190 【身内村】宇宙奇病村
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― 生物学系雑誌『Foundation』XXX号 ―
[『特集:進化を続ける生命体』Remda研究の第一人者、Habin教授へのインタビューより]
――この度、氏の持ち帰ったRemdaの新たな――そして非常に画期的な効用がLa=Sta=Demonic出身の研究員によって確認されましたが、氏はこの効用については想定していなかったのですか?
勿論、RemdaがPavr=opetyの生態系にどう関わっているかということを考えれば、そのような可能性があるだろうという想像はしていましたが、当時それは想像の域を出ませんでした。ですから今回の証明は素晴らしい快挙です。
――出し抜かれたとは?
いいえ。私自身彼にその検証を委ねていましたし、必要があれば個人的に協力してもいました。私と彼とは予てよりの友人ですし、これを自分の功績のように嬉しく思います。
(31) nekochan 2016/05/25(Wed) 18時頃
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――そうでしたか。では、今回の発表についての見解は。
今回の発表によって、我々には素晴らしい可能性が見出されました。異種族、異星人、同性、あるいはアンドロイドのAI情報を用いて……全てのパートナーとの間に、また望まれるなら個人ででも――あらゆる障害を越えて、子を成せるようになるかも知れません。未だ倫理と精神論の問題もありますし、そもRemdaが適応しない場合もあるでしょう。けれど我々は進化することができる。それぞれがそう在りたいと望む形に。それをRemdaが助けてくれる――そしてそれが、星の、ないし宇宙の意志だとしたら――私は歓喜に震えます。
――氏は今後Remdaについてどのような研究を?
Pavr=opetyの進化の歴史については、私の研究に加え、先に滅びた同星の知的生命体の歴史の解明を待って、そう遠くない未来に結論付けることができるでしょう。しかしRemdaの原理――それを解明する事は恐らく、ボムビークスの『繭』の中身を確認するのと同じくらい困難なことでしょうけれども。その第一段階として、私は私の身体自身を以て、Terraの人間種として今回の研究結果の証明を行いたいと思っています。
(32) nekochan 2016/05/25(Wed) 18時頃
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――それは氏自身がRemdaを使って妊娠実験を行うということですか?
はい。
――唐突にものすごい発表をなされましたね。不安はありませんか?
勿論不安がないわけではありません。この機に発表させて頂きますが、実は私は過去数年に渡り定期的にRemdaを経口摂取し、毎日記録を取り続けてきました。そうして漸く1年程前に変化の兆しが現れたのです。Remdaによる変化は昏睡という形で訪れました――ちょうど昆虫の蛹のように、私の体内が変化するためには、活動を休止する必要があったようです。そうしてつい先日、私は再び覚醒しました。気分は非常にすっきりしていますし、体調にもとくに問題はありません。今のところは。
――??ということは、既にRemdaによる妊娠を確認したということですか??
はい。まだ、ほんの3週目ですが。 昏睡の間に、Remdaによる疑似子宮の形成及び着床が確認されました。同じく研究者である夫の理解と協力があってこその検証になります。 また今回の成果の発表も、私の昏睡からの回復を待って行われたもので、この友人の心配りに私はとても――感謝しています。
(33) nekochan 2016/05/25(Wed) 18時頃
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――予想外の重大発表の連続に、驚きを隠せませんが。 ええと、ご懐妊おめでとうございます。
ありがとう。そう言っていただけると、私としても素直に喜ぶことができます。 ここに至るまでにずいぶんな時間と苦労とが掛かりましたが――その間に、私は私自身の個人的な問題を幾つか解消し、生涯を共に過ごしたいと願うパートナーを得ることもできました。当初はAISである自分がRemdaと反応した場合はどのような結果になるのか――という研究者然とした考えがありましたが、今は――彼の子どもを産みたいという、純粋な、女性としての願いがあって――恐らくは、Remdaがそれに応えてくれたのだと、そう思うのです。
――それで、Remdaによる妊娠は氏個人の子どもになるのですか。それとも旦那様の遺伝子情報も組み込まれているということですか?
現段階では確認できていませんが、夫の遺伝子情報が胎内のRemdaに付与されていることはほぼ確実でしょう。というのはまあ――我々には日常的に性交渉があり、避妊を行ったことがありませんから、蛹のように私の体内組織が溶けて再形成された現状を考えれば――単に私自身がそう希望している、というところもありますが。
(34) nekochan 2016/05/25(Wed) 18時頃
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何れにせよ――無事に子どもが産まれた場合、どんな遺伝子情報を持っていたとしても、それは私達の子どもです。 勿論、通常の妊娠のように十月十日で子どもが産まれるかどうかも現段階ではわかりませんし、今後の経過によって喜ばしくない報告をしなくてはならないこともあるかと思いますが――ああ、これまでの検査内容等についても、いずれ研究報告という形で発表を。今はRemdaと私自身の可能性を信じ、経過を見守っていく所存です。 ・・・・・・
(見出しの背景には、Terraでの養殖が成功したRemdaの水槽の前に立つHabin教授の写真。 インタビュー記事の合間には、Habin教授と今回のRemda研究の成果を発表したLa=Sta=Demonic出身の男性とがにこやかに並んでたっている写真、およびRemdaの拡大写真が掲載されている。)
(35) nekochan 2016/05/25(Wed) 18時頃
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(そして、最後の写真には。
手前のテーブルの上に、氏の旧友で主治医だというウォルト族の著名な医師が、大量のプリン・キューブとともに前歯を見せて笑っている姿。 その後ろで、白衣姿のHabin教授が、同じように白衣を着た彼女の夫――彼はクリスタルのような美しい瞳を細め、ピースサインをしてみせている――に肩を抱かれ、穏やかに微笑んでいる様子が写っていた。)
(36) nekochan 2016/05/25(Wed) 18時半頃
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