105 CLUB【_Ground】
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ん、チアキ……ありがとうだぞ……。
……ふぁっ?!
[気弱っていた身体は、小さなチアキの力だけで、簡単に横に倒されてしまった。>>1:457 床にあるのは、汚れたシーツと毛布だけ。 なので、段ボールに手を伸ばし、その中の毛布も爪の先を引っ掛けて引きずり出した。]
うん、きょうはもう寝るんだぞ……。
あした、なったら、きっとまた、楽しいことあるんだぞ……。
[横たわったままで頭を撫でられると、礼を言うように、ざらざらな舌でチアキの鼻先をちょっとだけ舐めた。]
……おやすみなさい、だぞ……。
[眠りにつくまで、そう長くはかからなかったことだろう。 もし、部屋を覗くことができるものがいたならば、虎とシマリスがくっついて眠るという、奇妙な光景を目にすることになったろう。*]
(4) 2013/12/19(Thu) 02時頃
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[端末から送ったメッセージは、いつ頃読まれることになったろうか。 反応は、あったろうか。
どうあったところで、従うしかないことは分かっている。 けれど多少の我儘は言ったかもしれない。
求める回数は、やはり多い。 足りない”何か”の正体が分からないから、快楽で埋めるしか、方法が分からなくて───*]
(20) 2013/12/19(Thu) 02時半頃
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─ 雨の日・寮の自室 ─
おひさま、いないんだぞ……。
[むーっと、不機嫌な声が部屋に響く。
雨はあまり好きではない。 朝から、じーっと窓の前で、ガラスを伝う水滴や、時折落ちてくる大きな雫ばかりを見つめていた**]
(21) 2013/12/19(Thu) 02時半頃
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─ 寮の広間 ─
[じーっと雨だれを見つめ続け、部屋を出たのは、ようやく空腹を感じた頃か。]
サミュエルー! おなかすいたんだぞー! ごはんまだ ……
[広間に着くと、そこには、見知らぬものが置かれていて、早速遊ぶ仲間達の姿もあった。]
なんだあれ、なんなんだぞ……!
[早速、興味津々に近づいて行く。]
(41) 2013/12/19(Thu) 10時半頃
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いいのかこれ、遊んでいいのか……?!
[言うが早いか、そのうちのひとつに、軽く助走をつけて飛びついた。]
……おぉぉ……!
[体格が体格なので、ボールはめしょっと潰れて、少し横に広がったろうか。 抱え込むよう上に乗り、両手両足を床から離し、尻尾を揺らしてバランスを取るさまは、まさに猫科。 しかしすっかり遊びに夢中で、手袋には、全く気がついていない。]
(42) 2013/12/19(Thu) 10時半頃
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[半分潰れたボールの上で、絶妙な揺れ具合を楽しんでいたら、別なボールがぶつかってきて、バランスが傾いた。]
おぉ、ぉ……?
[尻尾と両手両足を伸ばし、バランスを取り直し、くるんと緩く床に落ちる。 それでも両手は、先程まで載っていたボールを抱えたままで。]
テッド。 急に何するんだぞ!
[ボール表面を、べしべし叩いて抗議した。]
(44) 2013/12/19(Thu) 11時頃
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そーだったのか?
[理由を聞いて、テッドの耳と同じように首を傾げる。]
でも、おもちゃはひとりじめしたらいけないんだぞ。 おれが2個取っちゃいけないんだぞ。
[そう言って、寄越されたボールを、テッドへ戻すよう転がして]
おまえものってみろ! へんなユラユラして楽しいんだぞ!
[自分は、再度ボールの上に乗っかった。]
(46) 2013/12/19(Thu) 11時半頃
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[ボールに乗ったまま、ソファーに座るテッドを見て、その様子に首をかしげる。]
どうしたんだ? なんかあったのか?
(48) 2013/12/19(Thu) 12時頃
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はなれる? テッドかいぬし決まったのか!
[離れる>>50と聞くと、濃い青の目をキラキラさせてテッドを見つめた。]
すごいな! おまえ、すごいな!
なぁなぁっ、どんな人間なんだ? やさしいか? ごはんつくるのおいしいか? フーみたいな変なにおいするのか?
[ボールに乗ったまま、あれやこれやと、わかるはずのないことまで問いかけた。]
(65) 2013/12/19(Thu) 16時頃
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[イアンからメッセージが入ったのは、それから間もなく。 やはり読めない漢字が混ざっていたが、大事な部分は、ちゃんと読めたと思う。]
イアンも……すごいんだぞ!
[端末を握ったまま、またキラキラと瞳を輝かせた。]
(66) 2013/12/19(Thu) 16時頃
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そうか、よかったな、よかったな!
[視線を左右に彷徨わせるさま>>70を見ても、やっぱり、嬉しそうな声をあげて、ころんと後ろ向きにボールから降りた。 そしてテッドに近づくと、祝福するように頬をペロッと舐め上げて]
しあわせなるんだぞ!
[どういうものが”幸せ”なのかは、明確にはわかっていない。 けれど、工場でもここでも、「幸せになれ」とよく言われていたから。 きっとこれは、いい言葉なのだ。]
(81) 2013/12/19(Thu) 17時頃
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[テッドに声をかけてから、向かったのは、配膳口の方だった。 テーブルに顎を乗せ、すんすんと鼻を鳴らしてみたが、食事の匂いはまだしてこない。]
おなかすいたんだぞー。
[太い尻尾が、左右に大きく揺れる。 食べ物の匂いがしてくるまでは、多分、そこに張り付いたまま**]
(82) 2013/12/19(Thu) 17時頃
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─ 広間 ─
[食事の匂いはまだしてこない。 尻尾のゆらゆらは、少しずつ、床を叩くようなものになってきた。]
おなかすいたんだぞー。
[配膳口から外を覗き込むのはいけないこと、それは分かっているのだが、待ちくたびれて、ほんのちょっとだけ覗こうとして、顔を近づけて……]
ダメだぞダメなんだぞ!
[すぐ引っ込めて、首を振った。]
(95) 2013/12/19(Thu) 18時頃
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[尻尾で床をてしてし叩いていたら、ようやくワゴンの音>>@58が聞こえてきた。 尻尾と耳は、忽ち元気を取り戻す。]
ごはんだぞ!
[今日は何だろうと、覗き込まぬ程度に配膳口に顔を近付け、匂いを嗅ごうと、鼻をすんすん鳴らした。]
(102) 2013/12/19(Thu) 19時半頃
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びゃっ!?
[今日の食事は何だろう。 鼻先を小さな配膳口に突っ込んだままでワクワクしていると、いきなり鼻を摘まれた。>>@59]
あー、びっくりしたんだぞ!!
[耳から尻尾から背中から、ぞわっと毛が逆立っている。]
(103) 2013/12/19(Thu) 20時頃
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だっておなかすいてたんだぞ!
[声から、怒っていないのは分かっている>>@64が、ちょっとぷくっと膨れて声を返す。 伸びてきた腕に耳を撫でられると、ふるっと心地良さそうに震え、逆立っていた毛が落ち着いた。
今日の食事は、調理済みの丸鶏だった。 勿論、手作りの方が好きなのだが、こういう食事のときも、サミュエルは必ず一手間かけてくれる。 今日の鶏には、塩気を抑えたトマトのソースがたっぷりとかかっていた。]
おにくだ! サミュエル、今日もありがとうだぞ!
[礼を言って皿を受け取り、それから配膳口にまた顔を近付けて]
サミュエル、
(106) 2013/12/19(Thu) 20時半頃
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大好きだぞ!
[今日もまた、約束を果たした。]
(107) 2013/12/19(Thu) 20時半頃
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[伸ばされた手>>@69に顔を撫でられ、囁きを聞くと、嬉しそうに目を細め、小さく喉を鳴らした。 けれどちょっとだけ、心配になって、こっそりと声をかけた。]
あっ。
[まだ心配だったけれど、テッドが来た。 テッドは今日でお別れだからと、配膳口の前を空けた。]
(111) 2013/12/19(Thu) 21時頃
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[配膳口から離れる前、やっぱり、ひとつだけ]
おくすりは、にがくても飲まないとダメなんだぞ!
[そんな言葉をかけてから、テーブルに皿を運び、食事を始めた。]
(114) 2013/12/19(Thu) 21時頃
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[大きな肉が出たときは、大体、いつも手掴みで食べてしまっているのだが、この一週間のいつだったか、ナイフとフォークを少し練習するようにとも言われていた。 だから今日は、ナイフで鶏を切って、フォークで食べる練習中。]
なかなか切れないんだぞ……!
[肉自体は、きっと、とても柔らかく調理されている。 しかしナイフのいれ方が悪く、なかなかうまく切れてくれない。 ガチャガチャ喧しい食器の音は、周囲にどう思われたろうか。 そして、悪戦苦闘して漸く切り落としたモモ肉を、フォークを深々刺したまま、テッドに差し出す。]
食べろ! おめでとうの時は、プレゼントっていうの、するんだ! まえに絵本でよんだんだぞ!
(124) 2013/12/19(Thu) 21時半頃
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……あ……。
[しかし差し出した鶏モモ肉には、ホレーショーの好きな、そしてテッドの苦手な、トマトソースがたっぷりかかっていた。
どうしようか考えて、しょんぼりと眉と耳を下げ、肉を引っ込めようとする。]
(125) 2013/12/19(Thu) 21時半頃
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[しょんぼりと引っ込めようとした手を、掴まれた。>>127]
え、テッド……だいじょうぶなのか?
[少しだけ心配そうな顔をしたが、テッドの顔が肉へ近付いてくれば、パッと笑顔になって、肉を近付け]
おう! 食べろ!
(129) 2013/12/19(Thu) 22時頃
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[肉に喰らいつこうとするテッドの口元を、じっと見つめ]
どうだ、食べられるか?
……そうか、おいしいか!
[トマトソースの付いたままの口元で、牙を見せてにぱーーっと笑う。]
トマトはな、えいようがたっぷりだっておそわったんだぞ! トマトはえらいんだぞ!
[まるで自分のことのように自慢していると、そこに、イアンの姿>>131が見えた。]
イアンだ! イアンもおめでとうなんだぞ!!
[食事中にもかかわらず、立ち上がり、叫んだ。]
(133) 2013/12/19(Thu) 22時半頃
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ん?
[肉食獣>>134、その通りだと思いながら、口の周りのソースを舐め取る。
立ち上がったままイアンを迎えれば、向こうから先に抱きつかれて>>138ちょっとビックリした。]
イアン……?
おう、ありがとうだぞ!
[ぎゅっと、何度も抱きしめ返す。 メッセージへの返信がまだだったのを思い出したのは、それから、皆での食事が済んでからのこと。]
(148) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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[食後、いつものように食器を片付け、去ってしまったイアンに、今更のようにメッセージを送った。 それから、少し考えてもう一通。]
これはだいじな”用事”なんだぞ。
(151) 2013/12/19(Thu) 23時頃
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─ →自室 ─
おれいるぞー、とおるぞー。
[曲がり角を曲がる時、やはりそう声を出しておく。
部屋に戻って窓を見れば、まだ、雨が降っていたろうか。 窓に近付くと、雨だれを見つめ、ぶすーっとする。]
おひさま、まだ見えないんだぞ……。
[テッドとイアンが、お客様に選ばれて、買われて行く。 それはきっと、愛玩動物を生み出し、世話した人間達が皆望んでいることで、とても幸せなことなのだろう。 だから、喜ぶべき事なのだ。
なのに、耳がしょんぼりしてしまう。]
(159) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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……ふたりとも、いなくなっちゃうんだぞ……
[二人の顔を思い出すと、今更のように哀しくなって、泣きそうになって、段ボールの中に逃げ込んだ。 たった1週間しか、一緒には過ごしていない。 けれど、まだ2年半しか生きていない虎にとって、それはけして、短い時間ではなかった。
テッドとイアンだけではない。 きっと、他の皆も買われていってしまう。 別れなくてはいけない時が来る。]
うぅっ……
[箱の中で、毛布をぎゅっと握りしめ、唇を噛んだ。]
(161) 2013/12/19(Thu) 23時半頃
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[箱の中で身を丸めていると、端末が小さな音をたてた。
送られてきた言葉に、少しだけ安堵したが]
…………。
[やはり堪え切れそうになく、ぼそりと呟いた。 受諾されるのかどうかは分からないけれど。]
(171) 2013/12/20(Fri) 00時頃
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[フーが到着する前に、箱からは出て、零れかけていた涙を拭って、目隠しもした。]
……だいじょうぶだぞ……
[近付いてくる足音を、耳は既に拾っていたが、ノックされ、声をかけられてからようやく、いつもより小さな声を返す。]
フー……
[扉の開く気配がした。 けれど、そこにあったフーの匂いは、いつもと少し違っていた。 寂しい匂いが混ざっていた。]
……雨のにおい、するんだぞ……
雨は、さみしくなるからダメなんだぞ……
[部屋の真ん中にべたりと座ったまま、声を微かに震わせる。]
(194) 2013/12/20(Fri) 01時頃
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[フーが横に座ってきたのが分かれば、すんすんと鼻を鳴らし、身を寄せた。 雨の匂いはやっぱりしていたけれど、こうすると、雨よりもフーの匂いの方が強く感じられて、少しだけ安心できた。]
雪って、なんだ? 知らないんだぞ……。
[胸元に顔を押しつけたままで、小さく問う。 その頬に、金属製の何かが触れた。]
…………。
[表情豊かな耳が、ぴくりと揺れる。 けれど、それ以上のことはない。
これには、けして触れてはいけない。 そう、強く刻みつけられたのは、まだ工場にいた頃で───……]
(199) 2013/12/20(Fri) 01時頃
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花びら……はね……
なみだ……?
[>>@110まったく違う3つのものが脳裏に浮かぶ。 花弁と羽根は、ひらひらフワフワして、きれいなもの。 でも、涙はとても哀しいもの。]
……きれいだけど、さみしいのか……? さみしいのは、やなんだぞ……。
[涙が滲み出しそうになり、ぎゅーっと、フーの胸元に顔を押しつけ、背中に腕を回そうとする。 けれど、少しだけ、他より躊躇いがちになってしまうのは、やはり、工場にいた時の事件から。]
(213) 2013/12/20(Fri) 01時半頃
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[難しかったかと言われ、素直に頷く。 雨の音と匂いのせいだろうか、花弁と羽根のイメージは薄らいで、涙の印象ばかりが膨らんできた。]
……さみしいは、だいじなのか……? さみしい知らないと、うれしいも、楽しいも……なくなっちゃうのか……?
[困惑ばかりが増してゆく。 工場で、辛かったり、怖かったりな記憶はある。 けれど寂しいと思ったことは、あまりなかった。
そういえば……ここに移ってきてから、楽しいことも増えたぶん、哀しい、寂しいと思うことも増えたかもしれない。]
……こんなつらいのに、だいじなのか……。
[涙声になりながら、引き寄せられるままに、フーの胸元へ顔を寄せる。 その位置がどこなのか気付けば、一瞬身を強張らせたが、いつもより少しだけ強い力に流されて、そこに、ぴたりと顔を付けた。]
(225) 2013/12/20(Fri) 02時頃
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フー……?
[落とされた自嘲の息>>@125を感じ取って、目隠しの内側で小さく瞬く。 フーにこんなに優しく接せられたことは、少なくとも記憶の中にはない。 けれど、それをいやだと思う筈などない。 先程までの寂しさは、嬉しさへと姿を変え、緊張していた尾は漸くリラックスし始めた。]
……つらい、かなしいも、だいじ。
ん、わかったんだぞ……。
[言われるままに、回していた腕にゆっくりと力を込め、フーにしっかりと抱きついて]
……ッうぁ……ッ、 ズピッ ひ、ぐっ……ぅあぁぁ……ッ……!
[目隠し程度では到底拭いきれなかった涙は、フーの胸元まで湿らせることになったろうか。]
(235) 2013/12/20(Fri) 03時頃
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……っ、 ヒッく……
[胸元に凭れ、普段より数段優しい声を聞いているうちに、だんだんと落ち着きを取り戻し、しゃくり上げる回数も減ってきた。]
…………。
あのな、フー……。
[それでもやはり、まだ、胸は苦しくて。 どうしても何かが足りなくて。 それを補う方法は、今はひとつしか知らなくて……]
……グル、ルルル……
[喉を鳴らして、”世話”をねだった**]
(239) 2013/12/20(Fri) 03時頃
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[「幸せになれ」と、今まで何度、言われたろう。>>@135 そして今まで、その言葉に、なんの疑問も持たず頷いてきた。 だから、今日もまた頷くけれど、幸せとは何なのかは、未だ曖昧なまま。 遠い記憶と重ね合わせる、背を撫でてくれる優しい手。 これも、幸せなんじゃないかと、ふと思った。]
いいのか? ガマン、いらないか……?
[目隠し越しに上目遣いで訊ねる声は、少しの戸惑いと、期待。 ゆっくり床を撫でていた尾の付け根に触れられると、それだけで、静電気でも起きたかのように、シャツの中で、縞模様を描く背中の産毛がフワッとした。]
かわ……? ぁ、ふゃ……っ、 びっ……。
[尾から伝わって来る柔らかな刺激>>@136に、ぷるっと身を震わせて、フーのシャツを、強く握り締めた。]
(262) 2013/12/20(Fri) 11時頃
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あいして……?
[>>@155システムで制御された恋愛感情は、”愛”の意味を教えてはくれなかった。 愛されることが大切だと説かれても、どうすべきなのかが理解できない。 けれど、このままでいいのなら。 己の思うままを、素直に出せば良いのなら……]
……ん、わかったん、だぞ……
フー……? ぁ、ふゃ……っ!
[自嘲に、何かと問い返そうとした言葉は、尾を撫でる、いつもよりどこか温かく思える手によって阻まれた。]
ぅゃ…… っ ……グルルッ……
は、ふ……ッ……ん ……?
[手が脚の間へと伸びてくると、ゆっくり、求めるように両脚を開く。 何か、聞こえたような気がしたが、それは、ただの雨垂れだったのだろうか。]
(322) 2013/12/20(Fri) 18時半頃
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ん……わかった、ん、だぞ……。
[>>@159フーの服をしっかり掴んだままで小さく頷く。 わざわざ口に出さずとも、耳や尾、全身から、感情など筒抜けになってしまうのだろうけれど。]
あぅ、ぁ……、ふ……ゥ、……っ
そこ、は……くすぐっ、た……ァ、 ヒぁっ!
[行為より、耳元に落ちた優しい声に、耳と背筋がピンとした。 今までの職務的な行為からは感じ取りにくかった、微かな熱がそこにはあった。]
フー……、いまの、が…… いまの……
[声がもっと聞きたいと、顔を上げ、耳を震わす。]
(325) 2013/12/20(Fri) 18時半頃
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……フー…… 、ぇ、あ……? ……ッ!
[不意に、フーの手が目隠しに触れてきた。>>@161 目隠しの内側で、咄嗟にギュッと瞳を閉ざす。]
───……。
[身構えるよう、手足を小さく強ばらせ、フーの動きに神経を集中させたのだが]
……ぁ……。
[目隠しが締め直されると、微かな、落胆の息が漏れた。]
ありがとう、だぞ……。
[緩くなっていた目隠しを、直してくれた。 研究員なら、自分を”買う”者でないのなら、それが当たり前なのに。]
(326) 2013/12/20(Fri) 19時頃
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[フーの、黒縁眼鏡に覆われた瞳がどこを見ているのか。 それを知ることは今はできない。 おそらく、目隠しがなかったとしても、知ることはできなかったかもしれない。]
……ぁ、ッ…… フー……、もっ、と………
[前だけでは物足りないと伝えるよう、尻尾を揺らして腰を浮かせる。]
……こっち、も……欲、…… ……?
[落とされた呟き>>@162、その意味を理解出来るはずなどなく。 ただ欲求を伝えるように身を寄せる。]
……ぴァ
[素肌に触れた銀のロケットが、ちょっと、ひんやりとした。]
(327) 2013/12/20(Fri) 19時頃
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ぅぁ……。
[違う、と緩く首を振る。>>@166 ぬくもりが失われたのは、声だけではなく、愛撫を施してくれる手もまた……体温とは違うところで、熱が消え去ってしまったような気がした。]
ん、ぅん……。
[けれど、その冷めた声さえ、今は熱を煽ってくる。 そういう風に、つくられてしまっている。 頷き、掴まれるままに尾から力を抜いて]
あ ……びゃ、っ……!
[>>@177咥えられた瞬間、びくんと身悶え、顔をフーの肩に押し付けた。]
フー……ぅぁ…… ャ……ッ ……ぁ、ぁぅ……っ
[性器を舐められるのにも近い快感に、手を離されているはずの雄からは、透明な雫が溢れ始めた。]
(330) 2013/12/20(Fri) 19時半頃
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[厭なはずなどないことは、何より、身体がよく示している。 けれど、思い出してしまった温もりが、ズキズキと胸の奥で痛みを増す。]
……う……ェぅっ……
[小さく肩を震わせる。 湿った尻尾と、いきり勃った雄を擦り合せられれば、逆毛立ち、こそばゆいような刺激に熱が増す。]
ぅあっ……フー…… フー……っ……!
[けれど、まだ足りない。 もっと欲しいと、縋り付き、涙交じりの声を漏らして]
(334) 2013/12/20(Fri) 20時頃
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たんない、んだぞ……。
フー……、もっと、欲しい、ん、だぞ…… っふァ……!
[震える声が、時折、上擦る。 満たされたくて、貪欲に求めてみたところで、それは一時しのぎにしかならない。 分かっているのに、そうしないと己を保つことすらできない。
決定的に、何かが足りない。 足りないことは分かっているのに、それが何なのか……分からない。]
フー……ぁぅ、っ……ン ンぐ、ぅ……っ
[顔をうずめた肩先、口元に触れた服に、牙を立て、噛み付く。 何度も何度も、荒い呼吸で熱を逃がしながら、繰り返す。]
(335) 2013/12/20(Fri) 20時半頃
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ぅ、ん……、っ……
[>>@170辛いのは、焦れる刺激ばかりを与えられる、身体ばかりではないけれど。 けれど、今は身体を満たすことしかできない。]
フー…… ぅ、ぁぐっ……
ぁっ、 クぁ……ッ
[しがみつき、言われるままに下肢の力を弛め、差し込まれる指を一本ずつ呑み込んでゆく。]
(339) 2013/12/20(Fri) 21時半頃
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ん…… はゃ、く…… ほし……ん、だ、ぞ……
[触れた唇に、耳が震える。 早く埋めないと、苦しくて、とても耐えられそうにない。]
……ッ、 ぁアッ……! フー……ぅ、ッ……!
[侵入してくる尾は己のもの。 けれど、自らは動かさず、今はフーの手の動きに任せる。]
ぇ、あ…………
……ぅ、ん……
[噛んでいい、そう言われても、はじめはどうしても躊躇った。 けれど、晒し出された肌の熱を感じてしまえば、抑えることなどできるはずもなく]
……グ、ルル……
(347) 2013/12/20(Fri) 22時頃
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[緩く、皮膚を傷付けないように、牙を立てる。 噛むというよりは、舐めるかのように。
時折、頬に触れる金属。その下に、疵痕があることは知っている。]
ぅ、……、。
[触れようと、指を伸ばし……引っ込めた。]
(348) 2013/12/20(Fri) 22時頃
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[>>@179フーの手を借り、深くまで呑み込ませた己の尾は、まるで、自分のものでないような気さえした。]
フー……? ぅあ、 ヒ、っ……!
[不意に前に触れられ、擦り上げられ、甲高い声をあげると同時に背を反らせた。]
ぁ……、ふぁ……っ
ん……ゥぅ……ッ ……ァ、 クハ……っ、……
[牙は一瞬、フーの肌を離れたが、またその温もりを確かめようとするように寄せられる。
言われるがまま頷いて、ゆっくりと引き抜き、また深くへ押し込んでを繰り返すたび、逆立つ毛が内壁を擦り、そのたびに、掠れた短い声を漏らした。]
(354) 2013/12/20(Fri) 23時頃
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ゥ、……グルッ……
[喉の震えが牙に伝わる。 強く噛んでしまいそうなのを堪え、けれどそのぶん、縋る手指に力が籠もる。 それでも、傷には触れない、触れてはいけない。 ……指先が震える。]
ガ、ぁ……ッ、ぅあ、ァ……ッ……!
ぁ、ぐっ…… ひァ……! フー……ッ、 そこ、は……ッ、ゥァ……!
[先端を指先に剔られた雄は、またとぷりと、先走りを溢れさせた。 ぐしゃぐしゃに湿った尾は、痩せて、けれど欲のままに内壁を擦り、蹂躙する。]
ァ、ぁ……ッ……
[背が反って、牙は一旦、フーから離れた。]
(357) 2013/12/20(Fri) 23時半頃
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|
ぁ、ぅガぁ……ッ、 ……!
[手淫に促されるように、吐き出される熱。 びくびくと身を震わせると、後孔は尾を締め付けて、その刺激でまた小さな波におそわれる。]
フ……ぅ、ぁ、ぁ ッ…… …………、っぁ……
[力を失いかけた手で、再びフーを掴まえようとして……伸ばしたところに、それはあった。 けして触れてはいけない、銀色の……]
(358) 2013/12/20(Fri) 23時半頃
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[金属が床に落ち、音をたてる。 触れられたままの手は、まだ少しだけ震えていた。]
……フー……
おれ……
[絶対に触れてはいけないものに触れてしまった。 また、同じ過ちを犯した。
声を震わせれば、もうひとつ……牙の先に、ほんの少しだけ、鉄錆を思わせる味があった。]
フー……!
[頭を撫でられても、汚れを白衣に拭われても……声を聞いても、震えが止まらない。]
(367) 2013/12/21(Sat) 00時頃
|
|
なぁっ……おれ、 おれ……!
[工場で、あれだけ厳しく躾られた。 痛い目にも何度もあった。
出荷までに余計に費やした時間、金。 それが一体、どれ程のものかは分かるはずがないのだが、誰かの言った「手間取らせて」「金がかかる」という言葉は覚えている。
>>@189何事もなかったかのような声が、逆に辛い。 涙はもう目隠しなどで押さえきれない。 両手を撫でられたまま、先程噛み付いてしまった首筋に顔を寄せ、小さな傷口を何度も舐める。 血の味が消えても、それでも、何度も。]
(373) 2013/12/21(Sat) 00時半頃
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|
[目隠しの上から涙を拭われ、縞模様と同じ色の髪をくしゃくしゃに撫でられて、漸く、落ち着きを取り戻す。]
フー……
ごめんなさい、なんだぞ……
[そして、漸く謝罪を口にする。 平気だと、そう言われても、自分がやってしまったことが、なくなってしまうわけではない。]
…………。
(381) 2013/12/21(Sat) 01時頃
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……あ。
[手が離れてゆく。 追うように伸ばした手は、淡々とした声の前に、虚しく空を切った。]
ゆ、き……?
[雨音は、もう聞こえなくなっていた。 むしろいつもより、静かな気さえした。
振り返り、窓へと視線を向ける。 フーの立ち去って行く足音がした。]
……フー!
[慌ててまた、振り返る。]
(383) 2013/12/21(Sat) 01時半頃
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おれ……! おれ、まだ、ここにいたいんだぞ!!
[声は届いただろうか。
何故そんなことを思ってしまったのか、分からない。 分からない、けれど……だから。
だから、思ったままを叫んだ。]
(385) 2013/12/21(Sat) 01時半頃
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フー、ッ……!
[呼び止めようとする声は、氷の言葉と、重いドアに阻まれた。 べたりとその場に脱力したまま、いつもと違う足音が遠離って行くのを聞いていると、また、目元が熱くなってきた。]
……ぅ、ぐっ……
[もう必要のなくなった目隠しを外し、涙と鼻水をぐしぐしと拭う。]
おれ、ここにいたら……だめなのか。
[自分がどういう存在で、何の為につくられたか。 それを知らないわけではない。 何故なら、何度も聞かされたから。]
(390) 2013/12/21(Sat) 02時頃
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[「雪、綺麗だぞ」 フーがそう言っていたことを思いだし、ゆっくりと、四つ足で窓辺へ向かう。]
……これ、なんなんだぞ……?
[ひらひら、ふわふわと、白いものが舞っていた。 それはたしかに、花弁のようで、羽根のようで……]
………。 びゃっ!
[窓に手を伸ばし、触れたガラスの冷たさに、驚いて手を引っ込めた。
雪は、花弁のようで羽根のようで、とても綺麗で、静かで……。 なのに雨よりずっと冷たくて、雨よりずっと……]
……雨より、かなしいんだぞ…………
[舞い積もる雪を見つめたまま、暫し、涙を拭うことすらできなかった。]
(396) 2013/12/21(Sat) 02時頃
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