237 それは午前2時の噺。
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[ 暗い空の雲の色がわかるくらいにはあかるかったから、ちゃんと公園にたどりつくことができた。ひざこぞうがまだじんじんして、しくしく泣いているみたい。 やっぱりお気に入りの服はやめておいた方がよかったのかもしれない。だけど、とびっきりのことをお願いするときはとびっきりの服で、したかったんだ。
ちょっとすてきなおかしを食べるときに、かわいいお皿を準備したくなるみたいに。 とくべつなことは、とくべつにふさわしく。
たとえばわるいことだったとしても。]
(14) Muimerp 2018/03/29(Thu) 03時半頃
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[ 「さくの中にはいってはいけません」の看板を乗り越えて、止まった花時計の「5」のところまで歩いていく。そこに、むかし、埋めたんだ。みんなで未来にねがいをこめたタイムカプセル。……未来におねがいごとをした。何を書いたのか、まだちゃんと覚えてる。
あのときのわたしは、タイムカプセルってものをちょっと勘違いしていたと思う。未来のその時に開けるために埋めるものなのに、そのまま未来のわたしに届くような気がしていて。 ちょっとだけ、いまも、そうだったらいいなって思っているけど。
ぱっと笑う時を楽しみにしてるつぼみをひとつ、ふたつ、引きちぎって棄てる。ぶち、ぶちぶち。お花がかわいそうだなんて言うような優しさをもてないあたり、わたしはただいい子のフリしたわるい子なんだって、自分でわかる。 ………あれ?
柔らかい土に膝をついて掘り起こしたらすぐに見覚えのある缶がでてきた。ほんの何年か前に、ここに手紙を入れた。躊躇いもなく目張りされたテープを剥いて柵に張り付ける。土だらけの手を簡単に払って、缶の蓋を捩じる。]
(*0) Muimerp 2018/03/29(Thu) 03時半頃
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[ 八つ当たりじみた手紙を抜いて、ポケットにしまっていたもう一つの手紙を取り出した。なんとかいっしょの封筒に押し込んでまた封をする。はやくしないと、いつ電気がつくかわからない。電気がついたらとけいがうごきだしてしまう。そうしたら、そしたらもう埋められないし掘り出せない。 それに、 ]
「何してんの」
[ うしろから、 こえが、きこえて、 しんぞうが、 プールまえのシャワーのときみたいに ひっ、 と、 ちぢみあがった。]*
(15) Muimerp 2018/03/29(Thu) 04時頃
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