29 Sixth Heaven
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―廊下―
[溜息ついて、はじめたのは チャールズを探すことだったのだが。 スティーブンの勘の鈍さは残念としか 言いようがなかったようだ。]
ペラジー…? すまない、ミスター・チャールズを見なかっ、 …、…そうか。
[順に当たった挙句のすれ違いか。 丁度戻るところに出くわす。 ペラジーだけでなく、 フィリップらに説明を受ければ 気がかりそうに個室のあるほうを一度見て]
(0) 2011/04/21(Thu) 07時半頃
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スティーブンは、フィリップの様子に、少しばかり、どうしたのか、というような表情を浮かべた。
2011/04/21(Thu) 07時半頃
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[共に戻るは待機室か、 道中ペラジーが話したということを聞けば 彼の方を、見て]
…そうか。 私も探していたのだが、 入れ違いになったようだな。
ありがとう。
間に合うといい。…だが、
[間に合ったとて、 行き着く先は変わらないのか。 彼は決心してしまった。 ――貴方たちこそ哀れだと思う。 それは。どうなのだろうか。胸に沈む思いはわだかまる]
(1) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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いや、詫びることはない。
…――そうか。
君たちが決めたことならば。 …きっと、それがいちばん いい。 ―――そうだな。
[疲れた。その言葉には同意を示す。 確かに、からだというよりは、心の疲労が大きいか。 欠伸をするフィリップに、休むといい、と 声をかけもした。マーゴは彼に付き添うだろうか。 ペラジーにも君はどうするか、と尋ねる。
自分は一度、大部屋に戻るつもりだったが。]
(3) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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[待機室で、食事などをとったこともあろうか。 チャールズがベルナデットを連れて 戻ってくるのを見て、気がかりそうに見た後]
ラルフに貴方を殴れ、と謂われていたのですが。 ……。どちらに非があると私には謂えない。
[――結局のところ、「殴る」ことはなく。
共に行き、接続をすると決めたらしい チャールズとベルナデットのふたりを 待機室から見送ることとなるか。 時計を確かめる。昨日と同じくらいの時間。]
――……。
[スティーブンは なんとも 複雑な表情を浮かべていた。 かばんの上から聖書に触れた。]
(4) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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スティーブンは、フィリップに指摘されると、そうだろうか、と少しばかり考えるように僅かに眉を寄せたようだった。
2011/04/21(Thu) 08時頃
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[時計は止まらない。
しばらく彼らの消えた扉を睨むように見ていたが 疲労していたのは確かだったゆえ 仮眠を取るために11番の部屋へと。 眠るというならペラジーも連れて行ったろう。 スティーブンは自室で聖書を取り出し、 折り目のついた写真を 綺麗に伸ばそうとしながら。
ペラジーが見ていたなら]
これは、ミスター・チャールズの ……家族の写真だ。
[そう、説明をした。 ペラジーは、何か思うところはあったろうか。]
(5) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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―――ペラジー、 君に、家族は?
[答えを待つが先か、 今日は休むと言うが先か。
どちらにせよ 眠りに落ちたるまでに要した時間は然程長くない。]
(6) 2011/04/21(Thu) 08時頃
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[夢を見る。
まだ、任に就くこともなく 笑っていた友人の夢。
だが、気づけば遠ざかり 閉ざされたモニタの向こう側に笑みのないかれがいる。 叫んでも声は届かない。
モニタの向こうには コリーンが、トニーが、 先程向かったチャールズが、ベネットが―――居る、夢。]
(*0) 2011/04/21(Thu) 08時半頃
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「どちらの世界で生きるか、 ではありませんの?」
[パピヨンのこえ。]
「結論、出しました」
[フィリップの声。
泣いている子供がいる。 知るはずのない、巻き毛の少女。]
(*1) 2011/04/21(Thu) 08時半頃
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[泣いている少女が こちらを見た。
―――あれは、ヘンリエッタだ。
何故か、確信がある。 瞬きの後、己の傍らにペラジーが居ることに気づく]
あ、――――
[少女の口が動く。 何か、謂っている。 聞こえない。]
(*2) 2011/04/21(Thu) 08時半頃
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な、に―――――
[聞こえない。 歩み寄ろうとすれば
―――ぱん
と
ひどく乾いた音がして 少女の体はどさり、倒れる。 光なくした眸がスティーブンを映した。 薄く、笑っているようにも見えるそれ。]
―――あ、
[呆然。 がくり、膝を折る。 ペラジーは、動かない。]
(*3) 2011/04/21(Thu) 08時半頃
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[少女の背後にひとつの影。 見上げる前に気づく]
ギル…―――
[27歳で死に、止まったままの記憶の中のかれがいる。 わらっていなかった。 ひどく思い詰めたような顔。 手には、銃を持って。]
ギル、やめろ
[愛称、もう長らく呼んでいない。 止める。止まらない。 彼は銃口をこめかみにあてる。]
やめろ、
[止めようと動こうとするのに、体は言うことを聞かない。]
(*4) 2011/04/21(Thu) 08時半頃
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[手を伸ばして、 止めたい、止めなければ、どうして死ななければならない。だめだ。いくな。ギル。]
「スティーブ。…俺は」
[引き金を]
や、
[弾く]
やめろおぉぉぉ!!!!
(*5) 2011/04/21(Thu) 08時半頃
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―仮眠後:個室11―
っ―――!!
[息を飲み、天へ右手を伸ばす自分の動きで眼が覚めた。 心音が速い。]
っ、ぁ…
[悪夢。だった。 けれどそれは現実をなぞったもので――― 伸ばしていた手を降ろして顔を、覆う。]
―――――、ッ…
[きつく眼を閉じた。 悪夢に苛まれるのは、此処が本来通り負の感情を抱ける場所、だからなのか。]
(7) 2011/04/21(Thu) 08時半頃
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…は。 ――――どちらも、悪夢、か
[呟く。 此処を地獄の門と称したのはラルフだった。 来たばかりのときのやり取りを思いだし、苦い表情。 時計を見ると 寝間着用のシャツの釦をひとつ外し、息を一度吐いてから身なりを整え、着替えに移る]
(8) 2011/04/21(Thu) 09時頃
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[常の格好になれば 向かうのは待機室、 そこにはもう、誰かいただろうか。
まず、気になるのは モニタに他ならない。 やや不明瞭な音声と映像。息を荒げて、尋常ではない様子で逃げるように行くひとが見えた]
……ミスター・チャールズ……
[呟く表情には、苦味が浮かぶばかり**]
(9) 2011/04/21(Thu) 09時頃
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―待機室:現在―
[>>14モニタを見上げながら、 マーゴの言葉を思い出していた。
「決めたとは言いかねる。 私の気持ちは器を接続させたくない、 その方向に傾いているが ペラジーは…どうだろうな」
とても、今の彼の言葉が 真に彼の意志だとは思えないのだ、と
果たしてそれは彼らにどう映ったのか。 怠惰が蔓延ればどうなるだろうか。 今憤怒が足りぬ器、それだけでも 法を司るものに様々事件が舞い込んでくるというのに]
(15) 2011/04/21(Thu) 18時半頃
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―現在:待機部屋―
[問いかけてきたマーゴと、 彼女のパートナーであるフィリップを思う。 彼らは、どのような選択をしたのだろうか。
唇の端、すこしばかり膿んだように熱を持つ。
近しい者が何も謂わず自ら命を絶って その刺が今も胸に刺さって抜けない。 ギルバートは、世界に殺された。 無知であった己も同罪と、スティーブンは考えていた。 彼は、選べなかった。――だから]
――…、
[結局は器は死ぬのであろうと、 それも管理者が手にかけるのであろうと、 推測ながらも口にすれば、トニーは、チャールズは、――諦めたのだろうか。否、諦めたからといって、次の道は、あったのか。己の選択に問いかける。]
(18) 2011/04/21(Thu) 19時頃
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世界《システム》が 私たちを生かし 私たちを殺す
(*6) 2011/04/21(Thu) 19時頃
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――殺されるのを、もう。
見るのは、厭なのだ。
(*7) 2011/04/21(Thu) 19時頃
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スティーブンは、眉を寄せて、モニタを見上げている。眼鏡に光が反射、して*
2011/04/21(Thu) 19時頃
スティーブンは、モニタに手が届くなら画面にてを触れて
2011/04/21(Thu) 21時半頃
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―待機室―
…―――どうなっているのだ……――
[どこか不安げに、 モニタに緩く爪をたてる。 と。 ひとり、足音に気づき振り向く。 フィリップの姿があった。]
―――ああ。 ミスター・チャールズと、 ミス・ベルナデットが。
[――仮眠の前、 フィリップと交わした言葉。>>29 一度瞬いて、それから 僅かに眼を細めて 叶うなら、是非―――と、答えたのだった。]
(37) 2011/04/21(Thu) 22時半頃
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―待機室>>38― [フィリップの言葉に頷いて、]
…ああ、だが 上手く纏まったのかは、 少し、疑問だが。
[声、聞こえたそれに 眉を寄せてモニタに視線を戻す]
―――私は彼に本当のことを伝えられなかった。 眼をそらさないのも、また義務、ではなかろうかと―――思うのだ。
[ギルバートもまた、見たであろう―――それを。]
(40) 2011/04/21(Thu) 23時頃
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――――、…
意味などないかもしれないな。 ただ、私は自分の罪悪感故に―――行動しているだけかもしれない。
[あの時とは 立場が逆だ、と、思う。 同時に、フィリップたちが選んだ道もまた知る。
仮眠の織りに見た悪夢のせいだろうか。 眼鏡の奥の藍はかすかに揺れ モニタを、見た。]
(44) 2011/04/21(Thu) 23時半頃
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何も知らないでいた。 それゆえに私は知りたいと望む。 悔いもするだろう、 それも含めて。
[フィリップに殴られ生じ、 チャールズに抉る意図で触れられた傷が治らなければよいと、ひそかに思う。
ペラジーは――どうしていたろうか。]
(45) 2011/04/21(Thu) 23時半頃
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―待機室―
――――…
―――私は、 友の命を奪ったシステムを “憎んでいる”。
[明確に形となった負の感情を口にした]
…知って、今。 ―――システムなくとも 世界が成り立つようにはならないかと、…考えている。
システムができてから 100年を優に過ぎた今、 引き剥がすのは困難だとは、理解しているが。
―――犠牲の方が、大きいだろうな。
(53) 2011/04/22(Fri) 00時頃
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君の謂うとおりだ。 そうすれば、私は大罪人となるだろうな。 殺されても文句は言えない。
先の戦争より、酷いこととなるかもしれない。 100年。人はそう…「微温湯」に浸かっていたのだから。
[それはすこし、俯瞰したような物言い。]
――何が正しいとは、謂えない。 私は私の利己的な考えで、 動いているに他ならないのだろう。 だが負の感情を吸い上げられていない此処での思いは 確かに、私の思いでは、あるのだ。
[屈託なく笑うフィリップに、 藍はやはり、ほんの僅か細められたようだった]
(62) 2011/04/22(Fri) 00時半頃
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―待機室―
…――…。そうだな。 それは、生きていなければならない、な。 投げ出すわけにはいかないから。
[>>67フィリップに頷く。 藍はすこしだけ伏せられた。]
主観的、確かにな。 歴史の正義と悪が後付けであるように。
大切なもののために、 選択し、…思うままに生きるも またひとつの在り様。
(71) 2011/04/22(Fri) 01時半頃
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――そういうことだな。 …本来の己、ではなくなってしまう。
ラルフも厭っていた、な。
[モニタを見る眼は、何処か遠い。]
(73) 2011/04/22(Fri) 01時半頃
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[トニーの食べる様子は 異様、とも謂えるか。 食べて、食べて、それでも尚食べて。]
――そうだな。 彼は、どちらを選ぶのだろうな。
[眼を閉じる。]
…夢か…理想を追い求めた、結果か。 どちらにせよ、歪んではいるが
互いを尊重し 思い合い 慈愛に満ちて――
知らぬものには、“楽園”だった。 壊すことを躊躇するほどには。
(79) 2011/04/22(Fri) 02時半頃
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…ああ、
行ってやると、いい。
[マーゴのことを口にするフィリップに頷く。 自身も、ペラジーの様子は気にかかる。 フィリップが出て行くのを見送って、
もう一度モニタに顔を向けた。]
…偽りの楽園といえど…か。
[睨むような、痛みを堪えるような、 そんな表情で眉を、寄せて*]
(80) 2011/04/22(Fri) 02時半頃
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スティーブンは、足元に小さなねずみがうろついているのに気づく。
2011/04/22(Fri) 11時頃
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――…。
[白と赤で構成された 小さな人工生物を見下ろして、 スティーブンはわずかに眉を寄せて けれど蹴とばすようなことはなく。
見上げてくる赤い眼からは 己を危険分子として認識しているのか そうでないのか、感じ取れない。
ただプログラムどおりに動くのみだった。]
(81) 2011/04/22(Fri) 11時半頃
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――もし、反逆するなら 私を殺すかね?
[ねずみのかたちをした システムの下僕に小さく尋ねる。 答えが返るはずもない。
大部屋に居たのは、他に誰だったか。 フィリップはマーゴを探しに行って、 そのままもどってこない。
スティーブンは時計を確かめる。 上に居た時と変わらず 時を刻み続けるそれを見た後、
ペラジーを探すためか、モニタに背を向け、大部屋を後にした。]
(82) 2011/04/22(Fri) 11時半頃
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例えば此れで 私が死んだら
お前は怒るだろうか。 呆れるだろうか。 軽蔑するだろうか。
(*8) 2011/04/22(Fri) 11時半頃
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死者に声など無いと、
分かっているのに。
(*9) 2011/04/22(Fri) 11時半頃
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分かっているのに、――私は。
(*10) 2011/04/22(Fri) 11時半頃
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…ギル。
システムに関わってしまった者、 その、末路を知って 同じ立場になった今
私は己の管理する器であるペラジーも …他の器も接続させたくないと そう思う。
思うけれど、
――…、 …――
(*11) 2011/04/22(Fri) 14時頃
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―大部屋→廊下へ― [歩みはややゆっくりと、 フィリップと交わした言葉を思い出しながら>>84]
――楽園追放、と謂うならば。 作られたとはいえこのシステムは 「神」と言え、ならば、此処で得た智識は 禁断の果実とでも…
――……。
[らしくない。首を横に振る。 あちら側に行ってしまった 「色欲」を充てがわれたチャールズに託された聖書を、流し見る程度にしても開いたせいもあろうか。考えても救いは得られるわけではなかった。どちらを開いても悪夢なのだ、と。]
(87) 2011/04/22(Fri) 14時頃
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[まだ。自分たちは、選べる。
うえの平和を守るため、 唯々諾々と与えられた任を飲み下し 壊れるまで使い捨てられるのか。
見ず知らずのものたちをも巻き込む 災厄の扉を開くことになっても これを拒絶するのか。
ペラジーの言葉を、聞かなければと思い――]
(88) 2011/04/22(Fri) 14時半頃
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[先に個室を見に行こうとするならば パピヨンの姿を見つけることができようか。 盲の彼女へは、いつもの目礼ではなく声をかけて。]
マダム。 …どちらへ?
[ムパムピスは一緒ではないようだ。 待機部屋に向かうのなら――止めるべきだろうか、どうだろう。]
(89) 2011/04/22(Fri) 14時半頃
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―廊下― [パピヨンは何と答えたか。 案内が必要だと謂うのならば 手を貸すであろうが どちらにせよ、元の目的 ――ペラジーを探すことへと戻るだろう。
腕時計を確認する。
ここにいると、時間の感覚が 少しずつ、狂う。]
(91) 2011/04/22(Fri) 17時頃
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―→台所― [個室に寄ってもペラジーはおらず いくらか回り道をした末に台所に辿りつく。 食事の時間が近いのもあったが]
……
[灯りはついたままだった。 誰か、居るのだろうと スティーブンは歩みを進める。 誰も音を発しなければ 此処はひどく静かだった。]
ん、…
[程無く、青色を伏せて、眠るような様子の「怠惰」の器を見つけることができるか>>74]
(92) 2011/04/22(Fri) 17時頃
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―台所―
…おはよう。
[人形に似て首を傾ぐさま。 それでも、ペラジーの様子は 此処に己が来たばかりの時に比べると 随分と、動くようになったと思う。
転がり落ちた赤い実を、腰を折って拾い上げた。]
その鳥は――リベラ、だったか フィリップとではなく ずっと君と居るのだな。
[言いながら、開き放しになっている戸棚を閉めて行った。]
開いたら閉めたまえ。 埃も入るし、なにより危ない。
(97) 2011/04/22(Fri) 17時半頃
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―台所―
…そうかね。 フィリップの、飼い鳥だろう? 返さなくていいのか。
[戸棚を閉め終わり、落ちた苺は 皿の端に置いて、スティーブンはペラジーに近づく。]
戸棚が開いたままだとふとした拍子に 食器などが落ちてくるかもしれないだろう。
[「怠惰」のテンポは緩い。 「やっぱり思い出せないな」と独り言を呟いたのを、ふと思い出した。
鳥が首をかしげながらスティーブンを見る。 なんとなく手を伸ばしかけたが、やめた。]
(101) 2011/04/22(Fri) 18時半頃
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―台所―
それはそうだろう。 フィリップがリベラを 君に託すと謂った場合は別だが。
[腕時計を確かめる。 食事の時間だった。 冷凍食品のうち、一揃えになっているものを選んでレンジにいれた。そう言えば、人の手作りの食事を食べるなど、店以外では久しぶりだったな、とベルナデットの手料理を思い出す。]
プラスチックで出来ていても、 頭の上から落ちてきてぶつかったら痛いだろう。
[鳥が鳴く。1つ瞬いて、鮮やかな色のそれを見た。]
…何だね。と、いっても、答えはないか。
(105) 2011/04/22(Fri) 19時頃
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―台所へ行く前― [>>116 順番を――と謂われれば、少し、間をあけ、口を開いた。
「此処は時の感覚を狂わせる。 既に4日ほどは、経過しているようです。
決めなければならぬ――そうですね。 マダム、貴方は、どう思われますか。
貴方が私に謂ったように、 どちらで生きるか、選ぶならば。
私は、拒んでいる――」
彼女は、どうするのか。 ペラジーに行くな、と己は言えるのか。 「気持ちを決めた」と言っていた少女と少年が、今また茨の中でもがくように傷ついていることをまだ知らない。]
(123) 2011/04/22(Fri) 21時頃
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―台所― マダム、貴方もなにか 召し上がりますか。
[共に台所へと来たならパピヨンに尋ねる。 必要ならば、珈琲や茶、温 めるだけだが食事も用意できる。 席も勧めるが彼女はどう答えただろう。]
…ペラジー、 君にマダムが話があると。
[促せば、自身は邪魔をせぬよう、黙るつもりで]
(124) 2011/04/22(Fri) 21時頃
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スティーブンは、ペットボトルとコップを並べた。
2011/04/22(Fri) 21時半頃
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―台所―
―――、
[不意に鮮やかな羽が 羽ばたいて宙を舞う。 ペラジーのそばを離れて鳥は飛んでいってしまう]
急だな…
[呟く。 鳥の行動が示すところはわからない。 ペラジーはどうしていたか。]
(129) 2011/04/22(Fri) 22時頃
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―台所―
ああ、フィリップ君 ――…、どうしたね?
[様子が、随分と沈んでいるようだったせいか。 スティーブンは少し控えめな声で聞く。 どうやら冷蔵庫に用があるらしい が]
……。
[あお を見る。]
ペラジー、其処に居ると フィリップが、冷蔵庫を使えない。
(141) 2011/04/22(Fri) 22時半頃
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―台所― [パピヨンと共に台所に来る前に、 「これは私だけの意志です。 彼は、彼の意思では、何も答えていない。 私は、彼の意思を聞かねば成らない――」 と、そう謂ったのだった。 ゆえに。パピヨンがペラジーに投げた問いかけには ひとつ、瞬いて。だが口を挟まなかった。
>>144フィリップが問いに答える。]
…怪我?
[転んだ、とかそういうものではないだろう。 彼の様子に、深くは聞くことを避ける。]
救急箱は、必要ではないかね。
(148) 2011/04/22(Fri) 23時頃
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今、此処に持っているわけではなくてな… 医務室がある。 場所は――
[ペラジーとパピヨンの話も気にかかりつつ、 戸口の方をさして、フィリップと同じように やや小声で説明した。]
――……。
[藍の眸翳るのは、 選択の重さ、それゆえ 潰れそうなのではないかと、思い当たるゆえ]
選択は、重い。 …出来うるならばひとりではなくふたりで、 分かち合えればと思う。
[そんな風に、謂ったが。 表情は苦いもの。]
(154) 2011/04/22(Fri) 23時頃
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スティーブンは、パピヨンのほうへ顔を向けて、見つめた。
2011/04/22(Fri) 23時頃
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[>>159香るのは、柑橘の トパーズのいろした香気なのに 若葉に似た色の少年の眸は伏せられる。 選択。重い。どこまでも。けれど。
スティーブンはパピヨンを見る。
嗚呼、彼女の器は『傲慢』だったか。 そんなことが過ぎる。
「もどっちゃいけないの?」 「みんなで」 ペラジーの声に、眉を寄せる。 ――いけないはずがない。 口に仕掛けたとき 戸口から声。]
…ラルフ
[ラルフか、「強欲」かは、瞬時に判断はつかなかったが。]
(167) 2011/04/22(Fri) 23時半頃
|
|
―台所― [爆ぜた。笑みの仮面は其処にはない。
気配を察知したか どこからともなくネズミが顔を覗かせる。 それは恐らく、争いを警戒してのことだ。 システムは監視している。 器は貴重なものだから。]
……――
[自由の管理者と、 傲慢、そして強欲の器。]
ペラジー、君は 「皆で帰る」と、――此処にきたとき、 誰かと「約束」したのだろうかな。
(176) 2011/04/23(Sat) 00時頃
|
|
私は君の声を 途切れ途切れにしか聞いていないからな。 聞きたいと思っている。
[重い選択、彼に意味が届かなければ意味がないと スティーブンは考えている。
言葉交わす三人のほう、また見て。 スティーブンの側にネズミが小さく 尻尾を揺らしてくるりと回った。]
…ラルフ、酒瓶を手にするはいいが 振り回すようなことはしないでくれたまえよ。
[牽制は牽制になったかどうか。]
(177) 2011/04/23(Sat) 00時頃
|
|
ギルバート。
お前は、何を 思ったのか。
(*12) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
|
|
私の隣には
私の「管理」すべき「器」の青年がいる。
お前と同じ立場に立って。
あの時。 お前は、どうしていたのだろうか。
彼らの正義。彼らの主張。同じように、 きっとぶつかったのだろう。 何が正しいだなどと いえるはずがない――
(*13) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
|
|
――survival lottery
「人を殺してそれより多くの人を助けるのは よいことだろうか?」
哲学者が探す、答えの出ない問いかけに 未だに私たちは答えを出せないでいる。 答えではなく選び取るだけ。
(*14) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
|
|
ギルバートの出した答えは。 辿りつく先が、己の死だった。
(*15) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
|
|
私は、
止められなかった。
此処に来てからも
トニーも、ミスター・チャールズも。
(*16) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
|
|
―台所―
[うろたえたようなペラジーに、 スティーブンは静かに、 近づきすぎず、離れすぎぬ距離で居る。]
――……あまり引っ張ると 千切れてしまう。
[伸びるビニール紐を見て、スティーブンは謂う。 彼は、帰りたかったのだろう、と 帰れると信じていたのだろうと。 ゆるく、こぶしを握り締めた。
それでも笑う、と 「自由」の管理者が謂って出て行くのを見送り。]
(192) 2011/04/23(Sat) 00時半頃
|
|
[ラルフの物言い、 酒瓶を呷るさまを見ながら。]
『強欲』、君は。
[気儘、強欲のままに振舞うか、 ぽそりともらされた言葉に 見るのはペラジー。
どこか、怯えたように見えて、支えるように、手を。]
(200) 2011/04/23(Sat) 01時頃
|
|
[藍が青い眼を映す。 背に触れた手はそのままに。 ビニールに指先を引っ掛けるペラジーの様子を スティーブンは、見ていた。
か細く千切ること常人ならば容易いそれを 「怠惰」に7年、接続されていた青年は 伸ばすことすら僅かしか叶わない。
ぽつり、落ちるような声が聞える。 聞き逃すまいと、 『怠惰』に飲まれないようにと ペラジーの背に触れた手に僅か力が篭る。
もう手が届かないのは厭だとばかり]
(231) 2011/04/23(Sat) 18時頃
|
|
[忘れたくない。
と、小さく零す言葉は確かな意志。 藍の眸、僅かに細められ]
だめなわけが ない。
[しっかりと青色の眼を見、 そう、謂った。]
(232) 2011/04/23(Sat) 18時頃
|
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…世界は 乱れるだろう 器たる君が接続しなければ 人が本来持つ欲のひとつが 回収されずに戻っていく。
それでも 君がもう一度接続されれば 君の意志はきっともう 「怠惰」の泥濘の中に沈んでしまう
[そしてきっと命絶えるまで、 戻ってはこないのだろうと思う。]
(233) 2011/04/23(Sat) 18時頃
|
|
選択肢がある。 君は選ぶことが出来る。 世界の平和か、己の存在か。
今の言葉は、「君の意志」だろう。 忘れたくないのならば。 ――器として、接続しては、いけない。
(234) 2011/04/23(Sat) 18時頃
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外の世界はきっと厳しい。 君が長らく離れ、 忘れていた痛みも沢山ある。 それでも君が その意志で選び取るのならば、
[そう、それはパピヨンの謂うように。]
私は君を、 私の持てる力を駆使し、 支えようと、考えている。
(235) 2011/04/23(Sat) 18時頃
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(ギルの、できなかったことを)
(*17) 2011/04/23(Sat) 18時半頃
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――…
[頷く。 自分勝手な願いも含めて。 「怠惰」のまま、思考を止めていた 歯車が軋みまわりだす音を聞く。]
……そうか。
(238) 2011/04/23(Sat) 20時頃
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[手を触れる。 赤くビニル紐の後を残す手をとった。]
ならば。 …「外」へ。 君が君でいられる世界へ。
[システムはそれを聞いていただろうか。 ネズミは瞬きをせず くるりと柱の周りを回った。]
(239) 2011/04/23(Sat) 20時頃
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―台所―
[頷き。>>245 握り返される手を少しだけ 引き寄せるようにした。
ペラジーの見上げる先、 悔しげに唇を噛む女性がいる。
世界を思うのならば 彼女が言うことは、正しいのだ。けれど。]
――、
[丁度、そのときか。ムパムピスが台所にやってきたのは。]
(248) 2011/04/23(Sat) 21時半頃
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スティーブンは、ムパムピスに一礼する。
2011/04/23(Sat) 21時半頃
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[まわるネズミ、 彼らは、そのとき何を為すのか。]
…「器」を傷つけようとするなら 彼らは許さないだろうが、
「接続」の選択肢を与えておいて、 拒絶したときにどうするかは…
わからないな。
[――あまり、よい想像にはならないが。 杞憂ならいいと、思いながら。
(253) 2011/04/23(Sat) 22時頃
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[伸びるパピヨンの手から、 ペラジーを庇うように腕を横に伸ばし 一歩、二歩、前に立つ。 杖の下、壊れたネズミは動かなくなった。]
ひとの心は壊れるのではなくて あるべきに戻っていく、と訂正させていただきましょう。 此処では負の感情は吸い上げられていない。 いつか、戦争を起こしたときのように。 今の私のように。 今の貴方の様に。 此処に居る、人間のように。
今、此処にいて貴方は壊れているのですか。
――このシステムが吸い上げているのは人の負の心で。 本来心にあるべきものだった。 このシステムを作ったのは人間だ。 いつかこれ自体が壊れない、と 寿命を迎えないと一体誰が言えるのです――…この薄氷の上の、偽りの楽園が。
(261) 2011/04/23(Sat) 22時半頃
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――傲慢。
ええ、そうでしょうね。 私は私のエゴで、このシステムを拒絶し そして、憎んでいる。 此処にきて、負の心を吸い上げられなかった故に 知った「本当」だと、…私は思っている。 どうして、もっと彼らを引き止めなかったの、かも。
…「臓器くじ(survival lottery)」
この思考実験を貴方は知っていますか。 「人を殺してそれより多くの人を 助けるのはよいことだろうか?」
この思考実験に未だ明確な答えは出されていない。 まさに今、この世界の状態でしょう。
(270) 2011/04/23(Sat) 23時頃
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今の世界を壊して そうして、 次へと、いければ いい のに。
約束も
ある。 ――チャールズの妻子、 その、安全――さえ――脅かす
ような 私の、
決断、は
(*18) 2011/04/23(Sat) 23時頃
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思考実験に答えはない。 堂々巡り、反論に反論を重ねた議論となるばかり。
…「法」が多くのものを裁いていくなかで 生じた疑問、歪み、は 確かに 微かにだけれど、感じていたのです。
「器」が注がれた「悪徳」とされるものだって 本来はひとりひとりが葛藤し のみこんでいくべきものでは、ないのか。
それは、劇薬であるとしても。 叶うならシステムを――停止、させてでも――
[謂いながら、眉を寄せる。 ペラジーが怯えたように一歩退く。 ちらと視線を其方へ向けた。]
(276) 2011/04/23(Sat) 23時頃
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――。
[ムパムピスの声に彼のほうを見て それから、ややあって、頷く。]
(282) 2011/04/23(Sat) 23時頃
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[ペラジーの側に立ち、 彼が自ら立ち上がるまではそのままいた。]
やはり、私は
[ころされるかもしれないな、と 続きは声にはせずに。]
…立てるかね。
[背後の青年へ、手を差し伸べた。]
(285) 2011/04/23(Sat) 23時半頃
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……――。
[立ち上がるのを見て、 少し、ほんの少し、笑みに似た表情。 苦味の勝ったそれ。]
いや。
[気にするな、と、それだけ。 苺を見るのに気づいて]
苺がすきなのかね、君は。
(293) 2011/04/24(Sun) 00時頃
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[パピヨンの激情を声で叩きつけられながら スティーブンは唇を引き結んだ。
頬のあざはだいぶんとひいて 瘡蓋もできているけれども 痛みは、負の思いは、沈殿する。 これがうえ、の世界なら。]
思考実験と現実は違えども 思考せねばあるはずの可能性も 見過ごしてしまうでしょう。
[彼女は孤児院を経営しているといった。 きっと、彼女の思いの向こうには面倒を見てきたものたちが、いるのだろう。]
――狂人。そうですね。 私の行動と思いはそう呼ばれるに相違ない。
[それでも。拳を握り締める。]
(302) 2011/04/24(Sun) 00時半頃
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[ムパムピスを見た。目礼、をする。 彼は、彼女の管理者だ。 激情に身を任すパピヨンを彼の言葉は 諌めることができるだろうか。 何を謂っても今の自分では駄目であろうから]
――そうか
[いちごがすき、と頷くペラジーに眼を向けた。]
食べるといい。誰もとがめない。
(303) 2011/04/24(Sun) 00時半頃
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気狂い か
(*19) 2011/04/24(Sun) 00時半頃
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……。
そうか。潰さないように 落とさないように 大切に
気をつけると、いい。
[何を重ねたか謂って。 そのまま歩き出そうとした、とき。
白衣に伸ばされる手に、 振り返って、目を見開いた。]
(311) 2011/04/24(Sun) 00時半頃
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夢と 重なる
(*20) 2011/04/24(Sun) 00時半頃
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……。
[足を止めて、暫しそのまま。 一度、何かを言いかけて 唇を噛むような、 その後。
躊躇いがちに、 手を、差し出すが。 繋がれたかどうか。
どちらにせよ 待機室へと 向かい――]
(312) 2011/04/24(Sun) 00時半頃
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[重ねたのは]
どうか己の選択を 意志を
もって
大切に
生きて
(*21) 2011/04/24(Sun) 01時頃
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[細い指先が触れるのに、 緩やかに握りこむようにする。
見下ろした藍は常より幾分か穏やかなものだった。
待機室に足を踏み入れる。 パピヨンがモニタに向けて訴える声を聞いた。 己もまたその合間縫って 意志を伝えようか。 静かに、硬質の 声で。]
(317) 2011/04/24(Sun) 01時頃
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[チャールズの様子を、 モニタ越しに目の当たりにするのは初めてだった。 様子も、口調も、違う。]
ミスター・チャールズ…
[眉寄せ呟く声。 彼の膝の上に座っている、少女は――]
(320) 2011/04/24(Sun) 01時半頃
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[我知らず 唇の端の傷に一度、引っかくように触れてから]
――私と、ペラジーの意志は お伝えした、通り。
――彼女は、
[眼を凝らしても、仔細には分からないところ。 モニタの映像は声さえも何処か機械音じみていたが 誰が喋っているかはわかる、けれど。 重なる影と彼の器としての役目から思うところ。
傍らのペラジーにとっては 既に馴染みの光景なのか。 反応は薄かった。]
(324) 2011/04/24(Sun) 01時半頃
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…――、
嗚呼、醜い。 …そう、…ですね。
[眉を寄せて、少しだけ眼を伏せた。 ネズミが小さく、ソファの上からのぞいている。
ペラジーの声が聞えれば 其方を見て、頷いて。]
(328) 2011/04/24(Sun) 02時頃
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[ラルフ(あるいは、強欲か)の言葉には一度目を閉じる、 似合わぬ、祈るような仕草]
原罪 と 謂うのだったな。
――生まれてきた以上 背負っているというという罪は。
だが私は 意志持つこと、それを 尊いとも思う。
(333) 2011/04/24(Sun) 02時半頃
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――…
[スティーブンは、ペラジーと チャールズが待機室で為したやり取りを知らない。 だからそれが彼への遅れた「答え」だとは、 知らないけれども。
繋いだ手は離さぬままに。]
――マーガレットにか? …分かった。
[言葉少なに頷いて。 ペラジーはどう答えたろうか。
スティーブンはそれからもう一度モニタを、見て**]
(334) 2011/04/24(Sun) 02時半頃
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スティーブンは、私が縛られるならば、コキュートス(Cocytus )だろうかな、と 低く呟いた**
2011/04/24(Sun) 02時半頃
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ならば私はアンテノーラだろうかな…
[それは、祖国に対する、裏切り。 即ち、地上への。]
(*22) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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[声に出さずに呟いた それは 酷く 自嘲に満ちた]
(*23) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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それでも、私は。
願っている。
願って。
約束も、あるのだ。
あの、聖書を。渡さなければ。彼の、妻子に。
(*24) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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――…。
(*25) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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醜い か。
(*26) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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……そうだな。
(*27) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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(それでも。願うことがあるならば)
(*28) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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お前は、
笑うだろうか。呆れるだろうか。
軽蔑するだろうか。
…ギルバート。
(*29) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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[答えなど、あるはずが無いと、知りながら**]
(*30) 2011/04/24(Sun) 03時頃
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