76 ─いつか、薔薇の木の下で。
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[胸に宿るは、薔薇の蕾]
(*0) 2013/03/28(Thu) 00時半頃
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[色付いた唇をちろりと舐めて。 羽織っただけの乱れたシャツの下、白い肌に残るは薔薇の花弁の如き赤。]
(1) 2013/03/28(Thu) 00時半頃
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[彼らが様子を見に行こうとした部屋から、丁度出て来た姿が見えるだろう。]
どうかしたのかい?
[そんな風に平然と問い掛けた。]
(3) 2013/03/28(Thu) 01時頃
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ヴェスパタインは、…ん?と淡く微笑み、立ち去った。*
2013/03/28(Thu) 01時頃
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…あぁ、外に居たから、 部屋に連れてって寝かしつけただけだよ?
人間は、夜は眠るものだろう?
[自分より小柄な先輩の顔を身を折って覗き込むようにしながら告げる。 戯れに手を伸ばして、頭をくしゃりと撫でた。]
君もちゃんと眠らなきゃ、ダメだよ?
そう、……夜は長いんだ。
[僅かに掠れた低い声で、その耳に染み込ませるように囁いた。]
(15) 2013/03/28(Thu) 09時頃
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…ふふ、ごちそうさま。 でも、ちゃんと咲くにはまだ足りないんだ。
君は、どうするの?
[約束などしらばっくれるつもりで、ひそやかに問う]
(*2) 2013/03/28(Thu) 09時半頃
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そうだね……
こいつ、何も知らないから……とてもいい色の精気が絞れそうだ。 罪悪感は、とてもとても赤い。
[風に揺れる葉のさざめきのように笑って。]
(*4) 2013/03/28(Thu) 10時頃
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[廊下へ出てきたサイラスの姿に、濡れた唇は笑みを作って。
流れる水のようにするりとオスカーから離れると、サイラスへしなだれかかる姿は、まるで娼婦のよう。]
夜はまだまだ長いよ。 …春にはまだ届かないから。
[連れ去ってほしいと腕を絡めて、首筋にそっと唇を寄せた。**]
(17) 2013/03/28(Thu) 10時頃
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[礼拝堂の窓から射し込む月光は、ステンドグラスの色硝子に彩られて薔薇模様の影を落とす。
緋毛氈の上に横たわる姿は、まるでサバトの後のよう。 銀の髪と黒い服を乱されて。
白い肌に散る痕。白い肌に落ちる影模様。 苦悶に掻きむしったような傷が心臓の上に。 蔦のように絡みつくのは、魂捕らえた呪縛か。
目を閉じたまま、唇は淡く笑む。]
(48) 2013/03/28(Thu) 21時半頃
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[中庭の無惨に折れた枝の下、 新緑の新芽はひっそりと開き、小さな蕾は微かにほころぶ。
けれど、まだ足りない。 春を告げるにはまだ足りない。]
(58) 2013/03/28(Thu) 23時頃
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[さざめく葉擦れの音が、中庭に満ちる。 ひそやかに囁くように、欲しい…欲しいと。]
(69) 2013/03/29(Fri) 00時半頃
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[逃げ出すかのように駆けるオスカーを、 行く手を阻み、ふわりと包み込むように受け止めたのは、 夜の精とも見紛うような…]
…どうしたの?
[長い髪に表情は隠れ、色づいた唇だけが淡く微笑んだ。]
(72) 2013/03/29(Fri) 00時半頃
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…なかにわ?
[つややかに色めいた唇が、ゆっくりと言葉を紡ぐ。]
中庭で、何があったんだい?
怖かった?
それとも…
[羨ましかった?と、耳たぶに触れそうな距離でそっと問う。]
(77) 2013/03/29(Fri) 01時頃
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[いくら交わっても、いまだ満たされぬ。 渇きはいまだ癒されぬ。
後戻りできぬ痛みと後悔に、引き裂かれた魂はとめどなく血を流したけれど、
それでも、春の訪れにはまだ遠い。]
(*11) 2013/03/29(Fri) 01時頃
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…そう、驚いた? [くすりと、微笑ましげに眼を細めて、]
これが、夜。…この庭の夜、だよ? こんな時に起きているなんて、君は…悪い子だね。
[まるで子ども扱いするような口ぶりで囁き、黒髪をくしゃりと撫でつけた。 彼が先輩であることすら、知らないような様子。]
(79) 2013/03/29(Fri) 01時頃
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[見返す瞳は、紺碧よりも深い宵闇などでは無く、 咲く寸前の蕾に宿る深い深い薔薇真紅。
戸惑うオスカーの思考を力付くで塗り潰そうと、眉間へと熱い唇を落とした。**]
(81) 2013/03/29(Fri) 01時半頃
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