212 冷たい校舎村(突)
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[きちんと靴を履いて通がこっちに来てくれた時>>221には、安心しきったかのように笑いかけましたね。 それから、那由多を見て、理一を見て。
聞こえた声>>209に対する反応としては、そうですね]
大切な…ともだち、だからね。 とくべつ。
[くさいセリフを一つ吐いて誤魔化すように口角を上げました。
きっと、じょうずに笑えてはいなかったと思います。 それでも、滲んだ視界で見るこの世界は、きらきらと綺麗で、 共にこの場所で過ごしたみんなとの、あたたかさを知った、ゆるーい笑顔、だったでしょう]*
(227) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/19(Sun) 22時頃
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[ぱちり。目を瞬く。 それから、へへっ、て情けない声で笑ったんだ]
通に怒られンのは、もう御免だなァ。
[>>216 ともだち。 案外そういうのって、中々口にしねェよな。 暗黙の了解みたいなところがあるから。
でもいざ耳にすると、恥ずかいけど、 ちょっと、いや結構、嬉しいもんだな]
(228) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[それから、通の手も取って、 立ち上がったら、腹パンが飛んできた]
ちょ……俺、両手塞がってンのに その仕打ち酷くない?
[なんて、冗談めかしながら咎めるけど、 前髪の奥の目と口元がちゃんと笑えてたから、 まァいいか、許そう、とか偉そうな事を思う。>>220]
(229) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[ 思ってたんだ。けど、]
上履きは結構痛ェからやめようなァ……?
[>>225 さらっと入間が笑顔で言ってのける。 コイツ、多分、マジだ。
いやもう、アンタらさ、 こんな奴らだとは思ってなかったよ。 ここに来るまでサ。
でも、それも悪くねェなって、 俺は入間に返すように笑うんだ。
接客するには、赤すぎるお揃いの目元を向けながら]
(230) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[でもサ、アンタらホント耳聡すぎンだよ。
ほとんど独り言のつもりで言った言葉に、 那由多はこっち見て笑うし、 通と入間からも返事があったし、さァ。
俺はバッチリ聞いてたのに、 照れくさいから聞こえないフリをして、 誤魔化すように鼻をすすった。
そして、みんなが着てるものの 物々交換をしているのを見ながら、 俺はふと、通の方を見遣って手を引く]
(231) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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通。
俺、分かったよ。 俺を俺たらしめるもの。
[さっきは「そんなもんねェ」って言ったけど、 その答えを手に入れられたから。 俺は通を見て、笑った]
(232) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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―――――― アンタらだよ。
[この先、生き返っても、 俺はきっとまた間違ったり、悩んだりするだろう。
でも、那由多や通や入間から貰った言葉があるから、 その言葉を芯にして、俺はこの先も立ってられる。
無いものねだりしなくても、もう大丈夫だ]*
(233) 2017/03/19(Sun) 22時頃
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[ 入間の男前な宣言、とか。 ヒーローっぽくなった 保田の格好、とか。 それらを聞いて、やっぱり自然に笑っていて。 準備を終え、校舎に戻る、前に。 ]
(234) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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[ もう一度、 今度ははっきりと、声がかけられたから。 引かれるままに、橘を見よう。
振り向きざま、 ―― あ、前髪 切ろう。 …って、思えたのは どうしてだろう。
心境の変化、か なんなのか。 不思議な心地になりつつ あのとき貰えなかった橘の答えを、聞く。 ]
(235) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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[ 答えを聞いて 思う。
俺を俺たらしめているものは、 絵都さんの呪い、―― だった。 今までもこれからも、そうだと思って、いて。
だけどきっと、これから。 俺を俺 たらしめてくれるものも、 ともだち というものになるのだろうという …そんな確かな 予感。 ]
(236) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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…ほら、お前 ちゃんと、見つけられただろ。
[ な?って、 こどものように 笑った* ]
(237) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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[みんなと一緒にこの校舎を出よう。 現実世界に帰るために。
―――― そう思っていたんだけどさァ。
校舎の中に戻るために 屋上の階段に近づいて、気付く]
…… ヤベ。階段、崩れてる。
[電飾とか廊下の電気が壊れて、イカレた時から、 もうこの世界長く持たねェなァって思ってたけど もう少し持ってくれてもいいジャン。 頑張れよ、俺]
(238) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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[ …… なんて、言ってる場合じゃねェ。
このままだとみんなと一緒にお陀仏だ。 それだけは絶対に止めねェと。
だけど、中に戻れねェなら……どうする? 考えるまでもなかった。一つしかない。
掴んでいた右手と左手に力を込めて、 それから入間の方を見て、 こっちって言いながら、足を進める。
その先は、フェンスも柵もない、屋上の淵。 察しのいいヤツなら気付くだろう。 このあと俺がなんて言うか]
(239) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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―――――― よし、飛べ。
[そんな無慈悲な宣言を一言。
躊躇するようなら背中を押してやろうかって、 そんな事を思いながら、三人を見据える。
大丈夫だって。死ぬためじゃなくて、 生きるためにここから出るんだからサ、 きっと上手くいくって、へらり]*
(240) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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[ 肩ではためくブレザー>>226は、ヒーローめいて、 屋上に吹き荒ぶ風を受けて、揺れた。
なんせ、ここは、屋上。その淵。 遠く 遠く の地面を見下ろした一瞬、
それから、俺は振り返って、]
── おまえ、
[ 崩れた階段を見たときも、 そのまま、手を引かれたとき>>239も、
我慢していた言葉を、吐く。]
(241) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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ほんっと、最後まで、めちゃくちゃな──、
[ 校舎のほうからは、不穏な音しか しなくて、 呆れたような、怒ってるような、 そんな顔をしていたはずが、
いつの間にやら、俺、 脱力した みたいに、笑っていた。
それから、手を出す。「 はい 」って。両手。 右手、まだ、つながってたかな。
それから、左手は、入間のほうに。]
(242) 2017/03/19(Sun) 22時半頃
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手、繋いでりゃ、はぐれねーだろ
[ なんで って、疑問はあった? 俺は、当たり前 って顔で、そう言った。
大丈夫、この世界のかみさまが、 大丈夫 って、言ってんだからさ。
怖くなんて、ないよ。
そういう気もちは、 へらり と、返した笑みに込めた。]
(243) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[ 不思議と、本当にさ、恐怖はなかった。
あ、いや。高所への恐怖 くらいは、若干。 でも、なんでかな、飛べ って言われて、 そこに、抵抗はなかったよ。だから、みんな一緒に。]
── 帰ろう
[ 振り向いて、手を差し出した そのままの向きで、 手は取ってくれた? 心配 なんかじゃ、ねえけどさ。
俺は、体重をぐらりと後ろに倒す。 きっと、安心しきった顔をして、 世界が傾いた。冷たい空気が、頬を掠めて、
それから、見上げた 空に、 ひかり が、見えたような、気がした。*]
(244) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[『人を、人たらしめるもの』 それは相変わらず、私には分かりそうにありません。
将来ファッションデザイナーを目指すあの子も、 キャンバスで微笑んでいたあの子も、 ヒーローに憧れていたあの子も、 秘密を抱えた優しくて寝坊助なあの子も、 キラキラとした可愛いらしいものが好きなあの子も、 ふわふわの空を夢見るみたいなあの子も、
みんな、みんな、違う人ですから。 “おなじ”なんてものは、ないのです]
(245) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[知っているようで知らない私達は、 知るために言葉を交えて向き合うのでしょう。 その時にもしかしたらいろんな服を着るかもしれません。>>2:564
時にはぶつかり合ってしまうこともあるでしょう。 ですがそれは、一人じゃ出来ないことです。 “おなじ”じゃないから私たちは言葉を操り、心を通わせられるのだと、私は思います。
みんながいるからできる、とくべつなこと]
(246) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[ …校舎に、戻ると思ったんだけどなあ。 校則通り、昇降口から帰ろうと、して。
もう校舎の形が崩れている なんて そんなこと まるで考えていなくて、 脚が止まる。 …この世界がこんなになっているって つまり お前相当やばいんじゃないの、なんて 縁起の悪いことは言えない。 ]
(247) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[『人を人たらしめるものもの』 その答えの代わりに、 『入間 悠をたらしめるもの』 なら、知り得たような気がします。
それは、今までの思い出。 生まれてから今までの人生。 そこで関わってきたすべてが、 私を形作っていってくれたのだと、思います。
まだ、解決してきないことは山ほどあります。 だけど、新しく知れた『男前な入間 悠』は壊れていく世界にビビるほど、臆病じゃ、ないんだ>>239]
(248) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[ どうするか。 このまま此処に居たら、 橘と帰るどころか四人揃ってお陀仏だろう。 それは、勘弁願いたい。 どうしようかと考えていれば、 再度 手が引かれて 寒空の下へ戻る。 行き先、は。 ……見間違いでなければ、屋上の淵。 何時かと違って、フェンスもなにもない。
此処で気付く。 きっと 表情 ぎょっとしていた。 ]
(249) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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おまえ、 おい この、…
[ ―― 落ちたら死ねそう、と そう思ったときが懐かしい し、 まさか似たようなことをやらされるなんて、 果たして誰が想像できただろう。
橘の無慈悲な宣言にひきつった口元。 まじかよ。そんな言葉も忘れずに。
相変わらず地面は見えないし、 ごうごう風は吹いてるし、 だけど校舎内へは入れない、し。 ]
(250) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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手、繋いであげよっか?
[なんてのは、強がり。本当にさいごまではちゃめちゃ>>242
怖いに決まってる。 本当、こんな経験、二度とないんじゃないかなってくらい、高いんだもん。ここ。
よく、こんなところから理一は飛び降りようと思えたなぁって私は呆れたような顔をしたと思う。 それこそ私には“分からない話” だけども、みんなに向けた視線は、 高さに怯える中に混じる、わずかな好奇心。
これ、もしかしたら引かれるかもしれないけど、でも今更だよね]
そだね。万が一離れても、ダッシュで追いかけるよ。
[右手で那由多の手を握りながら笑う。 理一ならきっと分かるだろうけど、瞳に映るのはマジ>>230 本気だよって顔をしながら、通と那由多にも視線を向けた]
(251) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[ …だけど、保田は笑っているし。 入間も、…笑っているし>>251。 なんだよ お前ら。 しかも、なんでこっちも、つられて笑うんだろう。 あーもう、しょうがないやって、 怒る気力も何処かへ行って、笑う。 ―― 最後まで、滅茶苦茶だ 本当に。 俺の 友達って奴は。 ]
(252) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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―― 全員、真っ直ぐ帰ること。 約束。絶対だからな。 破ったら 説教。
特に 橘! お前、どんだけ痛くても苦しくても、 …そのまま、死ぬなよ。帰ってこいよ!
[ 言ってみたけれど、 委員長みたいな台詞、合わないだろうか。 片手は、橘の手を強く握って、 もう片方、空いている手は ひらひらと。 おーけーです、って そういう合図。 "かみさま"の、言うこと。 真っ直ぐに信じるのも、悪くない。 ]
(253) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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……じゃあ 帰ろう。
[ 一歩 真白な空気へと 躍り出て。 ―― 自然と 傾くからだ。 恐怖 は、あったなあ。 景色が真っ白なこと、とか、 地面がなくなってしまうこと、とか。
…ああ だけど、それでも 友達がいれば 怖くないんだなあ って
本当に 今更 気付いて。 その気持ちを抱いたまま、 ]
(254) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[ ――― 落下。 ]
(255) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[ 感じて いたもの。 風を切る音と、 繋がれた手、生きている人の温もり。
見えて いたもの。 真白な景色と、繋いだ手の先、の 友人の姿。
それから。 ちか、ちか 瞬くような光が見えたのは、 ―― 気のせい だったの かな* ]
(256) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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