人狼議事


278 冷たい校舎村8

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視点:


【人】 倫理委員会 アトレイユ


 いなくなった誰かの代わりに、
 ひとつ、夢の話でもしてみようか。
 

(43) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 いや、あのテンションでは無理(笑)
 

(44) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 [ 何かが足元にいる。 ]
 

(45) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ──といってもいつものこと。

 礼一郎には昔から、
 体調を崩したり、
 緊張すると必ず見る夢がある。

 ぼさぼさの髪をした、
 痩せぎすの女の子どもが、
 リビングの床に額を擦り付けて謝るのだ。

 生まれてきて
 ごめんなさいって。
 礼一郎はただそれを見下ろしている。]
 

(46) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎はそれを見ても、なんとも思わない。]
 

(47) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 まあその夢、結構な確率で正夢になるんだけど(笑)
 

(48) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……なぜか、目覚めは悪かった。]
 

(49) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──朝──

[ 寝起き、悪いほうじゃないんだけど。

 目覚めた瞬間から頭が痛くて、
 でも、少ししたらマシになった。

 顔を洗おうって寝床を抜け出して、
 礼一郎はよれたシャツのまま、
 トイレのあるほうに向かって歩いた。

 空腹感はあまりなかった。
 夜中にパンを食べたからかも。
 食いしん坊じゃないのに。

 うるせー寝ろ。って言った礼一郎は、
 正直、とっくに満腹だった。>>2:803]
 

(50) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 冷水、冷たいらしいけど、
 そのくらいでちょうどいいとも思う。
 目を覚ますため、礼一郎は顔を洗う。

 ……そう、家じゃなかった。
 校舎みたいな何かに閉じ込められてた。
 友達が、死ぬのかもしれなかった。

 ……いろいろ思い出してきた。]
 

(51) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎は寝る前、
 バスケよりサッカーがいいって言った。
 体育館、片付けるんだっけ?
 なんか、そんな話だった。

 氷室の居場所がわかって少し安心して、
 理由がわかんないから心配だった。>>37

 菓子パンを食べだした辰美を見て、
 その調子で俺の分まで食べてくれ、と思った。]
 

(52) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ だから、えーっと……片付けだっけ?]
 

(53) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ チャイムが鳴った。**]
 

(54) 2020/06/18(Thu) 00時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/18(Thu) 00時半頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──午前8時50分──

[ 礼一郎がそこに向かったのなんて、
 手がかりを探すためでもなんでもなく、
 ただ曖昧な理由しかなかった。
 片付けなんて今することじゃないはずだからね。

 理由、とも言えない。
 冷水で目を覚ましたはずなのに、
 どうにも頭がぼんやりする。

 体育館の入り口が少し開いてた。
 ガタンと荒っぽい音がした。>>92
 礼一郎は、吸い込まれるように歩いて行く。]
 

(118) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 大きな背中がちらりと見えた。]
 

(119) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……ユキ?

[ 何事かと思い駆け寄った。
 パイプ椅子が倒れている。
 辰美幸俊は立ち尽くしている。

 どうしたんだよって言おうとして、
 礼一郎はその視線を追う。追った。

 礼一郎は、それを見下ろしている。]
 

(120) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 素直に頭の中で唱えてしまう。]
 

(121) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 喜多仲郁斗の死体が足元に横たわっている。 ]
 

(122) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 息が詰まる。]
 

(123) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 首がぽきりと折れてしまっていた。
 首と名のつくパーツにはことごとく、
 小さな掌の痕が、痣として残っていた。
 昨日掴んだ手首にはなかったはずのものだった。

 死体じゃなかった。人形だった。
 でも、それでも、喜多仲郁斗だった。]
 

(124) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  …………イクト、

[ 帰れてるよなって礼一郎は聞きたい。

 帰りたいっておまえが泣くから、
 だから、おまえは帰してもらえたんだよな。

 そうじゃなきゃひどすぎるよな。
 礼一郎は、ひどいことになんないって言ったのに。]
 

(125) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ごめんね。いろいろ。
 

(126) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ この状況の何もかもにクラクラした。

 礼一郎はいつもみたく、
 落ち着くための呼吸をする。ゆっくり。]

  ……かけるもん、あったっけ。

[ 昨日、七星にそうしてくれた誰かに、
 礼一郎も倣おうと思ったのだ。]
 

(127) 2020/06/18(Thu) 06時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ なければ教室に戻って、
 毛布を持ってこようと礼一郎は思う。

 礼一郎だってハンカチは持ってるけど、
 いくら雑な性格っていったって、
 顔にそんなもんかけられたら嫌だろ。
 何回か手を拭いたりしたしさ。

 演劇のためのさまざまなもの。
 が詰め込まれた場所だから、
 大きめの布のもう一枚くらいあるはず。]
  

(128) 2020/06/18(Thu) 07時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 舞台裏を見てみようって、
 礼一郎は身体の向きを変えようとして、
 そのとき改めて友人の顔を見上げる。]

  ……ユキ、
  息、できてるか。

[ 呆然としている友人の唇には、
 今もまた、血が滲んでいるように見える。>>95

 大丈夫に見えない。
 ──と、礼一郎は思って足を止めた。

 ゆっくり、できるだけ穏やかに声をかける。
 それでも礼一郎の声は少し強張っていた。]
 

(129) 2020/06/18(Thu) 07時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 誰も彼もが大丈夫じゃなくって、
 きっとこの世界を作り上げた張本人も。
 だからこんなことになってる。
 ──って、礼一郎はひどく胸が苦しい。**]
 

(130) 2020/06/18(Thu) 07時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/18(Thu) 07時頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/舞台袖──
 
  気ぃついてなかったって……
 
[ 礼一郎は途方に暮れたような声で言う。
 
 気が付かないってなんだよ。
 そんなことあるか? やっぱ変だよ。
 
 そういうことを口に出せず、
 少なくともその手が離されるのを見てた。
 
 明らかに肯定を求める質問が、>>141
 辰美の口から訥々と吐き出される。
 
 確証のないことを根拠なく肯定するのと、
 都合の悪い可能性に言及するのと、
 礼一郎にはどっちがマシなんだか、
 もうとっくによくわからない。]
 

(149) 2020/06/18(Thu) 10時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ わからないことは怖くて、
 でもやっぱり、いやだなって礼一郎は思う。
 目の前の友人がうまく呼吸をできないのも、
 ここにいる誰かが死んじゃうのも、いやだよ。]
 

(150) 2020/06/18(Thu) 10時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……死んでない。
  ユキ、だいじょーぶ。
 
  喜多仲、帰りたがってたから、
  きっと、帰らせてくれたんだって。
 
  ちょっと不器用なんだよ、
  ここ作ったやつ。……たぶん。
 
[ あーあ。無責任なやつ。
 礼一郎は一生懸命言うけど、
 全部全部、憶測でしかないじゃんか。
 
 ……憶測でしか、ないんだよなあ。
 それが全部、本当だったらいいな。]
 

(151) 2020/06/18(Thu) 10時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ おまえも死なないよなって言われて、
 礼一郎はちょっと考えた。礼一郎は──、]
 

(152) 2020/06/18(Thu) 10時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……死なないから。
 

(153) 2020/06/18(Thu) 10時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そればかりは、憶測でも願望でもなく、
 礼一郎の口先からこぼれ落ちただけの言葉だ。]
 
  ユキ。
  布、ちゃんとかけとくから。
  それから行くから。
 
  おまえは顔洗って、
  それで──、それでさ、
  ……ちゃんと帰ってこれる?
 
  なあ、
  おまえ、死にそうな顔してるよ。
 
[ 昨日できたことができなくて、
 つまり、腕を掴んでまで引き止められない。
 やましいことでもあったのかな。どうだろう。]
 

(154) 2020/06/18(Thu) 10時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……俺、
  おまえが死ぬのは、
  絶対にいやだよ。
 
  なあ、頼むから、
  思いつめる前にさ、
  言えよ、……言ってくれよ。
 

(155) 2020/06/18(Thu) 10時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 どの口で言ってんだろうね。
 でもそれが嘘じゃないんだから、
 礼一郎ってばどうしようもない。
 

(156) 2020/06/18(Thu) 10時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 舞台裏、布を引っ張ってきて、
 唇を噛みしめたって、血なんて出なかった。**]
 

(157) 2020/06/18(Thu) 10時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/18(Thu) 10時頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/舞台袖──

  ……だから、不器用なんじゃね。
  うまくできないんだろ。それだけで。

  ……必要なんて、あるわけないじゃん。

[ 人形がこうなる必要性も、
 この世界の主がそうする必要性も、
 礼一郎はとにかく認めたくない。

 辰美の言葉に否定を返した。>>179

 だってそんなの、
 そこに悪意が存在するみたいだ。]
 

(242) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……ああ、
 

(243) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 あまり考えてこなかったけど、 
 ここが礼一郎の世界なら、
 これは礼一郎への罰だな。

 礼一郎が最後まで改心しないから、
 お友達がこういうことになっちゃう。

 礼一郎が腹の底で飼ってる悪意に、
 ふさわしいやり方で君たちが死ぬ。

 ……だって礼一郎は、
 そうなっちゃうのが一番いやだ。
 

(244) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 礼一郎が憎いものなんて、
 この世にたったひとつしかないよ。
 

(245) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 やさしさも憎しみもなにもかも、
 簡単に分けたり与えたりできるわけない。
 

(246) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ぐるぐると思考を巡らせていたら、
 辰美も、ぐるぐるした目をしてる。>>182]

  ……たぶん、とか言うなら、
  どっか行ってんじゃねーよ。

[ 帰れる。って辰美は言うくせ、
 ???を飛ばしたような顔するのでいけない。

 この世界から帰る。っていう友人の困惑は、
 正直、間違いなく、礼一郎の問いかけのせい。]
 

(247) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ こんな世界。なんて言い切ることに、
 躊躇いを覚えたりしている礼一郎は、

 当たり前に思ったことを言っただけで、
 友人を混乱させるつもりはなかった。

 だから追加説明も補足もないまま、
 たぶん、と付け足されたことに不満げにする。

 あ、結局どこの話だって?
 ……ふつうに、礼一郎のいるとこ。]
 

(248) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……ほんとにちゃんと生きてりゃ、
 そういうこと言ってもいいんだろうけどさ。
 礼一郎、自分がどこに立ってると思ってんの。
 

(249) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ほんとに、ほんとに、礼一郎ってば、
 恥ずかしいばっかりで、大事なものを忘れてる。
 

(250) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 どこに落としてきちゃったんだろうね。
 

(251) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ でも、ふつうにそう思ったんだから、
 そう細かく問いただされちゃあわかんないよ。
 わかって言ったはずの言葉もわからなくなる。

 その瞬間、礼一郎がそう思っただけ。
 帰ってきてほしかった。自分と同じとこに。]
 

(252) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……それは、忘れててほしかった。>>183
 っていうのは願望の話で、わかってる。

 礼一郎だってわかってる、わかった。
 から、あんまり言い返せる言葉はないんだけど、]

  ……わかってるよ。
  つーか、さっき、わかったよ。
  ……ごめんな、心配かけて。

[ だいじょーぶ。なんて、
 信じられそうもない言葉を吐いて、
 立ち去ってく辰美の背中を見てる。>>183*]
 

(253) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 舞台裏から引っ張ってきた毛布を、
 ふんわりと広げて、それにかけた。

 喜多仲郁斗の姿が見えなくなる。
 けど、こんもり膨らんだ毛布は、
 そこに異質なものがあるって、示す。]
 

(254) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎はそいつの探してたものなんて知らない。
 正気を嫌っていたことも、その理由も、
 とある夜に、あるいはこの世界の果てに、
 何を見たのかも知らない。知らなくてよかった。

 ただ、もう大丈夫だったらいいな。って思う。

 そう思って、足元を見降ろしていた。*]
 

(255) 2020/06/18(Thu) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/体育館──

[ 喜多仲の姿をした人形には、
 ふわりと布がかけられている。

 礼一郎は少し顔色が悪い。
 あと、シャツがしわしわになっている。
 入口のほうに向かおうとして、
 数歩、その場を離れた。ところ。

 目の前にいるのは──、>>259]
 

(260) 2020/06/18(Thu) 19時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……見ちゃいけなかったかな。
 って、礼一郎はちょっと思う。

 髪の毛、ぼさぼさ。
 たぶんそれ寝起きだよね、葉野。

 ゆらりと視線を揺らしてから、
 不自然さのないよう心掛けて答える。]

  ……おはよ、葉野。
  どうした? その──、
 
[ 礼一郎はなんとなく、
 彼女も喜多仲に会いにきたんだと思って、
 そんなはずないのに、そう思って、

 おまえも見に来たのって、
 口に出す勇気はないから、口ごもった。]
 

(261) 2020/06/18(Thu) 19時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……手を振られる。>>259
 おや、と思う。思ってたのと違う。

 でもさ、あっけらかんと笑ってる葉野が、
 もうほんの少し歩いていけば、
 あのこんもりした布を見ることになる。

 おっはー。ってテンションで。
 それはどうだろう。よくないなって、
 礼一郎は考えてしまって、それで、]
 

(262) 2020/06/18(Thu) 19時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……そこに、喜多仲が。
  人形だけど、その──、
  七星のと、同じような、感じで。

[ たどたどしく、そう告げる。
 控え目に、その方向を指さして。

 こういうこと言うとき、
 礼一郎はすごくドキドキする。
 胃がキリキリする。小心者だから。
 それに、こんな状況なんだから。]
 

(263) 2020/06/18(Thu) 19時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ みんな大丈夫じゃない。
 ──って、礼一郎は思ったはずだった。

 でも、目の前にいる級友は、
 無理して笑ってるんでもなくて、
 あからさまに様子がおかしいんでもなくて、

 礼一郎はなんだか、
 わけがわかんなくなってくるよ。
 もうずっと、わからないことばっかりだけど。**]
 

(264) 2020/06/18(Thu) 19時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/18(Thu) 19時頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/体育館──

  ……え、いや。
  もう洗った、けど。

[ おまえが言う? って、
 これが平時なら礼儀も何も忘れて、
 礼一郎は言っていたはずだ。

 だから、あまり元気がなくてよかった。

 寝起きっぽい様子に気を取られていたから、
 まさかそれが遠回しな指摘とは気づかず、
 礼一郎は呆気にとられたような顔をする。]
 

(287) 2020/06/18(Thu) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 七星にそっくりな人形。
 礼一郎はなるほどなって思う。

 ああ。って短くつぶやいた。

 目の前の葉野が、
 あんまりふつうのふるまいだから、
 礼一郎はまだ見てないのかな、とも思う。]

  ……入口の、そうだよ。
  七星。……みたいな人形。
 

(288) 2020/06/18(Thu) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 当然葉野はそれを見ていない。
 という前提で話し出すくらいには、
 あれ、礼一郎にはショッキングな代物だった。

 それを、見るべきか否かと葉野は聞く。
 礼一郎に、確認をするように問うてくる。

 ……答えに躊躇ったのは、
 礼一郎が未だあの人形のことを、
 どう解釈していいか自信がないからだ。]
 

(289) 2020/06/18(Thu) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 喜多仲郁斗の死体が──、]
 

(290) 2020/06/18(Thu) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ リフレインする。]
 

(291) 2020/06/18(Thu) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 少なくとも礼一郎はそう思ったんだから、
 人形なんだから平気だなんて言えるわけないじゃん。]
 

(292) 2020/06/18(Thu) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  イクト、は。

[ ……今度こそちゃんと、
 友達の顔を思い浮かべて呼べたね。

 あれを指して友人の名を呼ぶのが、
 正解も不正解も礼一郎の知ったこっちゃないけど。]

  ……死んでる、ように見える。
  それは、七星のと同じ。

  痛そうだった。
  ……首が、折れてて。

  だからそりゃ、見るのきついよ。
  だってあんなのさあ……、
 

(293) 2020/06/18(Thu) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……友達が死んでるように見える。
  それでも見るべきとか、見たいとか、
  そういう理由があるなら、見ればいいと思う。

[ つまりそれが、不用意に見ないほうがってこと。

 答えになってる? どうだろうな。
 だけどさ、礼一郎の決めていいことかな。
 でも、一言だけ付け足しとこうかな。]
 

(294) 2020/06/18(Thu) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……俺は見たこと、
  後悔してるわけじゃねえよ。

[ それだけ。

 それだけは言っておこうかな。
 あくまで礼一郎個人の感覚として。*]
 

(295) 2020/06/18(Thu) 20時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/18(Thu) 20時半頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/体育館──

  ……ああ、うん。

[ さっきまでより、穏やかな声で言う。

 葉野は、この世界を知るために。
 というようなことを言って、>>312

 礼一郎には、それが少しわかる気がした。]

  ……うん。
  あれも、この世界の一部?
  ──っていうか、
  なにか、なんだよな、たぶん。
 

(314) 2020/06/18(Thu) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  キツイと思うけど、
  そういうことなら……がんばれ?

[ がんばれってのも変な話だけどさ。

 腰、抜かさないようにな。
 ──って、礼一郎は言った。真面目に。
 すでにひとり前例を見てきたせいだ。]
 

(315) 2020/06/18(Thu) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なんかさ、わかんねえけど、
  あの人形、ひどい状態だけどさ、
  誰かの悪意、とかじゃなくて、
  そうなっちゃっただけなら、いいなって。

[ ちょっとだけ確認する。って葉野に、
 礼一郎はただ感想を言う、みたいに言う。

 その五択だったら、どうかな。
 「どちらともいえない」を穴があくほど見つめて、
 腹をくくって「見る」を選ぶ礼一郎です。

 意見が合わないようだな。でも、]
 

(316) 2020/06/18(Thu) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  そんなことないと思う。
  から、キツイって言ってんだけど。

  葉野だって、
  あいつらのこと嫌いじゃないだろ。

[ それなら当然辛いはずだと、
 何を知っているんだか、
 礼一郎は当然のような顔をして言う。

 ふわり。と横切ってく葉野に、>>313
 礼一郎はたちの悪い強がりにだけは物申して、
 逆方向、体育館の外へと消える。*]
 

(317) 2020/06/18(Thu) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ それから行くから。
 ──確かにそう、言ったんだけど。
 どこに? って、さあ、わからない。

 ただ礼一郎は、
 腕でも髪でも引っ掴んでだって、
 追いかけられなかった自分がいやで、

 でも、追いかけられなくって、
 それでもほんとに心配でした。

 そういう気持ちの果ての、
 「 それから行く 」だったから、さ。]
 

(333) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/廊下──

[ するべきことなら思い浮かんだ。
 このことをみんなに知らせるべき、とか。

 でも、あのときの言葉が、>>310
 礼一郎の頭の中を巡っていた。
 
 心配かけてごめん。
 とか言って、ごめん。
 礼一郎は妙に謝っているなあ。
 ずっと、悪いことしたなって、
 本当に思っているから、そうするんだけど。]
 

(334) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 いつも先に礼一郎が謝るのは、
 あるときまでは親に言われたからで、
 あるときまでは鬱憤を晴らす方法を知ってたからで、
 あるときからは、悪いと思っているから。
 

(335) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 今じゃ、それがすべてだよ。
 

(336) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ふと、足元に視線を落とす。

 ぽた、ぽた、と。床に赤色。
 それとはまた別に、青い足跡。
 紫には、見えなかった。礼一郎には。>>193]
 

(337) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ それに、頭の中で色を混ぜる前に、
 礼一郎は走り出してたのだ。

 だって、血に見えた。
 また、血が流れている。
 誰かがああいうふうになる。

 もうやだって、
 今なら礼一郎だって泣きそうだ。]
 

(338) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/購買付近──

[ 点々と続く赤色を追いかけている。

 足元ばっかり見て、
 それの行き着く先を探している。

 息が上がるのは、たぶん、
 懸命に走っているせいだけじゃなかった。

 帰れたんだよって言ったくせ、
 礼一郎はもう友達のあんな姿見たくない。

 誰かが。誰かがああなる。誰が?]
 

(339) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ──たぶん、
 出くわすべくして再会した。
 ほら、あと。追っかけたの、礼一郎だし。]
 

(340) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ えっ? とか、ユキ? って言う前に、
 礼一郎は、視線を手に注いでいる。
 というか、そこから目を離せないでいる。

 雑にべたべた貼り付けられた絆創膏。
 ひとりで手に貼るの、難しいよな。
 ……そんなことも知らねえのかよ。

 あ。何言おうとしてたんだっけ。
 もう出てこない。ダメだな、ほんと。

 何か言おうとしてた唇が震える。
 あ、無理。って思ったんだけど、
 まとまりのない言葉が。あふれて。]
 

(341) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なっ、 んだよ、それ!
  怪我してんじゃねえよ、バカ!
  つか、さっきの今で、
  なんでンなことなってんだよ……

[ 怒ってんのか呆れてんのか、
 ……泣きたいんだかも、わからない。

 けど、礼一郎が言うべきこと、
 こんなことじゃなかったはずなんだけどな。

 というか、謝りにきたんだけどな。
 謝らなくていいって言われた矢先にさ。]
 

(342) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……怖いよ、おまえ。
  ほんと、もう、なんなんだよ……

[ 思ったよりも情けない声が出る。

 いなくなったのかと思った。
 泣き言みたいに小さくつぶやいて、

 ……そう、
 聞くと言ったくせに、
 その前にいなくなったら、許さない。
 ──って、礼一郎はなんだか理不尽を思う。*]
 

(352) 2020/06/18(Thu) 21時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 嫌いな人が死体になってたら?
 

(355) 2020/06/18(Thu) 22時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 礼一郎ならたぶん、
 あ、そう。って一晩眠って、
 翌朝、解放されたと思う。と、思います。
 

(356) 2020/06/18(Thu) 22時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……あ、いや。人じゃなくて。
 

(357) 2020/06/18(Thu) 22時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──少し前/体育館──

  ……ここ、
  誰かの頭ン中なんだろ、
  ……たぶん、だけど。

  だとしたら、それはねえって。
  そんなことするやつ、
  みんなの中にいるわけないじゃん。

[ ……こんなこと、さっき、
 別の誰かにも言った気がするんですが、
 繰り返しちゃうくらい、それは本心だ。

 そうだね。のあとに続いた仮定が、>>353
 あんまりに物騒だったから、
 礼一郎はそれを静かに否定する。]
 

(358) 2020/06/18(Thu) 22時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  そーだよ。
  ……だから、無理すんなよ。

  気分悪くなりそうなら、
  ちょっと、で引いとけ。

[ 大真面目な顔で礼一郎は言った。

 事実にも、自身の気持ちにも、
 礼一郎はなにひとつ嘘をついてないんだから、
 それは当然っちゃ当然だよね。

 じ、と真剣な目でうなずいて、
 今度こそ、じゃあな。ってすれ違う。*]
 

(359) 2020/06/18(Thu) 22時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/購買──

[ 昨日、おまえのお兄さん見てないわーって、
 礼一郎は確か言ったと思うんだけれど、
 やっぱり、ここでも見れないままです。

 跡をたどって、後を追って、
 たどり着いた先で礼一郎が見たのは、
 絆創膏と格闘してる辰美ひとりだった。

 正しさ気取ってんなら、
 とりあえず大丈夫痛くないかいって言えよ。

 ──みたいな指摘を、
 頭ン中でいじくりまわしてる余裕もなかった。]
 

(423) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ つかつかと大股で歩み寄った。

 うるせえって言われたって、
 静かにできるもんなら最初からそうしてる。

 辰美がばつの悪そうな顔をする。>>384
 ごめんって言う。>>385

 けど、礼一郎にはもう、
 自分の正当性も、相手の非も、
 何が本当で正しいのかなんて、
 ひとつも判断ができそうにない。]
 

(424) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……だから、
 謝らなくっていい。とも言えない。]
 

(425) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……いいから、貸せ。

[ 貼りなおす。
 ──って、礼一郎は言って、
 絆創膏の箱に勝手に手を伸ばす。

 あんまり長い文章、喋りたくなくて。
 大きい声も、ちょっと出せる気がしなくて。

 だから、絆創膏でいいの? とか、
 ガーゼとテープ取ってきたほうがよくね? とか、
 それが正しいんだろうなって思いつつ、言えない。

 ……泣いてる友達見ても、
 全然恥ずかしいとか思わないけど、
 ほら、自分だと少し恥ずかしいじゃん。
 ……喜多仲には内緒にしておいてね(笑)]
 

(426) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 表情を見られるのがいやで、
 じっと、その手ばかりを見ていた。

 だから、
 そいつが泣きそう、とも気づかなくて、
 そういうつもりじゃなかった。>>385
 ──って、言われたときも、
 「 わかってる 」としか言えなかった。

 ……そうしているうちに、
 ぽつ、ぽつと言葉が落ちてくる。>>386]
 

(427) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 一瞬、動けない。って思う。
 けど、そんなのただの気のせいだ。
 ただ礼一郎が、ひくりと動きを止めただけ。]
 

(428) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なにその、交換条件みたいな。

[ 笑ったふうを装いたかった。
 あいにく、声は掠れて震えてた。

 ほんとは、そんなことも、
 言わせちゃいけなかったんだよなあ。
 って、礼一郎はぼんやりと思う。
 というか、それを受け入れたら、
 もう全部ダメだよなあ。無理だよ。

 ゆっくりと顔を上げる。
 わら……笑えないな、どうしたって。

 こわばった顔して口を開こうとすると、
 口角が引き攣れて、ちょっと笑顔みたい?]
 

(429) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ だから、やっぱり、
 このまま平気な顔で話を聞く、とか。
 礼一郎にはできそうにもなかった。]
 

(430) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  おまえは、……ユキは、
  話したいって思ったときに、
  そう思った相手に、言えばいいんだよ。
 

(431) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そんなふうに、差し出すなよ。
 そう軽い調子には、口が動かなくて。

 本当は、教えてくれよって言いたかった。
 おまえの話を教えて。力になりたい。

 あるいは、それが俺だったらうれしい。
 とも、これからすることを考えると、
 あんまり付け足すべきじゃない気がする。
 というか、言うべきではない。

 ……何を伝えたかったんだっけ?] 
 

(432) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……そう、俺。
  こんな、怒鳴りに来たんじゃなくて、
  ……いっこ、謝らせてくれる?

[ ユキのこと探してたんだよ、ほんとにね。

 ……口の中が乾ききっている。
 と思いながら、礼一郎は言う。言った。]
 

(433) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……ごまかしたこと。
  あんなのほとんど嘘だった。

  本当のこと言うよりマシって思ったけど、
  たぶん、そのままにしてたら、俺、
  ずっとおまえに後ろめたくて、

  そのうち、本当に心配してても、
  何も言えなくなるような気がする、から。
 
  そのほうが、嫌だなって思って。
 

(434) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ できるだけ、淡々と言っているつもりだった。

 目を見つめていたはずの視線は、
 気づけば無意識に、少し下へと逸らしてしまってた。

 はじめたからには責任をもって、
 礼一郎は最後まで一息に言ってしまうべきだ。

 少しの間、黙りこくっていた。
 数分ってほどじゃない。十秒やそこら。

 はあ、とため息をついたようだけど、
 それはただの礼一郎の癖だった。息を吸う。]
 

(435) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ユキ、あのさ。
  あのとき、俺さあ、
  妹が万引きしたから。
  みたいな言い方したけど、
  あれ、嘘。っていうか、
  嘘じゃないけど、
  俺な、あれ、平気でぶてる。
 

(436) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 一気に、礼一郎はそれだけ言って、
 思ったよりもちゃんと言えたな。って思う。
 ちゃんと? 震えずに、泣いたりせずに、
 思ったよりも低い声で、淡々と。

 それにな、って付け足す余裕もあった。]
 

(438) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  おまえに見られてたの、
  どうしようって思ったけど、
  おまえには、騙したみたいで、
  本当に悪かったって思うけど、

  俺、今もな、
  今までも、ずっと、
  妹には悪いなあなんて、
  一回も思ったことない。
 

(439) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……ごめんな。

  おまえに死んでほしくなくて、
  心配で、どうしたのか知りたくて、
  力になりたかったのは、ほんとだよ。

  おまえの話、ちゃんと聞きたいって、
  思ってる。今も。ほんとに。
  俺、こんなんだけど、嘘じゃねーよ。
 
[ 「ごめん」くらいは目を見て言えたから、
 それだけはよかったな。って、礼一郎は思う。

 でも、それくらいしか、いいことなんてない。*]
 

(441) 2020/06/18(Thu) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/購買──

[ 泣かない努力はしてた。
 って、礼一郎は言い張るだろう。

 声を震わせることなく、
 もしも声を出せたならの話。

 礼一郎は自信がないから、
 絆創膏をまっすぐ、正しく、
 貼り付けることに意識を向けた。

 ひとりで貼るの難しいもんな。
 怒鳴り散らしたあとだったけど、
 痛まないようそうっと剥がした。]
 

(532) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ それはたぶん、というか、
 礼一郎としてはこういうとき、
 やさしくしたいとふつうに思ってる。
 それだけの話。あたりまえのこと。]
 

(533) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 怒っていいって言わなかった?>>387

 取引みたいに差し出されたら、
 礼一郎だって、そりゃ怒るさ。

 ……怒ってんだよ。
 ただ、やましいことが多すぎて、
 あ、言う資格ないなって思う。

 そういう瞬間が礼一郎はいやで、
 だから、こんなことになってる。]
 

(534) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 何も言わずに最後まで聞いてくれたこと、
 礼一郎は感謝してるよ。ありがとう。]
 

(535) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……うん、そう思ったのは、
 礼一郎のほう。だったはずだけど、
 聞こえるの、おかしいよな。>>494

 意気地なしの礼一郎が、
 そんな現実逃避をしている間に、
 強い力に、引っ張られる。

 ……襟首つかまれるとか、
 礼一郎の人生にはなかったもんだから、
 とっさには何が起きたかわからなくて、]
 

(536) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 手。って礼一郎は思った。
 違うほうの手だった。よかった。
 ……よくねえ、なんもよくないけど。]
 

(537) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ のぞき込まれている。
 恥ずかしいから、そんなに見ないでほしかった。]
 

(538) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……嘘、]
 

(539) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 浅ましいよなあ、礼一郎ってば。
 ちょっと安心してんじゃねーよ。
 

(540) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 引くわ。
 って、立ち去られなくて、
 かけてもらえる言葉があって、
 よかった。とか、思ってんじゃねーよ。
 ……どうせ、ほんとはさあ、
 

(541) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……ごめん、ごちゃごちゃうるせえよな。]
 

(542) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 頭の中がもうずっとうるさくて、
 今もやっぱりそうなんだけどさ、

 礼一郎の知ってる辰美が、
 ふだんしゃべる言葉の、100日分くらい。
 ……わかんないけど、たくさん、
 窓の外の雪みたく降り注いでくる。

 礼一郎は強張った表情のまま、
 目を見開いてそれを聞いては、

 ひとつひとつ、噛みしめて、
 解釈して、いろんなことを思った。]
 

(543) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そうだな。礼一郎は偏ってるし、
 妹が食わせてもらえてるわけがない。
 そういうもんだよ。昔からそう。

 辰美の兄が、今どんな形をしてるのか、
 礼一郎は全然知らないなあ。
 聞いたら、教えてくれたんだろうか。

 嫌いなものを好きになる方法なんて、
 この世には存在しないんだと思う。

 つらつらと考えながら、
 礼一郎はずっと、予防線みたいな、
 否定の声を、自分の中に聞いている。]
 

(544) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 だって、そうでもしなきゃ、
 すぐ良い子ぶっちゃうんだよね。
 寝ても覚めても、頭の中でも。
 

(545) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 …………、
 

(546) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……あ。って、
 なんか一瞬、思考がクリアになって、]
 

(547) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 辰美幸俊が泣いている。>>500]
 

(548) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 馬鹿になんかしてねえ。
 ──って、礼一郎は言おうとして、

 そいつがあんまり見たことないような、
 怒ったとか、……傷ついたとか?
 そういう顔をしているもんだから、

 一瞬、いったん、口をつぐんだ。
 でも、やっぱり黙ってられなくて、

 口を開く。あ、苦しい。
 息を吸う。ちゃんと声を出せるだろうか。
 ……とか、考える余裕もなくて、]
 

(549) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ──そんなの、
  そんなの、引き合いに出されて、
  あんなふうに差し出されたって、
  わかったよって、言えるわけねえだろ!
 
  おまえが、自分のこと、あんな、
  ……おまえに、あんなふうに言われて、
  嬉しいわけ、ねえだろ!

  あんなふうにマジな話、
  しようとしてんじゃねえよ!
  馬鹿にしてんのかよ、嬉しくねえよ。

  なんでわかんねえんだよ……
 

(550) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 辰美はちゃんとできていたのに、
 礼一郎は先にお礼を言うというのを忘れてしまう。

 たくさん言うべきところはあったはずなのに、
 礼一郎は思ったよりも礼儀がなっていない。

 喚く、みたいに声をあげながら、
 襟ぐりのところにある手首をつかんで、
 強引に引きはがそうとしてまで、
 めちゃくちゃな手順で言葉を投げつけている。]
 

(551) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……その程度ってなんだよ。
  その程度じゃねえから、
  こんな、こんな…………、

  ……こんな話、してんじゃん。

  うるせえな、期待してたよ。
  おまえならそうやって、
  俺に都合のいいことだって、
  もしかしたら言ってくれるかもって。

  見捨てないでくれるかもって……、
  …………悪いかよ。
 

(552) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ………… ]

  でも、怖いに決まってんじゃん。
  ……なんで俺、平気なの?
  俺にだってわかんねえんだから、
  こんな話、すんの、ふつうにこえーよ。
  隠さなきゃって、思うに決まってんだろ。

[ …………、
 ……他人の手首を、握りしめていた。
 喉はからからに乾いているのに、
 目ん玉だけがぐずぐずに熱かった。]
 

(553) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  俺だって、ほんとは、
  もっとちゃんと、胸張って、
  俺を頼れよって言いてえよ……

[ ……絞り出すような声で言った。
 ごめんもありがとうもなく。

 ただ言葉を浮かぶままに吐き出した。
 礼一郎は。行き着く場所もわからないまま。

 べきもべからずもさておいて、
 それは単純に礼一郎の言葉でしかない。**]
 

(554) 2020/06/19(Fri) 02時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/19(Fri) 02時半頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/購買──
 
[ 一歩引いて見てる。
 ……フリでもしてないと、
 頭がおかしくなりそうってこと。
 
 どこかに行ってた。>>570
 確かにそうなのかもしれなかった。
 
 逃避、くらいしてないと、
 こんな頭で18年も生きてられるかよ。
 ま、だからそれは一種の現実逃避だ。]
 

(583) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 昔なら、殴り合ったって勝てたのにな。
 ちっとも適わなくなったのはいつからだろう。
 
 もうずっと、こいつとこんな乱暴ごとしてないし、
 泣かせるようなこともなかったから気づかなかった。
 
 苦しいんだよって礼一郎は思ったけど、
 それが、その手によるものなのかはわからなかった。
 
 息が苦しかった。
 嘘ついてるよりマシって思ったんだけど。
 本当にそうだったろうか。そうだといい。]
 

(584) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……取返しのつかないこと、なんて。
  もうとっくにつかねえよ、そんなの。
 
[ あと、何があるかな。取返しのつかないこと。
 あっさりと、殺す。の二文字が思い浮かんだが、
 礼一郎にはその重さがよくわからないでいる。
 
 よくわからないのはおかしい。
 それと、確かに、殺すべきではない。
 ということだけを理解して、
 
 まあ、でも、可能性はあるよなあ。
 礼一郎はそんな自己評価を内心で下した。
 
 礼一郎は顔を歪めていたけれど、
 それは卑下とかではなく、事実だと思う。]
 

(585) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ なんでこうなっちゃったんだろう。
 ──って、礼一郎は口元を歪めていた。
 
 襟首から手が離されて、手首をつかまれる。
 呼吸が、少しだけしやすくなる。
 
 辰美が目元を拭うのを見て、
 自分も涙を流している、と気づくけど、
 泣いている……というか、なんだろう。
 
 安堵してしまった。とか言ったけど、
 そんな顔、させたかったわけじゃねえのにな。]
 

(586) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  …………、
 
[ 血の気の失せた、幽霊みたいな顔してる。
 
 ひたりと握られた手首を、>>578
 礼一郎は少しの間、見降ろしていた。 
 
 何か大きな塊を吐き出すみたいに、
 辰美幸俊が言葉を吐き連ねている。
 
 急ぎすぎて足をもつれさせるように、
 ところどころたどたどしくこぼれる言葉が、
 礼一郎の前に、しんしんと降り積もっている。]
 

(587) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 家の話。きょうだいの話。
 なんて、お互い深く踏み込むべきではない、
 線引きの向こう側の話だと思っていた。
 
 ……なんでだろうなあ。
 家に兄がいるらしい。ずっと。
 昔は近所でも評判じゃなかった?
 とか、知ってはいたんだけどなあ。
 
 じ、っと礼一郎は見つめている。
 頼りなく礼一郎の手首を掴んでいる、
 この手が、他人を殺そうとしたのか。
 礼一郎にとっての他人。こいつにとっての兄。
 
 ……そっか。って礼一郎は思う。
 辰美が崩れるみたいに、しゃがみこんでいく。
 ふつうには、見えなかった。見えなくなった。]
 

(588) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 離れていく手を追うように、
 礼一郎も向かいにしゃがんでいた。
 
 先ほどまでの激情が嘘のように、
 礼一郎は静かに、……静かに考えている。
 
 礼一郎はよく、自分のことを考えてた。
 どういうつもりで笑って平気に生きてんだろう。
 
 ……こいつは、どういうつもりで、
 どんな気持ちで毎日生きていたのかな。]
 

(589) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎は手を伸ばした。
 本当はやさしく手を包むとかしたかったけど、
 そいつは頭を抱えてうなだれているし、
 礼一郎の手は包むには小さすぎた。から、

 顔上げろってふうに、頭を抱えた腕をつかんで、
 引きはがして、髪をひっつかんでだって、
 こっちを向かせるつもりだった。なあ。]
 

(590) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 死にたい。とそいつは言った。]
 

(591) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎はいやだ。]
  

(592) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  笑って、ごまかそうとすんな。
  笑ってやるかよ。
  1ミリも笑えねえから。
 

(593) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 笑顔なんて浮かべていなかった。
 
 礼一郎は怒ったような顔をしていて、
 ……していたんだけど、だんだん、
 何かを堪えるように表情が歪む。]
 
  ……辛いなら辛いって、
  そういう顔、してろよ……
 
[ 笑うのへたなくせに、
 こういうときに使ってんじゃねえ。
 ──って、礼一郎は思ったりする。]
 

(594) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 大丈夫。とは言えなくて、
 だって絶対に大丈夫なんかじゃなかった。
 
 礼一郎は知っている。
 ふつうの家族なら殺してくれと言わない。
 うっかり殺しそうになったりもしない。
 
 常識として、知っている。
 だから、本当に悲しかった。
 友達がそういう場所にいることが、
 礼一郎は、やるせない。腹立たしい。
 やってらんねえな。とも、思う。

 思って、掴んでいた手の力を少しだけ緩める。]
 

(595) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ いい加減な作り方された人間ばっかり。]
 

(596) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なあ、ユキ。
  怖いよな。しんどいな。
 
  俺は、聞いてて、
  おまえはなんも悪くねえなって、
  そりゃおかしいよ、おかしいけど、
  びっくりするくらい非がなくて、
  ……そういう理不尽さに、腹が立つけど、
 
  ……だから、なんなんだろうな。
  おまえ自身はどう思うんだろうな。
 

(597) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ だって、泣いてても笑ってても、
 どんな言葉を重ねたって、
 起こった事実は変わらないし、
 流れる血を入れ替えられるわけでもない。

 礼一郎は自分が今後、
 どう生きるべきなのかもわからないし、
 正しい分岐点はもうずっと背後にある気がする。

 結局こうして言葉を重ねるのは、
 礼一郎の気持ちの問題、でしかなくて、
 それって一番不得意なやつなんだけど。]
 

(598) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……俺はさ、
  おまえ自身が辛くても、
  いなくなられんの、いやだ。

  ああもうダメだなって思ったら、
  蹴り飛ばしてでも連れ戻してやるから、
  ……俺がちゃんと見てるから、

  もうちょっとだけギリギリ限界まで、
  生きてらんねえかな、なあユキ。
 

(599) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 連れ戻してくる場所はちゃんと、
 他のみんなもいるような、笑える場所を選ぶから。

 ダメかなあって、礼一郎は、
 乱暴な手つきとは裏腹に、落ち着いて言った。
 他人にしか向けられない、穏やかな声だ。
 嘘じゃないからできる、真面目な顔をしていた。

 なあ、おまえなら分かるだろって思う。
 簡単に言ってしまえば、ほんと単純な話。
 礼一郎は辰美に生きていてほしい。理由。]
 

(600) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……俺だって、おまえのこと、
  本当に大事な友達だって思ってんだよ。
 
[ だから、死ぬんじゃねえって、
 理屈も道理も通らない理不尽を吐いて、
 礼一郎はほんのかすかに笑った。**]
 

(601) 2020/06/19(Fri) 11時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/19(Fri) 11時半頃


倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/19(Fri) 11時半頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/購買──
 
  ……わかってるよ。
 
[ そっから先。
 行きつくとこまで行きついた気でいたのに、
 この世はなんだか果てしなくていやになるな。
 
 真面目に諭されてしまう。>>603
 礼一郎もわかってるよって、
 そんな目をしていたつもりだった。
 
 危うい二人が肩を寄せ合って、
 共感なんぞをしたりできるので、
 案外狂気なんて身近にあるのかもしれない。]
 

(640) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 小さい子どもみたい。……小さいころみたい。
 
 しゃがみこんで泣く辰美を見て、>>606
 礼一郎は少しだけ平和なことを思った。
 
 あたたかな気持ちというは、
 ほんと単純に、昔みたいだなって。
 
 礼一郎も同じように昔みたく、
 腕を掴んで引きはがしてやったって、
 
 掴んだ腕は礼一郎より太くて、
 簡単に体が揺らぐんでもないから、
 そう、なんていうか、ただ、
 
 ……もう、ガキじゃないんだなって。
 大人ってカテゴリがあまりにもう目前で、
 礼一郎はそれになれるかもよくわからない。]
 

(641) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 辰美がそのとき何を考えたかなんて、
 礼一郎にはわからないけれど、>>609
 
 今そこに降り積もっているのなんて、
 礼一郎がそいつに宛てた言葉でしかない。
 から、それはどうだろうな。
 
 少なくとも、
 許す許さないの話じゃねえとは、思う。]
 

(642) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ なんていうか、思うんだけど、
 人間の頭、ぱかっと開けて中を見て、
 手突っ込んで適当にいじれたらいいのに。
 
 でも、人間の中身なんか、
 他人が意図して変えられるものじゃないし。
 他人との関わりで変化することがあったって、
 それは経験を経て本人が変わったから、だと思うし、
 
 そういうことができるならきっと、
 こんなことにはなっていない。
 
 というか、できるんならとっとと、
 礼一郎はそうしておいてほしかった。]
 

(643) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 突然に肩を掴まれて、
 礼一郎はただその顔を見ていた。>>612]
 

(644) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 悲痛という形容が頭をよぎり、
 礼一郎はもう笑えていなかった。
 
 言葉がだんだん、
 細かいところに降りてきて、
 毎日の生活に根差した話に、なって。
 
 礼一郎はそれをじいっと聞きながら、
 そうしたくなってしまって、
 落ち着けと諭すように、
 自らもまた辰美の肩に手を伸ばし、
 ほう、とひとつ息を吐いた。]
 

(645) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……あのさ、俺が言えた話じゃねえ、
  っていうか、俺だから言えんのかな。
 
  おまえさ、家、出たほうがいいよ。
  帰んの怖いんだろ、やなんだろ。
  あのな、待ってたって仕方ねえから。
 
  無駄にならないかもしれないけど、
  たぶん報われるころには、
  おまえがボロボロになってるよ。
 
  ……わかってるよ。
  俺だって、ほんとに、
  ちゃんと生きてく気だってあんだよ。
  …………あるから。
  

(646) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……だから、ちゃんと見てる。
 

(647) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そうっとその肩を撫でていた。
 
 そいつがすっかり泣き止むまで、
 ちゃんと、友人として、
 そこで見守っている気でいる。
 
 内緒にしといて。>>616
 の言葉に、礼一郎は赤みの残る目と、
 もう強張ってはいない口元で、]
 
  ……ああ、お互い。約束な。
 
[ ──って、神妙な表情で言って、
 それから、急に情けねえ会話だなって、
 堪えきれずか、照れ隠しか、笑って。]
 

(648) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ────あ、

[ 一瞬、礼一郎は驚きに目を見開き、
 次の瞬間、ようやく大丈夫の言葉を思う。
 つられるように、礼一郎もくしゃりと笑う。]

  ……や、こっちこそ。ありがと。

[ 本当は礼一郎から言うべきだった!
 ……というか、言いたかったのかもしれない。

 こんなときにも礼一郎は、
 ほんの少しばかりの照れを滲ませてしまって、
 それから、それから……、]
 

(649) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎は教室に、
 喜多仲の人形のことを伝えに戻ろうか。

 ごめん、テレパシーとか何もないから、
 君の期待には応えられていないです。

 このあとどうする? って話を、
 多少交わして、それぞれの道に立つ。
 ことになるんだろう、おそらく。

 んじゃ、って、
 礼一郎は何もなかったふうを装って、
 次の場所へと向かおうとするけれど、

 そうだ。と思い出したように、
 耳貸せって、手招きをする。あのさ、]
 

(650) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 分かった? って、礼一郎は笑う。
 たまに。これからも。
 こうやって囁いてやるから、いきなよ。**]
 

(651) 2020/06/19(Fri) 16時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/19(Fri) 16時半頃


倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/19(Fri) 19時半頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──二階へ──

[ 教室へ戻ろうと思って、
 廊下を歩いていく途中。

 礼一郎はそこを通りがかって、
 あっ。って何かに気づいた顔をする。

 汚さないようにね。と、
 掃除用具をたんと抱えた愛宮は言った。>>653

 ……盲点だったなあ。
 いや、なんか、何度か思った気がする。
 足跡とかいろいろやばいなって。
 ただ、今まですっかり忘れてて──、]
 

(691) 2020/06/19(Fri) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……言い訳はやめよう。]
 

(692) 2020/06/19(Fri) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  悪い、全然気づかなかったけど、
  確かに足跡とか、いろいろひどいな。

[ どうやら愛宮はひとりだった。
 礼一郎はばつが悪そうに頬を掻いて、
 ……そうだ、どこかに礼一郎がつけた、
 黒い足跡も残っているはずだ。

 ……それを思うとちょっと気まずい。]
 

(693) 2020/06/19(Fri) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……ありがとな。
  俺、ちょっと教室戻ったら、
  向こう側から手ェ付けるわ。

[ 向こう側。廊下の反対側を指さして、
 礼一郎はそんなことを言った。

 足跡だけじゃなく、
 どこかに不穏な血痕も残ってるよなあ。
 ……片づけておこう、と内心思う。

 料理にはなじみのない礼一郎だけど、
 ゴミ拾いとか掃除なら、
 得手不得手とかじゃなくできると思う。
 ……あたりまえ? そりゃそうか。]
 

(694) 2020/06/19(Fri) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ともかく、
 そう言って礼一郎は手を振った。

 すでに報告がされているとも知らず、
 地下へ続く階段を横目で見ながら、
 一歩ずつ、上階へと足を進めていく。*]
 

(695) 2020/06/19(Fri) 20時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/19(Fri) 20時頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……うわっ と、
 声を上げられないまま振り返った。]
 

(724) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……心臓が止まるかと思った。
 ぽかんとした顔で、
 礼一郎はそいつが駆けてくのを見た。>>709

 困ったなあ。ってふうに笑う。
 けど、辰美にはそんなの見えないはずだ。

 やだなあ。戻る、だって。
 礼一郎は良い子でいたいと思ってるし、
 その言い方、礼一郎が本当はまるでさあ……、]
 

(725) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ なんて、思ったんだけど、]
 

(726) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在──

[ 階段を上ってく。教室目指して。

 ……の、はずだったんだけど。
 二階まで、でよかったはずなのに、
 三階に続く階段を見て、
 礼一郎は、友人の言葉をふと思い出して、]
 

(727) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 「 招かれたんだったら、
   向き合わなくていいのかなって──、 」>>312
 

(728) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 本当にそうだな。って、
 礼一郎はあのとき思ったんだよね。]
 

(729) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎がこの世界で見たものなんて、
 変わり果てた校舎と、塗りつぶされた扉。
 それから、友人の死めいた光景。そのくらい。

 昨日、教室で聞いた意味不明な言葉。
 黒板に書き足されていた不可解な文字。
 そういうものを、ふと思い出して。

 ……少しだけ。って、
 言い訳をするみたいに礼一郎は思う。

 良い子に戻ったばっかりなんだけどな。
 ……愛宮に悪いなって思って、

 でも、あの囁きを言い訳に、
 辰美には心の中で謝るのを保留する。]
 

(730) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……とたたっと足早に上っていく。
 三階。そこまで上っても階段は続く。
 四階。見たことのない場所を目指して────、]
 

(731) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/踊り場──

[ 少し見るだけだからって、
 言い訳みたいに唱えながら進んでいて、

 ……礼一郎は名前を呼ばれた気がした。>>714
 その瞬間まで、そいつに気づかなかった。

 ペンキの散った壁をバックに、
 カメラを構えた男が立っている。]
 

(732) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ──…… れ、 レイ?

[ 素っ頓狂な声を上げた。
 ?というより?!って感じに。

 向こうも呆けたような顔をしていて、
 礼一郎にはそれがなぜかはわからない。

 ……というか、
 素っ頓狂な声を上げた次の瞬間には、
 残り数段の階段を数段飛ばしで駆け上がって、

 カメラを構えたそいつのもとに、
 勢いよくたどり着くから、
 驚いて落とさないよう、
 カメラはちゃんと持っててくれよ。]
 

(733) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  おまえっ……その恰好!
  どうしたんだよ、レイ、おまえ、
  学校では女装やめないんじゃ──、

[ 正確には、礼一郎が聞いたのは、
 ふたりで会うときは女装はしない。>>1:975って、
 そういう内容の言葉であって、

 礼一郎はそのときも、
 フツーの恰好って表現に微妙な顔をして、
 それでも、なんでふたりのときだけ? とか、
 気になったこと、聞けないままでいて、
 それでも別にいいって思ってて────、]
 

(734) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ どんな格好してても態度変えない。
 そのことを氷室が良しとするなら、>>1:976
 礼一郎は、理由なんて聞かなくてもいいかなと思った。

 そいつがどこでどんな格好をしていようが、
 礼一郎の前で態度を変えないのは、
 氷室だって、中学からずっとそうだった。

 それだけで完結する話だとも思っていた。]
 

(735) 2020/06/19(Fri) 21時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ けど、あんまり急なことだから、
 礼一郎は心底驚いた顔を向けていた。

 その衝撃がやわらいで、ようやく、
 思考や記憶が一足遅れて追いついてきて──、]

  ……つーか、心配、したじゃん。
  どうしたんだよ、急に、いろいろ……

[ 恰好のことにもうひとつ加えて、
 昨日、教室を飛び出してったときのこと。

 何とは言わないが、それを指して、
 礼一郎は、ごくあたりまえに、
 友人を心配する。という声色で言葉を紡いだ。*]
 

(736) 2020/06/19(Fri) 21時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/19(Fri) 21時頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/踊り場──

  ……ちげーわ。

[ 冗談にしては悪趣味だって、
 礼一郎は眉をひそめた。

 口には気を付けろよって、
 礼一郎はたびたび思うし、
 ……ほんとそういうとこ、
 こいつはいつまでも変わらない。

 視線の先でカメラを下ろして、
 氷室怜が満足げに笑っている。>>742]
 

(764) 2020/06/19(Fri) 22時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  俺が言ったから?
  いや、言ったけど、だからって……、

[ 自分のせいなんだろうか。
 ──って、礼一郎は一瞬不安になる。

 だからって、そうしろって意味じゃない。
 そう言おうとして、口を開きかけて、
 氷室が続けた言葉に、いったん閉ざした。]
 

(765) 2020/06/19(Fri) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ──そっか。

[ 今まで聞かなかった理由の断片。>>742

 それを氷室の口から聞いて、
 礼一郎はそれだけ、一言だけ相槌を打った。

 逃げるのは良くない。
 ……理由によるんじゃないかな。
 って礼一郎は思ったりもするけど、

 それは、この友人がもし今度、
 やっぱり辛いなって思うことがあれば、
 「 逃げてもいいんじゃない? 」って、
 礼一郎が気づいて、言えればいいなと思う。]
 

(766) 2020/06/19(Fri) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……まあ、癪だけど、
  腹立つくらい似合ってるわ。それ。
 

(767) 2020/06/19(Fri) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ でも一番は、そういうことがないと良い。]
 

(768) 2020/06/19(Fri) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 心配した。というのは、
 真面目な言葉だったつもりなのに、
 からかってくるんじゃねえよ。って、
 礼一郎はむっとした顔で言い返す。]

  うるせえ。つっつくな。

  ……音楽室で寝てた。ってのは、
  ユキから聞いたから知ってる。

  今、おまえが平気なら、いいけど。
  冗談扱いしてんじゃねえよ。
  ……心配、したわ。マジで。

  ……するに決まってんだろ。

[ 肩をすくめるしぐさが似合っていて、
 それがかえって腹立たしかった。でも、]
 

(769) 2020/06/19(Fri) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……ま、ちょっとは安心した。

[ しゃべってる氷室はいつも通りに見える。
 から、礼一郎は少しは安心できる。]

  ……だから、そういうの、
  全然笑えねーって。

[ ……そういう冗談は、やめてほしいけど。>>745]
 

(770) 2020/06/19(Fri) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……早未も?

[ 早未がいなくなった。
 って、氷室は淡々とした口調で言う。>>746

 飛び降り。死に方の、名前。
 そっか。って礼一郎は言う。同じように返す。]

  俺、喜多仲なら見つけた。
  体育館の舞台袖にいて……、
  首が折れてたから、それかな。

[ 死因の話。人形が模してる死の形。
 ずっと自分の中で引っかかっていること。

 不器用だからじゃないかって、
 そうだと信じたいことについて、ぽつりとこぼす。]
 

(771) 2020/06/19(Fri) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なんで、死んだみたいな、
  ああいうふうになっちゃうんだろうな。

  この世界つくったの、
  俺らの中の誰かじゃないかって、
  そういう話なのに。なんで……、

[ 礼一郎は信じたかった。
 でも、こいつならなんて言うのかなって、
 礼一郎は友人に聞いてみたかったのかもしれない。*]
 

(772) 2020/06/19(Fri) 22時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/19(Fri) 22時半頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/踊り場──

[ 氷室が清々しいまでに笑むのを、>>775
 礼一郎は、いつも通り呆れたふうに、
 一匙の安堵を混ぜた目で見ていた。

 ハイハイそーですね。って、
 学校でも、ファミレスでも、どこでだって、
 二人顔を合わせればしていたみたいに。

 そいつが笑えてんならいいかな。って。]
 

(829) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ だって、友達だし。]
 

(830) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……友達なんだから、
 たまには頼ってほしいけど。]
 

(831) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ なんて、言う必要もないくらい、
 君の今後が晴れやかでありますように。]
 

(832) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……でも、こんな状況だから、
 ずっと笑ってるわけにもいかない。

 名前を挙げれば翳った顔に、>>778
 礼一郎は小さくうなずいた。
 喜多仲郁斗の死体、じゃなくて。人形。

 なんでだろう。
 考えても答えの出ない問い。

 礼一郎が求めてたのは、
 悪気なんてないんだよ、とか、
 自分と似たような意見。……だったのかな。]
 

(833) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ あるいは、そうじゃなくって……、]
 

(834) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 氷室は今日も、
 礼一郎の思ったのと違うことを言う。

 みんな死にたかった。

 まっすぐに見つめられながら、
 礼一郎はその言葉を頭の中で反芻する。]
 

(835) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……イクトは、
  帰りたいって、言ってたよ。

[ 反論になってねえな。礼一郎も思う。
 その説を肯定したくなかっただけだ。

 みんな死にたいなんて、
 そんなのって、救いがなさすぎない?

 それなのに、氷室はあっさりと、
 軽やかなくらいに、自分にはあると言う。>>784]
 

(836) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……躊躇いがちに、口を開く。]

  ……あるかも、な。

[ そんなさらっと言ってんじゃねえよ。
 ──って、礼一郎は思った。口が乾く。
 口をついて出たのはあいまいな肯定だった。

 でも、認めたくないなあ。なんて、
 礼一郎はまだ思ってる。思って、
 友人の顔の上で、視線をさまよわせて、]
 

(837) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……もし、そうだったら、
  すげえショック、なんだけど。

  死にたがってるやつなんて、
  この世界つくった一人きりで、
  もう、十分、キツイじゃん。

[ なんでおまえ平気そうなの? って、
 口に出せなかった部分を舌の上転がして、
 こくん、と一度、唾液を飲んだ。*]
 

(838) 2020/06/19(Fri) 23時半頃

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