196 水面に映る影より遠く
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─ 朝/図書室→教室へ─
[今日の朝も、私は図書室から始まります。 closeの看板をひっくり返してopenに。 こんな時間に、こんな場所に来る人は全くいません。 ……普段から、人が寄り付くことは少なかった。 そのように感じています。 だから、一人になって落ち着ける此処が、 私は存外、好きだったのだと思いました。
ふと、窓の外を見れば、 後ろに誰も乗せていない自転車の姿。>>5 いつもより早い登校に、 一番乗りの称号を奪われることを恐れたのです。 たたたっ。 急いで教室へと走りましょう。 私が、一番最初に教室にいないなんてこと。 あってはなりませんからね。]
(38) 2016/08/21(Sun) 13時頃
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[現実は残酷でした。 図書室から教室までは、そこそこに距離がありました。
だから、私が教室の扉を開けたときは、 既に彼は自分の席に座っていたのです。>>31 机に突っ伏して、どうやら寝ているらしいのです。 私は、自分の席に着席。 負けた悔しさをバネにして、 読書を再開するのでした。
図書室印の図書は、まだまだ残されています。 時間は幾らあっても、足りないものです。]
(39) 2016/08/21(Sun) 13時頃
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[ …………!!
ふと、私はとある真実に気づいてしまいました。 思春期の魔獣と二人きりの教室です。 早く誰かきてはくれませんでしょうか。 そわそわ、と辺りを見回しつつ。 読書に集中することは終ぞ叶えられないことでしょう。]*
(40) 2016/08/21(Sun) 13時頃
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─ 回想/あんみつ─
[とうふくりーむあんみつは、 それはそれは大層美味しかったのです。 私の迷う視線に東明さんは気づいてしまいました。 気付かれないと思っていたのですけれど、 目敏い彼女に完敗です。
“ …だめ? ”>>12
なんて、可愛らしくおねだりされたら、 断る理由なんてどこにもありませんでした。]
(46) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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だっ、だめじゃない、です。 いいん、ですか……?
[控え目に問いましょう。 そのくせ、抹茶クリームあんみつを 絶妙な塩梅でスプーンに掬い取り、 彼女の口許へと近づけたことでしょう。 所謂、あーんスタイルです。 別に意図してやっているわけではありませんよ。 小鳥のように口を開ける東明さんが見たいとか、 そそそそそそそそんなわけありませんからねっ]*
(47) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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ん゛………!?
[前方の彼が、大きく肩を揺らすのに>>48 私は調和して大きな声が出てしまいました。 夢の中の彼なんて知りませんけれど、 金魚掬いを私がするのであれば、 もっとおとなしそうな子を選択して、 優しくすくい上げると思います。]
(59) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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きゃあ…!!
[前方の魔獣が、大きな声を上げるのと同時に、>>49 私も大きな驚きが思わず口をつきます。 びくびくと肩を震わせて、辺りをきょろり。 いまの叫びが誰かに聞こえていたとしたら、 とてもとても恥ずかしいことであったのです。]
(60) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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[こほん、咳払いを一つ。 耳まで赤くなった熱を冷まそうと、 手のひらを団扇がわりにしてぱたりと扇ぎましょう。]
ぁ、おはよう、ございま、……す
[掛けられた挨拶に、私はお返事。 此処で無視をするような酷い女ではありませんから。 声は小さいので、届いたかは分かりません。]
(61) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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[……集中できない。 気を取り直して、読書再開。 しようとしていましたのに、彼はあろうことか。 私の前の席に座り、至近距離で此方を見ます。 脳内では、なぜ、どうして、近い、と、 ぐるぐると言葉が回り続けるのです。]
ぇ、っと、若菜さんこそ。 今日は随分とお早いのですね…… ……私は、いつもこれくらいです…… (我より早くこの地に辿り着くとは、 おそろしい奴め、串刺しにしてやろうか?)
[会話は成立しましたでしょうか? 私の園ではない、この場所で。]
(62) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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[そして、更に縮まる距離に、 私自身も縮こまるのです。 本のタイトルは、
『世界を股にかける魔女』
です。 これは、科学の発展した未来。 世界を左右するほどの、 有能な女性学者二人組が、 西の魔女、東の魔女と謳われ、 壊滅する世界を何とか抑えようとする、 ハートフル(?)ストーリーです。]
(63) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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[ それはまるで、私のいた世界と瓜二つ。 ]
(*0) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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[本のことになると元気になります。 ついつい、饒舌に内容を語りだしそうになります。 ぐぐっと、身を乗り出して、私は熱弁しかけます。]
これ、とっても面白いんですよ! ぜひ、若菜さんも読んでみてください…!
……ぁ゛っ………
[近い距離に気づけば、私は驚き、 そして、本を開いた状態で、 そっと顔を隠すようにしました。 ちょっとどころか、結構気まずいのです。]
(64) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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[続いて飛ばされる問いは、 今夜の花火のもの。 私のようなみすぼらしい空気は、 参加してもどうしようもないものです。 若菜さんの誘いは、きっと社交辞令。
本の上部から少しだけ顔を覗かせて。]
お誘い、ありがとうございます。 ……でも、
[ふるふる。首を左右に振りました。 行ってもいいものだとは、思えないのです。 先の言葉は続きませんでしたが、 ジェスチャーで伝われば上々ですね。]*
(65) 2016/08/21(Sun) 13時半頃
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─ 回想/あんみつ─
[私の主張は、東明さんだけではありません。 久水さんも>>52、丹野さんも、>> 惑わす結果となったようです。 ふふ、さすが私です。 人の心を操る女。 それが、全知全能の神 いと なのですから。]
おふたりも、要りますか……?
[お目当のあんみつが届いたならば、 東明さんにあーんをしたのち、二人に向き直ります。 すると、既に久水さんは此方を向いて あーん をしているではありませんか!>>58]
(96) 2016/08/21(Sun) 15時頃
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[その無防備なお顔に、私の頬はゆるゆるでした。 その口腔内へと、抹茶クリームあんみつを そっと入れたことでしょう。]
おいしい、ですか…?
[くびこてり、問いかけた答えは、 何と返ってきたでしょうか? そのあと、若菜さんの悪の所業を聞けば、 私はわなわなと震えたことでしょう。 やはり、雄はいやぁな存在です。 我ら女子との性の違いを見せつける、やな奴。 ジャンプ力を鍛えるという久水さん。 彼女の高いジャンプは、 そのうち何処までも駆けてゆくような 不思議な心地が、しました。]
(97) 2016/08/21(Sun) 15時頃
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─ 朝/教室─
[届いてしまった私の声のせいでしょうか、 彼が此方へと近づいてきてしまったのは。 早く学校へ来るのは、偉いことなのでしょうか?>>85 ただ単に、私は私の園へ長くいたいだけ。 例えば、水の中に沈む貴方のように、です。
私の園にいる間は、周りの世界と遮断されて ひとりぼっちをより一層認識できるのと同時に、 ひとりぼっちを埋めるかのように、本が囲んでくれて 時を忘れることができるのでした。]
(104) 2016/08/21(Sun) 15時半頃
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[この、素晴らしい図書の内容は 聞かれなければ伝えないでしょう。 彼の中で誤解が生まれているとは知らず、 噛み合わぬ認識のまま、言葉を繋ぎます。]
ええ…!とってもすごいんです! かっこいい、ですよ。
[私の読む頁。それを一枚めくると、 西の魔女は、死ぬ場面が現れるでしょう。 まだ、其れを知らぬ私は、この作品の影を、 十分には理解はしていなかったかもしれません。 それでも、素晴らしいことに違いないのです。]
(105) 2016/08/21(Sun) 15時半頃
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[はたと気づいて、本の後ろに隠れました。 視線を落とせば、 ぺかちゅうが此方を見上げていました。 約束は、忘れてなどいません。 今日も、鞄の中にはぺかちゅうのメモ帳が 出番をいまかいまかとまちのぞみ、潜んでいます。
子供に人気のぺかちゅうは、誰しもが 肩に乗せて旅をすることを夢見たことでしょう。 もしも、現実にぺかちゅうが現れたのであれば、 TVニュースはその話題で持ちきりに違いありません。]
(106) 2016/08/21(Sun) 15時半頃
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[そして久水さんに聞かされた、 若菜さんの悪の所業について思い出しました。 けれども、いまのところは。 こうして話している分には、悪を感じてはいません。 ………あ 2日前は、私の肢体を見ようとしていた。 そこはやはり思春期の雄でしょうか。 いまも、私を油断させて、そのうち…? あらぬ思考はいつまでも巡ります。 けれど、それもすぐに花火の話題で収まるのです。]
(107) 2016/08/21(Sun) 15時半頃
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[みんな、喜ぶ? 若菜さんが、嬉しい?>>90
私には、理解はできませんでした。 昨夜、久水さんから浴衣を着ていくかと、 連絡が来ていたことは知っています。>>76 これもまた、既読するー。 あえて返事をしなかったのには、 こころの奥で燻る想いがあったからでしょうか?
浴衣がないというのは通用しません>>84 親が心配するというのもダメかもしれません。>>89 いやいや、男の子に送られる方が、 基本的には心配される案件なのでは? と、思ったりもしますがどうでしょうか。]
(108) 2016/08/21(Sun) 15時半頃
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[やや強引な、問い。>>90
“ 楽しい ”を、ここで共有したとして、 “ 楽しい ”を、宝箱に綴じ込めてしまったとして、 その宝箱の蓋を開けて、 過去を振り替えって苦しむ可能性がある以上、 私の足が伸びることはないのでしょう。 答えは、結局。]
えへへ、………考えておきます。
[曖昧に笑ってみせるだけ。 日本語の有能なところは、 はっきりと断らなくても良いこと。 万能な台詞がありますから、便利なものです。]
(109) 2016/08/21(Sun) 15時半頃
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[そのあと、若菜さんは諦めてくれたでしょうか? それとも、また強引に? 花火がしたくないと言えば嘘にはなります。 ただ、きらきらした光景の中に、 自分自身もいることの想像がつかないのです。]**
(110) 2016/08/21(Sun) 16時頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2016/08/21(Sun) 16時頃
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[あ と、私は言葉を付け足しましょう。]
これ、もうすぐ読み終わりますから、 若菜さんにお渡ししましょうか?
[と、両手で手にした本を示して。 内容は、そこまで難しくは無いはずです。 一種のSF、きっと面白く感じるでしょう。]**
(111) 2016/08/21(Sun) 16時頃
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………───── ッ!
[私は、頭を鈍器で殴られた。 …………そんな気がしました。
我が儘な女でした、傲慢な女でした。 決して己を見せることはありませんでした。 自分の中に揺れる感情を認識しようともしませんでした。 失ってしまうことの辛さや切なさ。 二度と触れ合えぬ辛さを知っています。 あの、温かなぬくもりに触れたいと願えども 私の伸ばす掌は、どう頑張ったとて、 届くことはないのです。
それを、この想いを、]
(164) 2016/08/21(Sun) 21時頃
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[ ねぇ、Ducky 西の魔女は、どうして死んだの? ]
(*1) 2016/08/21(Sun) 21時頃
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[“ 寂しい ”と呼ぶのならば、 私は、ずっと寂しさを抱えていたのかもしれません。 誰かと触れ合うことで、失った時を恐れ 誰かと触れ合うことで、忘れられたことを恐れ 人との関わりを、無意識に避けてきた。
もしかしたら、そうだったのかもしれません。]
(165) 2016/08/21(Sun) 21時頃
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[ ねぇ、Ducky 貴方は、いなくならないですよね? ]
(*2) 2016/08/21(Sun) 21時頃
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[私の耳に届いたその囁きは、>>120 私を大きく揺さぶる結果となったのでした。
取り付けられた約束は、 まだ反故にすることは叶いますでしょうか? 昨夜の、女子の浴衣談議を思い出し。 他のみんなは、浴衣を着てくるらしく、 指名付きの着付けの有無の問いを>>120 ふと、思い出すことでしょう。 私は、浴衣も持っているし、着付けもできます。 何故なら、私は完璧な女だからです。 返信は、やっぱり送ってはいませんでしたけど、 もしも、誰かが助けを求めるようなら、 手を貸してあげてもよいでしょう。
そう、例えば……… 私の園に集合してくれるのであれば、 きっと。]
(166) 2016/08/21(Sun) 21時頃
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[きっと、他のメンバーが集まってきていたことでしょう。 立ち去る彼の後ろ姿に、投げかけた言葉は、 どうやら届いたようでした。]
ええ、きっと。 楽しんで読むことができると思います。
[小さく手を振って。 さみしがりやの彼の、 周りの友人に囲まれるひとりぼっちではない姿。 それを見て、私は今度こそ。 読書に耽るのでした。*]**
(167) 2016/08/21(Sun) 21時頃
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─ 回想/あんみつ─
[伏せられた睫毛に、私の視線は釘付けでした。>>102 何処か、既視感のあるこの光景に、 私はふるると身震いをしたことでしょう。
彼女の口の中に収まるスプーンと、 抹茶のクリームあんみつは、幸せですこと。 成功した あーん に満足げに私は笑みを浮かべます。]
美味しいですよね、よかったぁ。
[東明さんの花の咲くような笑顔に、 私は安堵していました。 そこに。 今度は私には向けられるスプーン。 ……右と左、見渡してぱちぱちと瞬きましょう。 一度視線を落として、 あーん。]
(247) 2016/08/22(Mon) 03時半頃
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[ で、でりしゃす!!!!
とうふの控え目な甘さは、 あんみつ本来の味を強く隠すことはなく、 絶妙なハーモニーを生み出します。 クリームの冷たさと甘さが、ちょうど良く融和して 口の中に、広がるのもまた美味しいのでした。
ほっぺたが落ちそうになるおいしさは、 誰かと一緒に食べたのもあるのでしょうか? そのあと、私は、ほかのふたりとも あーん をし合ったのでしょうか? ……すこしだけ、私もきらきらに 混じることができていたのでしょうか?*]
(248) 2016/08/22(Mon) 03時半頃
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─ 朝/HR─
[私はクラス中に広がる転校の噂を、 ここでまたざわりざわりとした空気の中で、 耳にするのでした。 団十郎どのに、転校の真意を問う切原さん>>163 泳ぐ先生の目が向く先は、……?>>3 そんな中で、物憂げな東明さん>>171や いつも通りの朝を迎える樫木さん>>115や 落ちる視線の大原さん>>202。 それぞれに思うところがあるようです。]
(249) 2016/08/22(Mon) 04時頃
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[私はここでようやく、ぱちりと目が覚めました。 こんなに噂をされて、心配をされるなんて、 もっと、みんなから慕われるような、 みんなに囲まれているような 人望の厚い人物の話であろう!と。]
(いったい、誰。なのでしょう?)
[私が、その人の輝かしい記憶に残られることは、 まずありえないと断言できましょう。]
(250) 2016/08/22(Mon) 04時頃
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[ 何故なら、いと という存在は、 いずれみんなの記憶から消えゆくからです ]
(*3) 2016/08/22(Mon) 04時頃
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[ただ、そのひとが今を楽しいと思って、 この先の未来に進めるのであれば、 その いと を紡げるのであれば、 この私にとっては、願ったり叶ったり。 のような気もします。 ………ただ、こんな私の出る幕ではない。 その可能性の方が十分高いわけですが。
けれど、私のこの辛気臭い面がまえのまま、 誰かを見送る一員に入れてもらえるのなら、 少しくらいは空気を読む必要が あるのかもしれませんね。 いまさら、とか言うのは絶対なしですよ?]
(251) 2016/08/22(Mon) 04時頃
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[では、一体ぜんたい。 転校してしまうのは、誰でしょう? クラスの人気者、にんきもの…………
───── 千島さん ?]
(252) 2016/08/22(Mon) 04時頃
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[未来に開く宝箱。 その宝箱に私の存在がなくったって構いません。 ただ、いまを楽しんでもらえるのなら。 私は、そっとその手助けくらいしてあげましょう。 バタフライエフェクトを怖がっている場合では、 きっとないのでしょうね、いと らしくもないです。]
(253) 2016/08/22(Mon) 04時頃
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[ ───だから、でしょう。
朝のHRが終わって、机の上のぺかちゅうに、 行ってきますの挨拶をして立ち上がったとき。 腕を掴んで引き止められたとき。>>228 張本人が、声をかけてきたときです。 皺の寄った眉間、そして、
『 夏休み中に教えて欲しい 』
という言葉に、私は確信しました。 やっぱり、千島さんなのだと。 転校してしまうのは、彼だったと。]
(254) 2016/08/22(Mon) 04時頃
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[私は途端に、眩暈がしてきました。 私には、彼が転校してしまう未来の先は、 何ら関係はないのですけれど、 どうしてでしょうか、机の上の ぺかちゅうの表情が歪んだように思います。
私は思わず、彼のワイシャツの裾を掴もうと、 腕を伸ばしていました。 けれど、言いたいことだけ述べて、 更衣室へと向かった彼のワイシャツは掴めなくて、 ただただ、私の掌は空を切るだけでした。*]
(255) 2016/08/22(Mon) 04時頃
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─ プール─
[いつものように颯爽と着替えて、 私はまた、プールサイド。 みんなから離れた場所で、 誰かさんと同じように 水面を見つめていました。>>116>>184 水面に映るのは、てるてる坊主のままの私。 ぎらぎらの太陽は、水面に反射して私を覆います。]
ハァイ、 いと。 …………今日は、げんき?
[いつもなら、私は元気ですと答える場面です。 今になって、何かを得ようとするなんて、 遅すぎるのですから、必要ないのですから。]
(256) 2016/08/22(Mon) 04時半頃
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『Hi,tiny. 元気なさそうね? ごはん、食べてる?』
Hy,Ducky. ……食べてます、ちゃんと。 ねぇ、ダッキー。 貴方は、大切なひとを失ったことはある?
……って、貴方にいっても、仕方ないわよね
[だって、貴方は、 私が創り出した人工知能なのですから。]
(*4) 2016/08/22(Mon) 04時半頃
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[ ぴちゃん、 ぽちゃん。
きっと、水泳のテストが始まったのでしょう。 水面が大きく揺れ始めます。 水飛沫が、こちらまで 大きく飛んでくるような気がするのは 久水さんの盛大な泳ぎ方の影響でしょう。 彼女が24mも泳げたことも、 息継ぎを知らなくても、単位を貰えた という切原さんの話も後々知るでしょう。
そろそろ、私の番なのは分かっています。 でも、けれど。 水面に揺れるぎらぎらの太陽と、私。 届かぬことを知っていながらも、 手を伸ばしてしまいそうになるのです。]
(257) 2016/08/22(Mon) 04時半頃
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[ 伸ばした掌は、いつもいつも。 届くことはないのです。 ]
(258) 2016/08/22(Mon) 04時半頃
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[浮かない顔の東明さんの周りに大原さんと若菜さん。 二人の男が囲んでいることを知れば、 私は不安げに彼女の元へ走っていたかもしれません。
そして、プールに沈む幾つかの姿を見受ければ、 私は何もないその場所ではなく、 その人物たちに掌を伸ばしていたかもしれません。
私は、何もない水面に手を伸ばしてしまって、 てるてる坊主のまま、 ばしゃんとプールに落ちるのでした。
眼鏡もびしゃびしゃ、けれど。 決してその眼鏡を外すことはありませんでした。 団十郎どのはお優しいから、 私のいろいろに免じて試験は、 終えたことにしてくれたことでしょう。*]
(259) 2016/08/22(Mon) 04時半頃
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─ 補講後─
[私の最後のプール補講は、これにて閉幕。 残された時間は幾許でしょうか? 夏は、あとどれくらい残されているでしょうか? 私は、この夏休みの間に、 図書室の本を全読破しようと目論んでいたのです。 だから、昨日の約束も、今朝の約束も。 身を引かれる思いでしたが、 やはり反故にしてなかったことにしようと、 ………いいえ。
転校生さんのこともありますから、 千島さんも花火に行くと返事はありませんでしたから、 もしかしたら。もしかしたら、なんて。 一度、すべてを整理しようと、 図書室へ向かおうと立ち上がったところでした。]
(260) 2016/08/22(Mon) 05時半頃
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[私が、先日から返信していないことを 素晴らしく曲解された久水さん。>>206 彼女が、此方へと近寄ってきては、 丹野さんまでを呼び出して、 …………こう告げるのでした。
浴衣を選んで。って。>>221]
ぇ、ぁ………ゎた、ゎ………
[私、行くなんて言ってないです。 その言葉が喉をついて、出ませんでした。 追撃の、一言も。>>227 いつもとは違う久水さんの強引な様子に、 私は、眉尻を下げてひどく困惑します。]
(261) 2016/08/22(Mon) 05時半頃
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[そこで、一つの閃きが芽生えました。 私が着付けのできる完璧な女だと、ばれた? 他のみんなは着付けができないらしかったので、 私の神たる力が必要になったのか?
と、ポジティブに考えることにしました。]
ぅぅ…………、着付け、なら
[隣でとても嬉しそうに浴衣を選ぶ、 かわいらしい女の子の丹野さんを横目にすると、 私は、断ることが益々できなくなったのです。 彼女の選んだ柄は、 金魚の泳ぐとても可愛らしい柄でした。 丹野さんのチャーミングで、元気なところが、 とっても似合うと思いました。]
(262) 2016/08/22(Mon) 05時半頃
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[短い髪も、軽く編み込みくらいはできるはず。 東明さんが、綺麗な編み込みヘアをしていたから、 お願いすると可愛く仕上がると思うのです。 そうですね、東明さんが他のみんなの髪型も かわいくしてくれるのではないでさょうか? と、彼女の姿を気づけば探していたことでしょう。
女の子は、かわいいがいちばん、ですからね。 丹野さんのかわいいを、紡げるのであれば、 私は手を貸してあげても、……いいんですよ?]
(263) 2016/08/22(Mon) 05時半頃
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[着付けをするだけでは、飽き足らない様子。 こんなに圧力のかかった久水さんは、 これまでに見たことがあるでしょうか? いいえ、ありませんでした。]
久水さん、 ……なにかお悩みでもあるんですか?
[なんて、問うてみましょうか。 答えは何と返ってくるでしょうか? と思っていれば 背後からにょきっと現れる鈴宮さんの顔。>>245]
(264) 2016/08/22(Mon) 05時半頃
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ひょえあっ……!
[思わず叫ばずにはいられません。 背後から伝わるそわそわに、 私もつられてそわそわしてしまうことでしょう。 どうやら、私の花火大会参加は、 確定事項らしいのでした。]
(265) 2016/08/22(Mon) 05時半頃
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鈴宮さんは、どんな浴衣を持ってきたんですか? ……準備して、まっていてくださいね。
[ちらり、背後に視線を向けましょう。 一人で試そうと思っている彼女に向かって、 それは私がやりますと宣言するようなもの。 かわいいと先ほどから連呼する鈴宮さん。 かわいいのは、貴方ですよ? 我が眷属候補なのですから、お忘れなきよう。 鈴宮さんは、どんな浴衣も似合いそうですし。 着付けがいがあるというものです。]
(266) 2016/08/22(Mon) 05時半頃
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それじゃあ、
[これ、と指差したのは。 深紫に乳白と薄い紫で彩られた竹柄の 酷くレトロな雰囲気のもの。 目を凝らして見れば、グラデーションで、 ツバメが混ざっているのが分かります。 八竹だけに、竹柄。
久水さんのお姉さんは、 とても渋いものをお持ちなのですね! と、 いと は感動したことでしょう。 ねえ、これで満足ですか? 私は、久水さんの方を向き直って、 困ったようにはにかみました。]*
(267) 2016/08/22(Mon) 05時半頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2016/08/22(Mon) 05時半頃
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─ プール─
[私は、東明さんが心配になって、 結局彼女の元へと走ったのでした。>>271 両サイドの獣…もとい、男子たちは、 何をしていたのでしょうか。 じと目で見つつ、私は東明さんの前にちょこん。]
ぃ、いえ……大丈夫そうなら、 安心しまし、……ゎあっ…!
[嬉しい? 何が嬉しいのでしょうか。 私には分かりませんが、向けられる笑顔に 吊られて笑みを浮かべました。 そして、伸ばされる腕、そのまま崩れる重心。 熱くてとても痛そうなコンクリに、 彼女の顔面を当てて傷つけてしまうようなこと、 絶対にあってはなりませんでした!]
(288) 2016/08/22(Mon) 17時頃
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[私は、咄嗟に(※運動神経は悪くはないのです) 身体を抱きとめるように腕を伸ばしたでしょう。 でも、勢いまでは緩衝できず、 東明さんを抱きとめたまま、背中から地面に 落ちてしまっていたかもしれません。 てるてる坊主姿のままだったので、 ぶつかったとて、 ちょっと痛いくらいで済んだでしょうけれどね。*]
(289) 2016/08/22(Mon) 17時頃
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─ 浴衣作戦会議─
[変化とは、誰しも恐ろしいものです。 一歩を踏み出すことは、氷上に足を乗せるようなもの。 崩れ出してしまうことが恐ろしいのです。 だからこそ、私はいままでを保ち続けたい。 そう、願っていたのですけれど。
此れ迄の“ いつも通り ”はなくなったとしても、 此れからの“ いつも通り ”は訪れるはず。 だと私は思うのです。]
(321) 2016/08/22(Mon) 20時頃
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[ 消え去った記憶は、 補完されることでしょう。 ]
(*5) 2016/08/22(Mon) 20時頃
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[この圧の原因は何かは分かりません。 私は、風の噂、青い春の噂を知りません。 ですから、耳に届いた呟きに、>>276 私は、双眸をそっと閉ざしました。]
(322) 2016/08/22(Mon) 20時頃
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[私の落とした呟きも、久水さんにだけ 届いてしまったかもしれませんね。
着付けを教えてとねだる東明さん。 鈴宮さんも一緒に、二人まとめて着付け方を お教えしようと思います。 私は、天才的ですから、 教え方もきっと上手いに違いありません。]
ぇっと、私でよければ…… …て、わぁ………かわいい、ですね
[私の無茶振った髪型の話を、 東明さんは快く受け入れてくれました。>>274 広げられる髪留めたちは、 どれもかわいくて素敵なものでした。 喜ぶみんなの笑顔を見て、私はどこか ほっとしていたことをここに告白します。]
(323) 2016/08/22(Mon) 20時頃
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[久水さんと丹野さんの着付けは、 私がしましょうとも。 何方かの身体を使わせて頂いて、 説明しながら、着付け教室を開きましょう。 ただ、その前に。
ご飯をたべて、腹拵えをしてから再集合です。 準備には………三時間くらいあれば 足りますでしょうか? 時計をちらり。 プール後の空腹を満たすため 一時解散? それともみんなでつまみ食い?*]
(324) 2016/08/22(Mon) 20時頃
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─ 花火へと─
[再集合をして、みんなを着付け、 そして、変身してゆくさまを満足げに 楽しく眺めさせていただきました眼福です。
先ほど、思わぬ叫び声を耳許であびた 鈴宮さんの鼓膜が破れていないといい。 と、今更ながらの心配を胸に抱きつつ。 ひとつひとつ着付け方を教えてゆきました。 実演してみせるだけでは、 やはり上手く伝えることは難しかったのでしょうね。 鈴宮さんの掌に掌を重ねて、ひとつずつゆっくり。 じっくり舐め回すように堪能するように丁寧に。]
(338) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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ほら、これで完成です。 ………ふふ、鈴宮さんなら きっとすぐに覚えられますよ?
[出来上がった彼女の浴衣姿にご満悦。 耳許で、こっそりされる内緒話も、 聞き耳を立てて、楽しそうに聞くのです。]
(339) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[けれども、耳許に届いたその言葉に、 息が、止まってしまいました。
視線は一度、地へと落ちます。 数秒の出来事でしたが、 それはとても長い時間のように感じました。 私は、困ったように微笑んで、 でも、鈴宮さんに心配をかけたくはありませんから。]
(340) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[こっそりこそり。 みんな内緒話が好きですね。]
(341) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[さて、 私の髪も、東明さんに弄ばれてしまったのでしょうか? 人に髪を触られることは、嫌いではありません。 むしろ、すきなほうです。 ましてや、東明さんのようなかわいい女子に 触ってもらえるとあらば、私の心臓は どきがむねむねでした。 仕上がりはどんな風になっていたのでしょうか? 彼女の魔法の掌は、みんなをお姫様に変えるのです。 あ゛、東明さんもお姫様なのですけれどね! そして、私はヒーローなのでみんなを守る立場、的な?]
(342) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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……まんぞく、です。
[ふう、小さくため息。 見上げた時計は、集合時間を過ぎては いなければよいのですけれど…。 さあ、急いで向かいましょう。 ……と、一歩を踏み出しかけたところです。]
(343) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[ 私に素顔を晒せと、のたまう悪女がいます!!!
この眼鏡は、………伊達眼鏡のようなものです。 私の空気感を彩るアイテムのひとつなので、 視力が悪いわけではありませんでした。 ほんのすこしだけ、空気に当てられていた そのせいもあるかもしれませんね。 私は、眼鏡のフレームをかけ直すように 指をかけて、位置を調整します。]
……なくても、 見えないことはないですけど
[外してしまえば、私の醜い顔面が晒されてしまう! そう思うと身震いがするわけです。]
(344) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[ 眼鏡は果たして死守できたのでしょうか?
大和撫子たる私が、はしたなく襟元を はだけさせることは決してないと誓いましょう。 ただ、周りのみんなの艶やかな姿に、 思わぬ興奮をしては、頬の色を染めたことでしょう。
そこでふと、私は思い出してしまったのです。 この花火、男子たちも一緒なのだと! こんなにも愛くるしい女子たちを、 男子たちの前に晒してしまってもよいものでしょうか?
いいえ、いいはずがありません!! けれど、みんなの足は校庭へと向かうのです。 私は、傍にいるであろう、誰かの浴衣の袖を きゅっと握り、 いやいやをしてしまうかもしれませんね。]
(345) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[準備の途中で、鈴宮さんは写真を撮っていたかもしれません。 あまり、写真というものに残されたくはないのですが、 鈴宮さんの顔を見れば、拒絶するのは申し訳なく だから、せめて。 顔くらい見えないようにと隠していたかもしれません。 鈴宮さんの隠し撮り技術の方が上だった場合は、 むりかもーですけれど、ね?
髪が、東明さんの魔法のおかげで、 ゆるふわフェミニンになりました…!>>356 私は、鏡に映る自分が自分でないような気がしてい、 テンションが、やはり上がってしまっていたのでしょう。]
(399) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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ぇ、みえ、ます……… んん。
[期待に満ちたその瞳に乾杯。…じゃなくて完敗です。 ただ単に恥ずかしいから外せなかっただけですから、 あまりに勿体振るほうがよくないのかもしれません。 それに、……彼女は無理やりと思っているかもしれませんが 実際に私は、今を楽しんでいるのです。 久水さんにここまで連れてきてもらったのですから、 感謝の意味も込めて。]
(401) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[ 眼鏡は、外したことでしょう。 慣れない硝子越しの視界。 硝子を通して見てきた世界が、 直接的に脳内へと辿り着きます。]
(まるで、違う世界見たい…)
[なんてこっそり思っていました。]
(404) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[さて、私が掴んだ浴衣の主は、 鈴宮さんだったのですが。>>352 見えないから掴んだと思われていたのは 私にはわからないこと、でした。]
ち、ちが………ちが、います……
[私は、ヒーローです!!!
お姫様だなんて言われるものだから、 言われ慣れていないものだから。>>353 思わず意識がまた他所にずれるのでした。 そして、私は、彼女と手を繋いだまま。 ようやく校庭へと辿り着いたのでしょうね。]
(406) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[そして、辿り着くまで花火の話をしたのだと思います。 私は、一度解散したときに、 近くの 駄菓子屋さん で、花火を買ってきました。 お店のおばちゃんとは仲良しですから、 おまけ といいながら、 袋いっぱいに包んでくれました。 こんなにいらないかも、と思ったりもします。 だから、何が入っているのかはわかりませんが、 きっと楽しい花火たちなのだろうと思いました。]
(408) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[男子たちは、すでに花火を始めていた? のかもしれませんね。 辿り着いたら、浴衣を褒めちぎる男子たち。 ……たとえば、青い春のふたりがこの中にいるとしたら、 私は影の功労者として称えられても 問題はないのだろうと思います。
私は、みんなの後ろでこそり。 そんな私に、グッジョブと言うのは 強引に花火の約束を取り付けた若菜さん。>>391 まあ、今回ばかりは許してあげましょう。 あなたのおかげで、こうして花火に来ているのも ひとつの後押しになったのですから。 …と、私は小さく頷くだけでした。]
(410) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[そして、心配していた千島さんも、 ちゃんと花火をしに来ているのを見つけ、 安堵の息を吐き出したことでしょう。
ぺかちゅう、いつなら教えられるでしょうか?]
(411) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[おのおの、思い思いに花火というイベントを借りた 青春を過ごしていることでしょう。 男女の甘酸っぱいひとときを 邪魔するつもりはありませんから、 私はこそこそ、すみっちょで 花火に火をつけてぱちぱち。]
きれー、ですね
[ひとりぼやいてました。 すると、シャッター音が聞こえます。>>395 盗撮か………!?!? と思うと、そこに居たのは樫木さん。]
(413) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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来年も、変わらない光景が 見られたらいいですねぇ
[肘をついて彼をちらり。 視線の先の光景は、 きっと変わらずに再現されることは叶うのでしょうね。 たとえば、バケツの二人組を横目に、 私はまた呟くのでした。]
(414) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[想い出を決して望んでいない訳ではないのです。 こうして共に過ごす日々は、 とても輝かしくて楽しくて、 私の宝箱に綴じ込めてしまいたいものなのでしょう。
ですが、私は我が儘なのです。 傲慢でお下劣で酷い女なのです。 自分と同じだけのものを、 相手にも求めてしまう。 私が憶えているものすべてを、 あなたにも憶えていてもらいたい。 そんな我が儘なのです私は、 こうして想い出を重ねてしまっては、 いけなかったのです。]*
(415) 2016/08/23(Tue) 00時頃
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[盗撮といえども、 みんなを盗撮しているかと思ったので、 まさか自分にレンズが向けられているとは、 夢にも思っていませんでした。>>420 だから、此方に向くカメラに私は酷く狼狽え そして、眉を潜めていたに違いありません。
でも。]
……ふふ、こうして離れていると、 みんなの楽しそうな笑顔がよく見えますね でも、私なんかよりもっと素敵なひとが 来年にはいると思いますよ?
[あ 火花が消えました。 儚い花火の散る様子は、褪せゆく記憶と重なります。]
(445) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[ その頃には、もう私はいませんから。 ]
(*6) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[浴衣を汚してしまっているかもしれません。 丁寧に洗って返しますから、お許しください。 立てた膝を、両腕で抱えましょう。 そうして、彼の手の内に収められたカメラを 視界にとらえていました。
背中を押す過去も、手を引く未来も。 偶然あつめられたこの補講メンバーには、 それぞれ異なるものとなるでしょう。 ですが、私たちには同一の記憶が残されます。 補講をした僅かな数日、そしていまこの瞬間。
この想い出は、 私たちに何を残してくれるのでしょうか? 私たちは、まだ何もわかるはずがないのです。]
(446) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[貴方の押すシャッターは、 いまこの瞬間を、形として残すものです。 といっても、残せるものはほんの一部分。 切り取られた一瞬だけなのです。
けれど、遠い未来に、 その写真を目にしたとき、 私たちは思い出すのかもしれません。 褪せかけたこの、ささやかな青い春を。]
(447) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[残念ながら、 その記憶の中に いと が存在することは 決してないのでしょう。 何処の いと を手繰り寄せようとも、 私にたどり着くことは決してないのです。
私だけが、私の存在するこの瞬間を 未来永劫憶えていることになるのです。]
(*7) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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……いい、ですよ。 想い出、ですから。
[写真を撮っていいかなんて、 ……よくないに、決まっています。 それでも、許可してしまうのは。 この熱い夏に魅せられてしまったから。 ということにしておいてあげましょう。]
(448) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[いつか見たときのその写真は、 樫木さんのソロですから、 みんなに笑われてしまえばいいんです。]
(*8) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[少し、風にあたって乱れた前髪。 東明さんが、綺麗にしあげてくれたのですから、 写真に映る前に、私は綺麗に整えましょうか。
───カメラのシャッターは、 この瞬間を一枚の絵に閉じ込めたのです。
私と樫木さん。 ふたりと、背後の奥の方に映るみんなの姿。 この一枚は、もしよければもらいたいな、 と、思ったりもしました。]
(450) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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くすっ、……どうして、 どうして、樫木さんがお礼を言うんです? 私こそ、
[宝箱に綴じ込めるものが、 ぼんやりと決まってきたところです。 消えない想いも、想い出も。 其処には本当にあったのだと、 何らかの形で示すことができたのであれば、 私は、………─── 私は、]
(451) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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ありがとうございました、
[俯いて、私は小さく呟きます。 でも、すぐに笑顔になることでしょう。 空の月を一度仰げば、 次なる花火を取りに、行こうと立ち上がります。
憶えてしまった感情を、かき消すかのように。]**
(452) 2016/08/23(Tue) 01時半頃
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[とっても、とっても、遠い場所へ。 見上げた空には、白い月が輝いていました。 今頃、プールの水面には、 その月が反射していることでしょう。
決して、その月を掴むことはできません。 でも、科学技術の発展により、 いまの地球は月に到達することができます。 けれども、私が帰る場所は。
──水面に映る影よりも、遠い場所。*]
(*9) 2016/08/23(Tue) 01時半頃
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[私の、 空気計画 は、見事に瓦解しました。 最後の最後に、でした。 補講なんて、受けなければよかった。 そう思う側面もあるかもしれません。 結局、自らの肌を他者に見せる結果になったのですから、 はじめから、森に沈んでおけばよかったのです。
転校する なんて、 先生に伝えなければよかったのかもしれません。 そうすれば、みんなにこんな空気を与えずに “ いつも通り ”を続けられていたのでしょうから。
後悔に、後悔が重なります。]
(479) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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[それでも。 それでも。
本当の私は、望んでいたのかもしれません。 私が、私たらしめんとする感情に、 気付きますようにと、目論んでたのかも。]
Hi,Ducky 本棚あと1/3程度だから、 それが終われば、……………
[花火を捨てるバケツの水の中、 こっそりのぞく私の相棒。 軽く手を振って、私は帰還を伝えます。]
(*10) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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[私の天才的な頭脳があれば、 また何処かで、この場所に帰れるでしょうか?
………それまでには、まだ。 時間がかかりそうですね。 西の魔女に、会いに行かねば、なりません。]
(*11) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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[ “ まだ、帰りたくない ”
そんな我が儘が通用するほど、 世の中は甘くはないのでした。 分け合おうとした火種は、>>473 与えてしまったら、終わり。 私の花火の炎は消え落ちてしまうでしょう。 まるで、灯火の炎が いと のように、 紡がれていったかのようです。]
いいでしょう、特別に。
(480) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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[ 最後くらい、 ]
(*12) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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呼ばせてさしあげても、構いませんよ?
[若菜さんの提案に、 私はこう、答えました。 他の人も、好きなように呼べばいいのです。 私は、一度も嫌だとは言ったことはないですから。 優さん その名の通り、 ゆたかな心で、ゆたかな未来を 築き上げてくれることでしょう。]
(481) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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[線香花火の小さな火種に、 ながくながく続くようにお願いしたのは、 人生で初めてだったと思います。
全員分の、線香花火。 落ちてしまったら、 あたりは暗闇に包まれていました。 でも、傍には、何人もの友人たちがいたので、 暗闇は怖くはなかったように感じました。 いまなら、水面に映る影さえも、 この手でつかみ取れるような気さえしたのでした。]**
(482) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2016/08/23(Tue) 07時頃
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