204 銀花の咲く路、灰白の世界で君を想う
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─ 朝 ─
[ 霜を踏み歩くような趣深さは持ち合わせていない。 満員電車を経て、真っ直ぐ大学へ辿り着く。 効率を求めがち。損得感情も、優先して身体は動く。
だからこそ、胸の奥に燻る想いは、 わたしらしからぬ感情であって、 ふとした瞬間に考えてしまう時間さえも、 本来在ってはならないものなのに。]
( … 優先順位、考えて。 )
[ 一コマ目の教室は、まだ人は疎ら。 中間辺りに陣取って、白紙の紙と睨めっこ。 藤先輩のように流れるような髪ではないけれど、 俯くと、はらりと落ちるその髪を耳にかけて。 手にしたペンを、用紙に走らせる。]
(15) 2016/12/16(Fri) 15時頃
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[ “ クリスマスパーティー案について ”
と、刻む文字。 人任せな直史おにいちゃん。 計画は結局、どうなっているの? ケーキ、ごはん、すること、なすこと …… ぐるぐる巡る思考の中で、 ずっと頭の中を支配するのは、 クリスマスプレゼントをどうするかって、こと。
あのひとは、何をもらったら、 うれしいのかな、って、こと。]*
(16) 2016/12/16(Fri) 15時頃
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ねえ、きゅうちゃん。 …… どうしたらいいとおもう?
[ 母のお下がりのシンプルなブランドバッグ。 似つかわしくない、小鳥のマスコットがぶら下がる。 ペンの頭で、軽くその子を突いて、 お悩み相談をするのは、ずっと前からの癖。
だから、このこと離れ離れになったときは、 心臓が爆発してしまいそうなほど、 焦っては、探し歩いたっけ。]
(27) 2016/12/16(Fri) 15時半頃
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─ とある桃色の記憶 ─
[ 恐らく、ボールチェーンが緩くなっていたのだろう。 何時ものように、大学から家に帰る路。 ふとした瞬間に、わたしの元から居なくなった。]
( ばか、わたしのばか。 なんで大学に持ってきたの。 )
[ 失くしたことに気付いたのは、 しばらくして、家に着いたときだった。 鞄をひっくり返しても、部屋を漁っても見つからない。 翌日には、大学内の心当たりある場所を探し歩いて、 帰り道も、茂みの中も置物の下も、 土まみれになるのも厭わずに探した。]
(28) 2016/12/16(Fri) 15時半頃
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[ 此方を見る影にはまだ気づかない。>>4
翌日もまた、わたしは懸命に探して歩く。 もしかしたら、犬とか猫が拾ってったかも。 誰かに蹴られて、遠くに飛んだのかも。 髪も乱れに乱れ、じわりと目蓋が熱くなる。
…… ─── そんな、ときだったろうか。 背後からかかる声>>5に、弾かれるように振り向いた。 もふもふきゅうちゃんの姿が、眸に反射する。]
…… そ、う !探して、た ……! よかったあ、見つかって………
[ ほつれた糸は身体と羽を僅かに繋ぐ。 汚れはなさそうで、綺麗な姿。 受け取って、ゆるとその子を撫でる。 礼を述べるため、頭を下げようとするが、]
(29) 2016/12/16(Fri) 15時半頃
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…… っ、もう絶対に失くしません。 この子は、わたしと一緒にいるんです!
[ 思わぬ反抗心からか、口許はやや曲がる。]
それに、ピヨ吉じゃなくって、 きゅうちゃんって名前ですから、 へんな名前つけるのやめてください!
[ 立ち去る背中に、本当の名を伝える。 その代わりに、彼の名は知らぬまま、 お礼の言葉も、伝えられぬまま。
出逢いの季節の、そんな一頁。]*
(30) 2016/12/16(Fri) 15時半頃
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─ うーちゃんと恋愛小説 ─
どろどろ、 …… ?
[ 投げた問いの答えに、首は傾きます。>>22 訂正されて綴られる内容も、 どうやらわたしには苦手なもののよう。
Q、主人公の気持ちを述べなさい。]
( A、解なし。 )
[ ひとの気持ちの揺れなんて、分からない。 作者の気持ちも主人公の気持ちも、 読み手が作り上げた解答を暗記することは出来ても、 なぜそう思うのかなんて分からない。 わたしには、酷く不得手なものだった。]
(43) 2016/12/16(Fri) 17時頃
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[ …… 出来ないから、面白いってことは。]
うーちゃん、その主人公みたいに、 恋 したいの?
[ 卯月が朗読してくれるのなら、 その本について理解してみようとは思うけど、 自ら頁を捲ろうとは思わない。
ただ、恋を叶える為の解法でも記されてるなら、 其処だけ知りたいとは、思ってしまう。 文字を辿る卯月の赤をじと見詰めては、 何事もなく、レポートに取り掛かるわたしがいた。*]
(44) 2016/12/16(Fri) 17時頃
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─ 回想/サークル室にて ─
[ 煙を漂わせる彼のくちびるに、 しなやかで、其れでいて、 確りとした指が添えられる様には、>>47 もう、何も言えなかったことでしょうけれど。
共犯じみた二人の背中をわたしは見ますが、 彼らは決して、煙草を辞めようとは、 してくれなかったのでしょうね。]
だ、大丈夫です …… ちょっと、びっくりしただけ。 名前を呼んだら、先輩が来るんだもの
[ 背を叩く掌の温度もリズムも心地よい。 咳込むのも治れば、ぬるい缶を差し出して。 受け取られるのを見れば満足そうに笑う。]
(55) 2016/12/16(Fri) 19時頃
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[ 舌の上で転がされるのは、 物理法則に則ったものだけにして欲しい。]
へ ? 過去問 ? ああ …… わたしが欲しいのは、 ふじせんぱいの隈のない元気そうな顔です …… ちゃんと、寝てくださいね。
[ 口寂しさを紛らわす一手となり得たのなら上々。 和菓子と同じだけ好まれていたのなら、 其れもまた、購入してよかったと思えるもの。 先日、海の差し入れ>>0:72の餡子談義のこと。 つぶ餡でも、こし餡でも、白餡でもなく。]
(56) 2016/12/16(Fri) 19時頃
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[ …… “ おぐら ”餡はどうですか?
とは、口が裂けても言えなかったけれど。 どら焼きを頬張るそのくちびると、 珈琲が流し込まれるくちびるとが、 重なって、見えた。*]
(57) 2016/12/16(Fri) 19時頃
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─ 現在 ─
[ 1コマ目は、気付けば終わり。 クリスマスパーティー計画書は、白紙のまま。 2コマ目は、確か空きコマだったかな。 椅子の背凭れに置いたコートを羽織り、 わたしが向かうのはサークル室だった。
部屋の前に辿り着けば、 錠が外れていることに気付く。 そろり、覗き込むように扉を開ける。 中に居たのは、…… ─── 。]
…… 栄介、くん ?
[ 小さな音で、名を綴る。 横たわる姿を見つければ、>>37 わたしは、そおっと音を立てないように近付いた。]
(68) 2016/12/16(Fri) 20時半頃
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[ 夜に観測を行うサークルだから、 毛布もちゃんと、常備されていた。 棚から引っ張り出しては、 彼の身体にそっとかけようか。]
気持ち良さそうに、ねてるなあ
[ 起こさないように、起こさないように。 前髪をさらりと掻きわけるように撫でて、 こっそりと寝顔を見納める。 整った顔立ちの彼、彼女がいないなんて嘘みたい。 椅子を傍に引いてきて、ちょこんと座れば、 じいっと顔を覗き込んだ。]
(69) 2016/12/16(Fri) 20時半頃
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[ …… ひらひらと、
棚から、毛布を取り出すときに、 上の方から振ってくるのは、一枚の写真。>>0:136 其れに、わたしは未だ気付いてはない。]*
(70) 2016/12/16(Fri) 20時半頃
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[ ぼんやりと彼の姿を眺めて、 白紙の計画書を取り出しては、 どうしようかなあとぼやいているとき。 衣摺れの音が、風を切る音が耳に届く。>>74]
… おはよう、 いまは1コマ目が終わったくらいかな。
起こした方が、よかった … ?
[ 赤らむ頬に、ちいさく笑みを零す。 同じ学部だからこそ、出席の重要性は分かる。]
(76) 2016/12/16(Fri) 21時半頃
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でも、きもちよさそーにしてたから、 起こすのは忍びないなあと思って。 …… あ、 そうだ。
[ 肩を竦め、寝起き顔をじっと見詰める。 生憎、寝起きの珈琲は持っていない。 鞄のポケットをごそりと探り、 取り出した包みを差し出して。]
チョコレート、すきでしょ? あげる。
[ と、笑いかけるのだ。]*
(77) 2016/12/16(Fri) 21時半頃
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そ? ならよかった。 …… わたしもね、昨日はここで ごろごろしちゃってたんだよねえ。
[ 煙草の臭いは、嫌いではなかった。 指差すソファは、栄介の重みで沈んでいる。 渡したチョコレートは、いつのものかは知らない。 彼がチョコ好きなのは周知の事実だったから、>>86 餌付けと称して、よく手渡してたと思う。]
(104) 2016/12/16(Fri) 23時頃
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[ 満足げな笑みを見れば、わたしも笑う。 こんな小さな粒がクリスマスプレゼントだなんて、 大袈裟だなあとつぶやいた。
けれど、ちいさなものでも、 嬉しく想うことは、わたしも在るのだから、 ひとのことは言えないなとも、思った。]
3コマ目からてことは、 …… まだ、時間あるよね? ねえ、どうしたらいいと思う? クリスマスパーティーの、こと
[ 直史おにいちゃんでは頼りにならない。 暗に伝えるように、用紙をペン先で叩く。 一緒に考えて、と言わんばかり。]
(105) 2016/12/16(Fri) 23時頃
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当日は、プレゼント交換でしょ。 あと、ケーキたべるでしょ? ケーキは何処からもってくるの?かうの? あとは、 ……… ───
[ つらつらと提案を立て並べ、 栄介の意見を求めた。]*
(106) 2016/12/16(Fri) 23時頃
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─ ちょっとした頭の中のこと ─
[ くちびるを噤む卯月に、 それ以上のこもは何も問えぬままの。 恋してるかもとつぶやいた彼女の頬は、>>62 桃色を滲ませていたのかもしれません。
同じく桜色、宙に舞うあの日、>>42 きゅうちゃんの頭にひとひらの花びらが乗っていて、 ちゃんと名を尋ねておけばよかったと、 わたしは悔いることもあったっけ。]
( 答えはいつも、見つけらんないなあ )
[ …… ─── あのときも、あのときも。 ぜんぶ、わたしはいつも、何も言えぬまま。 パパとママにも、我儘も言えぬまま。]
(111) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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[ だから、でも、…… なんだかんだいって。 クリスマスパーティーができるのは、うれしい。
非リアだってバレたとしても、 めんどくさいなって言葉にしてたとしても、 あのひととだけじゃなくって、 みんなでワイワイ騒げるってことが、 わたしは、…… たのしい。
こうして、ペンを持って計画してるのは、 張り切ってるからなんだって、バレなきゃいいな。]*
(113) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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[ 考えることは、皆おなじ?>>114 時間を潰せるこの場は、休憩場所として最適だ。 古びたソファを置いた先輩たちには、 深々と感謝をするばかりだった。
背筋を正した彼から与えられる返答に、 わたしはペンの頭を顎に添えて、 ひとつひとつ纏めるように記していく。]
ふむ、 … 確かにそうね。 9にんくらいなのは、確定だから、 紙皿とかはあとで確認しよっか。
[ 19時頃から開始。 ピザをたべる、誰かが取りに行く。 駅前裏のケーキ屋さんが、おいしい。]
(121) 2016/12/17(Sat) 00時頃
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[ こんなもの、だろうか。 手作りケーキがロマンなのはわたしもおなじ。 一度くらい、作ってみたい気もするけれど、 負担という言葉に、効率を優先した。]
あ … わたし、チキン食べたいかも。
[ ペンを置こうとして、ふと気付く。 クリスマスといえば、大きな七面鳥だ。 CMでよく見かけるアレに、心惹かれるばかり。 なんて、欲張りだったかもしれない。
わたしは、やっぱりペンを手放した。]
(122) 2016/12/17(Sat) 00時頃
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ありがと、栄介くん。 お陰で、ちょっと纏まったかも。 …… あとは、プレゼントのことくらいかな
[ 時計をちらと見上げれば、 割と時間は経っているような気がする。 すくと立ち上がり、荷物を纏めよう。 次の講義に、遅れないように。]
栄介くん、そろそろ行こっか。
[ なんて、声を掛けて。 サークル室から出ようと足を伸ばした。]*
(123) 2016/12/17(Sat) 00時頃
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─ クリスマスの想い出 ─
「 … はい。二年、です。 」
[ 塾の前後で寄るのは、図書館。 家に帰っても、いつもひとりきり。 さみしい夜を過ごすくらいなら、 人の気配のある場所に居たいと思うから。
何時もと同じく勉強をしていた、そんなある日。 声を掛けてきたのは、ひとりの女の子。>>94]
(130) 2016/12/17(Sat) 00時半頃
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[ …… ── ひとつ上の、かなこちゃん。
いろいろなことを、教えてもらった。 だから、わたしもいろいろと話した。
わたしのお家のこと。 将来のことはまだ考えられてないこと。 お星さまやお月さまが好きなこと。 ── … いつもひとりで、さみしいこと。
かなこちゃんとわたしの共通点は、 夜空が好きなことと、 髪が長いことくらいだったかも。]
(131) 2016/12/17(Sat) 00時半頃
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[ クリスマスのあの日、 お家でパーティーがあると聞けば、 耳にかかっていた髪は、教科書の上に落ちる。 睫毛も下を向くけれど、しっかり者で、 大切な家族の元へ帰ることを、 引き留めることは、─── できない。]
うん、 …… また、ね 。 ……… へ、?え、うそ。
[ 視界に映るあかいいろは、サンタのブーツ。 クリスマスに贈り物をし合う習慣のなかったわたしは、 彼女に向けて何も、用意できてなかった。 いまでもまだ、この時のお返しができていない。]
(132) 2016/12/17(Sat) 00時半頃
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かなこちゃん、ありがとう。
ええと、 メリークリスマス …… ─── 素敵な、夜にしてね。
[ 大切に包み込んで、ふわりと笑い返した。 帰り道、見上げた空も、とても澄んでいて、 瞬く星も、何時もより綺麗に輝いて見えた。
くまさんのマスコットは、ニモって呼んでる。 いまでも自宅の机の上に飾ってあるんだよ? せんぱいは、 知らないでしょう?*]
(133) 2016/12/17(Sat) 00時半頃
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[ かぶりつくチキンも、手作りケーキも諦めた。 手がベタベタに汚れるし、 化粧も確かに落ちちゃいそう。 栄介には尻尾と耳が見えるようで、 思わず頭をくしゃりと撫でそうになるけど、 伸ばしかけた腕を下ろして、我慢我慢。 そして、からりとした笑みを浮かべる。]
メーリスか、ないすあいでぃあ。 みんなに、聞いてみよっかな。
[ … ぽんと手を叩いて、思い出す。 にしても、リア充組に向けても送られるんじゃ? 新たなグループでも作ればいいかなあと。 荷物を纏めながら、想う。]
(148) 2016/12/17(Sat) 01時半頃
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それじゃ、お先に。
[ 次の講義は、演習だった。 実験も兼ねたものだから、 また防寒を兼任する白衣の出番かな。 サークル室の扉を抜けて、 ぽちぽちと指をスライドさせて文字を打つ。 それは、クリスマスパーティー案(仮)について。 みんなにそーれと、一斉送信。]*
(149) 2016/12/17(Sat) 01時半頃
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─ 3コマ目 ─
[ 3コマ目は、難なく熟しつつ。 隣に在る、同じ専攻の友人に声をかける。]
ねえ、クリスマスプレゼントって、 何もらったら嬉しいの、かな
[ 恋人でも出来たの?なんて、 にやける顔で問われるけれど、 わたしは表情を変えぬままに首を振る。
高校生のとき、付き合ったひとはいた。 付き合ってほしいって言われたから、おっけーした。 けれど、“ なんか違う ”って、振られた。 身勝手なひとだと、わたしは思った。]
(150) 2016/12/17(Sat) 01時半頃
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[ …… あのときは、思ってたけど、 わたしは彼を好きではなかったんだと思う。 きっと、それが伝わってたに違いない。 だから、なんか違ったんだと思う。
でも、いまのわたしは違う。 なんか違うことは、ない筈。 胸に燻る感情は、恋だと思うから。]
恋人は、できてないけど、 …… ─── すきなひと、に、あげるの
[ 違うのなら、なんて名前をつけたらいいの? 試験管の中で起きる化学反応みたいに、 わたしのこの想いは、変化をするのかな。]
(151) 2016/12/17(Sat) 01時半頃
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[ プレゼントのセンスも大してわたしにはないから、 誰かについて来てもらいたいとさえ、思う。]
わたしだったら、なんでもうれしいんだけど
[ サークルでの交換のものはもちろんだけど。 相談に乗ってくれる彼女の答えは、こうだった。
「 里咲が何をあげたいかでいいんじゃない? 」
だって。 そんなの、考えてもみなかった。]
(152) 2016/12/17(Sat) 01時半頃
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[ 今日の帰りは、お店をいろいろ回らなくっちゃ。]**
(153) 2016/12/17(Sat) 01時半頃
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[ 今日の午後は、講義の予定はない。 お昼は外に食べに出掛けるでも、 このまま帰るを選択するでも、いい。 荷物整理をしてる中、点滅する端末を見つける。 講義前に送ったメーリスへの、返事。>>161
並ぶ文字列を眺めながら、息を吐き出す。 ケーキ屋さんは混む、オードブル、… 知らない情報を得られることに、胸が高鳴った。]
て、ことは。 …… えと、 どうしよう、分担分けた方がいいのかな。
[ メール画面を眺めながら、歩きスマホ。 参加者名簿を脳内で思い出しながら、 どう手分けするかとか、 サークルメンバーじゃない子とかの、 連絡手段とかを、考えていた。]*
(186) 2016/12/17(Sat) 12時半頃
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─ 廊下 ─
[ あれも、これも、浮かんでは消えていく。 女の子だけじゃなくって、男子もいる分、 余計に難しく思う部分が、ある。
スマホ画面を見詰めたところで、 妙案が浮かぶ訳はなく、小さく溜息を零した。 そのときだったろう、彼女の声が聞こえたのは。>>191 誰かさんとは違って、>>183 ひとにぶつかることはなかったけれど。]
…… うーちゃん。 んんん、わかってはいるんだけど、 えと、プレゼントどーしよーかなって、
[ 顎に指を添えて、天井を見上げて、 実験中のように、眉間に皺が寄る。]
(192) 2016/12/17(Sat) 15時頃
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[ …… ─── そういえば。
横目て、真白な卯月の赤い瞳を覗き見る。 この瞳に映るのは、 …… 彼女の肩に指を乗せ、 耳許に、くちびるをそっと近付けて。 ちいさく、ちいさく囁いた。]
(193) 2016/12/17(Sat) 15時頃
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[ 問いかけを向ければ、再び距離を取る。 答えが返ってくるのは、 何処か緊張さえ、するけれど。]
…… ─── でも、 わたしは、うーちゃんと一緒に、 クリスマスパーティーできてうれしいよ。
[ わたしは、友だちが多くはない。 過去に、クリスマスパーティーに、 誘われたこともあるけれど、 クラス会のついでとか、そういうのばかり。 仲の良い子はいつも参加しなかったから、 ひとり積極的に参加する気にもなれなくて、 断ってばかりいた。だから、
“ おともだち ”と、ううん。 うーちゃんと一緒が、よかった 。]*
(194) 2016/12/17(Sat) 15時頃
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[ 伸ばされる白いゆびさきが、>>203 わたしの肌に、… 触れました。 触れた箇所が熱くなって、目蓋を一度伏せ。 その場所に、軽く触れた。]
そう、かなあ …… じゃあ、笑ってることにするね
[ かわいいと思われたいのは、 …… 。 伏せていた目蓋を上げて、 へにゃりと、頬を緩めて笑う。 笑っていた方が幸せになれるって、 誰かが言っていたような気もするし。
プレゼントに関しては、卯月も悩んでいるよう。 共に難しい顔を浮かべられなくとも、 考えることは、おんなじなのだろうか。]
(216) 2016/12/17(Sat) 16時半頃
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[ そして、わたしの向ける言葉に、 ちいさく返ってくる、声。 眸をまあるくさせて、うろと泳がせて、 もう一度、上目で卯月を見詰めます。
くちびるを、開いて、そして閉じて。 続けられる言葉は、 ]
…… そう、なんだ。
[ としか、残せなくて。 それから、近く在った距離を離し、
…… ── でも、 >>194 うれしいのは、ほんとう。]
(217) 2016/12/17(Sat) 16時半頃
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そだね、いっぱい楽しもうね。 美味しいごはんもたあんと食べて、 楽しい夜を過ごそうね。
[ 胸の前で拳が握られるのを見て、 わたしもおんなじように拳をきゅっと握る。 きっと、楽しい夜になる筈だよね。 わたしは、そう。今は信じていた。]
(218) 2016/12/17(Sat) 16時半頃
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[ 離れたままで、ほんとうに小さな声は、 微かにわたしの耳に届いたよう。 前を向いたまま、わたしも同じく言葉を そおっと小さく返したんだ。]
(219) 2016/12/17(Sat) 16時半頃
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[ 自分では気付けなかったけど、 ほんのりと耳許は赤く染まるほどあつかった。
この後の予定を聞かれれば、 話題を逸らすように言葉を綴る。]
んとね、ごはんたべたら、 クリスマスプレゼント買いに行こうかなって。 うーちゃんは、どうするの?
[ って、鞄をつい抱き締めた。 鞄につけられたきゅうちゃんの頬も、 ほんのり赤く染まっている気がした。]**
(220) 2016/12/17(Sat) 16時半頃
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[ …… ── 卯月の赤い眸から、 流れる涙はなにいろだろう?
流れ星みたいに、とっても綺麗なのかもしれない。 卯月は、星を象る>>274って言うけれど、 わたしはうさぎさん見たいだなって思うんだ。 一番に見つけてもらいたいってことは、 誰かが傍にいてくれないと、 泣いちゃうくらい寂しがりやさんなのかも。>>231]
うん、…すっごく楽しみ …… ! 冬の夜空は、お星さまがより綺麗に見えるから。 うーちゃんの眸とおなじいろの、 ベテルギウスが大活躍だね。
[ ともに夜空を見上げる約束を聞けば、>>232 わたしの笑みは更に深まった。]
(306) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ 染まる耳には気づかぬままに、 ぽそりとつぶやきを、落とした。]
…… ── すぐに見つけられちゃうよ。
[ なあんて。 話しを逸らすように、次の予定を告げれば、 一緒にごはんでもどう?と、 問いたい気持ちもあったが、 もう行くという彼女を引き留めることはしません。]
(307) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ ひらり、手を振って。]
… うん、またね。うーちゃん。 うーちゃんは、ちゃんとごはん食べるのよ。
[ 彼女がいつも、 お菓子で済ませよう。 そうしていることに気付いていないと思ったら、 大間違いであると伝えましょう。 背中に手を振って、見えなくなれば、 わたしは鞄を抱き締めたまま、 行き先を思案するのだった。]*
(308) 2016/12/17(Sat) 22時半頃
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[ クリスマスパーティーのメーリスの返事は、 海以外からは返ってきていない様子。 どうしようかな、と。 スマホを眺めては、より綿密な計画が 練られていることには気付かない。>>310
ただ、ひとつだけ。 取りに行くと一枚半額じゃなくて、 一枚無料になるピザ屋さんがあるらしいよ!>>116]
(318) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[ 歩きスマホはだめだと、卯月に言われたばかり。 わたしは、ポケットの中に忍ばせて、 空腹を満たそうと、する。
…… ── 食堂は、なんとなくやめておいた。 ひとが多そうだから、という理由。 売店に向かって、今日もパンを購入する。 自分でお弁当を作るなんて器用なこと、 わたしは早々しないのだ。
かわいいものはすき、だからと言って、 女子力が高いとは、また違う。
歩きスマホの代わりに歩き食い。 お行儀の悪いわたしは、 このままキャンパスを出て行こうと、した。]*
(319) 2016/12/17(Sat) 23時頃
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[ ひろい、キャンパスだなあと思う。 歩きながら、ぐるりとキャンパス内に目を通す。
眠くて仕方のない講義はあの建物で。 いつも、空を見上げるのは、あの屋上。 もともと決めてたサークルの部屋は、あっち。 今年の春には、校門前で勧誘のビラ配りをして。 夏には、みんなで遠征してお星さまを見上げたっけ。
お星さまは、 わたしをみんなと繋ぐ唯一の鍵。
これに出逢わなければ、 いまのわたしは、たぶんいない。]
(328) 2016/12/18(Sun) 00時頃
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[ ひととの出逢いも、学校の選択も。 ぜんぶぜんぶ、直史おにいちゃんのお陰だなあ。 と、ちいさく感謝している。
彼にも、プレゼントをあげようと、 わたしはこっそりと、決意した。
去年のクリスマスパーティーは、 上の先輩たちが取り仕切ってくれてたし、 めまぐるしくて、それどころじゃなかったし。 踵を返して、プレゼント探しの旅へ出かけた。]*
(329) 2016/12/18(Sun) 00時頃
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─ 卯月のあたま ─
[ いつかの天体観測の日のあとだったかな。 卯月からの報告>>322には、眸をまあるくさせた。 だって、苦手そうに距離を取っていた彼が、 卯月の頭を撫でたなんて聞いて仕舞えば、 びっくりしないわけがない。
他にはなにもされなかった?とか、 だいじょうぶ?とか。
卯月には、捲し立てるように問いかけたと思う。 一方で、栄介の奇行の意図も、 藤せんぱいの向けた言葉も知らぬわたしは、 苦手を克服しよう?とした彼に、 細やかながらに羨む気持ちを抱いていたっけ。*]
(330) 2016/12/18(Sun) 00時頃
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─ 現在/おおきなデパート ─
[ わたしが足を運んだのは、 駅前の大きくておしゃれなデパート。 中にはいれば、色々なお店を見て回る。 クリスマス一色に飾り付けられていて、 中央の広場に飾られたツリーは輝いている。 きれいなかがやきが、まるでお星さまみたいで、 わたしは惚けたように、それを見上げていた。]
きれー ……… 、きゃっ !?
[ そんなわたしにぶつかっていく、 今時のちゃらちゃらした男子たち。 「 ぼけっとしてんなブス 」とかなんとか。 浴びせられる罵倒には、身が縮こまる思い。 と、同時に、そんなに広がって歩くなと、 言いたい気持ちは喉の奥に引っ込んだ。]
(332) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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[ ああいう男の子たちは得意ではない。 たとえば、 …… 松本くん、とか。
彼は、あの子たちとは違うって、 わたしは知ってるはずなのに。 ただ、みんなに囲まれていて、 女の子が好きなだけなんだろうって、 わかってるはずなのに。 クリスマスパーティーに来ると聞いたときは、 きゅうと心臓が、縮んだんだ。]
(333) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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[ ふるりと、首を左右に振って。 鞄から提げられたきゅうちゃんを見る。 止められていた足を、動かそう。 プレゼント選びのはじまり、かな。
かわいい雑貨屋さんには、心が惹かれる。 小鳥の置物とか、小鳥の靴下とか、 見つけるたびに、欲しいなあと思ってしまう。 けれど、いまはわたしの欲しいものを、 買うときじゃあない。]
あっ、これとか、うーちゃん好きそう。
[ 手に取ったのは、赤星の石のペンダント。 光を反射して、きらきらひかってる。 すごくかわいいし、似合いそうだなあと、 つけた姿を妄想してみたり。]
(336) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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んんっ、これはふじせんぱいにあげたいかも。
[ 次に手にするのは、 安眠を促すラベンダーのキャンドル。 …… さすがに、女子のものぽすぎるかな。 元気がなさそう、とまでは思わない。>>90 ただ、わたしが心配なだけ。 眠れない理由があるのなら、 わたしでよければ力になりたいとは思う。 思うけれど、わたしじゃ役者不足なのかもしれない。
…… あ。 こっちの、携帯灰皿もおしゃれでかっこいいかも。]
(340) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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あー、これは、 栄介くんの頭に乗せたい ……
[ 犬耳のカチューシャを手にして、 ないはずなのに、あるように見える尻尾と耳。 くすりと笑みが零れては、首を振ってその場に置いた。 いつも、元気な彼と、もしも。 バイクが好きってお話を聞けてたのなら、>>198 グローブとかもいいかもって、眺めてみたり。]
(341) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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…… これ。 海ちゃんの着てる姿みたい
[ お嫁さんにしたい子No,1は正しく彼女。 手にしたのは、ふりふりの真白なエプロン。 新婚さんごっことか、してみたら楽しそう。 ご飯にする?お風呂にする?それとも、 ……… とか、なんとか。 あらぬ妄想をしてしまって、頬が思わず赤くなる。 ぶんぶんと首を左右に振って、 両手で広げて、自分に宛てて鏡の前に立つ。
…… やっぱり、わたしには似合わない。]
(342) 2016/12/18(Sun) 00時半頃
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あ。 …… これ、かわいい。
[ もふもふ、黒いにゃんこのぬいぐるみ大。 抱きしめるのにちょうどいいサイズ。 名簿の中に連なる名前、律くん。 栄介くんの友だちだって教えてもらって、 あの桜の木の下での、ほんの僅かな一瞬の、 時が止まったような記憶が想起される顔。 ちょっぴり、似ている気がする。
…… ── この、黒猫と。]
(345) 2016/12/18(Sun) 01時頃
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[ 顔を、すんと埋めて目蓋を閉じる。 すごく恥ずかしいこと言っちゃったなって、 思い出せば思い出すほど、胸がきゅうとなった。
…… は!これは売り物だ。 と、顔を外して、ちらと柱の時間を見る。 時刻は、18時を回っていたように思う。]*
(346) 2016/12/18(Sun) 01時頃
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松本くんは。 …… えと、これ 、とか?
[ 男性ものの、香水を眺める。 男子の香りを意識したことはないけれど、 きっと、女の子に囲まれてて、 みんなの中心にいる彼は、 …… こういうの好きなのかなって。
仄かに漂う香りは、あまくって。 わたしだったら、 …… ─── ごほん。 女の子たちは、みんな好きそうだなって、思うんだ。]
(364) 2016/12/18(Sun) 01時半頃
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かなこちゃんはぁ …… これ、かなあ。
[ きらきらとひかるお星さまのバレッタ。 昔はお揃いだった、長い髪。 いつの間にか短くなっちゃってて、 理由は未だに聞けてはいない。 いまはおしゃれな雑貨も多いから、 髪が短くたって、お星さまを咲かせられる筈。]
(365) 2016/12/18(Sun) 01時半頃
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あ、でも。こっちも捨てがたいなあ
[ いつでもしっかり者のかなこちゃん。 たまには、頼って欲しいし、甘えても欲しい。 そんな彼女に贈りたいなと思うのは、 ゆるっとした、くまさんのもこもこパジャマ。 パジャマパーティーでもして、リラックスしたら ちょっとは頼ってくれるかなあという魂胆。
… なんて。]
(366) 2016/12/18(Sun) 01時半頃
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[ …… て。結局、交換会に出すもの。 全く決められてないじゃない。
わたしは、またぶんぶんと首を振って歩き出す。 きらきらしてる店内を見上げながら、頭を悩ませる。 そんな中で、ひとつのショーウィンドウに立つ、 髪の短い女の子を見かけた。>>363]
かなこ、ちゃ …… …… んと、ニモせんぱい?
[ ととと、と近づいては、声をかける。 片手には紙バッグ。何かを買ったのかな、と。 硝子の向こう側にある、 きらきらしたワンピースを見上げた。]*
(367) 2016/12/18(Sun) 01時半頃
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[ 声をかけた主は、思った以上に驚いていた。>>369 わたしは、此処でかなこちゃんに会えて嬉しく思う。 後ろにさっと隠される紙ぶくろを、 むやみに詮索することはしないけど。 おそらく、プレゼントを買ったのだろうと いうことがわかるから、]
ニモせんぱいは、買えたんだ? …… わたしも、だけど、全然決まらなくて。
[ 歯を見せて笑う彼女に、ゆるく微笑みかける。 ちらと、見上げた先のボルドーのワンピースと、 かなこちゃんを交互に見遣る。]
(372) 2016/12/18(Sun) 01時半頃
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これ、かわいいね。 …… 試着、してみないの?
[ と、彼女の腕をゆると掴んで、 お店の中へと入ろうと。]*
(373) 2016/12/18(Sun) 01時半頃
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うん、楽しみに、してて。 …… いっぱいかんがえるから !
[ と、笑みを深める。 話題を逸らしたかったのだろうけれど、 わたしは見逃すことはしないよ。 かけられるまったは聞こえないフリ。>>375 店員さんが迎えいれてくれる中へ、 彼女を連れて、入っていった。]
(378) 2016/12/18(Sun) 02時頃
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[ ぽそり、と小さな声で呟いて。 充てられたワンピースを見下ろして、 手にとっては彼女に宛て返す。]
じゃあ、一緒に試着しよ? … わたし、かなこちゃんが着てるとこ 見てみたいなあって、思うの。
[ だめ、かな?とじっと見詰める。]
(379) 2016/12/18(Sun) 02時頃
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[ だって、ぜったいかわいいもの。 さっき見てたお星さまのバレッタつけて、 髪もわたしが整えて、クリスマスパーティーに着たら、 きっと、みんなの視線は、 かなこちゃんに釘付けに違いない。]
( かわいい、かなこちゃん。 )
[ ワンピースの裾を、ぎゅうと握りしめて。 わたしの視線は床に、落ちた。]*
(380) 2016/12/18(Sun) 02時頃
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[ 真っ赤に染まる頬も、隠れる眸も、 ぜんぶ、ぜんぶ、肯定してるようなもの。 睫毛はふると震えては、彼女の旋風を見詰める。 わたしは、現代文は苦手で 筆者の気持ちはわからないけど、 目の前にいる子の気持ちくらい、 察することはできるんだよ。]
…… そっか 、
[ 自分で問うておきながら、 返事もままならずに試着を促した。 けれども、握りしめていたワンピースは、 棚に戻されて、いまは彼女に手を握っていた。]
(387) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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[ ツリーの下まで戻されれば、 離れた掌のぬくもりを、一度見下ろして。 わたしは、首を左右に振る。]
ううん、わたしこそ強引に、ごめんね。 …… えと、その。 ニモせんぱいが、よければ、また。
[ またって、いつだろう? きっと、かなこちゃんはあのワンピースを、 着たくない理由があるんだと思うから。 でも、深くは追求できなくて、同じく笑っただけ。]
(388) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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へ …… え、あ。それは。
[ 視線は、うろと宙を泳ぐ。 くちびるは、解を求めてひらきかけ、 そして、閉じるを繰り返し。 “ ニモせんぱい ”と、“ かなこちゃん ” 出されたこたえは、]
(389) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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…… みんなが、よんでる、から
[ ……… ─── “ かなこちゃん ”
親しく名を呼んでしまえばしまうほど、 わたしのくちびるがその名を綴るたび、 お揃いがなくなってゆきそうな彼女を、 自覚してしまいそうな気持ちになって、 胸がきゅうと、なるからなんて、言えるわけない。]**
(390) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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