231 自由帳の中で、僕たちは。
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
全て表示
|
―終業式後―
ん?
[寒い寒い廊下を移動中の時だ。 意外な人物に声をかけられ足を止める。 振り返ると佐藤が立っていて。
確か幾らか前に「入江や友田と仲がいいのか」と聞いた時の話だ。]
おう、おれはなんもしてねぇけど。
[おれの一言で歩み寄るきっかけになったらしい。 いいことじゃねぇか、青春真っ盛りっぽくて。 背の高い佐藤の肩に手を伸ばし、とんとんと軽く叩いた。]
お前も不器用だけどなー…友田も入江も不器用さんだから。 ちゃんと見ててやってな。 あ、おれが謂ったって内緒ね。
(79) anbito 2017/12/29(Fri) 02時半頃
|
|
[終業式後でも、時間になればチャイムが鳴る。 こいつらはすぐ家に帰るだろうが、 教師は悲しきかなまだまだ仕事が山のようにあるのだ。
もう一度だけ叩いて職員室の方へ数歩。 歩いてから顔だけ振り向かせ。]
で、佐藤。 入江と友田とは…仲良し?
[口の端を上げてもう一度訊いた。 「仲が良いとは言えないと思う」なんて、 もうきっと返っては来ないだろうから*]
(80) anbito 2017/12/29(Fri) 02時半頃
|
|
―その後・教師陣飲み会―
[終業式を終えたその日、おれたち教師も区切りを迎える。 来年の授業構成、果ては来年度の準備になど忙しい事にかわりはないが まずはお疲れ様――のような飲み会が行われた。 木島先生は来ていただろうか。 姿があれば、怪我が悪化しないように気にかけたりしながら ビール片手にキムチ鍋をつついていた。]
お…、ジェニファー先生出来上がってますね。
[すっかり酔っ払っているジェニファー先生がやってきて あの店員が可愛いだの、男は顔がどうのこうのだの。]
(82) anbito 2017/12/29(Fri) 03時半頃
|
|
はいはい、そうすね、うんうん。 あ、でも…普段しっかりしてるやつのだらしない姿は まー、ちょっとキますよね。 あと無防備な寝顔とか。
[「淵先生!やだえっち!!」なんて声が上がる。 その場はどっと笑いが起こり、おれも同じく笑った。 誰もおれが男の話をしてるとは思ってないんだろう。 しかも担任ではないが、教え子の話だなんて。
酒の席だ、大人は好き勝手楽しむ。 それでもやはり大半が生徒の話になったり授業の事だったりで この学校はなんだかんだ、いい人ばかり揃ってると思う。 それは後世にも続いていく――てのは、おれの勝手な希望だ。
デザートの杏仁豆腐を口に運びながら スマホを取り出しては確認する。 また少し経って、確認する。 その姿を先生の一人に見られていたらしく なんだ恋人か、嫁さんかと囃し立てられるものだから。]
(83) anbito 2017/12/29(Fri) 03時半頃
|
|
そっすねぇ。 まあ、未来の?
[なんて、笑って返した。]
(84) anbito 2017/12/29(Fri) 03時半頃
|
|
[昨日、あいつの部屋を出る前。 枕元にそっとおれのメアドを書いたメモを置いてきた。 起きて「あれは何もかも夢だった」なんて思われちゃ敵わない。 そこにおれが居たぞという証と、 “教師と生徒”以外の時間で、連絡できるものを。 ただ、あの散らかった部屋じゃあ 寝起きにすぐ見つけられるかどうか、ちょっと微妙ではあるが。]
っと、羽目外し過ぎないでくださいよ。 おれらまだ、明日も仕事っすからね?
[全く、と酔っ払い教師陣の中に入っていくおれを見て 囃し立ててきた先生が小さく呟いた。
「淵先生って、あんな顔して笑ったりするんですね。」]
(85) anbito 2017/12/29(Fri) 03時半頃
|
|
[いつ連絡が来るかはわからない。 でもそうだな、おれのスマホが鳴ったあと おれはこう送ろうと思う――*]
(86) anbito 2017/12/29(Fri) 03時半頃
|
エフは、心の目で<●><●>ミテルデェ…**
anbito 2017/12/29(Fri) 12時半頃
エフは、( *´╰╯`) .。.:*♡
anbito 2017/12/29(Fri) 19時半頃
エフは、/* わあいもぐもぐ(かってにたべる
anbito 2017/12/29(Fri) 22時頃
|
―冬の幻 >>2:-38>>3:8>>3:9>>3:10―
[おれが二十八の頃。 あいつは十七――高校二年の冬が始まりだった。
最初はただの教師と生徒だった。 おれは二階で明日の授業の準備や、今日の片付けをしていて あいつは校庭の花壇をせっせと世話していた。
いつからか声をかけるようになった。
「熱心だな」とか 「何が咲くんだ」とか 「今日も寒いな」とか
校庭の運動部の喧騒が遠く。 そこには穏やかな時間だけがあって。 たった数秒の会話はやがて、数分になり、数十分になり。
欠かせないものになるのは必然だったんだろう。]
(*1) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
|
|
[おれはそんなに口の回るほうではなかったし あいつもそこまでお喋りなタイプではなかった。 二人でいても無言の時間なんて幾らかあったし それも含めて苦になることは全然なくて。
重い肥料を運ぶのを手伝ったり。 雑草を引っこ抜いて尻餅をつくおれに笑ったり。 鼻の頭に土汚れをつけたあいつに笑ったり。 おれの食うものが体に悪いからって たまに弁当を作ってきてくれたりするようなやつだった。
甘い卵焼き、タコの形のウィンナー。(>>1:111) 美味いと謂えば、嬉しそうに笑う顔があった。
おれが“声なき言葉”を教えたら、一生懸命に覚えて。 代わりにあいつは、おれに草花の事を話した。 おかげであいつは理科の成績だけやたらによくて。 おれは似合いもしない花言葉なんかに詳しくなった。]
(*2) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
|
|
[おれたちはお互いにわかっていた。 相手のことをどう思っているか。 そして、おれたちの関係性も。
だから謂えなかった。 だから、謂わなかった。
たとえその笑顔がどんなに愛しくても おれはこの手を伸ばさなかった。 柔らかな髪に触れることもなければ 透き通る肌に触れることもない。
あいつも同じだった。 おれを名前で呼ぶことも無い。 連絡先もしらない。
でも、それだけで おれたちは充分しあわせだった。]
(*3) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
|
|
[――いつからだろうか。 生徒たちのおれを見る目が少しずつ変化していったのは。 嫌われることはままあるが、そういったものとは違う。 好奇の眼差しがおれを撫で回すようになった。
「三年の倉科りさと理科の淵ってデキてるらしいぜ。」
今でも覚えてる。 どこの誰だったか顔は覚えてないが おれに聞こえるように放たれた、その囁きを。]
(*4) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
|
|
[あそこで掴みかかっていれば、どうなっていたんだろうな。 一瞬頭に血が昇って、拳を強く握ったことは覚えている。
それでもおれは、何も謂えなかった。
何も、謂わなかった。
今おれがキレて手を上げて何の得がある? おれは職を失うだろうし、あいつにも迷惑しかかからない。 あいつには将来がある。 おれにはそれを守る義務がある。
大人だから。 教師だから。
言い訳ばかりを並べて、おれは。 認めることから逃げたんだ。]
(*5) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
|
|
[三年の卒業は程なくして訪れた。 あいつは最後の日も花壇を弄ってた。
いつもと同じような会話をした。 何もなかったかのように話してた。 けれど突然思いもよらない言葉があって。]
「淵先生は何がすきですか?」
[わかってた。 その言葉は「おれがすきだ」と謂っていたことも。 その言葉は「おれにすきだ」と謂ってほしかったってことも。]
(*6) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
|
|
「……甘いもん、辛いもん、かな。 なんでそんなこときくんだ?」
「小さなことでも、すきなものをすきっていえるのって しあわせだと、おもうから。」
「じゃあ、お前は何がすきなんだ?」
「わたしは、……お花かな。」
(*7) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
|
|
[会話をしたのはそれが最後だ。 卒業証書を抱えて、大きな瞳に涙をいっぱい浮かべて あいつは高校を卒業した。
おれは校門を出ていくあいつを 見えなくなるまで、消えるまで 理科準備室から見ていた。
気付けばおれは、眉間に皺を刻んでいた。
もう、単純に笑うことなんて出来なかったし でも、泣くことさえ許せなかった。
そして厄介ものを払うようにおれは転勤が決まり 男子校なら変な間違いも起こさないだろうと この杏琵高校に赴任させられた。
今は―――*]
(*8) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
|
|
―卒業式・図書館―
[おれは自由帳のページを捲る。 冬休み中にも書き込みがあったり、なかったり。 あれから書き込みも少しずつ減った。
『ひかり、あれ』
その書き込みにはどこか心救われた所もあって。
字の綺麗な書き込みも。 ライの小さな書き込みも。 土岐の短歌の書き込みも。 トーコの可愛い字の書き込みも。 ささみの天気予報の書き込みも。 Rの可愛いイラストの書き込みも。
これらは“F”のなかで 小さな沢山の思い出のひとつになる。]
(145) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
|
|
[悲しきかな、おれはまだ最後の書き込み(>>136)よりも前にいて ああ、自分の受け持ちのクラスのあれやこれや。 卒業式ってのはどうにも忙しい。 何も書き込めないまま、図書館を後にした。
長い式典が始まり、終わる。 ジェニファー先生なんか横で泣きまくっていて おれのポケットティッシュまでひったくっていった。 まあそれだけ感動的なものなのだろう。 涙こそしないが、それはよくわかる。
こんなでも、十年近く ここで“先生”やってますから。
やがてどのくらいしてか あまり鳴らないスマホが鳴った。 確認すれば『礼留』の文字。 “いつもの場所”へ、足を向けた。]
(146) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
|
|
―指導室―
[向かった頃には先にあいつがいて、中にはいった。 今日は暖房をガンガンにたかなくてもいいほど暖かい。 二人きりの室内は始めは静かで、 ぽつりと落ちた言葉が感慨深そうに、 春に融ける雪のように、響いた。]
そうなぁ。 入学してきたのなんか、ついこないだだったのにな?
[春の頃を思い出す。 その頃はまだ今よりも幼く、背も今ほどではなくて。 ただ、見慣れてきた今の黒髪よりも明るすぎる頭髪と 耳に光る金属が原因でこの部屋に呼び出したのが始まりか。 突然『よっしー』なんて呼んできたやつは初めてで。 顔も怖いおれに、そんなずけずけと物言いするやつは珍しかった。 それもあって、すぐに名前は覚えた。 礼(人の踏み行うべき道)に留(とどまる)。 いい名前だな、とは謂わなかったけれど。]
(147) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
|
|
信じられんってことはないが。 ―――いや、うそ、信じられんな。
[おどけたように告げる言葉には、同じように返した。 過去、この部屋で見せていたような 顔面硬直したような表情は、もう、ない。
例えこいつが。 あいつと同じように、学校を卒業しても。 おれがこの背を見送っても。 その先に道(レール)は続いていて。
今度は立ち止まらずに 歩いていこうって、思う。]
(148) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
|
|
お前より可愛いのがどこにいるんだよ。
[最大級の惚気だと思う――おれにしては。 冗談ともとれるし、そうでもない言葉を返し 重なるのは温かな掌と唇。 忍ばされた銀に気づくのは、もう少し後の話。]
(149) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
|
|
[卒業証書を抱え、笑いかける礼留。
高校を去り、教師と生徒では無くなった後 おれたち関係は――きっとかわらない。 あいつが泣いた夜から、おれが救われた時から だから、今目の前で笑ってくれるこいつがいる。 どんなことがあっても、一緒に歩いていけたなら。 それを幸せと呼ばずして、なんと呼ぶんだろう*]
(150) anbito 2017/12/30(Sat) 00時半頃
|
|
―招待状―
[あれから少したった頃だ。 学校におれ宛で、個人名の封筒が送られてきた。
真っ白で、華やかに装飾のあしらわれた、それ。]
(152) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
淵佳徹 様
お久しぶりです、元気にしておられますか? 突然のお手紙、ごめんなさい。 どうしてもあなたにはご連絡をしたくて 学校の先生方に無理を言って、お手紙を送らせて頂きました。
あれから沢山の日がたちました。 私は夢だった、お花の仕事についています。
今度、結婚します。
その前にどうしても、あなたに伝えておきたくて。 迷惑かも知れないけど、迷惑だったかも知れないけど。
私は、あなたのことが
すきでした。
(153) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
私には、すきだといえる人が出来ました。
あなたはどうですか?
あなたは自分を犠牲にして 大切なひとも、大切なものも、 泣きながら切り捨ててしまう人だから とても、とても心配です。
(154) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
[式に来てほしい、という旨と共に招待状が入っていた。 名を見れば『倉科りさ』の文字。 ああ、もうその苗字もかわってしまうようだ。
ふっと、作り物でもなんでもない笑みが落ちる。 驚くぐらい、ショックを感じなくて。 むしろ心地よいくらいの想いで満たされている。
それもこれも―――]
伝えねぇとなぁ。 おれも『すきだった』って。
―――『すきだといえる人ができた』って。
[招待状の出席に丸をつけながら。 そんなことを、呟いた**]
(155) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
― After ―
[これからもおれはあのノートに書き込みを続けるだろう。 なくなりかけていたノートは、あれからまた新しくなった。 今度は赤い表紙のノートで、変わらず『自由帳』と書いてある。
まだ数ページ残っている、青い自由帳に目を通す。 見逃していた書き込みに気付いて。]
おー。
[きっとそうだろう。 礼―― ライ―― ……
思い浮かぶ顔に、自然と頬が緩んだ。]
(166) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
がんばれ。
“佳徹”
(169) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
[ここに名前を書くのは最初で最後だ。 卒業したあいつが、この返事を見ることはないだろうけど。
そうだな。
おれが皺くちゃのジジイになって あいつもおっさんになった頃には 熱い茶でも飲みながら、 そんな話、してやってもいいと思う。 ――覚えてたらな。]
(170) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
さー、授業始めんぞー。
[今日も今日とて、おれは“先生”をやっている。 ノートにしても、先生にしても。 誰かの通過点である事に変わりはない。
――ただ、一人を除いて。]
(171) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
[午後の暖かな授業風景。 いつのころからか、強面の理科教師の左耳に。
太陽の光を反射する銀がひとつ―――…**]
(172) anbito 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る