうもんで。 付け添えるにしては唐突な問いを、ぽんと。)
『───そう言や、きみは。 自分が如何して死んだかってのは、 ……覚えてるか?』
[何時もであれば、「何処に居る?」と聞くことばが。 然うと置き換わっていた事を、きみは何とするだろう。]
(119) 2017/06/17(Sat) 18時頃
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(……こう、距離があっては。 その顔色どころか、息遣いも聞こえねえもんだから 言葉以外では、その気も知れんだろうが。)
[問いをきみに投げれば、 改めて、場外から見上げる形になるホームを覗く。 遠影からは分かり辛い何某かに向き直れば、]
(その、頭だけ手放してくれりゃいいんだが…。)
[端末と入れ違えるように手元に扇を拾い上げ、 羊の頭と戯れる”それ”に威嚇のように花から生る 真剣を一本、───掠める程度か、 当たらなくても、その頭から気を逸らしてくれたらと 疾らせて見たのだが……。]
(如何に土竜に似ているような影に見えても、 床にまで穴を掘れるなんてのは存ぜぬところ。)*
(121) 2017/06/17(Sat) 18時半頃
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─ サイガワラ駅 ─
…… !?
混凝土に穴掘れんのか…!?
[>>#7 首を捻る影がゆらと揺れたかと思えば、 からん と追いかける涼やかよりも早く その頭ごと地に潜ってくような様が在る。 ]
(……逃げんのは想定内。 だが普通は飛ぶなり、地を駆けるなり するもんだと思うからこそ、…其処で漸く。 ははァ、成る程。土竜だからか、と思う訳だが。)
────…って、関心してる場合じゃねえな…。
(136) 2017/06/17(Sat) 20時頃
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(逃げ場が地中でさえ無きゃ、 留める手段は幾らでもあるもんだろうが。 ───潜られんのなら、ちと分が悪い。)
[そう言や。 昨日迄に見たサイキックの持ち主に頼れば、 何某かは出来んじゃねえか、と、考えて──。
(……人手を探す方が先決かねえ、)
長い息を吐き出した末に、ゆる、と首を傾げては、 逃げてったほうの手掛かりだとかでもありゃいいんだが、 と踵を返そうした折。
ホームの外、混凝土から土瀝青の変わり目。 北東の方角に>>#7足跡のように盛り上がる移動痕。 これも周囲の人様は全く以って気づいた様子のねえ事に 慣れては来たが、(…不思議だよなァ)と改めて 傾げる角度を深めたのだった。]
(138) 2017/06/17(Sat) 20時頃
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[……きみへの 返事が帰ってくる訳でも無いから、 取り敢えず一旦ひとを探しに出て見るか。 或るいはこのまんま追っかけるか。
交差点と北のほうを見較べて、 暫くは逡巡している。]**
(139) 2017/06/17(Sat) 20時頃
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─ サイガワラ駅周辺 ─
[近づく足音も、 雑踏の中に呑まれて仕舞えば聞き辛く。 >>165遠く、昨日聞いたばかりの気がする声が 風に乗って来た気がして、振向こうとしたのだが──。
>>166 扨、駅周辺なんてのは、人影も多いもの。 音の出どころ迄は見つけられずに 首を傾げるだけになっただろうか。]
(先を急ぐ姿のひとつ見つけられたの為ら、 逆に手を上げて、声を掛け直したもんだが。)
(174) 2017/06/17(Sat) 22時半頃
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─── …… 取り敢えず、 追いかけてみるだけ、追いかけてみるかねえ。
(今日はきみと合流しよう、なんて言葉が 不思議と憚れちまったのは、微かに残った蟠り。
ゆる、とした足取りで、そのうちに 誰かに出会えるかもしれねえし、と 土竜の足跡を追って、北の方へと往こうとした。)*
(179) 2017/06/17(Sat) 22時半頃
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─ 追憶譚 / ─
( ”初め”に殺した己は、─── )
[或る日だった。 淡い色で孤独に咲き誇る紫花に伸びた腕は、 庭先に植えわった一輪の花弁を無心で捥いだ。 滅茶苦茶に砕かれたそれらを掌に載せて、 我に帰った時には、何をしているのだろう、と思った。]
( ……嗚呼、きみと仲の好さそうな何某か。 ふ、と浮かんだ醜悪な執着のひとひらを、 風が運んで往くまゝに、見て居た。 )
[──流れた時の果て、 きみの婚約を聞いた何時かじゃあ、 手折った花の残骸の数に嗤った。]
(252) 2017/06/18(Sun) 00時半頃
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( …嗚呼、然うして 同じ名の華を殺し、諦めて来たのに。 )*
(253) 2017/06/18(Sun) 00時半頃
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── 4th Day / 北エリア ─
[駅から東伝いに上へと昇って、 丁度北エリアへと踏み入ったころであった。 >>@19東から北へ、よたよたと登っては 周回するようにやってきた人鳥が一匹。]
(ぱち、と瞬いたもんなら。 まァた、随分可愛らしいもんが来たなあ、と。)
……だがまァ、 鮫と言い、今度は水辺の生き物ブーム… ……ってやつなのかねえ?
[※きっと違います]
(257) 2017/06/18(Sun) 00時半頃
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[ゆる、と首を傾げては。 扇子を帯に差して手招きでもして見ようと 男は思ったものだが、───。]
( ……>>3:@42ふ、と、 その首元にはたり、目も留まり。 )
……っと、何下げてんだろうな? きみは。
[ぱたぱたと寄ってきたその人鳥に、 膝を曲げて、地に着物の裾をあんまし付けねえよう 気を払いながら、手を伸ばそうしたところで───。
人鳥が、ぺた、っと転んだ。]
(258) 2017/06/18(Sun) 00時半頃
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(微笑ましいもんだなァ、と 最初の日に見たお狐さんたちを思い出しながら 立つのを手伝ってやろうか、と思った時だった。 ぎら、っと人鳥の目がこっちを向いたのに、 ぱちくり、と回した瞳硝子は反応が遅れて──)
─── っ わ、 !?
[…──腹ばいになった人鳥に突進されて尻餅をついた。]
(260) 2017/06/18(Sun) 00時半頃
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あ、っぶねえな……!?
(こうと見えても、中々舞踊も体力勝負で。 運動神経ってのが悪い、って訳でも無い。 姿勢は崩したが、暴れる人鳥にべしべしと 叩かれながら、───キャッチしちまった。)
はいはい、離してやるから暴れなさんなって……! ……嗚呼、そうだ。その袋の中身、って───、
[叩かれながらも、地に下ろして解放してやる直前。 首に掛かってた巾着袋を一瞬見ていいもんか悩んだが、 動物園だか水族館だかから逃げ出したわけでも 無さそうなら、──その刺青じみたあしらいは 雑音だろう、と。]
(261) 2017/06/18(Sun) 00時半頃
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(……為ら、 何か死神さんだとかが掛けたもん じゃあねえのかな、と。
何かあの土竜を 捕まえられるアイテムのようなものを 期待しちまいながら───。
ひょい、っと、その首に掛かる袋を貰ったんだ。) [……とは言え、立ち上がっても あんまり突っつかれる様に着物裾が破けちまいそうで 怖かったもんだから、から、と下駄を鳴らせば、 「ごめんな、」と意思が通じるかもわからねえのに つい癖で謝り言葉ひとつ。落とせば、と、と、退く。]
(266) 2017/06/18(Sun) 00時半頃
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[よみのクリニック迄の道中、 ちょいと逸れた道を戻りながら。 つい、と貰ってきた巾着袋を翳せば、 紐がゆらら、と揺れた。]
( 中身を紐解けば、ころ、と転がり出すのは ───>>@3:42見慣れた青いバッジ。)
……嗚呼、こりゃ嬉しいが。 あのすばっしこいのを捕まえられそうでは ねえなあ……。
[ううん、と軽く唸るのをひとつ。 頰に垂れた黒髪を耳へと掻き上げなんかしながら、 再び、地に残った首持つものの痕跡を追うのだった。]*
(273) 2017/06/18(Sun) 01時頃
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─ 北エリア / よみのクリニック手前 ─
[きみが傷を負ったなんて知ったら、 (────喩えきみが”誰であろうとも。) 如何して素直に羊のほうに足を向けなかったのか、 如何して何処に居るのか訊くのを憚れちまったのか。 ───遅れてきっと、悔やんだろうに。]
(きみは、それってのを教えてくれやしないから。)
[遅れた返事だろうとも、 返ってきたことに安堵したふうに一息を伸ばした。 今迄手に入れたバッジを人鳥が持っていた巾着に 丁度良さそうだったんで、納めながら───。
───ちら、と、痕を追いかけて辿り着いた 「よみのクリニック」と書かれた看板を仰いだ。]
(352) 2017/06/18(Sun) 14時頃
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『臆、矢張り…だよなァ。 取り戻そうと思ったんだが、 土竜に持って逃げられちまった。
……見て貰えりゃ早いんだが、 ありゃ、如何やって捕まえりゃいいのやら。』
[「何せ、混凝土を掘って逃げるもんだから……。」
テレパシーだろうと不甲斐なさを綯い交ぜにした 少々困った彩を載せてから、髪束をする、と弄る。 なぞられる憶測の間にあった空白の時間の事は、 必要最低限はまるっと隠しておくのであった。]
( ……嗚呼、でも。 聞き辛いことを聞いちまったせいで、 返事が帰って来ないのかと思ったから。 それだけでも、……安心しちまって。 )
(356) 2017/06/18(Sun) 14時頃
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[>>315 怪我の報告の代わりに続いた───。 きみがきみで無いの為ら、 はぐらかせる事のあるかと思った問いに ひゅ、と鳴る喉を、(……誰も見てないってのに、) 押し隠すように、俯いた。]
『………そうか。 嗚呼、───記憶がねえ、ってのは。 薮から蛇を突くもんかも知れんが、それでも…… 他の誰かに訊くより、きみが知ってんなら、』
[『きみの口から、聞きてえな。』
今じゃなく、会ってから。 そうやって、矢張り誰も見てねえのに作り笑う 僕も──先延ばしにしたかった、って奴なんだろう。]
(361) 2017/06/18(Sun) 14時半頃
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『……今、駅からは離れててな。 よみのクリニックの手前に居るから。 ───きみを待ってるよ。』
[>>315 きみの息の音も聞こえないのに、 奇遇はそれに重ねるが如く、宙空に溜めた息を棄て。 触れたガードレールに力を抜くよう、体重を預けた。]*
(362) 2017/06/18(Sun) 14時半頃
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─ 北エリア / よみのクリニック前 ─
『嗚呼、あの速度ってのは……、 土竜じゃねえ何かに化かされたかと思ったよ。』
[──そも、雑音で在って、元来の動物では無い。 そう言うものが須くすっぽ抜けて居るのは扨置き。
(>>383きみが不思議がるのであれば、 誇張でもなんでも無く、言ったであろうよ! >>#4常人が走って追いかけるのよりゃ、 ありゃあ、ずうっと疾いだろうな、ってな。)
まァ、 話だけじゃあ分かり辛い事この上無さそうな きみが感じない分の感慨を噛み締めるようにして、 (笑い事でもねえんだが)くつくつと嗤ったのは。
………其処迄のこと。]
(405) 2017/06/18(Sun) 20時頃
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(……然う改って良い事、なんて。 ある筈も無いのは、流石にね。 めでたい夢遊の頭も、莫迦ではねえから。)
[促す勇ましさも無いこころは、弱いもので。 唯、きみの声が、きみの言葉で話してくれると 言うの為ら、───>>386その足音を、待つばかり。]
(406) 2017/06/18(Sun) 20時頃
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[……けれども、なあ。 如何やって咎められようか。 罰されるべきであるのは善意の他者より、 他人を見続けた愚かもの、だろう。
(死路にあっても、きみとともに為ら。 ほんとうは、生き返れなくたって良い、だとか。 ほんの少しでも、思っちまったから──…。)
───薄薄と、徐徐に。 違和の小石は、積まれていたと謂うのに。]
(407) 2017/06/18(Sun) 20時頃
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……や、
(昨日聞いた、きみに良く似た見知らぬひとの名。 覚えの無い、「先生」なんて呼び名に、 抜け落ちた記憶を重ねて待つ間の祈る心地も。 >>387見慣れたすがたが見えた為ら、 にがいろは水底に隠し 袖先をひら、と振った。)
(408) 2017/06/18(Sun) 20時頃
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……。 ………───
(ただ。醒めかけた玻璃は、 >>387突きつけられるような一言に 大きく瞬けば、罰の悪そうな顔をして 目を逸らすのだけは、止められなかった。 「やっぱりなあ」 と 此処迄来れば、 ……すとん、と落ちていた。) [ほんとうはかれの記憶こそが間違いで。 僕の思うところこそがほんものなのだと、 思い込みたがる女々しさは諦めがどうにも悪い。 それでも、何処かじゃあ、分かっていたのだ。
───如何にぴんと来ないミルクパズルで、 たちの悪い冗談のようでも。 あとのピースが数片なら否応なく、]
(409) 2017/06/18(Sun) 20時頃
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[灰色の混凝土に転がり落ちていた瞳硝子は、 鉛玉に変わってしまったように。 只、只管、重く感じられた。
その感覚も、気怠さも、重い挙動も、 頰に垂れた黒髪を持ち上げる仕草で誤魔化して、 >>387委ねる問いに思ったのは何故やら。]
(……まァた、先生か。) (そんな、逃避にも似た──。) [そんな呑気なもんだから、 くい、と無理矢理重力に抗うように上げた眼差しは 咎めるでも宥めるでも、許すでも無く、こんな事を謂う。]
”きみ”は、僕の事を知ってるんだろうか。 いや、知ってんだよな。 そんなふうに、言ってたもんな。
……でもなァ、
(410) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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なァ、その先生ってのは、 如何にかならねえんだろうか。
………きみの先生だったんだとしても、 悪いが、その記憶っての一切ねえんだ。 だから、……──呼び捨てでもなんでも良いから。
(「呼び難いなら、 きみの知ってる”先生”ってのとは、 ────違う人間だと思えば良い。」
そんな事を、そんなふうに、付け添えてさ。)
[ 伺う限りじゃあ、見目ばかりは同じ頃合い。 (僕が知って居る「輝久」の、儘の年のような、) そんなかれに先生なんて呼び方は如何せん、 擽った過ぎてしまったものだから。 ]
(411) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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(そうやってその子に微笑む顔ってのは、 気を遣った心算でも、何処だか矢張り、…… 他所様向けになっちまうもので。
……其れは、許されなくても良い。)
[はは、と笑う音だけは何時ものよう。 「ところで、きみはどう呼べばいい?」と呼びかけ乍ら。 ガードレールに寄り掛っていた腰を上げて 曖昧に微笑った。]
(きみの良く知る、「先生」のように。)
[───色づいていた世界が忽ち、 うつつに目を見遣れば鮮やかさを手放してゆくよう。 ふ、と振り向いた、灰色の世界は何処までも、]
(412) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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( ……虚しく、思えて。 )
(413) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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(そんな想いも、奥底に鍵を掛けた。)
[から、と下駄を転がして。 土竜の掘った地下洞のあたりを踏みつける。 見下ろした玻璃硝子が一度無くした彩は、]
……え?
[>>387 突飛な問いに数度瞬いているうちに呆気に染まった。 友人に良く似た青年が至極真面目そうに そんな事を聞いていると思えば、何処か可笑しくなって ───くく、と笑息を漏らしてしまった。]
( ……けどまァ、それはな。誤魔化さなかった。 )
(417) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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……二十二、だよ。 きみの知ってる僕ってのは、幾つなんだ?
(そもそも彼が、”元の僕”とやらが居るとして。 その年を知ってるかも分からなかったが。 問い返したのは唯の、興味本位。 序で、「……それと、”ほんものの”輝久は、」 続けかけたことばは、脈打つこころが邪魔をする。)
[ 「……ミッション。 多分、未だ居るなら、この裏手なんだが。 追いかけて見るかい。」
言えなかった問いを当たり障りのないことに差し変えて、 ぽつ、と語り出された言葉の合間を拭いながら。 話すばかりで動かないのも悪いだろう、と、 掌の赤い時を開き、眺めてから、ゆる、と彼へ。
───是迄のように、首を傾げた。]*
(418) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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(咎め無かったのは、彼に咎等無いから。 許さ無かったのは、──── …… 。)
(506) 2017/06/19(Mon) 00時半頃
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[かれの曖昧の物言いに、 ゆら、と揺れた瞳瞼へ>>469言い澱むさまが 水面に投じられた小石の如く 乗り掛かり、 不思議の彩を頓狂にさざめかせたのは一寸。]
( 『先生は私より、当分、 ────』 ) (気を惹いた続きを促そうと浮いた口は、 >>469きみの呼んだ略名に一度、沈んだ。 ……それから、閑かにさ、笑ったんだ。)
そう呼ばれんのは、──初めてだなぁ…。 随分男らしい名みてえになって。 ははっ、気に入った。
[───嗚呼、ほんとうに。 輝久じゃあねえんだな、と、痛みを食い縛って。]
(507) 2017/06/19(Mon) 00時半頃
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( 昨日の少年に聞いた通りの名だからこそ、 何とか、玻璃は曇らずに済んだ。 )
───じゃあ、榴斗君。 ……ってのも、今更他人行儀か。
それじゃあ、榴斗……な。 その敬語も如何にかなりゃあ言う事無しなんだが。
[「まァ、無理は言わねえよ。」
その呼び名が改まっただけでも上出来だ、とね。 ぽっかりと空いた仰々しさの分の距離でも埋めるよう 立ち上がった足で亦、かららと足のひとつ転がせば、 背をひとつ。──ぽん、と叩いた。]
(508) 2017/06/19(Mon) 00時半頃
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( ……きみを悩みを知らないまま、 巻き込んだきみを生かさねばならぬ、と思う。 その裏で芽生えた昏さは笑みの奥に綴じて、 今は、>>493代わりに逸れた瞳を追うばかり。 )
(509) 2017/06/19(Mon) 00時半頃
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[かれの何処と無い後悔など、 知るべくも無いからこそ、斯うして見れば ”きみ”と全然似ていなさそうな彼を 微笑ましげに見遣って、
──>>493重なるのは、 瞬きに連ねる瞬き。]
……そんの……、つもりなんだけどなァ。
(厭、巫山戯た洒落って訳でも無かったんだが、 きみの驚きように驚嘆が移っちまったように うなじに手をやってから──── …。)
(510) 2017/06/19(Mon) 00時半頃
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……よんじゅ、
( ───って事は、 )
[単純に数えれば二十年以上経っている灰色の世界を、 咄嗟慌てて仰いで仕舞ったのも、きっと仕方無い噺。]
(だからと思えば、このカルチャーショック、 とも呼べそうな出来事に納得は行くが、───。)
………はー…。 エントリー料ってのあるなら。 時か記憶かと思ってが、実際聞きゃ驚くな…。
[「色々聞きてえ事は未だあるが、」と。 >>503置き換えた申し出の首肯とともに踏み出した足は、 裏手を覗こうとした折、───>>468 地面を睨む二人に、ふ、と気づいた。]
(513) 2017/06/19(Mon) 00時半頃
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[がたいの良い姿と並ぶ、 少女の姿は親子と呼ぶに年の近過ぎて、 けれど、恋人と呼ぶには離れているように見えて──。]
(……あんまし、見んのも失礼だよなァ……)
[親戚とかそんなのなんだろう、と、 浮かんだ邪推にいけない、いけない、とばかり 逆さの勘違いを思考の隅に追いやろうとしたのに、
(>>467向こうさんに勘違いさせてるとも、 思いやなんかしねえもんだから!)
少女と手を繋いだ男へ玻璃がくる、と踵を返したのは 少なからず見た事のある顔だ、と気づいたからだ。]
(但し、気づいたころには土竜への道の先に かれらは進んでいた訳だが。)
(516) 2017/06/19(Mon) 00時半頃
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───……ありゃ、林口さんか?
(きみが会っているとも気づかなかったが、 自然と溢れた呟きは、音になるもの。 そこで追うようにきみを振り向いたところで、 漸く、その白い着物に染みたまばらの赤。
───血染みと、 包帯の巻かれた手なんかに気づけば、 「……その怪我、如何したんだ?」と。 眉を潜めりゃ、これ以上傷を作らせる訳にも 行かねえから、「待ってても構わねえよ、」なんて 控えめに言ってみたもんだが、如何だったやら。)
[ そんな遣り取りをしていたもんだから、 先に着いていた癖、追いついたのは暫く後。 ]
(523) 2017/06/19(Mon) 00時半頃
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( …>>521待つか如何かは、 かれの意思に委ねて。 )
[>>500 ぶよぶよになった地面にはぱッとじゃ気づかんが、 >>502その手の羊頭に嗚呼、取り戻したんだな、と 見えたのは分かったが。]
( ……確か、戻せ、…って ミッションだったよなァ…。 )
[序でに鮫が見た目からまァ、>>521 柔らかそうになって>>524絶たれる一連迄見たのち。 >>525遣り取りの一端なんぞを聞きながら、 「……出番は無かったかねぇ」と、影で苦く笑った。]*
(526) 2017/06/19(Mon) 01時頃
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( この傷みと謂うやつは、 ほんとうに唯の痛み分けなのか、───。
実のところひとを呪わば穴二つ、 と言うやつでは無いのか。
─── さあ? )
(586) 2017/06/19(Mon) 04時頃
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(今やきみは。 >>573僕の知らない僕を知っているのだから、 能く知っている、と言っても違いないだろうに。)
[……そんな謙虚なかれの一つ足りとも、 此処数日過ごして来て分かる筈の事でさえ。 ”きみ”を見て来たひとみは忽ちに曇り続けていたから、 分からなかったのだ。 ───なにひとつ。]
[……似ている、と謂う事以外。]
(587) 2017/06/19(Mon) 04時頃
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( 何故、かれが似ているのか。 何故、かれが僕を知っているのか。 何故、かれがきみと同じ苗字なのか。 )
[問いと時を連ねてゆけば、 分かる筈の事柄に、そ──、ッと。 この手で蓋をする。]
[ ──知らなければいけないと分かって尚、 …… 知りたく無かった弱い手だ。 ]
(588) 2017/06/19(Mon) 04時頃
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ははっ、それじゃあ益々 古風になっちまってるじゃあねえか。
[「喋り難いなら無理せんでも良いさ。 …あくまで然うなら好いな、ってだけだしな。」
意識した自然なんてものは最早、人為だ。>>575 全く以って滑らかさの無い言葉遣いなんてものを、 面白がるよに鳴った下駄に併せて、からりと嗤った。]
(───背を叩いた拍子に蹌踉く千鳥足の半歩分、 前のめる姿を慌てて支えて、「……っと、悪い」なんて にがわらいしちまったのだが。)
(589) 2017/06/19(Mon) 04時頃
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[>>576 嗚呼、いつか。 置き去りにされた過去の追憶の中で、 差し伸べたつもりの腕も、 遠回しに背負い込むな、と告げた口も。 何の口──だったのだ。]
(………自分の荷でさえ、深深と積み続けて 一度足りとも他者に渡した事など無かったものが どう、荷を担う手の差し出し方を知るのでしょう。)
[自分が然うであったから 説いた心算も、黙させて仕舞ったのなら ───忘れものに加わるくらい、至極薄っぺらい言葉。]
(590) 2017/06/19(Mon) 04時半頃
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……記憶が残ってたんなら、 喜ばしかったんだがなぁ。
( 世の中には、覚えていないほうが 好い事があるのだとしても。 )
[心構えが出来ていた分、衝撃は少なくとも。 それでも、流れた時を思えば、思うところは幾許か。 時間旅行とそう変わらない気分にめでたさは無い儘、 >>577驚嘆さえも煙に捲くように苦笑に呑んで──。] (…>>578誤解を知った暁には にがわらいだけじゃあ済まなかったことを考えれば、 知らなくて良かったのは、間違いの無い噺。)
[正しく敬語の外れたかれに、 「能く出来ました」とばかりに微笑んだ笑息は、 直ぐに戻った、作文なら怒られちまいそうな混合文に (…未だ難しいよな、)なんざ、苦い納得を綯い交ぜた。]
(591) 2017/06/19(Mon) 04時半頃
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[但し。 ぱち、と、「……きみ、知ってたのか?」なんて 遅れて見開く驚嘆が加わるのはまァ、御約束。 然うして振り返った拍子に見えた怪我も、 1日経てば綺麗さっぱり治るってのは知ってたが──。]
……そうか? でもまァ、………無理はしないでくれよ。
(「死んじまったら如何にもならねえんだから。」) (…言ってから、随分な皮肉か洒落だと気付いた。) [ そんな遣り取りもすれば片もついたミッション、 >>583ふたりして困ったように笑っては 此方としては顔を見合わせたりしてたもんだが。 ]
(592) 2017/06/19(Mon) 04時半頃
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(>>546>>544 二影が消えたら、「へぇ、」っと 昨日のぽとぽと足を落としたカラスの記憶を 塗り替える興味深げな声音を落としたのも間も無く。 此方に気付いてくれたらしいお嬢さんが 丁寧に教えてくれりゃ、腕組みひとつ。)
……成る程なァ。 ほんとにサイキックってのは、便利なもんだ。 嗚呼、───何事もねえよう。無事を祈っとこう。
[然うと首肯を落として間も無く、 ふ、と、潰えた赤数字にミッションの成功を知れば >>584かれが抜こうとした”剣”の事も知らないで、 >>549ぴょん、と隣の丈夫の彼に抱きつくお嬢さんに ぱちくりして、行き合いにしては仲良さげなさまに その通り、どんな関係なんだか考え掛けたものだが。]
(……”お互い様”ってのは未だ知らぬ事。)
(593) 2017/06/19(Mon) 05時頃
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[───何れ>>551>>556 少年が戻って来たの為ら。
>>585 少なくともかれが受け取る気が無さそうな以上、 「……僕にも、受け取る謂れはねえな」 と。 藤色の袖をはた、と揺らめかせて横に薙いだ。]
(かれの怪我の理由でも知れば、 怪我の巧妙もあったかも知んねえだから、と。 榴斗に受け取らせようとしたかもしれねえが、 ───知らぬ以上。)
……僕らは何にもしてねえんだから。 功労者が多く持っていたって、良いだろう?
[渡されたバッジを少年の手に握り直させて、 ────笑って、辞退をした。]**
(594) 2017/06/19(Mon) 05時頃
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